21 / 304
第1章 異世界暮らし 山の家
第20話 カリン襲来 カリン1
しおりを挟む
「兄さん、この箱と鞄もお願いね」
アイシャの怪我も心配だけど、この前来た人族の男、ユヅキって言ったっけ。どうも胡散臭い。
依頼を受けた冒険者だろうけど、まさかまだアイシャの家にいるんじゃないでしょうね。渡した商品、ちゃんとアイシャに届いているといいんだけど。
魔の森に比べたら、アイシャの住んでいるカウスの林は安全だけど、私ひとりで行くのは無理だわ。
店の仕入れのついでに、兄さんが家まで荷馬車で送ってくれるというので、連れて行ってもらう。
「箱はここに置いてくれたらいいわ。ありがとう兄さん。また明日お願いね」
アイシャの家の前で兄さんと別れる。
入り口を開けると奥の方からアイシャのくぐもった声が聞こえてきた。寝室であの男がアイシャの服を脱がせてお尻を撫でまわしている。
「このド変態野郎! アイシャに何してんのよ~~~」
渾身の右ストレートがあいつのアゴにクリーンヒットする。一発KOね。
「キャー! カリンなんてことするのよ~」
「へ?」
「今この人に治療してもらってたのよ! ユヅキさん大丈夫?」
「えっ、何? この人お医者さんなの? え? 人族だよ?」
男が気がついた。
「あの、ごめんなさい。治療中だって知らなくて」
「$※、△☆☆※」
男が何か言って頭に手を置こうとする。私はバッと飛び退いた。
「なにすんのよ。女の子の耳を触ろうだなんて! やっぱりあんた、ただの変態ね」
やはり人族だ。信用できない。
その後、治療の続きをすると言って、アイシャがベッドに俯きになり服をたくし上げた。えっ、そんな恰好すんの? お尻が丸出しよ。
近寄って見てみると、左足の腿のあたりからお尻にかけて、すごい傷跡が見えた。
「うわぁ、すごい痛そう。アイシャ、ねえ、大丈夫なの、ねえ」
少し涙目になる。これは思っていたよりもすごい怪我だ。よくこれで命が助かったと思うほどの。
治療が終わって、アイシャとふたりっきりになって話を聞いた。
「私がサーベルタイガーに襲われているところを、ユヅキさんに助けてもらったの」
「えっ! サーベルに!!」
「怪我の治療もしてもらって、今は少しだけ歩けるようになったのよ」
「うんうん、良かったわ。デンデン貝を聞いたときは、ほんと心配したんだから」
半年ほど前。アイシャのお父さんが大怪我をして、町まで来てお医者様に診てもらった事がある。その時でもこれほど酷くなかったと思うけど、結局亡くなってしまった。
あの男は、それなりの腕のあるお医者さんかもしれないけど、サーベルタイガーを撃退するお医者さんって聞いたことがない。
「じゃー、大イノシシを狩ったのもあの人? 牙を店に持ち込んできたの」
「そうだと思うわ。町から帰ってきた時に大イノシシの肉を持って帰って来たから」
凄腕の冒険者で、お医者様で、人族で。でも強そうには見えないわね。よく分からなくなってきたわ。
まあいいわ、男手があるなら使わなくっちゃ。
「ねえ、ユヅキ。こっちに来て」
入り口に置いていた木箱を寝室まで運んでもらう。
「アイシャ。追加の食料とか着替えとか持ってきたの。前に渡した分じゃ足りないと思って」
山の中で不便していると思って、色んな物を持ってきている。
「食料のお金は店で立て替えてくれるって父さんが言ってたから、次回の納品の時でいいわよ。着替えは私のだし使ってよ」
替えの下着とかも持ってきている。
「あっ、これはユヅキに触らせちゃダメね。こっちの鞄に入れとくね」
「うん、分かった。ユヅキさん、すみませんがこの袋を食料庫に運んでもらえますか?」
箱の中にある物をあの男に運ばせた後、アイシャが頼み事を言って来た。
「ねえ。カリンお願いがあるんだけど、私、最近水浴びができてなくて、体を拭いてほしいの」
「そうよね、この怪我じゃね~。いいわよ、奥の洗い場ね」
するとアイシャが男に向かって両手を広げている。げっ! ユヅキにお姫様ダッコしてもらってる。いつもそんなことしてるの!
