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第3章 ドワーフ編
第114話 ガラス職人 ボルガトル
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「ボルガトルさん。今日もガラス球作らせてくださいね」
ここ最近、ドワーフの小さな娘が、俺の工房にやってくるようになった。
何でもランプの実験とかでガラス球を作っていると言っているが、よく分からん。
ガラス職人の見習いとはいうものの、無駄のない動きでテキパキとガラスを作っている。
「おい、炉の賃料はいらんから、こっちの仕事を手伝わんか」
「え、お金無しで炉を貸してくれるんですか。やります!」
こいつなら仕事を手伝わせても大丈夫だろう。
俺は弟子を取っていない。一人息子はいたが、離婚した嫁について行き10年以上も会っていない。
稼ぎが少ないだの、大きな家に住みたいだのと言ってこの家を出て行ったあいつは、親戚のいる遠い町に住み音沙汰もない。
ガラスの需要は少なく、ほとんどが窓ガラスの注文だ。俺は工芸品やガラスのコップも作るが、そんな高価な物は貴族のパトロンでもいない限り売れない。土産物としては売れるが、この町に観光で訪れる者は少なく行商人が少し買っていく程度だ。
今日もギルドから注文のあった窓ガラスを作っている。
「おい、こっちに来て、このガラスを注文通りに切ってくれ」
「はい、分かりました」
元気よく答えるこの娘を見ていると、息子にも修業させてやれば良かったと後悔ばかりが募る。
「ボルガトルさんのガラスは均一ですごいですね。あたしもこんな窓ガラス作ってみたいです」
「俺が何年ガラス職人してると思ってんだ。10年早いわい」
本当はそんなことはない。俺には及ばないとしてもこの娘の技術は確かなものだ。よい修業をつけてもらっていたんだろう。
「お前の親方はザハラと言っていたな」
「お義父さんなんですが、お知り合いですか?」
「いいや。昔よく似た名前の奴がいた気がしただけだ」
俺が子供の頃、この工房にドワーフの子供が2週間ほど修業に来ていたことがあった。俺より年下だったが、ガラスを器用に扱っていたことを覚えている。
そいつの名前がザハラだったと記憶している。
「お前はいつから修業していたんだ」
「6歳の頃から修業をしています。でも他の仕事とかもしてたので、その分修業年数は少ないです」
「その割には上手いもんだ。今作っているガラス球はちゃんと丸くなってるじゃねーか」
「この程度の大きさならできます。もっと大きい物や極端に小さい物はまだ作れません」
その歳で、正確な丸い球が作れりゃ上等なんだがな。
「色付きや細長いガラス球だのと、色んな物を作っていたようだが、練習でもしてたのか」
「いえ、あれは比較実験用のガラス球で色々と作らないとダメなんです」
「ヒカク……何だって? 最近の若いもんは何言ってんだかよく分からんな」
今日もまたドワーフの娘が来た。
今度は変な図を見せて、これを作ってほしいと言ってきた。
人族の男が描いた図だそうだが、こんな図は見たことがない。ドワーフの娘が図を見せながら説明してくる。
聞くと丸いガラス管の真ん中がくびれていて、砂粒数個分の細い通路を作るそうだ。
「まずは、作ってみんと分からんな」
細いガラス管を作って捻じって、中央の通路を作ってみる。ガラスの型を作るための細かな砂を入れてみたが、すんなりと落ちない。
次は中央部を鉄の箸で挟んで細くしていく。今度は砂が落ちすぎてしまう。道具ではなく手の感覚だけで加工していかんと、この微妙な通路は作れんようだな。
「よし、分かってきた」
ガラス管の真ん中部分だけを熱する必要があるが、この大きな炉では難しい。穴の開いた石板を炉に入れ、その穴から噴き出す炎でガラス中央部を熱する。
熱し過ぎず手袋の手で持てる温度で引っ張り出し、捻じらずまっすぐ引っ張れば砂の通路ができそうだ。
引っ張りすぎず細い通路になるまで何度か繰り返す。これは集中力がいる作業だな。見た目では通路ができているように見える。試してみるか。
「おい、砂を持ってきてくれ」
「はい」
ガラス管の端から砂を入れて立ててみる。
「どうだ」
「はい、ゆっくりと砂が落ちてますね。さすがボルガトルさんです」
「中にどれぐらいの砂を入れるかだが」
「30を数えて落ち切る分だけの砂が必要ですが、それはあたしがやります」
砂を振るいにかけ、同じ大きさの砂粒を集めるようだな。
「よし、それは任せた。俺は本番のガラス細工を作る」
砂は相当量いるな。だからこの絵にあるように両端を丸く膨らませて砂を蓄えるんだな。そこまで計算して、この絵を描いていると……まだできてもいない物が、あの人族の男には見えているのか。
その絵の通り、両端を膨らませたガラスを作り、中央部を熱して細くする。
「よし、できたぞ。この上の穴から砂を入れて、溶けたガラスで封をしろ。それぐらいはできるな」
