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第2章 街暮らし 冒険者編
第86話 風呂作り1
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「カリン、そっち行ったわよ」
「うん、分かった。ウインドカッター!!」
俺達はカリンと大イノシシの狩りに来ている。カリンは魔法の練習を続け、そこそこ使えるようになったので実戦で試してみる。
けどよ、その『ウインドカッター!!』ってのはなんだよ。叫ばなくていいだろうが。中二病か?
確かに最初にカリンの火魔法をファイヤーボールって教えたのは俺だけどよ、その後調子に乗って、次から次へと魔法に名前つけやがって。
「キャー、カリン! 真っ二つにしたらダメじゃない。毛皮の価値が落ちるのよ!」
「ごめんなさい。ゆるして。私が悪かったです」
調子に乗りやがって。アイシャを怒らせると怖いんだからな。
それにしてもド派手な魔法だな。魔法1発であの大イノシシが真っ二つかよ。俺達は倒した獲物をギルドに運び込む。
「こりゃ派手に切り裂いたねぇ。獣だからまだいいけど、魔獣の魔石が傷ついたら買取ができなくなるから注意しなよ」
「はい、すみません」
「ほら、怒られちゃったじゃねーか」
「だって、だって、ウインドカッターだよ。切れちゃうもん」
なんだよ、その言い訳は。
この前も狼の巣穴にでかい火魔法放り込んで、全部黒焦げにしちゃっただろ。ほんとに不器用な子なんだから。
「ちょっとはコントロールしろよ」
「まあ、まあ、ユヅキさん。まだ使い始めたばかりなんだから。ね、カリン」
「うん、これから注意するわ」
「はい、分かればよろしい」
家に帰って夕食の準備をする。カリンはこれからも、冒険者の仕事を続けると、父親のトマスさんと話をして仲直りした。
ちゃんと了解も得て、この家に住み続けるそうだ。
「ここに来る時に、弟さんのクルト君に泣かれたんだってな」
「そうなのよ、近くに住むんだから、そんなに変わらないでしょうって言ったんだけどね」
クルト君は7歳だったか。いつもカリンの後ろに付いて回っていたな。
「それは寂しがるでしょうね、今まで一緒にいたお姉ちゃんが、家から居なくなるんだもの」
「カリンが自分の家から毎日ギルドに行って、そこで合流してもいいんだがな」
「私はちゃんと独立するんだから、ひとりでこの家に住むの。ちゃんと家賃も払うんだからいいでしょ!」
この際、家賃はどっちでもいいのだが、こいつが居ると何かにつけうるさくて敵わん。
「ねえ、ユヅキさん。オフロだっけ、そっちの方の工事はどうなっているの?」
そうなのだ。お金も貯まってきたし、そろそろ洗い場にお風呂を作ろうとしている最中だ。
最初は檜風呂みたいな木の風呂桶を置こうと思っていたが、湿気が多い水場で腐るのも嫌だし、手入れの簡単な岩風呂にすることにした。
ここを修繕してくれたタイル職人のゲレルに聞くと、床と壁面のタイルは防水性もあり丈夫で、水を張っても漏れることはないそうだ。それを利用して奥の角部分に岩の浴槽を作るつもりだ。
「風呂釜の中のタンクは図面を作って今、鍛冶屋のエギルと相談中だ。浴槽自体は俺が明日から作るつもりなんだよ」
「フロガマとかヨクソウとか、ユヅキの言ってる事よく分かんないけど、人を煮るっていうあれでしょう。悪趣味よね」
「うるせえぞ、カリン。風呂出来上がっても、お前は入れてやらんからな」
翌日、冒険者の仕事は休みにして、俺は浴槽を作り始める。
ゲレルの話だと、岩を積み上げてセメントのような粉を練って固めればいいそうだ。仕上に水を溜める内面にタイルを張れば、水も漏れず丈夫な浴槽が出来上がる。
それなら俺でも作れそうだと、冒険の仕事の合間に川から適当な岩を家に運び込んでいる。
大浴場とまではいかんが、スペースには余裕があるから大きめに作ろう。足も腕も伸ばしてゆったりできる大きさ、大人2、3人なら並んで入れる程度の風呂を作る予定だ。
