148 / 304
第4章 アルヘナ動乱
第145話 チセの鉄拳
しおりを挟む
「師匠、ほんとにこれ作れるんですか!」
漫画のように描かれた、大きな鉄の拳で敵を殴っているシーンを見てチセが驚きの声を上げる。
「任せろ! チセのためだ、俺が絶対作ってやるさ」
アイシャとカリンも俺が描いた絵を見に来た。
「こんなに大きな腕、重いわよ。持って振り回せるの?」
「腕だけ大きいってカッコ悪る! チセ、止めておきなさいよ」
「あたしは、これカッコイイと思います!」
チセとカリンが睨み合っているが、チセが気に入ったと言うなら、俺がそれを叶えてあげないとな。
「チセ専用のオーダーメイド武器だ。まあ、作れん事はないだろ」
「師匠、あたしも一緒に頑張りますね。絶対に作ってみせましょう!」
うん、うん。いつもの元気なチセに戻ったようで俺も嬉しいぞ。
翌日、エギルの工房に行って大きな鉄アレイを2つ作ってもらった。これは練習用だ。俺の思っている武器が本当に使い物になるのか、試験も兼ねた試作品になる。
「チセ。今度は拳を正面に連続で打ち出す!」
「はい、師匠!」
俺とチセは、家の裏庭で空手の練習をしている。チセは筋がいい。剣術より体術の方が合っているのか、基本の型はすぐに覚えた。
「次は上げ突きだ。相手の顎を狙え」
「はい、師匠!」
次に鉄アレイを両手に持ってもらったが、綺麗なフォームのまま突きを繰り出す。
剣とは違い2発、3発と連続で左右の拳を叩きつける事ができている。これなら、あの大きな武器も使いこなせそうだ。
チセにはそのまま練習を続けてもらい、俺は食堂のテーブルに戻って鉄拳武器の設計をする。
鉄アレイのような握りの前面に鉄の拳を作る。そこから肘までは腕を覆い肘を曲げられるようにするが、外側を少し伸ばして肩付近を防御させよう。近接戦闘だから胴体や足なども防御しないと駄目だが、それは市販の鎧でカバーすればいいか。
「あんた、いつにもましてニヤケてるわね」
「うわっ! カリンか。びっくりさせるなよ」
「チセにあまり変な物、持たせないでよね。あれでも女の子なんだから」
変な物ではないのだが、確かに無骨すぎるか……。そうだなデザインにも凝って、飾りや宝石なども付けてみるか。特注品なんだから何とでもできる。
「チセ。武器を描いてみたが、これはどうかな」
「かっこいいです、師匠」
気に入ってくれたようだな。装飾部分の宝石は、この前もらった魔の森で採れた赤や青の宝石を付けたいと言ってきた。
「それと師匠、これに魔弾銃を付けることはできますか?」
そういえば、巨大ロボも腕から弾丸を飛ばしていたな。こいつならそれも可能か。
「いい発想だ。よし、魔弾銃も装備してみよう」
だが腕の外側に付けると、殴った時にすぐ壊れてしまう。外側には射出口だけを付けて内蔵型にしてみるか。
「腕の中に小型の魔弾銃を内蔵しよう。だがこれだと魔弾は1発しか撃てなくなるが、どうかなチセ?」
「接近するときに使いますから、1発撃てれば充分です」
左右1発もあれば接近する敵の足止めや牽制にはなるか。魔獣との戦いを想定したら、近接戦闘では爪や牙からしっかりと身を守れないとダメだよな。
「チセ用の鎧を見に行こうか。アイシャ、カリン一緒に来てくれないか」
防具屋で俺は銀色のフルプレートの甲冑がいいと言ったが、みんなに却下された。
「ユヅキさん、それはないわね」
「師匠。あたしも、それは可愛くないと思います!」
カッコイイと思うんだがな。その後もみんなで店を見て回る。
「チセ、小っちゃいから、合う大きさのものが少ないわね」
結局、スカート型のプレートアーマーのパーツと鉄のブーツ、頭はティアラのような飾りのついた帽子型の兜に落ち着いた。胸当てや膝当てなどチセの身体にい合うパーツを組み合わせる。確かにこちらの方が動きやすいか。