「はい、大丈夫です」
この娘なら、仕上げを任せてもいいだろう。俺はこの感覚を忘れんようにもう2つほど同じ物を作っておくか。
ドワーフの娘が中に砂を入れて、完成した物を持ってきた。なかなかに綺麗なガラス細工ができたな。
「ボルガトルさん。ありがとうございます。やはりあたしではこれを作るのは無理のようですね」
作った砂時計というやつを、くるっと回して砂が落ちるのを見ている。
「あっ、しまった。大きな砂粒が混じっていました。すみません」
「まあ、いい。ここにもう1個ある。今度は慎重にな」
「はい」
元気に返事をして、砂が置いてある台に向かっていった。
俺もちゃんと弟子を育てていれば、あんな弟子が側にいてくれたかもしれんな。
今度は上手くいったようだな。お礼を言う娘の胸元に光る首飾りが見えた。
「その胸にある飾りは何だ?」
「すみません、工房に持ち込んじゃダメですよね」
「そんなことはない。すまんがその飾りを少し見せてくれんか?」
「これはお義父さんが作って、あたしにくれた物で、遠見の魔道具の部品なんですよ」
外して渡してもらった飾りは、透明で丸く緩やかな曲線に研磨されたガラスだった。
15年よりも前だったか、俺が駆け出しの頃にここに人族が来て、こんなガラスを作ってくれと依頼してきた事があった。人族が言うように作ろうとしたが結局できず、その者はこの町を去っていった。
ドワーフの町で、この娘の父親が完成させたということか。
「大事にしなよ」
飾りをドワーフの娘に返す。
「あたしこの砂時計の枠を作ってもらいに、グラウスさんの所に行ってきますね。今日はありがとうございました」
ドワーフの娘は出来上がったガラス細工を持って元気よく出て行った。
あの娘の父親は、やはり俺の修業中に来ていたドワーフの子供だったんだろう。
そして人族の依頼したガラスを作り上げた。どういう訳か、そんな腕があった奴が今はもうガラスを作っていないと言っていたな。
ならば、代わりに俺があの娘に技術を教え込んでやろう。あの子は教えればまだまだ伸びる。
そういえば、あのドワーフの娘の名前は何という名だったか? 今度来た時にでも聞いてみるか。次に会えるのが楽しみになってきた。こんな気分はいつ以来だ。
この偶然に俺は感謝した。
---------------------
あとがき
お読みいただき、ありがとうございます。
今回は111話と112話のボルガトル視点となっています。
チセちゃん視点とどちらにするか悩んで、こちらにしました。
偏屈おやじ回で需要は無いかもしれません。スミマセン。
次回もよろしくお願いいたします。
ここ最近、ドワーフの小さな娘が、俺の工房にやってくるようになった。
何でもランプの実験とかでガラス球を作っていると言っているが、よく分からん。
ガラス職人の見習いとはいうものの、無駄のない動きでテキパキとガラスを作っている。
「おい、炉の賃料はいらんから、こっちの仕事を手伝わんか」
「え、お金無しで炉を貸してくれるんですか。やります!」
こいつなら仕事を手伝わせても大丈夫だろう。
俺は弟子を取っていない。一人息子はいたが、離婚した嫁について行き10年以上も会っていない。
稼ぎが少ないだの、大きな家に住みたいだのと言ってこの家を出て行ったあいつは、親戚のいる遠い町に住み音沙汰もない。
ガラスの需要は少なく、ほとんどが窓ガラスの注文だ。俺は工芸品やガラスのコップも作るが、そんな高価な物は貴族のパトロンでもいない限り売れない。土産物としては売れるが、この町に観光で訪れる者は少なく行商人が少し買っていく程度だ。
今日もギルドから注文のあった窓ガラスを作っている。
「おい、こっちに来て、このガラスを注文通りに切ってくれ」
「はい、分かりました」
元気よく答えるこの娘を見ていると、息子にも修業させてやれば良かったと後悔ばかりが募る。
「ボルガトルさんのガラスは均一ですごいですね。あたしもこんな窓ガラス作ってみたいです」
「俺が何年ガラス職人してると思ってんだ。10年早いわい」
本当はそんなことはない。俺には及ばないとしてもこの娘の技術は確かなものだ。よい修業をつけてもらっていたんだろう。
「お前の親方はザハラと言っていたな」
「お義父さんなんですが、お知り合いですか?」
「いいや。昔よく似た名前の奴がいた気がしただけだ」
俺が子供の頃、この工房にドワーフの子供が2週間ほど修業に来ていたことがあった。俺より年下だったが、ガラスを器用に扱っていたことを覚えている。
そいつの名前がザハラだったと記憶している。
「お前はいつから修業していたんだ」
「6歳の頃から修業をしています。でも他の仕事とかもしてたので、その分修業年数は少ないです」
「その割には上手いもんだ。今作っているガラス球はちゃんと丸くなってるじゃねーか」
「この程度の大きさならできます。もっと大きい物や極端に小さい物はまだ作れません」
その歳で、正確な丸い球が作れりゃ上等なんだがな。