「ユヅキさん、どう? 手伝いましょうか?」
「すまんな。それじゃ裏庭の岩を運ぶのを手伝ってくれ」
家に運んだ岩は、川の下流の岩で丸い物ばかりだ。浴槽表面に多少飛び出ていても怪我する事もない。と言うよりスベスベで気持ちいい。
まずは、これをタイル1枚分の高さに積み上げて試してみよう。
タイルは手のひらを広げた2倍ほど、40cm位の正方形でサイズはこれ1種類だけだ。これをゲレル達タイル職人は現場の寸法に合わせて割るそうだが、俺にそんな技術はない。
正方形のタイルと予め半分に割ってもらったタイルを買って、その組み合わせで浴槽のサイズを決める。
セメントの粉は既に買ってある。これに砂と水を混ぜてモルタルを作って、岩をくっ付けて固めるのだが、セメントは強アルカリ性だ。手などに着くと肌が荒れてしまうから、アイシャに触らせる訳にはいかない。
ゲレルに教えてもらった通りに分量を量り、大きめの桶の中でモルタルを作る。
作っておいた木の板とコテでできるだけ触らないようにして、床にモルタルを塗ってその上に岩を置く。
岩の隙間に小さな石を詰めてその上にまたモルタルを塗って、また岩を積み上げていく。
「お城の城壁を組んでるみたいで、楽しいぞ」
プラモを作るのにも似ているが、岩の形に合わせて積み上げるのは面白い。
この岩はこの位置だな。この隙間にはこの岩が合うぞと、ニマニマしながら作業していると、後ろで見ていたアイシャに笑われてしまった。
気恥ずかしいのでアイシャには、革の水袋を作ってもらおう。
今日一日で浴槽の作業は終わらんからな。洗い場の水がこちらに流れてこないように、その袋を並べて塞き止めてもらう。
俺は引き続き岩と会話しながら、ニマニマと石積みをしていく。
タイル1枚分積み上げて内側のタイルも張り付けたが、まだ固まっていないのでタイルが動いてしまう。
この上段にタイルを張るのはまだ無理だな。このまま横に石積みを伸ばしていこう。
夕方になったが1段目がまだ完成していない。まあいい、急ぐものでもないしな、俺の趣味みたいなものだ。時間が空いた時にゆっくりやっていこう。
裏庭で道具を洗って片付けてから居間に戻る前に、洗い場にスコップを忘れていたのを思い出し中に入る。
「キャー、なんであんたが入ってくんのよ」
カリンが中で水浴びをしていた。アイシャが居間にいたので、洗い場には誰もいないと勘違いしていた。
「おっと、すまん、すまん」
「すまんじゃないわよ、この変態」
何か投げてきたのか頭にコツンと当たったが、そんな怒るほど見られて困る体じゃねーだろう。
胸も育ってないし、くびれも少ない寸胴の子供みたいな体じゃねーか。
まあ、黄色と黒の棒状のシッポはカワイイか。アイシャと違ってモフモフではないが、これはこれでいいものだ。
「ユヅキさん、注意してね」
「まあ、そうだな。今度から気を付けるよ」
数日後の休みの日、俺は風呂の石積みの続きをする。
今やっているのは階段部分だ。浴槽の中に入るのに階段がないと入りづらいし、中で半身を出して座る部分も欲しい。
凸の字に岩を積み上げていくが、外側はタイルが無いので足を置くところは細かな砂や石で平らに仕上げる。
「これなら痛くはないな」
外側は、ほぼできた。内側はタイルを張り付ければいい。
タイルとタイルの間は少し隙間を空けて、別の白い粉を練った物を詰めるそうだ。
こういうのは職人さんに聞かないと、専門外の俺では分からん。ゲレルに丁寧に教えてもらったお陰で、綺麗に仕上げることができた。
今日で1段目ができたから、あと2日もあれば浴槽は完成しそうだ。お風呂に入れる日を夢見て、今日も充実した日を終える。
「うん、分かった。ウインドカッター!!」
俺達はカリンと大イノシシの狩りに来ている。カリンは魔法の練習を続け、そこそこ使えるようになったので実戦で試してみる。
けどよ、その『ウインドカッター!!』ってのはなんだよ。叫ばなくていいだろうが。中二病か?
