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第2章 街暮らし 冒険者編
第72話 会計処理2
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部屋に戻って台帳を見せてもらう。職人ギルドと同じように収入と支出に分かれているが、金額の桁もそろえず分類分けも、小計もとっていない。
この膨大な量を何度も再計算していては疲れるだろう。2日間この数字と格闘していた職員の疲労困憊ぶりも頷ける。
職人ギルドでしていたように、分類して1週間の8日間で小計をとろう。計算ミスも少なくなる。
ジルに集計方法を教えて、4人の職員には分類と伝票の確認をしてもらい、ジルと俺で計算していくと説明する。
これまでに1週間分は確実に計算できているので、後の分を収入と支出で分担して8日間ごとに集計していく。
この世界にはゼロという認識がない。
例えば銀貨1と小銅貨1の数はあくまで”銀貨1+小銅貨1”で”101”百一とは考えないので、桁をそろえての計算をしない。
また掛け算もない。掛け算は足し算の繰り返しだ。これでは効率も悪く計算ミスも起きる。
この世界、前世での知識で助けられることも多い。
俺は小さい頃にソロバンを習わされた。これも父親が習えと言ったもので、父親は剣道や空手など古風なものに拘りがあったのだろう。
一方母親は、俺に望遠鏡やロボットなどを買い与えて科学的なことを教えてくれた。
今は父親に習わされたものを活用しているが、俺の行動規範は母親から教わった科学的思考だ。そうでなければ、この異世界を冷静にみて、俺の生きる術を探していこうとは思わなかっただろう。
集計処理は着々と進んでいく。ソロバンがあればもう少し早く計算できるが、暗算でもそれなりにできている。
「ユヅキさん、計算早いですね」
「ほんとだな。会計主任より早いんじゃないか」
職員達も先が見えてきて、冷静に作業を熟せるようになってきた。
夜遅くまで作業は続いたが、明日には完了できる目途が立ち、今日はこれで家に帰れそうだ。
俺は冒険者ギルドに併設されている酒場で食事を摂る。
今日はエールも注文しよう。そういえばここの売り上げなども、今回の計算に入っていた。だから計算量が膨大になるんだ! 責任者出て来いと頭の中で文句を言いながらエールを飲み干す。
翌日も朝から伝票と台帳とにらめっこしながら計算していく。ジルは打ち合わせがあるようで、途中から席を外して外出しているが、なんとか夕方前にはほぼ計算し終えた。
担当職員達も「後は会計主任に任せれば大丈夫」と喜んでいる。
俺も収支がほぼ合っている集計結果を見ながら満足していたが、ふと違和感を覚えた。
1週間で増えた収益が、次の週にはガクッと落ちている。3週目は増えるが4週目に落ちる。
よくよく見ていくと、金貨数枚程度のお金が同じところに何度も支払われている。
職員に聞いてみると、外部の団体への顧問委託料だと言っている。先々月も見ると同じように支払われていた。
一定額の支払いなら分かるが、ギルドの収益が一定になるように支払っている感じだ。金貨などの大きな金額を支払っている事もそうだが、銀貨や銅貨などで端数調整しているようにも見える。
収支計算を合わせるため? 不正会計処理? 横領? そのような言葉が浮かぶような妙な金額となっている。
4人の会計担当職員は定時に帰っていったが、俺はジルが戻るまで部屋で待つことにした。
ジルは帰って来て3階のギルドマスターの部屋に行ったようだな。
ジルの部屋に行きノックする。返事があり中に入ると、ジルは秘書のウサギ獣人の女性と何か打ち合わせをしていた。
「ユヅキ、今日は遅くまですまなかったな。給料は明日支払う。朝に来てくれるか」
「ジル、少し話があるんだが」
ジルは接客用のソファーに俺を座らせる。ジルは向かいに座るが、その後ろには秘書のウサギ獣人が俺を見据えるように立っている。
俺は帳簿の集計表をテーブルに置きジルに説明していく。
「不正な会計処理がされている。俺は、ジル……お前を含めた組織的な横領じゃないかと疑っている」
すると後ろに立っていた秘書がすぅーと動き出す。ジルはそれを手で制した。
「そのことを誰かに話したか?」
「いや、話してはいない。だが明日職員が見ればすぐ分かるようにメモを残している」
これはハッタリだ。メモなど残してはいない。だが不正であろう箇所に印は打ってある。見る者が見れば分かるだろう。
ジルの鋭い目を真正面で受け止める。組織が絡む不正なら、俺を口封じする事も考えられる。この世界はそういう世界だ。
「ここで俺を害しても、明日には発覚するぞ」
護身用のナイフは腰に差してある、簡単に殺やられたりはしない。
「よく分かった。今日は帰ってもらって結構だ。明日また来てくれ」
静かに話すジルを残し、俺は部屋を後にする。ジルと話して分かったが、ジルはこの不正には関わっていないだろう。
すると会計責任者か? それにしてもジルはいつものように鋭い目をしていたが、後ろに立っていた秘書も殺気を放っていた。
怖え~。あのバニーガール怖いわ~。
翌日、冒険者ギルドの窓口に行くと、
「ユヅキ様、これは冒険者ギルドから依頼達成の報酬として出ています。お受け取りください」
俺の2日間の給料を報酬という形で出してくれたようだ。通常より相当多いな。そのお金を受け取りつつ事務所の中を覗いてみると、ジルも会計担当の職員もいなかった。
昨夜ジルに話した不正会計の事を適正に扱ってくれればいいんだがな。そう思いつつ俺とアイシャはいつものように、依頼を受け仕事に出掛ける。
後日聞くところによると、冒険者ギルドの会計責任者が更迭され、裁判にかけられるそうだ。
会計責任者はこの町の領主の三男で、市井に身を落としてギルドに就職していたようだ。元貴族なら計算もできるから重宝されたと思うが、チェックできる者がいないと、こうなってしまうのかもしれんな。
この国でどれだけ公平な裁判が行なわれるのか知らんが、今後ギルドで働くことはできないだろう。それなりの罰は受けることになるな。
そういえばジルも職人ギルドのボアンも元貴族だったな。あまりややこしいことに巻き込まれたくはない。
いつも通りの、いつもの生活が一番だ。俺もこの世界に馴染んできたのかと思いつつ、アイシャと依頼の目的地に向かって歩いていく。
この膨大な量を何度も再計算していては疲れるだろう。2日間この数字と格闘していた職員の疲労困憊ぶりも頷ける。
職人ギルドでしていたように、分類して1週間の8日間で小計をとろう。計算ミスも少なくなる。
ジルに集計方法を教えて、4人の職員には分類と伝票の確認をしてもらい、ジルと俺で計算していくと説明する。
これまでに1週間分は確実に計算できているので、後の分を収入と支出で分担して8日間ごとに集計していく。
この世界にはゼロという認識がない。
例えば銀貨1と小銅貨1の数はあくまで”銀貨1+小銅貨1”で”101”百一とは考えないので、桁をそろえての計算をしない。
また掛け算もない。掛け算は足し算の繰り返しだ。これでは効率も悪く計算ミスも起きる。
この世界、前世での知識で助けられることも多い。
俺は小さい頃にソロバンを習わされた。これも父親が習えと言ったもので、父親は剣道や空手など古風なものに拘りがあったのだろう。
一方母親は、俺に望遠鏡やロボットなどを買い与えて科学的なことを教えてくれた。
今は父親に習わされたものを活用しているが、俺の行動規範は母親から教わった科学的思考だ。そうでなければ、この異世界を冷静にみて、俺の生きる術を探していこうとは思わなかっただろう。
集計処理は着々と進んでいく。ソロバンがあればもう少し早く計算できるが、暗算でもそれなりにできている。
「ユヅキさん、計算早いですね」
「ほんとだな。会計主任より早いんじゃないか」
職員達も先が見えてきて、冷静に作業を熟せるようになってきた。
夜遅くまで作業は続いたが、明日には完了できる目途が立ち、今日はこれで家に帰れそうだ。
俺は冒険者ギルドに併設されている酒場で食事を摂る。
今日はエールも注文しよう。そういえばここの売り上げなども、今回の計算に入っていた。だから計算量が膨大になるんだ! 責任者出て来いと頭の中で文句を言いながらエールを飲み干す。
翌日も朝から伝票と台帳とにらめっこしながら計算していく。ジルは打ち合わせがあるようで、途中から席を外して外出しているが、なんとか夕方前にはほぼ計算し終えた。
担当職員達も「後は会計主任に任せれば大丈夫」と喜んでいる。
俺も収支がほぼ合っている集計結果を見ながら満足していたが、ふと違和感を覚えた。
1週間で増えた収益が、次の週にはガクッと落ちている。3週目は増えるが4週目に落ちる。
よくよく見ていくと、金貨数枚程度のお金が同じところに何度も支払われている。
職員に聞いてみると、外部の団体への顧問委託料だと言っている。先々月も見ると同じように支払われていた。
一定額の支払いなら分かるが、ギルドの収益が一定になるように支払っている感じだ。金貨などの大きな金額を支払っている事もそうだが、銀貨や銅貨などで端数調整しているようにも見える。
収支計算を合わせるため? 不正会計処理? 横領? そのような言葉が浮かぶような妙な金額となっている。
4人の会計担当職員は定時に帰っていったが、俺はジルが戻るまで部屋で待つことにした。
ジルは帰って来て3階のギルドマスターの部屋に行ったようだな。
ジルの部屋に行きノックする。返事があり中に入ると、ジルは秘書のウサギ獣人の女性と何か打ち合わせをしていた。
「ユヅキ、今日は遅くまですまなかったな。給料は明日支払う。朝に来てくれるか」
「ジル、少し話があるんだが」
ジルは接客用のソファーに俺を座らせる。ジルは向かいに座るが、その後ろには秘書のウサギ獣人が俺を見据えるように立っている。
俺は帳簿の集計表をテーブルに置きジルに説明していく。
「不正な会計処理がされている。俺は、ジル……お前を含めた組織的な横領じゃないかと疑っている」
すると後ろに立っていた秘書がすぅーと動き出す。ジルはそれを手で制した。
「そのことを誰かに話したか?」
「いや、話してはいない。だが明日職員が見ればすぐ分かるようにメモを残している」
これはハッタリだ。メモなど残してはいない。だが不正であろう箇所に印は打ってある。見る者が見れば分かるだろう。
ジルの鋭い目を真正面で受け止める。組織が絡む不正なら、俺を口封じする事も考えられる。この世界はそういう世界だ。
「ここで俺を害しても、明日には発覚するぞ」
護身用のナイフは腰に差してある、簡単に殺やられたりはしない。
「よく分かった。今日は帰ってもらって結構だ。明日また来てくれ」
静かに話すジルを残し、俺は部屋を後にする。ジルと話して分かったが、ジルはこの不正には関わっていないだろう。
すると会計責任者か? それにしてもジルはいつものように鋭い目をしていたが、後ろに立っていた秘書も殺気を放っていた。
怖え~。あのバニーガール怖いわ~。
翌日、冒険者ギルドの窓口に行くと、
「ユヅキ様、これは冒険者ギルドから依頼達成の報酬として出ています。お受け取りください」
俺の2日間の給料を報酬という形で出してくれたようだ。通常より相当多いな。そのお金を受け取りつつ事務所の中を覗いてみると、ジルも会計担当の職員もいなかった。
昨夜ジルに話した不正会計の事を適正に扱ってくれればいいんだがな。そう思いつつ俺とアイシャはいつものように、依頼を受け仕事に出掛ける。
後日聞くところによると、冒険者ギルドの会計責任者が更迭され、裁判にかけられるそうだ。
会計責任者はこの町の領主の三男で、市井に身を落としてギルドに就職していたようだ。元貴族なら計算もできるから重宝されたと思うが、チェックできる者がいないと、こうなってしまうのかもしれんな。
この国でどれだけ公平な裁判が行なわれるのか知らんが、今後ギルドで働くことはできないだろう。それなりの罰は受けることになるな。
そういえばジルも職人ギルドのボアンも元貴族だったな。あまりややこしいことに巻き込まれたくはない。
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