「色付きや細長いガラス球だのと、色んな物を作っていたようだが、練習でもしてたのか」
「いえ、あれは比較実験用のガラス球で色々と作らないとダメなんです」
「ヒカク……何だって? 最近の若いもんは何言ってんだかよく分からんな」
今日もまたドワーフの娘が来た。
今度は変な図を見せて、これを作ってほしいと言ってきた。
人族の男が描いた図だそうだが、こんな図は見たことがない。ドワーフの娘が図を見せながら説明してくる。
聞くと丸いガラス管の真ん中がくびれていて、砂粒数個分の細い通路を作るそうだ。
「まずは、作ってみんと分からんな」
細いガラス管を作って捻じって、中央の通路を作ってみる。ガラスの型を作るための細かな砂を入れてみたが、すんなりと落ちない。
次は中央部を鉄の箸で挟んで細くしていく。今度は砂が落ちすぎてしまう。道具ではなく手の感覚だけで加工していかんと、この微妙な通路は作れんようだな。
「よし、分かってきた」
ガラス管の真ん中部分だけを熱する必要があるが、この大きな炉では難しい。穴の開いた石板を炉に入れ、その穴から噴き出す炎でガラス中央部を熱する。
熱し過ぎず手袋の手で持てる温度で引っ張り出し、捻じらずまっすぐ引っ張れば砂の通路ができそうだ。
引っ張りすぎず細い通路になるまで何度か繰り返す。これは集中力がいる作業だな。見た目では通路ができているように見える。試してみるか。
「おい、砂を持ってきてくれ」
「はい」
ガラス管の端から砂を入れて立ててみる。
「どうだ」
「はい、ゆっくりと砂が落ちてますね。さすがボルガトルさんです」
「中にどれぐらいの砂を入れるかだが」
「30を数えて落ち切る分だけの砂が必要ですが、それはあたしがやります」
砂を振るいにかけ、同じ大きさの砂粒を集めるようだな。
「よし、それは任せた。俺は本番のガラス細工を作る」
砂は相当量いるな。だからこの絵にあるように両端を丸く膨らませて砂を蓄えるんだな。そこまで計算して、この絵を描いていると……まだできてもいない物が、あの人族の男には見えているのか。
その絵の通り、両端を膨らませたガラスを作り、中央部を熱して細くする。
「よし、できたぞ。この上の穴から砂を入れて、溶けたガラスで封をしろ。それぐらいはできるな」
「はい、大丈夫です」
この娘なら、仕上げを任せてもいいだろう。俺はこの感覚を忘れんようにもう2つほど同じ物を作っておくか。
ドワーフの娘が中に砂を入れて、完成した物を持ってきた。なかなかに綺麗なガラス細工ができたな。
「ボルガトルさん。ありがとうございます。やはりあたしではこれを作るのは無理のようですね」
作った砂時計というやつを、くるっと回して砂が落ちるのを見ている。
「あっ、しまった。大きな砂粒が混じっていました。すみません」
「まあ、いい。ここにもう1個ある。今度は慎重にな」
「はい」
元気に返事をして、砂が置いてある台に向かっていった。
俺もちゃんと弟子を育てていれば、あんな弟子が側にいてくれたかもしれんな。
今度は上手くいったようだな。お礼を言う娘の胸元に光る首飾りが見えた。
「その胸にある飾りは何だ?」
「すみません、工房に持ち込んじゃダメですよね」
「そんなことはない。すまんがその飾りを少し見せてくれんか?」
「これはお義父さんが作って、あたしにくれた物で、遠見の魔道具の部品なんですよ」
外して渡してもらった飾りは、透明で丸く緩やかな曲線に研磨されたガラスだった。
15年よりも前だったか、俺が駆け出しの頃にここに人族が来て、こんなガラスを作ってくれと依頼してきた事があった。人族が言うように作ろうとしたが結局できず、その者はこの町を去っていった。
ドワーフの町で、この娘の父親が完成させたということか。
「大事にしなよ」
飾りをドワーフの娘に返す。
「あたしこの砂時計の枠を作ってもらいに、グラウスさんの所に行ってきますね。今日はありがとうございました」
ドワーフの娘は出来上がったガラス細工を持って元気よく出て行った。
あの娘の父親は、やはり俺の修業中に来ていたドワーフの子供だったんだろう。
そして人族の依頼したガラスを作り上げた。どういう訳か、そんな腕があった奴が今はもうガラスを作っていないと言っていたな。
ならば、代わりに俺があの娘に技術を教え込んでやろう。あの子は教えればまだまだ伸びる。
そういえば、あのドワーフの娘の名前は何という名だったか? 今度来た時にでも聞いてみるか。次に会えるのが楽しみになってきた。こんな気分はいつ以来だ。
この偶然に俺は感謝した。
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お読みいただき、ありがとうございます。
今回は111話と112話のボルガトル視点となっています。
チセちゃん視点とどちらにするか悩んで、こちらにしました。
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