洗い場で、ユヅキを追い払ったところで、アイシャに服を脱いでもらう。タオルを水に濡らして体を拭いていく。
「アイシャまた胸大きくなってない?」
「えー、やだ、何言ってるのよ」
アイシャは私より胸は大きいし腰もくびれていて、スタイル抜群だ。これをユヅキが好色の目で見るようなら私が許さないから。
「髪はどうする」
「包帯を濡らさないようにできる?」
「それなら、こっちに足を向けて寝転んで」
足に水が掛からないように、丁寧に洗っていく。動きやすそうなショートヘアの黒髪。耳元だけ伸ばした髪型は女の子らしくてかわいい。背中のたてがみはピンとしてて精悍で猟師っぽいわ。
洗い終えた髪と体を乾いたタオルで拭いていく。
「ありがとう。カリン」
「ウン。どういたしまして」
すっきりした顔のアイシャ。私も役に立てて嬉しいよ。
「じゃー、ユヅキを呼んでくるから、ちょっと待っててね」
ユヅキにアイシャを寝室まで運んでもらったけど、またもお姫様ダッコだ。歩けないから仕方ないんだけど……。
その後は寝室で、アイシャと今後の事について話す。
「それでね、アイシャ。傷見せてもらったけど、すごい大怪我だよね。これからも傷の手当てするのに、町に降りてお医者様に診てもらうのはどうかしら?」
こんな山の中より、アイシャには町にいてもらった方が安心する。
「町なら身の回りのお世話とか、私がいつでもお手伝いできるしさ」
「ううん、私はここでいいわ。カリンの気持ちは嬉しいけど、ユヅキさんとなら、なんとかできると思うの」
アイシャは足の傷を摩りながら、愛おしそうに話す。
「私も最初もう死ぬんじゃないかって思ってたけど、ユヅキさんが頑張ってくれたから……。これからも治療はユヅキさんに任せて、完全に治るまで一緒に頑張っていきたいの」
「そっか。私はまだあいつが信用できないけど、アイシャがそう言うならそれでいいよ」
アイシャのこんな大人びた顔は見たことないなと思いつつ、その後は他愛もないおしゃべりを楽しんだ。
---------------------
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
今回と次回の2話分は、第17話~第19話 のカリン視点となっています。
次回もよろしくお願いいたします。
アイシャの怪我も心配だけど、この前来た人族の男、ユヅキって言ったっけ。どうも胡散臭い。
依頼を受けた冒険者だろうけど、まさかまだアイシャの家にいるんじゃないでしょうね。渡した商品、ちゃんとアイシャに届いているといいんだけど。
魔の森に比べたら、アイシャの住んでいるカウスの林は安全だけど、私ひとりで行くのは無理だわ。
店の仕入れのついでに、兄さんが家まで荷馬車で送ってくれるというので、連れて行ってもらう。
「箱はここに置いてくれたらいいわ。ありがとう兄さん。また明日お願いね」
アイシャの家の前で兄さんと別れる。
入り口を開けると奥の方からアイシャのくぐもった声が聞こえてきた。寝室であの男がアイシャの服を脱がせてお尻を撫でまわしている。
「このド変態野郎! アイシャに何してんのよ~~~」
渾身の右ストレートがあいつのアゴにクリーンヒットする。一発KOね。
「キャー! カリンなんてことするのよ~」
「へ?」
「今この人に治療してもらってたのよ! ユヅキさん大丈夫?」
「えっ、何? この人お医者さんなの? え? 人族だよ?」
男が気がついた。
「あの、ごめんなさい。治療中だって知らなくて」
「$※、△☆☆※」
男が何か言って頭に手を置こうとする。私はバッと飛び退いた。
「なにすんのよ。女の子の耳を触ろうだなんて! やっぱりあんた、ただの変態ね」
やはり人族だ。信用できない。
その後、治療の続きをすると言って、アイシャがベッドに俯きになり服をたくし上げた。えっ、そんな恰好すんの? お尻が丸出しよ。
近寄って見てみると、左足の腿のあたりからお尻にかけて、すごい傷跡が見えた。
「うわぁ、すごい痛そう。アイシャ、ねえ、大丈夫なの、ねえ」
少し涙目になる。これは思っていたよりもすごい怪我だ。よくこれで命が助かったと思うほどの。
治療が終わって、アイシャとふたりっきりになって話を聞いた。
「私がサーベルタイガーに襲われているところを、ユヅキさんに助けてもらったの」
「えっ! サーベルに!!」
「怪我の治療もしてもらって、今は少しだけ歩けるようになったのよ」
「うんうん、良かったわ。デンデン貝を聞いたときは、ほんと心配したんだから」
半年ほど前。アイシャのお父さんが大怪我をして、町まで来てお医者様に診てもらった事がある。その時でもこれほど酷くなかったと思うけど、結局亡くなってしまった。
あの男は、それなりの腕のあるお医者さんかもしれないけど、サーベルタイガーを撃退するお医者さんって聞いたことがない。
「じゃー、大イノシシを狩ったのもあの人? 牙を店に持ち込んできたの」
「そうだと思うわ。町から帰ってきた時に大イノシシの肉を持って帰って来たから」
凄腕の冒険者で、お医者様で、人族で。でも強そうには見えないわね。よく分からなくなってきたわ。
まあいいわ、男手があるなら使わなくっちゃ。
「ねえ、ユヅキ。こっちに来て」
入り口に置いていた木箱を寝室まで運んでもらう。
「アイシャ。追加の食料とか着替えとか持ってきたの。前に渡した分じゃ足りないと思って」
山の中で不便していると思って、色んな物を持ってきている。
「食料のお金は店で立て替えてくれるって父さんが言ってたから、次回の納品の時でいいわよ。着替えは私のだし使ってよ」
替えの下着とかも持ってきている。
「あっ、これはユヅキに触らせちゃダメね。こっちの鞄に入れとくね」
「うん、分かった。ユヅキさん、すみませんがこの袋を食料庫に運んでもらえますか?」
箱の中にある物をあの男に運ばせた後、アイシャが頼み事を言って来た。
「ねえ。カリンお願いがあるんだけど、私、最近水浴びができてなくて、体を拭いてほしいの」
「そうよね、この怪我じゃね~。いいわよ、奥の洗い場ね」
するとアイシャが男に向かって両手を広げている。げっ! ユヅキにお姫様ダッコしてもらってる。いつもそんなことしてるの!