確かに最初にカリンの火魔法をファイヤーボールって教えたのは俺だけどよ、その後調子に乗って、次から次へと魔法に名前つけやがって。
「キャー、カリン! 真っ二つにしたらダメじゃない。毛皮の価値が落ちるのよ!」
「ごめんなさい。ゆるして。私が悪かったです」
調子に乗りやがって。アイシャを怒らせると怖いんだからな。
それにしてもド派手な魔法だな。魔法1発であの大イノシシが真っ二つかよ。俺達は倒した獲物をギルドに運び込む。
「こりゃ派手に切り裂いたねぇ。獣だからまだいいけど、魔獣の魔石が傷ついたら買取ができなくなるから注意しなよ」
「はい、すみません」
「ほら、怒られちゃったじゃねーか」
「だって、だって、ウインドカッターだよ。切れちゃうもん」
なんだよ、その言い訳は。
この前も狼の巣穴にでかい火魔法放り込んで、全部黒焦げにしちゃっただろ。ほんとに不器用な子なんだから。
「ちょっとはコントロールしろよ」
「まあ、まあ、ユヅキさん。まだ使い始めたばかりなんだから。ね、カリン」
「うん、これから注意するわ」
「はい、分かればよろしい」
家に帰って夕食の準備をする。カリンはこれからも、冒険者の仕事を続けると、父親のトマスさんと話をして仲直りした。
ちゃんと了解も得て、この家に住み続けるそうだ。
「ここに来る時に、弟さんのクルト君に泣かれたんだってな」
「そうなのよ、近くに住むんだから、そんなに変わらないでしょうって言ったんだけどね」
クルト君は7歳だったか。いつもカリンの後ろに付いて回っていたな。
「それは寂しがるでしょうね、今まで一緒にいたお姉ちゃんが、家から居なくなるんだもの」
「カリンが自分の家から毎日ギルドに行って、そこで合流してもいいんだがな」
「私はちゃんと独立するんだから、ひとりでこの家に住むの。ちゃんと家賃も払うんだからいいでしょ!」
この際、家賃はどっちでもいいのだが、こいつが居ると何かにつけうるさくて敵わん。
「ねえ、ユヅキさん。オフロだっけ、そっちの方の工事はどうなっているの?」
そうなのだ。お金も貯まってきたし、そろそろ洗い場にお風呂を作ろうとしている最中だ。
最初は檜風呂みたいな木の風呂桶を置こうと思っていたが、湿気が多い水場で腐るのも嫌だし、手入れの簡単な岩風呂にすることにした。
ここを修繕してくれたタイル職人のゲレルに聞くと、床と壁面のタイルは防水性もあり丈夫で、水を張っても漏れることはないそうだ。それを利用して奥の角部分に岩の浴槽を作るつもりだ。
「風呂釜の中のタンクは図面を作って今、鍛冶屋のエギルと相談中だ。浴槽自体は俺が明日から作るつもりなんだよ」
「フロガマとかヨクソウとか、ユヅキの言ってる事よく分かんないけど、人を煮るっていうあれでしょう。悪趣味よね」
「うるせえぞ、カリン。風呂出来上がっても、お前は入れてやらんからな」
翌日、冒険者の仕事は休みにして、俺は浴槽を作り始める。
ゲレルの話だと、岩を積み上げてセメントのような粉を練って固めればいいそうだ。仕上に水を溜める内面にタイルを張れば、水も漏れず丈夫な浴槽が出来上がる。
それなら俺でも作れそうだと、冒険の仕事の合間に川から適当な岩を家に運び込んでいる。
大浴場とまではいかんが、スペースには余裕があるから大きめに作ろう。足も腕も伸ばしてゆったりできる大きさ、大人2、3人なら並んで入れる程度の風呂を作る予定だ。
「ユヅキさん、どう? 手伝いましょうか?」
「すまんな。それじゃ裏庭の岩を運ぶのを手伝ってくれ」
家に運んだ岩は、川の下流の岩で丸い物ばかりだ。浴槽表面に多少飛び出ていても怪我する事もない。と言うよりスベスベで気持ちいい。
まずは、これをタイル1枚分の高さに積み上げて試してみよう。
タイルは手のひらを広げた2倍ほど、40cm位の正方形でサイズはこれ1種類だけだ。これをゲレル達タイル職人は現場の寸法に合わせて割るそうだが、俺にそんな技術はない。
正方形のタイルと予め半分に割ってもらったタイルを買って、その組み合わせで浴槽のサイズを決める。
セメントの粉は既に買ってある。これに砂と水を混ぜてモルタルを作って、岩をくっ付けて固めるのだが、セメントは強アルカリ性だ。手などに着くと肌が荒れてしまうから、アイシャに触らせる訳にはいかない。
ゲレルに教えてもらった通りに分量を量り、大きめの桶の中でモルタルを作る。
作っておいた木の板とコテでできるだけ触らないようにして、床にモルタルを塗ってその上に岩を置く。
岩の隙間に小さな石を詰めてその上にまたモルタルを塗って、また岩を積み上げていく。
「お城の城壁を組んでるみたいで、楽しいぞ」
プラモを作るのにも似ているが、岩の形に合わせて積み上げるのは面白い。
この岩はこの位置だな。この隙間にはこの岩が合うぞと、ニマニマしながら作業していると、後ろで見ていたアイシャに笑われてしまった。
気恥ずかしいのでアイシャには、革の水袋を作ってもらおう。
今日一日で浴槽の作業は終わらんからな。洗い場の水がこちらに流れてこないように、その袋を並べて塞き止めてもらう。
俺は引き続き岩と会話しながら、ニマニマと石積みをしていく。
タイル1枚分積み上げて内側のタイルも張り付けたが、まだ固まっていないのでタイルが動いてしまう。
この上段にタイルを張るのはまだ無理だな。このまま横に石積みを伸ばしていこう。
夕方になったが1段目がまだ完成していない。まあいい、急ぐものでもないしな、俺の趣味みたいなものだ。時間が空いた時にゆっくりやっていこう。
裏庭で道具を洗って片付けてから居間に戻る前に、洗い場にスコップを忘れていたのを思い出し中に入る。
「キャー、なんであんたが入ってくんのよ」
カリンが中で水浴びをしていた。アイシャが居間にいたので、洗い場には誰もいないと勘違いしていた。
「おっと、すまん、すまん」
「すまんじゃないわよ、この変態」
何か投げてきたのか頭にコツンと当たったが、そんな怒るほど見られて困る体じゃねーだろう。
胸も育ってないし、くびれも少ない寸胴の子供みたいな体じゃねーか。
まあ、黄色と黒の棒状のシッポはカワイイか。アイシャと違ってモフモフではないが、これはこれでいいものだ。
「ユヅキさん、注意してね」
「まあ、そうだな。今度から気を付けるよ」
数日後の休みの日、俺は風呂の石積みの続きをする。
今やっているのは階段部分だ。浴槽の中に入るのに階段がないと入りづらいし、中で半身を出して座る部分も欲しい。
凸の字に岩を積み上げていくが、外側はタイルが無いので足を置くところは細かな砂や石で平らに仕上げる。
「これなら痛くはないな」
外側は、ほぼできた。内側はタイルを張り付ければいい。
タイルとタイルの間は少し隙間を空けて、別の白い粉を練った物を詰めるそうだ。
こういうのは職人さんに聞かないと、専門外の俺では分からん。ゲレルに丁寧に教えてもらったお陰で、綺麗に仕上げることができた。
今日で1段目ができたから、あと2日もあれば浴槽は完成しそうだ。お風呂に入れる日を夢見て、今日も充実した日を終える。
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