兜には目を守るプレートが収納されているし、これで防御は完璧だな。主な防具の塗装は、濃い紫色に赤と金色の線があしらわれていて、なかなか美しいじゃないか。
そうだ、防具なら肝心なことを聞かないとダメだった。
「店員さん、これに魔法耐性は付いているか?」
「いいえ、付いていません。別料金とはなりますが、耐性付与は可能です」
聞くところによると、1属性の魔法耐性は安くてすぐできるが、全属性ともなると時間もかかり金貨数枚が必要だという。
「それなら、火と水の2つの耐性を付けておいてくれ」
他の土と風は鎧の物理的な防護でカバーできるだろう。
「耐性付与とサイズ調整で1週間ほど時間を頂きます。サイズを測りますので、こちらへどうぞ」
後はアイシャ達に任せておこう。サイズの測定などは一緒に行けないしな。俺は腕の武器をエギルの工房に頼みに行くとしよう。
「本体はうちでできるが、装飾は別の専門の工房に頼むから、少し時間がかかるな」
「魔法耐性も火と水を付けたいんだが」
「それは、魔術師協会か防具屋だな。こっちで一緒に依頼しておこう」
「この内部に魔弾銃を組み込みたいんだが、それは大丈夫か?」
「ああ、任せておけ。魔弾銃の開発には俺も関わってよく分かっている。大丈夫だ」
エギルには図面を見せて、重さの指定と丈夫に作ってもらうように頼む。チセから預かった宝石の原石を渡して、装飾は大体のデザインと防具に合わせた色を指定する。
今回は図面通りでなくてもいい。後は本職に任せて自由に作ってもらおう。どうも俺のセンスはダメなようだからな。
1週間後、チセの防具の調整が終わって試着している。「カワイイわよ」とカリンが言っているが、おしゃれ着じゃないんだぞ。
だが、腰の鉄プレートの隙間から見える肌はなかなかいいものだ。チラリズムというのか、健康的なお色気がいい感じだ。
だが接近戦で肌が露出するのは怪我の元になる。俺からは防具の下に着る、メイド服をプレゼントしよう。メイド服に鎧、これで完璧だ!
その5日後、待望のチセ専用の鉄拳武器が出来上がった。
「師匠、ありがとうございます。こんな立派な武器を作ってもらって」
「チセ。重くないか? 動きはどうだ?」
「はい、大丈夫です。中の魔弾銃の操作もちゃんとできますよ」
中の握り手の横に引き金用の押しボタンが付いている。ちゃんと動作するようだし、操作も簡単にできると言っている。
「思ってたより、かっこいいわね~」
「そうね。この金色の装飾と手首に付いている、赤と青の宝石が綺麗ね」
やはり専門家に任せて良かった。シンプルなデザインだが凝った彫刻と綺麗な色遣いだ。前面の鉄拳ももっと大きなものを想像していたが、ボクサーの小さなグローブ程の拳から腕のカバーにつながる曲線が美しい。
「よし明日、早速魔獣討伐に行ってみようか」
翌日。魔の森で灰色熊の討伐をチセひとりでしてもらう。
「俺達が後ろについてるからな、危なくなったら逃げるんだぞ」
「師匠の作ってくれた、この武器があれば大丈夫ですよ」
チセは元から魔獣などに対して恐怖心を抱かない。見つけた灰色熊に向かって淡々と歩いていく。
ガチャガチャという鎧の音に気がついたか、熊がチセに向かって走り出した。チセも熊に向かって走り出す。魔法の射程に入って熊が立ち上がり、両手から岩を投げつける。
その岩をチセの鉄拳が砕く。なおも岩を投げつけてくるが、チセは走りながらことごとく叩き割る。
魔法攻撃を諦めた熊が四つん這いになり、牙をむいてチセに突進してきた。
「せ~のっ!」
チセが渾身の一撃を熊の顔めがけて打ち込むと、血しぶきを上げて灰色熊が倒れ動かなくなった。