洗い場で、ユヅキを追い払ったところで、アイシャに服を脱いでもらう。タオルを水に濡らして体を拭いていく。
「アイシャまた胸大きくなってない?」
「えー、やだ、何言ってるのよ」
アイシャは私より胸は大きいし腰もくびれていて、スタイル抜群だ。これをユヅキが好色の目で見るようなら私が許さないから。
「髪はどうする」
「包帯を濡らさないようにできる?」
「それなら、こっちに足を向けて寝転んで」
足に水が掛からないように、丁寧に洗っていく。動きやすそうなショートヘアの黒髪。耳元だけ伸ばした髪型は女の子らしくてかわいい。背中のたてがみはピンとしてて精悍で猟師っぽいわ。
洗い終えた髪と体を乾いたタオルで拭いていく。
「ありがとう。カリン」
「ウン。どういたしまして」
すっきりした顔のアイシャ。私も役に立てて嬉しいよ。
「じゃー、ユヅキを呼んでくるから、ちょっと待っててね」
ユヅキにアイシャを寝室まで運んでもらったけど、またもお姫様ダッコだ。歩けないから仕方ないんだけど……。
その後は寝室で、アイシャと今後の事について話す。
「それでね、アイシャ。傷見せてもらったけど、すごい大怪我だよね。これからも傷の手当てするのに、町に降りてお医者様に診てもらうのはどうかしら?」
こんな山の中より、アイシャには町にいてもらった方が安心する。
「町なら身の回りのお世話とか、私がいつでもお手伝いできるしさ」
「ううん、私はここでいいわ。カリンの気持ちは嬉しいけど、ユヅキさんとなら、なんとかできると思うの」
アイシャは足の傷を摩りながら、愛おしそうに話す。
「私も最初もう死ぬんじゃないかって思ってたけど、ユヅキさんが頑張ってくれたから……。これからも治療はユヅキさんに任せて、完全に治るまで一緒に頑張っていきたいの」
「そっか。私はまだあいつが信用できないけど、アイシャがそう言うならそれでいいよ」
アイシャのこんな大人びた顔は見たことないなと思いつつ、その後は他愛もないおしゃべりを楽しんだ。
---------------------
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
今回と次回の2話分は、第17話~第19話 のカリン視点となっています。
次回もよろしくお願いいたします。
35
お気に入りに追加
968
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
最強の職業は付与魔術師かもしれない
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。
召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。
しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる――
※今月は毎日10時に投稿します。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
「守ることしかできない魔法は不要だ」と追放された結界師は幼なじみと共に最強になる~今更俺の結界が必要だと土下座したところでもう遅い~
平山和人
ファンタジー
主人公のカイトは、王太子率いる勇者パーティーの一員として参加していた。しかし、王太子は彼の力を過小評価し、「結界魔法しか使えない欠陥品」と罵って、宮廷魔導師の資格を剥奪し、国外追放を命じる。
途方に暮れるリクを救ったのは、同じ孤児院出身の幼馴染のフィーナだった。フィーナは「あなたが国を出るなら、私もついていきます」と決意し、カイトとともに故郷を後にする。
ところが、カイトが以前に張り巡らせていた強力な結界が解けたことで、国は大混乱に陥る。国民たちは、失われた最強の結界師であるカイトの力を必死に求めてやってくるようになる。
そんな中、弱体化した王太子がついにカイトの元に土下座して謝罪してくるが、カイトは申し出を断り、フレアと共に新天地で新しい人生を切り開くことを決意する。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる