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第1章 異世界暮らし 山の家
第36話 ギルドの仕事
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商業ギルドのふたりが去った後、ボアンは俺に数枚の紙とインクを渡してきた。
「その弓の部品図と組立図を描いてもらいたい。ギルドへの登録書類と、職人に見せてどう作るか話し合ってもらう」
「描き方は鍛冶屋のエギルに渡した図面の形でいいか?」
「あれは分かりやすかったな、それで頼む。正式書類となるので、ここに君の名前を書いてくれ」
インクで墨入れする図面だな。これが正式な特許出願と設計図になるようだ。だがずっとここに居て図面を描く訳にもいかない。
「俺はカウスの林の山に住んでいる。狩りもしなくちゃならんから、1週間後の昼に持って来るがそれでいいか?」
「君の事情はエギルからも聞いている。それで充分だよ」
了解も取れたし、持ち帰る紙とインクとペン一式が入った革の袋を手に持つ。
「君はこのギルドの技術職員ということになる。もちろん給料も支払う。今後はここで行なう打ち合わせに参加して、その弓を完成させてほしい。では、下に行って皆に紹介しよう。一緒に来てくれ」
俺は荷物を持って、ボアンと一緒に下の事務所に降りていく。こんなのは新入社員の時以来だな。何年も会社勤めしているから慣れてはいるんだが。
「みんな仕事中すまないが、ちょっと聞いてくれ。この者はユヅキという。今日からここの技術職員として働いてもらう。非常勤で時々しか顔を出さないが、よろしく頼む」
「俺はこの国に来て間がない。知らない事も多いがよろしく頼む」
おや? お茶を持ってきた猫獣人がいるぞ。ニコッと微笑んだが、目を逸らされてしまった。なぜだ!
「ユヅキ君、今日はこれで終わりだ。そこの職員に今日の分の給料をもらって、帰ってくれて結構だ」
ボアンは書類を1枚その職員に渡して自分の席に戻っていった。
「ユヅキさん、ではこちらへ」
俺は羊獣人の女性職員に案内されて、大きな机の前に座る。
「ユヅキさんは非常勤なので、仕事が終わったら私の所に来てください。その日の給料をお支払いします」
なんと日給制でその都度お金がもらえるのか。
「私達職員は6日働いて2日休みの交代制なんです。私が休みの日に仕事があれば次回来られた時、一緒にお支払いします」
この世界で週休2日制とは、すごいホワイト企業じゃないか。
「では、今日の分です。どうぞ」
羊獣人の女性職員は机の引き出しから銀貨12枚を俺に差し出す。今日だけでこのお金がもらえるのか! ホワイト企業バンザイ。
俺はお金を革袋に入れて職人ギルドを後にした。少し遅くなったがカリンの店に戻るとしよう。
「ユヅキ、遅いわよ。アイシャが待ちくたびれているじゃない!」
いや、カリンに怒られる筋合いはないのだが。
「すまんな、アイシャ。そっちの用事はもう終わったのか?」
「ええ、こっちは。ユヅキさんは何か問題でもあったの?」
「いや、色々あって職人ギルドの職員になった」
「あんた、鍛冶屋のエギルさんに呼ばれただけで、なんでギルド職員になんのよ。おかしいでしょ!」
いやだからな、カリンは怒らなくてもいいぞ。
「職員といっても、時々ギルドに出向いて頼まれた仕事をするだけだから。今まで通りちゃんと狩りもするぞ」
説明すると、アイシャはなんだかホッとした顔をする。
「それにな、給料もくれる。今日も銀貨12枚もらってきたんだ」
「はあ~、なんでこんな短時間でそんなにもらえるのよ、あんた悪い事してんじゃないの!」
いやちゃんと仕事? 打ち合わせ? したぞ。確かに午前と午後合わせて半日ほどだったがな。
「まあ、詳しくは家に帰ってから話すよ。アイシャ、そろそろ帰ろうか」
「そうね。カリンありがとう、また今度ね」
俺は食料品などの荷物を抱えてカリンの店を出る。
「じゃあ、ユヅキさんはその弓を職人さんと一緒に作るってこと?」
「ああ、多少は忙しくなるが狩りの空いた時間にできると思うぞ。アイシャには迷惑をかけないようにするよ」
「迷惑だなんて。お仕事上手くいくといいわね」
夕食の後、俺は早速クロスボウの図面を描いていく。
「へぇ~、これがズメンっていうお仕事? なんだか難しそうね」
「それほど難しいものでもないが、少しずつでも進めておきたいからな」
「うん。じゃあ先に休むわね。おやすみなさい、ユヅキさん」
「ああ、おやすみアイシャ」
翌日からは狩りや毛皮作りの合間にも図面を描いていく。丸一日の休みもあるし1週間あれば完成できるだろう。
2日間の狩りでは鹿1頭とウサギ7匹が狩れた、上々である。毛皮作りもアイシャが頑張ってくれて、図面を描く時間を作ってくれた。すまないなアイシャ。
前の世界では仕事に急き立てられ、只々忙しかった。
慣れない営業に回されて先輩に怒られて、好きでもない人付き合いで夜遅くまで残業が続いた。何のために仕事をしているかも分からなくなっていたな。
今は、やりたかった物を創り出す仕事をしている。パソコンも無い、三角定規も自分で作った、不便この上ないが自分の手で創る喜びがある。毎日が充実している感じだ。
予定通り図面を描き上げ、明日は町に降りて職人ギルドへ行く日だ。
「アイシャ、明日はひとりになるけど大丈夫だよな」
「ええ、休みだし山菜取りでもしているわ」
「今日は少し疲れたよ。悪いが先に寝かせてもらうな」
「そうよね、明日も早いし無理はしないでね。おやすみユヅキさん」
「ああ、おやすみアイシャ」
久しぶりに机の上の仕事が続き疲れていたのか、ベッドで横になるとすぐ眠りに落ちてしまった。
翌朝。アイシャと朝食を食べた後すぐ町に向かう。
今日は弓を作ってくれる職人さんも来てくれるはずだ。プレゼンのようなものをするのだろうな。そのあたりは前の世界での経験が生きる。
考え事をしながら町の城門を潜ると、ついカリンの店に行く道に向かってしまった。
「おっとしまった。今日はこっちの道だった」
少し後戻りしたが、早い時間に職人ギルドに到着し、俺は、ギルドの事務所の扉を開けて中に入っていく。
「その弓の部品図と組立図を描いてもらいたい。ギルドへの登録書類と、職人に見せてどう作るか話し合ってもらう」
「描き方は鍛冶屋のエギルに渡した図面の形でいいか?」
「あれは分かりやすかったな、それで頼む。正式書類となるので、ここに君の名前を書いてくれ」
インクで墨入れする図面だな。これが正式な特許出願と設計図になるようだ。だがずっとここに居て図面を描く訳にもいかない。
「俺はカウスの林の山に住んでいる。狩りもしなくちゃならんから、1週間後の昼に持って来るがそれでいいか?」
「君の事情はエギルからも聞いている。それで充分だよ」
了解も取れたし、持ち帰る紙とインクとペン一式が入った革の袋を手に持つ。
「君はこのギルドの技術職員ということになる。もちろん給料も支払う。今後はここで行なう打ち合わせに参加して、その弓を完成させてほしい。では、下に行って皆に紹介しよう。一緒に来てくれ」
俺は荷物を持って、ボアンと一緒に下の事務所に降りていく。こんなのは新入社員の時以来だな。何年も会社勤めしているから慣れてはいるんだが。
「みんな仕事中すまないが、ちょっと聞いてくれ。この者はユヅキという。今日からここの技術職員として働いてもらう。非常勤で時々しか顔を出さないが、よろしく頼む」
「俺はこの国に来て間がない。知らない事も多いがよろしく頼む」
おや? お茶を持ってきた猫獣人がいるぞ。ニコッと微笑んだが、目を逸らされてしまった。なぜだ!
「ユヅキ君、今日はこれで終わりだ。そこの職員に今日の分の給料をもらって、帰ってくれて結構だ」
ボアンは書類を1枚その職員に渡して自分の席に戻っていった。
「ユヅキさん、ではこちらへ」
俺は羊獣人の女性職員に案内されて、大きな机の前に座る。
「ユヅキさんは非常勤なので、仕事が終わったら私の所に来てください。その日の給料をお支払いします」
なんと日給制でその都度お金がもらえるのか。
「私達職員は6日働いて2日休みの交代制なんです。私が休みの日に仕事があれば次回来られた時、一緒にお支払いします」
この世界で週休2日制とは、すごいホワイト企業じゃないか。
「では、今日の分です。どうぞ」
羊獣人の女性職員は机の引き出しから銀貨12枚を俺に差し出す。今日だけでこのお金がもらえるのか! ホワイト企業バンザイ。
俺はお金を革袋に入れて職人ギルドを後にした。少し遅くなったがカリンの店に戻るとしよう。
「ユヅキ、遅いわよ。アイシャが待ちくたびれているじゃない!」
いや、カリンに怒られる筋合いはないのだが。
「すまんな、アイシャ。そっちの用事はもう終わったのか?」
「ええ、こっちは。ユヅキさんは何か問題でもあったの?」
「いや、色々あって職人ギルドの職員になった」
「あんた、鍛冶屋のエギルさんに呼ばれただけで、なんでギルド職員になんのよ。おかしいでしょ!」
いやだからな、カリンは怒らなくてもいいぞ。
「職員といっても、時々ギルドに出向いて頼まれた仕事をするだけだから。今まで通りちゃんと狩りもするぞ」
説明すると、アイシャはなんだかホッとした顔をする。
「それにな、給料もくれる。今日も銀貨12枚もらってきたんだ」
「はあ~、なんでこんな短時間でそんなにもらえるのよ、あんた悪い事してんじゃないの!」
いやちゃんと仕事? 打ち合わせ? したぞ。確かに午前と午後合わせて半日ほどだったがな。
「まあ、詳しくは家に帰ってから話すよ。アイシャ、そろそろ帰ろうか」
「そうね。カリンありがとう、また今度ね」
俺は食料品などの荷物を抱えてカリンの店を出る。
「じゃあ、ユヅキさんはその弓を職人さんと一緒に作るってこと?」
「ああ、多少は忙しくなるが狩りの空いた時間にできると思うぞ。アイシャには迷惑をかけないようにするよ」
「迷惑だなんて。お仕事上手くいくといいわね」
夕食の後、俺は早速クロスボウの図面を描いていく。
「へぇ~、これがズメンっていうお仕事? なんだか難しそうね」
「それほど難しいものでもないが、少しずつでも進めておきたいからな」
「うん。じゃあ先に休むわね。おやすみなさい、ユヅキさん」
「ああ、おやすみアイシャ」
翌日からは狩りや毛皮作りの合間にも図面を描いていく。丸一日の休みもあるし1週間あれば完成できるだろう。
2日間の狩りでは鹿1頭とウサギ7匹が狩れた、上々である。毛皮作りもアイシャが頑張ってくれて、図面を描く時間を作ってくれた。すまないなアイシャ。
前の世界では仕事に急き立てられ、只々忙しかった。
慣れない営業に回されて先輩に怒られて、好きでもない人付き合いで夜遅くまで残業が続いた。何のために仕事をしているかも分からなくなっていたな。
今は、やりたかった物を創り出す仕事をしている。パソコンも無い、三角定規も自分で作った、不便この上ないが自分の手で創る喜びがある。毎日が充実している感じだ。
予定通り図面を描き上げ、明日は町に降りて職人ギルドへ行く日だ。
「アイシャ、明日はひとりになるけど大丈夫だよな」
「ええ、休みだし山菜取りでもしているわ」
「今日は少し疲れたよ。悪いが先に寝かせてもらうな」
「そうよね、明日も早いし無理はしないでね。おやすみユヅキさん」
「ああ、おやすみアイシャ」
久しぶりに机の上の仕事が続き疲れていたのか、ベッドで横になるとすぐ眠りに落ちてしまった。
翌朝。アイシャと朝食を食べた後すぐ町に向かう。
今日は弓を作ってくれる職人さんも来てくれるはずだ。プレゼンのようなものをするのだろうな。そのあたりは前の世界での経験が生きる。
考え事をしながら町の城門を潜ると、ついカリンの店に行く道に向かってしまった。
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