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第2章 街暮らし 冒険者編
第61話 灰色熊の討伐1
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洗い場の工事も終わり、今日はアイシャと一緒に冒険者ギルドの掲示板を見ていたら、3人の冒険者に声を掛けられた。
「あなた達は、ユヅキさんとアイシャさんですよね。オレ達のパーティーに入ってくれませんか」
誰だろう、まだ若い男性ばかりの冒険者だが知らない顔だ。
「オレ達、ニックさんから聞いてあなた達を探していたんだ。今している依頼がオレ達では難しくて、助けてもらいたいんだ」
前にパーティーを組んだ白銀ランクのニックさんの知り合いみたいだな。見たところ3人は鉄ランクがひとりと俺達と同じ青銅ランクがふたりか。
「ニックさんの知り合いなら、話だけは聴こう」
俺とアイシャは3人と共にテーブルに着く。
「オレがリーダーのネウスで、こっちがニッチとヌルトです。オレ達は灰色熊の魔獣討伐の依頼を受けたんだ。魔の森の周辺をうろついている1頭を討伐するんだけど……」
「リーダーが剣士で僕とヌルトが魔術師なんだけど、僕達ふたりの魔法が効かなくて……何回か挑んだけど倒せなかったんだ」
前衛がひとりで敵を抑えて、後方からの魔法攻撃で倒すパターンだな。肝心の魔法が効かないなら攻略は手詰まりか。
「オレが悪いんだ。この依頼を受けたオレが……。ニックさんにも相談したんだけど、自分達の技量に合わない依頼を受けたオレ達が悪いと言われた。冒険者なら自分達で解決する事だと……」
まあ、あの人ならそう言うだろうな。
「でもその時に君達の事を聞いたんだ。もしかしたらパーティーに入ってくれるかもしれないと言っていた」
俺達は教育を受ける側で、教育する立場じゃないんだがな。
本当はニックさんが教育がてら解決するんだろうが、こっちに回してきたということか。俺達にならできるだろうと。
ニックさんには恩があるが、アイシャを危険に晒すわけにはいかないのだが……。アイシャは灰色熊と聞いて目を輝かせていやがる、やる気満々だな。仕方ないか。
「灰色熊の魔獣というのは良く知らんのだが、魔法を使うのだろう?」
「そうなんだ。立ち上がった時に、両手から岩を投げてくる。オレ達では逃げるのが精一杯だった」
土属性の魔法を使うようだな。その他にも灰色熊の特徴を教えてもらう。
「体長はオレが手を上にあげた位で、それほど大きな熊じゃないんだけど走ると速くて、遠距離からでも追いつかれる」
「そうよ、熊って速いんだからね。注意しないと」
そうなのか。林の中をのんびりと歩いている熊を見掛けた事はあるが、狩ったことはないからな。俺も気をつけないと。
「その熊はどの辺りにいるんだ」
「川を越えた魔の森の周辺にいる。平原にはなかなか現れないけど、森の中を歩いているのをよく見掛ける」
「アイシャ。熊は平原と森じゃ、どっちの方が倒しやすい」
「森の中かしらね。熊も全力で走ってこれないし、危ない時は木の上に逃げることもできるわ」
「それじゃ一緒に戦ってくれるんですか」
「ああ、パーティーを組んで一緒に倒そう」
「良かった。ありがとう、ありがとう」
ネウスは両手で握手してきて上下に振る。
まあ、これも何かの縁だ。普通の熊なら倒し方をアイシャは知っているらしい。魔獣は初めてだが、何とかなるか。
それじゃ早速、作戦会議だな。
「アイシャ、熊を追い込んで弓で倒せそうか」
鹿の時と同じ方法だ。
「そうね、それが一番いいわね。魔法では倒せなかったんでしょう」
「ええ、効いてはいるんですが、体力がすごくて反撃されます」
「普通、鹿や熊は音を立てて追うと逃げるけど、魔獣はどうなのかしら」
「魔法攻撃すると、自分の方に向かってきましたよ」
魔獣は自分の力に自信があるのか、獰猛で敵を目掛けて襲ってくるようだ。
「じゃあ、向かってくるように配置すればいいわね。周りを取り囲んで混乱させてから、私達の方に向かわせる感じかしら」
「どんな風にすればいいんですか?」
アイシャが考えた灰色熊の狩りの方法をみんなに説明していく。
「まず熊を中心にして3方向から取り囲むの。最初ここから大きな音を立てて、次に反対側から音を立てるか魔法で攻撃する。最後に私達の後方から魔法で攻撃してちょうだい。向かってくるところを矢で仕留めるわ」
森の中、隠れながら最後は俺達の方向に熊を誘導するのか。
「アイシャ、熊はどこを狙えばいい?」
「頭ね、できれば目を狙って。立ち上がった時は心臓を狙うの」
「じゃあ、その方法でやってみよう」
俺達5人は町の西門を抜けて魔の森に向かう。
「そういえばネウス達は、どうやってニックさんと知り合いになったんだ?」
「ニックさんのパーティーにいる魔術師のネトは知っていますよね。そいつがオレの村の後輩なんですよ」
ああ、あの一番若かった男の子だな。
「あいつが魔術師学園に行っている間にオレがこの町で冒険者になって、その後ネトが来たんです」
ネトの同郷か、ネトの2,3歳上のように見えるが。
「最初は一緒にパーティーを組んでたんですけど、そのうちネトがニックさんのパーティーに入ったんです。その縁でたまにニックさんともパーティーを組まさせてもらってます」
他の魔術師ふたりも一緒に、色々と勉強させてもらっているようだな。
「ネトはもうすぐ鉄ランクになるそうです。オレはもう何年も冒険者やってるのに、この間やっと鉄ランクになったばかりで……。オレも頑張らないといけないんですけど」
なるほど、少し焦って無理な依頼を受けてしまったのかもしれんな。
そういう俺達もまだ青銅ランクだ。助け合ってこの依頼をしっかり成功させようと、声を掛けた。
橋を越えてそろそろ魔の森が見えてきた。灰色熊がいるという地帯を探っていくと、アイシャが熊の足跡を見つけた。
一旦平原に出て熊の向かった方向へ行ってみると、木の間から熊がゆっくり歩いているのが見えた。
先回りして、作戦通り熊を取り囲むように配置につく。
「ユヅキさん。矢が外れて剣で戦う時も一刀両断はダメよ。首を狙うのよ、首なら切ってもいいわ」
魔獣相手に、なかなかに高い要求ですね。
魔道弓を使うんだから、俺もできたら弓で仕留めたいけどな。弓に矢をセットして熊の様子を探る。みんな配置についたようだな。作戦開始だ。
最初にリーダーが大きな音を立てる。それを合図に反対側から魔法攻撃をする。
左右からの攻撃に熊はやはり混乱しているようだな。
最後に俺達の後方から魔法攻撃を仕掛けると、こちらに向かって熊がすごい形相で迫ってくる。
正面! 頭を狙って矢を放つ。アイシャは俺の矢に合わせて同時に撃つ。命中したのか、熊が悲鳴を上げて立ち上がった。
「アイシャさん、危ないです。岩がきます!」
後方のニッチが叫ぶと同時に、矢が胸をめがけて放たれる。アイシャが連続で2射、俺が1射。
矢は正確に熊の心臓を射抜き、胸から大量の血を噴き出す。立ち上がり両手を広げた灰色熊は、そのまま後方にゆっくりと倒れていった。
「あなた達は、ユヅキさんとアイシャさんですよね。オレ達のパーティーに入ってくれませんか」
誰だろう、まだ若い男性ばかりの冒険者だが知らない顔だ。
「オレ達、ニックさんから聞いてあなた達を探していたんだ。今している依頼がオレ達では難しくて、助けてもらいたいんだ」
前にパーティーを組んだ白銀ランクのニックさんの知り合いみたいだな。見たところ3人は鉄ランクがひとりと俺達と同じ青銅ランクがふたりか。
「ニックさんの知り合いなら、話だけは聴こう」
俺とアイシャは3人と共にテーブルに着く。
「オレがリーダーのネウスで、こっちがニッチとヌルトです。オレ達は灰色熊の魔獣討伐の依頼を受けたんだ。魔の森の周辺をうろついている1頭を討伐するんだけど……」
「リーダーが剣士で僕とヌルトが魔術師なんだけど、僕達ふたりの魔法が効かなくて……何回か挑んだけど倒せなかったんだ」
前衛がひとりで敵を抑えて、後方からの魔法攻撃で倒すパターンだな。肝心の魔法が効かないなら攻略は手詰まりか。
「オレが悪いんだ。この依頼を受けたオレが……。ニックさんにも相談したんだけど、自分達の技量に合わない依頼を受けたオレ達が悪いと言われた。冒険者なら自分達で解決する事だと……」
まあ、あの人ならそう言うだろうな。
「でもその時に君達の事を聞いたんだ。もしかしたらパーティーに入ってくれるかもしれないと言っていた」
俺達は教育を受ける側で、教育する立場じゃないんだがな。
本当はニックさんが教育がてら解決するんだろうが、こっちに回してきたということか。俺達にならできるだろうと。
ニックさんには恩があるが、アイシャを危険に晒すわけにはいかないのだが……。アイシャは灰色熊と聞いて目を輝かせていやがる、やる気満々だな。仕方ないか。
「灰色熊の魔獣というのは良く知らんのだが、魔法を使うのだろう?」
「そうなんだ。立ち上がった時に、両手から岩を投げてくる。オレ達では逃げるのが精一杯だった」
土属性の魔法を使うようだな。その他にも灰色熊の特徴を教えてもらう。
「体長はオレが手を上にあげた位で、それほど大きな熊じゃないんだけど走ると速くて、遠距離からでも追いつかれる」
「そうよ、熊って速いんだからね。注意しないと」
そうなのか。林の中をのんびりと歩いている熊を見掛けた事はあるが、狩ったことはないからな。俺も気をつけないと。
「その熊はどの辺りにいるんだ」
「川を越えた魔の森の周辺にいる。平原にはなかなか現れないけど、森の中を歩いているのをよく見掛ける」
「アイシャ。熊は平原と森じゃ、どっちの方が倒しやすい」
「森の中かしらね。熊も全力で走ってこれないし、危ない時は木の上に逃げることもできるわ」
「それじゃ一緒に戦ってくれるんですか」
「ああ、パーティーを組んで一緒に倒そう」
「良かった。ありがとう、ありがとう」
ネウスは両手で握手してきて上下に振る。
まあ、これも何かの縁だ。普通の熊なら倒し方をアイシャは知っているらしい。魔獣は初めてだが、何とかなるか。
それじゃ早速、作戦会議だな。
「アイシャ、熊を追い込んで弓で倒せそうか」
鹿の時と同じ方法だ。
「そうね、それが一番いいわね。魔法では倒せなかったんでしょう」
「ええ、効いてはいるんですが、体力がすごくて反撃されます」
「普通、鹿や熊は音を立てて追うと逃げるけど、魔獣はどうなのかしら」
「魔法攻撃すると、自分の方に向かってきましたよ」
魔獣は自分の力に自信があるのか、獰猛で敵を目掛けて襲ってくるようだ。
「じゃあ、向かってくるように配置すればいいわね。周りを取り囲んで混乱させてから、私達の方に向かわせる感じかしら」
「どんな風にすればいいんですか?」
アイシャが考えた灰色熊の狩りの方法をみんなに説明していく。
「まず熊を中心にして3方向から取り囲むの。最初ここから大きな音を立てて、次に反対側から音を立てるか魔法で攻撃する。最後に私達の後方から魔法で攻撃してちょうだい。向かってくるところを矢で仕留めるわ」
森の中、隠れながら最後は俺達の方向に熊を誘導するのか。
「アイシャ、熊はどこを狙えばいい?」
「頭ね、できれば目を狙って。立ち上がった時は心臓を狙うの」
「じゃあ、その方法でやってみよう」
俺達5人は町の西門を抜けて魔の森に向かう。
「そういえばネウス達は、どうやってニックさんと知り合いになったんだ?」
「ニックさんのパーティーにいる魔術師のネトは知っていますよね。そいつがオレの村の後輩なんですよ」
ああ、あの一番若かった男の子だな。
「あいつが魔術師学園に行っている間にオレがこの町で冒険者になって、その後ネトが来たんです」
ネトの同郷か、ネトの2,3歳上のように見えるが。
「最初は一緒にパーティーを組んでたんですけど、そのうちネトがニックさんのパーティーに入ったんです。その縁でたまにニックさんともパーティーを組まさせてもらってます」
他の魔術師ふたりも一緒に、色々と勉強させてもらっているようだな。
「ネトはもうすぐ鉄ランクになるそうです。オレはもう何年も冒険者やってるのに、この間やっと鉄ランクになったばかりで……。オレも頑張らないといけないんですけど」
なるほど、少し焦って無理な依頼を受けてしまったのかもしれんな。
そういう俺達もまだ青銅ランクだ。助け合ってこの依頼をしっかり成功させようと、声を掛けた。
橋を越えてそろそろ魔の森が見えてきた。灰色熊がいるという地帯を探っていくと、アイシャが熊の足跡を見つけた。
一旦平原に出て熊の向かった方向へ行ってみると、木の間から熊がゆっくり歩いているのが見えた。
先回りして、作戦通り熊を取り囲むように配置につく。
「ユヅキさん。矢が外れて剣で戦う時も一刀両断はダメよ。首を狙うのよ、首なら切ってもいいわ」
魔獣相手に、なかなかに高い要求ですね。
魔道弓を使うんだから、俺もできたら弓で仕留めたいけどな。弓に矢をセットして熊の様子を探る。みんな配置についたようだな。作戦開始だ。
最初にリーダーが大きな音を立てる。それを合図に反対側から魔法攻撃をする。
左右からの攻撃に熊はやはり混乱しているようだな。
最後に俺達の後方から魔法攻撃を仕掛けると、こちらに向かって熊がすごい形相で迫ってくる。
正面! 頭を狙って矢を放つ。アイシャは俺の矢に合わせて同時に撃つ。命中したのか、熊が悲鳴を上げて立ち上がった。
「アイシャさん、危ないです。岩がきます!」
後方のニッチが叫ぶと同時に、矢が胸をめがけて放たれる。アイシャが連続で2射、俺が1射。
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