チセは無事かと走り駆け寄ったが、ザクロのように頭がつぶれて真っ赤になった熊が転がっている。これは即死だな。鉄拳が返り血で赤くなっているが、チセには傷ひとつ無い。
ドワーフは肩から背中にかけて鉄のような鱗がある。鍛冶屋などはそれを利用してハンマーを振るうという。チセもその鱗を利用して強烈な一撃を放ったのだろう。
「すごい威力ね。一撃で倒すなんて」
「岩も上手く避けたり、叩き落としていたわね。やるわね、チセ」
「えへへ、師匠に教わった体術のお陰です。あっ、あっちにも熊がいます。行ってきます」
「キーエ」
今度はキイエがチセの肩に乗って、一緒に魔法の岩を砕いていく。キイエは一緒に遊んでもらっていると思っているのか、次々に飛んで来る岩を撃ち落としていく。接近したチセが、またしても一撃で灰色熊を倒している。
これはすごいな、想像以上だ。倒した2頭の灰色熊をギルドの大きなカウンターに持っていく。
「これを嬢ちゃんが倒したのか?」
「はい、師匠の作ってくれたこの武器で」
チセが自慢げにニッコリと、背中に担いだ鉄拳武器を見せる。
「なるほど、それで頭だけ無くなっているのか。体に傷が無いし優良にしとくか」
依頼完了の紙を持って受付窓口へ行く。
「チセちゃんひとりで、灰色熊2頭を倒したの? まだ青銅ランクだよね」
「はい、新しい武器のお陰です」
「そ、そうなの……すごいわね。そうだチセちゃん、今回のでレベルが4に上がったのよ。おめでとう! もうすぐ鉄ランクだね。頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
その後、チセに『血まみれの鉄拳娘』との異名が付いて、ギルドのみんなから恐れられる存在になったという。
漫画のように描かれた、大きな鉄の拳で敵を殴っているシーンを見てチセが驚きの声を上げる。
「任せろ! チセのためだ、俺が絶対作ってやるさ」
アイシャとカリンも俺が描いた絵を見に来た。
「こんなに大きな腕、重いわよ。持って振り回せるの?」
「腕だけ大きいってカッコ悪る! チセ、止めておきなさいよ」
「あたしは、これカッコイイと思います!」
チセとカリンが睨み合っているが、チセが気に入ったと言うなら、俺がそれを叶えてあげないとな。
「チセ専用のオーダーメイド武器だ。まあ、作れん事はないだろ」
「師匠、あたしも一緒に頑張りますね。絶対に作ってみせましょう!」
うん、うん。いつもの元気なチセに戻ったようで俺も嬉しいぞ。
翌日、エギルの工房に行って大きな鉄アレイを2つ作ってもらった。これは練習用だ。俺の思っている武器が本当に使い物になるのか、試験も兼ねた試作品になる。
「チセ。今度は拳を正面に連続で打ち出す!」
「はい、師匠!」
俺とチセは、家の裏庭で空手の練習をしている。チセは筋がいい。剣術より体術の方が合っているのか、基本の型はすぐに覚えた。
「次は上げ突きだ。相手の顎を狙え」
「はい、師匠!」
次に鉄アレイを両手に持ってもらったが、綺麗なフォームのまま突きを繰り出す。
剣とは違い2発、3発と連続で左右の拳を叩きつける事ができている。これなら、あの大きな武器も使いこなせそうだ。
チセにはそのまま練習を続けてもらい、俺は食堂のテーブルに戻って鉄拳武器の設計をする。
鉄アレイのような握りの前面に鉄の拳を作る。そこから肘までは腕を覆い肘を曲げられるようにするが、外側を少し伸ばして肩付近を防御させよう。近接戦闘だから胴体や足なども防御しないと駄目だが、それは市販の鎧でカバーすればいいか。
「あんた、いつにもましてニヤケてるわね」
「うわっ! カリンか。びっくりさせるなよ」
「チセにあまり変な物、持たせないでよね。あれでも女の子なんだから」
変な物ではないのだが、確かに無骨すぎるか……。そうだなデザインにも凝って、飾りや宝石なども付けてみるか。特注品なんだから何とでもできる。
「チセ。武器を描いてみたが、これはどうかな」
「かっこいいです、師匠」
気に入ってくれたようだな。装飾部分の宝石は、この前もらった魔の森で採れた赤や青の宝石を付けたいと言ってきた。
「それと師匠、これに魔弾銃を付けることはできますか?」
そういえば、巨大ロボも腕から弾丸を飛ばしていたな。こいつならそれも可能か。
「いい発想だ。よし、魔弾銃も装備してみよう」
だが腕の外側に付けると、殴った時にすぐ壊れてしまう。外側には射出口だけを付けて内蔵型にしてみるか。
「腕の中に小型の魔弾銃を内蔵しよう。だがこれだと魔弾は1発しか撃てなくなるが、どうかなチセ?」
「接近するときに使いますから、1発撃てれば充分です」
左右1発もあれば接近する敵の足止めや牽制にはなるか。魔獣との戦いを想定したら、近接戦闘では爪や牙からしっかりと身を守れないとダメだよな。
「チセ用の鎧を見に行こうか。アイシャ、カリン一緒に来てくれないか」
防具屋で俺は銀色のフルプレートの甲冑がいいと言ったが、みんなに却下された。
「ユヅキさん、それはないわね」
「師匠。あたしも、それは可愛くないと思います!」
カッコイイと思うんだがな。その後もみんなで店を見て回る。
「チセ、小っちゃいから、合う大きさのものが少ないわね」
結局、スカート型のプレートアーマーのパーツと鉄のブーツ、頭はティアラのような飾りのついた帽子型の兜に落ち着いた。胸当てや膝当てなどチセの身体にい合うパーツを組み合わせる。確かにこちらの方が動きやすいか。
兜には目を守るプレートが収納されているし、これで防御は完璧だな。主な防具の塗装は、濃い紫色に赤と金色の線があしらわれていて、なかなか美しいじゃないか。
そうだ、防具なら肝心なことを聞かないとダメだった。
「店員さん、これに魔法耐性は付いているか?」
「いいえ、付いていません。別料金とはなりますが、耐性付与は可能です」
聞くところによると、1属性の魔法耐性は安くてすぐできるが、全属性ともなると時間もかかり金貨数枚が必要だという。
「それなら、火と水の2つの耐性を付けておいてくれ」
他の土と風は鎧の物理的な防護でカバーできるだろう。
「耐性付与とサイズ調整で1週間ほど時間を頂きます。サイズを測りますので、こちらへどうぞ」
後はアイシャ達に任せておこう。サイズの測定などは一緒に行けないしな。俺は腕の武器をエギルの工房に頼みに行くとしよう。
「本体はうちでできるが、装飾は別の専門の工房に頼むから、少し時間がかかるな」
「魔法耐性も火と水を付けたいんだが」
「それは、魔術師協会か防具屋だな。こっちで一緒に依頼しておこう」
「この内部に魔弾銃を組み込みたいんだが、それは大丈夫か?」
「ああ、任せておけ。魔弾銃の開発には俺も関わってよく分かっている。大丈夫だ」
エギルには図面を見せて、重さの指定と丈夫に作ってもらうように頼む。チセから預かった宝石の原石を渡して、装飾は大体のデザインと防具に合わせた色を指定する。
今回は図面通りでなくてもいい。後は本職に任せて自由に作ってもらおう。どうも俺のセンスはダメなようだからな。
1週間後、チセの防具の調整が終わって試着している。「カワイイわよ」とカリンが言っているが、おしゃれ着じゃないんだぞ。
だが、腰の鉄プレートの隙間から見える肌はなかなかいいものだ。チラリズムというのか、健康的なお色気がいい感じだ。
だが接近戦で肌が露出するのは怪我の元になる。俺からは防具の下に着る、メイド服をプレゼントしよう。メイド服に鎧、これで完璧だ!
その5日後、待望のチセ専用の鉄拳武器が出来上がった。
「師匠、ありがとうございます。こんな立派な武器を作ってもらって」
「チセ。重くないか? 動きはどうだ?」
「はい、大丈夫です。中の魔弾銃の操作もちゃんとできますよ」
中の握り手の横に引き金用の押しボタンが付いている。ちゃんと動作するようだし、操作も簡単にできると言っている。
「思ってたより、かっこいいわね~」
「そうね。この金色の装飾と手首に付いている、赤と青の宝石が綺麗ね」
やはり専門家に任せて良かった。シンプルなデザインだが凝った彫刻と綺麗な色遣いだ。前面の鉄拳ももっと大きなものを想像していたが、ボクサーの小さなグローブ程の拳から腕のカバーにつながる曲線が美しい。
「よし明日、早速魔獣討伐に行ってみようか」
翌日。魔の森で灰色熊の討伐をチセひとりでしてもらう。
「俺達が後ろについてるからな、危なくなったら逃げるんだぞ」
「師匠の作ってくれた、この武器があれば大丈夫ですよ」
チセは元から魔獣などに対して恐怖心を抱かない。見つけた灰色熊に向かって淡々と歩いていく。
ガチャガチャという鎧の音に気がついたか、熊がチセに向かって走り出した。チセも熊に向かって走り出す。魔法の射程に入って熊が立ち上がり、両手から岩を投げつける。
その岩をチセの鉄拳が砕く。なおも岩を投げつけてくるが、チセは走りながらことごとく叩き割る。
魔法攻撃を諦めた熊が四つん這いになり、牙をむいてチセに突進してきた。
「せ~のっ!」
チセが渾身の一撃を熊の顔めがけて打ち込むと、血しぶきを上げて灰色熊が倒れ動かなくなった。
チセは無事かと走り駆け寄ったが、ザクロのように頭がつぶれて真っ赤になった熊が転がっている。これは即死だな。鉄拳が返り血で赤くなっているが、チセには傷ひとつ無い。
ドワーフは肩から背中にかけて鉄のような鱗がある。鍛冶屋などはそれを利用してハンマーを振るうという。チセもその鱗を利用して強烈な一撃を放ったのだろう。
「すごい威力ね。一撃で倒すなんて」
「岩も上手く避けたり、叩き落としていたわね。やるわね、チセ」
「えへへ、師匠に教わった体術のお陰です。あっ、あっちにも熊がいます。行ってきます」
「キーエ」
今度はキイエがチセの肩に乗って、一緒に魔法の岩を砕いていく。キイエは一緒に遊んでもらっていると思っているのか、次々に飛んで来る岩を撃ち落としていく。接近したチセが、またしても一撃で灰色熊を倒している。
これはすごいな、想像以上だ。倒した2頭の灰色熊をギルドの大きなカウンターに持っていく。
「これを嬢ちゃんが倒したのか?」
「はい、師匠の作ってくれたこの武器で」
チセが自慢げにニッコリと、背中に担いだ鉄拳武器を見せる。
「なるほど、それで頭だけ無くなっているのか。体に傷が無いし優良にしとくか」
依頼完了の紙を持って受付窓口へ行く。
「チセちゃんひとりで、灰色熊2頭を倒したの? まだ青銅ランクだよね」
「はい、新しい武器のお陰です」
「そ、そうなの……すごいわね。そうだチセちゃん、今回のでレベルが4に上がったのよ。おめでとう! もうすぐ鉄ランクだね。頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
その後、チセに『血まみれの鉄拳娘』との異名が付いて、ギルドのみんなから恐れられる存在になったという。
157
お気に入りに追加
968
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる