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第二章 精神世界・マイン
ルートA
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私の正体は理性です。彼女の正直な心は弱すぎるだから私が居る、彼女はシャイだ。本当は優しく暴力的な言葉や行動は好きじゃないのに彼女は自尊心の為使う
彼女の自尊心は父親です。父親の強さに憧れそれに付き添っている、父は時に強い言葉を使い優勢に立つ、家族の為、村の為にそんな父に憧れ強い言葉を使う……本当は使いたくない癖にでも本当の自分は父とは似ても似つかない弱い者、動物が好きだ人の笑顔が好きだ友達だって作りたいでもそんな事を他人に行ってしまったら父にはなれない強い自分になれない……そんな事を考えている時だった。魔王が現れ両親を殺されたのは
魔王は笑顔を振り撒き、彼女が出せなかった本音を出し、その優しさを振り撒く、そうして両親は殺された。弱い自分が両親を殺した。
そして殺戮は両親だけに止まらない周りの友人だと恩師だと思っていた人達まで殺される
私は彼女の理性、彼女の自尊心を守る為時には壁になろう道化になろう魔王になろう、邪魔者は要らない
御菓子の城の中、一人の少女の上に馬乗りになり首に手を回している男が一人にその隣でナイフを振り上げながら震え涙を流している少女が一人、それを傍観する青髪の女性がまた一人
「何でお前なんかがいるんだ? 邪魔なんだよ!」
「そいつは失敬、俺も居たくて居る訳じゃない! 無理矢理連れてこられたんだ!」
「邪魔だ!! 退け退け退け!!!」
「おいおい、様子がおかしくなって来たぞ……」
ネルヒムの様子がおかしくなる、さっきまで醸し出していた余裕は消え去り、暴れ出す。
「暴れても無駄だ。俺が手を放す事は無いぞ」
「屑! 愚か者! 馬鹿者! 阿呆! 能無し!」
「そいつショッキングだな、で? どうするんだ? マリアお嬢様、殺すか生かすか早くしないと逃げられちまうぞ」
マリアは喋らず俯いている
「黙ってるという事は逃がすという事か?」
マリアは何も言わない、ジョンは立ち上がり、ネルヒムを解放する
「良かったな、無罪放免だとよ」
「な、何を抜け抜けと!!」
ネルヒムは急ぎ立ち上がりジョンに手を翳そうとするがその前に腹を蹴られる
「ぐっ!?」
その場で崩れるネルヒム
「俺はお前の魔法が発動するのを何度も視たんだぜ? 発動させるかよ、俺を殺る気なら、さっき俺を吹き飛ばした魔法を使え」
「き、貴様ぁ……! 許さぬ……! 許さぬぞ……!!」
「そんな事言われたってこの状況じゃ負け犬の遠吠えにしか聞こえないぜ? どうした? やれよ」
動けないネルヒム、その隣のマリアは唖然と目の前の状況を見る事しか出来なかった。
腹部の痛みに悶絶するネルヒム
「何をどう強がっても所詮は子供の身体、すぐに機能しなくなる、もし次俺を攻撃しようとしたら容赦しないぜ? 必ず殺す」
ナイフを取り出すジョン
それから静寂が続く……続く
静寂を破るはマリア
「も、もう貴方は逃げて……!」
誰に投げ掛けた言葉か? 答えはネルヒム
「な、なにを?」
ネルヒムは困惑する
「もう、決めたの……私は貴方を殺さない、だから何処にでも行きなさい」
「私は両親を殺したんだぞ!!」
「知らない! どっか行って!」
「そ、そんなぁ……」
ネルヒムは行き成り弱気な声になり、目に涙を浮かべる
「? ど、どうしたの?」
「あなたの為に用意したのに……意味、無いよ……」
「どういうこと?」
「もういいよ、よわむし」
ネルヒムはその言葉を最後に消える
「ワオ、マジかよ」
「何を今更驚いてる、此処は精神世界何があっても不思議じゃない」
「ねぇ、そこのお兄さん」
マリアがジョンに声を掛ける
「何だ?」
「私、弱虫なのかな?」
「それを俺に聞いてどうする? 俺がお前の事を弱虫だと言ったらそうなるのか?」
「なら誰に聴けばいいのかな……?」
「自分だろうな」
「何言ってんの、わかんない」
「ちと洒落乙過ぎたか?」
「……真面目に聞いてないでしょ?」
「当たりマエダのクラッカー、前にも言ったがお前と会ったのはついさっきの事、お前の事なんて知るかよ、自分で全てを決めろ」
「そんなの冷たいよ……」
「何とでも言え、それよりバーングこれからどうするんだ?」
「そこのマリアに解魔を施す。そいつはマリアの潜在意識、この世界の核だ」
「こいつが? そうすれば、この世界からおさらば出来るのか?」
「あぁ、そうだ」
「そいつなら話が早い、でも外で眠ってる奴等は起こさなくていいのか?」
「私が解魔を施せばローラ達も強制的に戻されるだろう」
そう言いバーングが重い腰を上げマリアに近付こうとする
「い、いやだ! 私に何をする気!?」
マリアが逃げ出す。バーングはそれを追う訳でも無く気だるそうに
「早く追って捕まえて来い」
とジョンに命令する
「泣ける」
ジョンはマリアの逃げた方に進む、マリアは部屋を出て階段を降りようとして氷に滑り転ぶ、だが諦めず逃げる、血が出ようとも関係無く
「何処まで行くつもりだ?」
血痕を追い階段を降り、二階に着く血痕は二階に降りている、廊下を歩くジョン、もう足音は聞こえない、彼女は何処かに息を潜めているのだ。
そんな彼女をジョンは簡単に見つける、彼女はとある部屋のクローゼットの中に震え、涙を流しながら隠れていたのだ。
「よぉ、お元気?」
そんな時、マリアの懐から何かが飛び出しジョンを襲おうとするが捕えられる、正体はネズミ
「何だ? こいつ」
「!? その子を放して!!」
さっきまで震えてばっかりだったマリアが怒りを顕わにしジョンに襲い掛かるが躱される、マリアはそのままクローゼットから落ちる
「危ないあと一歩でやられる所だった」
「そ、その子は関係無いの……私はどうなってもいいから……」
マリアは身を挺してそのネズミを助けようと必死になっている
「おいおい、このネズミがそんなに大事なのか?」
「放して……お願い、私はその子の主人なんだから守らなきゃいけないの、だからジョンを放して!」
ジョンという言葉にジョンが驚く
「何だって!? ジョン? まさかこのネズミの名前はジョンなのか?」
「……そうよ」
(俺と同じ名前……ま、まさかこのネズミは……俺の事? え? 何故? コイツの心の中じゃ俺はネズミレベルの存在感って事? うっひゃ~)
この世界の人、物は彼女の心を通して投影されてそこに存在する、ジョンはまだ彼女にとって出会って浅い小さき者、だから小さなネズミとして投影される
「……俺はネズミかよ、嬉しいね、全く、それで? こんなネズミの為に死んだっていいと言うのか?」
「……私は主人なのだから守るの」
「こいつと出会ってどのくらい立つ? 命を捨てる程長くこいつと過ごしたのか?」
「昨日会ったばっかよ、ミラオルクに連れられてやって来たの行き先がないから此処でしばらく預かってくれって……みんな反対してたけど……行き先が無いなんて可哀そうじゃない、だから私が預かったの……だから返して……その子が可哀そうよ」
現実世界の話でこんな事をミランダが帰る前にマリアに話したのだ。
「あの若者は行き先が無く困っています。どうか困って居たら助けてやって下さい」
行き先の無いジョンを見てマリアはそんなジョンに自分を重ねて見てしまったのだ。
行き先の無いジョンと居場所の無い自分、ジョンに同情したマリアはミラオルクに答えた。
「えぇ! 任せなさい!」
と
「可哀そう? まさかお前は俺を可哀そうだと思って俺を下僕にするとか言い出したのか? そうしないとあの屋敷から追い出されると思って? 俺を、可哀そうだと?」
マリア・ワルクルスはジョンの事を不憫に思い高飛車な態度ながらもジョンをあの屋敷に居られる様に取り計らったのだ。そんなマリアの優しさが無くてもジョンは屋敷で何てこと無く働けただろうが……
ジョンは笑い出す。
「何が可笑しいのよ!」
「いや、悪いな、何でもない、そうか……クククッ」
ジョンは暫く考え込む
「なぁ、マリア、お前こいつの為に死ねると言ったよな?」
マリアは黙って頷く、それを見たジョンはネズミを返す。
「そんな奴の為に死ぬ事は無い、もう俺はお前を捕まえようともしない、勝手に何処にでも行けばいい」
ジョンはこの少女に恩を感じた。なのでこれ以上は何も出来ない
「いいの?」
「別の方法を探すさ」
「……いいよ、わたしを連れて行って」
「何だ? 同情でもしたのか?」
「貴方、この子を返してくれたじゃない、だから貴方はそんなに悪い人じゃないわ、だから少し信用するの」
「そんな事で? 単純単細胞だな」
「う、うるさいわよ!」
「失敬したな、俺からも言う事がある」
「何?」
「俺は借りっぱなしは嫌いなんだ。恩は返す。必ずな」
「何の話?」
「さぁね、知らん」
そして二人と一匹は歩く
そしてバーングの元
「では、始めるぞ」
「また、会える?」
マリアは震える声でジョンにそう尋ねる
「会いたくないな」
そんなマリアの言葉を冷たい一言で返すジョン
「なによ……ひどいじゃない」
「多分後で嫌でも会う事になるぞ」
「……そうなの?」
「あぁ、多分だがね」
「なら、いいわ」
「もう、いいか?」
確認するバーング
「えぇ、始めて」
バーングがマリアに手を翳す。そして、ジョン達は元の世界に帰る
場所はマリアの部屋、部屋には気絶したナサル達、そしてバーング、ベットにはまだマリアが横たわっている、その隣にはジーク
「おぉ!! バーングそれにジョン君!!」
ジークがジョン達に近寄り握手をする
「良かった! 良かった! あの黒い玉に君達が飲み込まれた時一体どうなるかと……」
「そんな事よりそいつ等の介護をしろ、ついで言って置くが解魔の必要は無い、マリアも孰れ目を覚ますだろう、私は部屋に戻る」
「ローラ! ナサルにエル! 彼女達は一体どうしたんだ?」
「気絶してるだけだ、二人でベットにでも寝かせてやるんだな」
と言い残しバーングは部屋を去る
「と、言う事らしい、ジョン君手伝ってくれ」
「俺も部屋に戻りたいんだが……」
「何を言ってるんだ! 私一人では運べないぞ!」
「泣ける」
全員を各々の部屋に運び、ジョンが部屋に戻ろうとした時
「ジョン! 生きてたのか! 他のみんなは?」
ファングに出会う
「大丈夫だ、全員生きてる、それとマリアお嬢様の親に伝えといてくれ「娘の見舞いぐらい行け」ってな」
「お、おう」
そうしてようやく事は終わり部屋へと戻る、黒い玉に飲み込まれあっちの世界では丸一日経ったがこちらの世界では二時間程しか経っていなかった
部屋で弾数残り一発の拳銃を整備していると誰かが部屋をノックする
「誰だ?」
「私だ、ナサルだ。さっき目を覚ました。お嬢様も一緒だ」
「そいつは良かったな」
「開けてくれ、話しがある」
「面倒臭いな」
扉を開くとナサルとその隣に俯いたマリアが立っていた手に何かを持っている
「で? ご用は?」
「私を部屋まで運んでくれたと聞いてな、改めて礼をしようかと……」
「礼? 礼だと? おいおい、まさかそんな事の為に俺にこの重い扉を開かせたのか?」
明らかに不機嫌なジョン
「な、なんだ! なんで、怒っているんだ!?」
「そんな俺に礼を言いたければ、紙に書いて俺の部屋の扉に貼って置け、俺はそれを暖炉の中に放り込む」
「……お、お嬢様からも話しがあるそうだ」
「何の御用でしょうか? マリアお嬢様? まさか、礼? まさかね」
そこでナサルがジョンの頭に拳骨を喰らわす
「痛た!」
「いい加減にしないか!」
「も、もういいわよ、行きましょナサル」
「お嬢様、そんな事を言わないで下さい、ジョンに言う事があるんですよね?」
マリアはジョンを見る
「こ、これ」
と小さな綺麗に包装された箱を渡す。
「べ、別にお礼とかじゃないから、それは契約料よ! これからのね! 覚えときなさい! 私は主人、貴方は下僕! 分かったわね!」
と言いマリアは走り去って行く
「フン、お前がいけないんだぞ、お嬢様は素直に礼を言おうとしていたのに」
「礼? 礼という事はマリアお嬢様はあっちの世界での記憶があるって事か?」
「朧げだがな」
「そうか……」
「君に恥ずかしい所を見せたな、済まない、苦労を掛けた」
「それについてはお互い様だ。俺には謝罪も礼も要らない、早く他の奴等の所に行って祝杯でも上げたらどうだ?」
「全員疲れていてそれどころでは無いぞ」
「それもそうか」
「今日はゆっくり休んでくれ、明日また会おう」
「あぁ、そうする」
ジョンは扉を閉める
そして小さな箱を開ける、中にはクッキーが入っていた。
(暫く見たくないと思ってた所なんだがな……)
クッキーを一つ掴み食べる
「うわ、マズッ!」
クッキーが余りにも不味いのでジョンはクッキーを吐き出す。
「何入れたらこんな味になるんだ?」
そんな疑問を口にしているとまたもノックがした。
扉を開けるジョン
そこにはファングが立っていた。
「何だ?」
「バーング先輩が呼んでるぜ」
ジョンはそう聞き仕方が無くファングの後を着いて行きバーングの元まで向かう
バーングは客間で座っていた。ジークも居る
「で? これから何の会が開かれるんだ? 親睦を深めようの会?」
「馬鹿を言うな、あの世界の事についての話だ」
「もう終わった事だろ? 俺はあまり興味が無いね」
「良いからそこに座れ」
と椅子を指差すバーング
そんなバーングが気に入らないジョンは敢えてそことは別の椅子に座る
「……全く、まるで子供だな」
そんなジョンに呆れてそんな事を言うバーング
「俺の事は良いから、話を進めろよ」
「では始めるぞ、我々はマリア・ワルクルスの精神世界に入り込んでしまった事は話したな?」
「お菓子の家に城、夢の様な世界だね」
「しかし、そのお菓子の家も木も城も齧ってみたがまるで味がしなかった。恐らくあの世界が夢の世界だからだろう」
「食べたのかい!?」
「あぁ、当たり前だろう? 文句あるのか?」
ジークを睨みつけるバーング
「いや別にないけど……」
「そしてあの世界はマリアの心のありようを示している世界だ」
「子供らしい健全な世界じゃない」
「一見はな、あの世界ではネルヒムが自分の両親を殺した魔王だとして指名手配されていたんだ。とても”健全”では無い」
「……つまりはネルヒム様の事を恨んでいたって事だよね?」
「そうだな、そしてその恨みの内容に両親が関係している」
「両親殺しねぇ……確かにネルヒム様が此処に来てからネルヒム様の面倒ばっかりであまりお嬢様の相手をしていなかったね」
「今まで自分に優しかった両親が行き成りネルヒムが現れた事で変わってしまった……それをマリアはあの”優しかった両親”をネルヒムによって殺されてしまったと捉えてしまったのだろうな」
マリアはまだ子供、両親にもっと愛して貰いたかったのだ。
「そしてその世界に実際、魔王ネルヒムが現れた。私が最も興味深かったのはこの魔王だ。今までは自分の心を護る為に自分に都合の良いモノばかり並べた精神世界に行き成り現れた反抗物、これは一体何だったんだ?」
「確かマリアが自分への復讐を止めた途端にガッカリしていたな」
「そこが不思議な所だ。普通はガッカリする所じゃない、これは私の予測だが……あれはマリア・ワルクルスの一種の自己防衛手段だったのだと私は考えている」
「? 防衛手段? 反抗しているのに?」
「人の話は最後まで聞け、ファング、人は自尊心が著しく下がると自尊心を再び取り戻す為に善行を行おうとしたりヒーローになろうとしたり人の役に立ち感謝される側になろうとする傾向が有る」
「つまり自尊心を失ったお嬢様が心の中で魔王を作り出してその魔王を倒す事であの国のヒーローになろうとしたって事?」
「飽くまで私の予測……だがな、これならあの魔王ネルヒムが復讐を止めたマリアを見て落胆したのも分かる、魔王ネルヒムはマリアをあの国のヒーローにする為の装置だったんだ。自分の仕事を遂行出来なくなったから落胆した」
「よく分からねぇ……頭が理解するのを拒絶しようとしてるぜ……」
ファングは今の会話の一パーセントも理解していない
「そんな事より一つ気になる事があるんだ。良いか?」
「何だ? ジョン?」
「ジークもファングもバーングもあの世界であの世界の住人として登場したのは知ってるな?」
「うん、僕は相談役だっけ?」
「私は研究員だったな、それがなんだ?」
「あんた等二人の役割は納得できる、研究員に相談役、ローラ、ナサルも納得が出来る、しかしファングお前が分からない何故酒屋なんだ?」
行き成りの名指しに面を喰らうファング
「は!? さ、さぁ……そんな事聞かれてもな……」
「ま、さ、かファング君、お嬢様にお酒飲ませたりしてないよね?」
「へ? い、いやまさか……」
「おいおい、何だ? その反応は? やりましたと言ってる様なモノだぜ?」
「ち、違うんだ! 誤解だ!」
「何が誤解なの? ファング君?」
「弁明を聞こうか?」
「とある日お嬢様に「お酒を持って来なさい!」と言われて断ったら面倒だからと思って洗ってあるワインボトルの中にタダの葡萄ジュースを入れて持って行った事が有る、タダそれだけの話なんだ! 信用してくれ!!」
疑いの目がファングに刺さる
「な、なんだよ……本当だって……」
「ふーん……まぁ本当なんじゃないか? そういう事にしておこう」
「や、止めろよ! ジョン! そんな言い方!」
「だね、僕も信用するよ、でなきゃまたお酒の取り扱いが五月蠅くなりそうだし」
「私は寝る」
客間を後にする三人、取り残されるファング
「お、おい、待てよ!! 本当だって! 信用してくれよぉ!!」
彼女の自尊心は父親です。父親の強さに憧れそれに付き添っている、父は時に強い言葉を使い優勢に立つ、家族の為、村の為にそんな父に憧れ強い言葉を使う……本当は使いたくない癖にでも本当の自分は父とは似ても似つかない弱い者、動物が好きだ人の笑顔が好きだ友達だって作りたいでもそんな事を他人に行ってしまったら父にはなれない強い自分になれない……そんな事を考えている時だった。魔王が現れ両親を殺されたのは
魔王は笑顔を振り撒き、彼女が出せなかった本音を出し、その優しさを振り撒く、そうして両親は殺された。弱い自分が両親を殺した。
そして殺戮は両親だけに止まらない周りの友人だと恩師だと思っていた人達まで殺される
私は彼女の理性、彼女の自尊心を守る為時には壁になろう道化になろう魔王になろう、邪魔者は要らない
御菓子の城の中、一人の少女の上に馬乗りになり首に手を回している男が一人にその隣でナイフを振り上げながら震え涙を流している少女が一人、それを傍観する青髪の女性がまた一人
「何でお前なんかがいるんだ? 邪魔なんだよ!」
「そいつは失敬、俺も居たくて居る訳じゃない! 無理矢理連れてこられたんだ!」
「邪魔だ!! 退け退け退け!!!」
「おいおい、様子がおかしくなって来たぞ……」
ネルヒムの様子がおかしくなる、さっきまで醸し出していた余裕は消え去り、暴れ出す。
「暴れても無駄だ。俺が手を放す事は無いぞ」
「屑! 愚か者! 馬鹿者! 阿呆! 能無し!」
「そいつショッキングだな、で? どうするんだ? マリアお嬢様、殺すか生かすか早くしないと逃げられちまうぞ」
マリアは喋らず俯いている
「黙ってるという事は逃がすという事か?」
マリアは何も言わない、ジョンは立ち上がり、ネルヒムを解放する
「良かったな、無罪放免だとよ」
「な、何を抜け抜けと!!」
ネルヒムは急ぎ立ち上がりジョンに手を翳そうとするがその前に腹を蹴られる
「ぐっ!?」
その場で崩れるネルヒム
「俺はお前の魔法が発動するのを何度も視たんだぜ? 発動させるかよ、俺を殺る気なら、さっき俺を吹き飛ばした魔法を使え」
「き、貴様ぁ……! 許さぬ……! 許さぬぞ……!!」
「そんな事言われたってこの状況じゃ負け犬の遠吠えにしか聞こえないぜ? どうした? やれよ」
動けないネルヒム、その隣のマリアは唖然と目の前の状況を見る事しか出来なかった。
腹部の痛みに悶絶するネルヒム
「何をどう強がっても所詮は子供の身体、すぐに機能しなくなる、もし次俺を攻撃しようとしたら容赦しないぜ? 必ず殺す」
ナイフを取り出すジョン
それから静寂が続く……続く
静寂を破るはマリア
「も、もう貴方は逃げて……!」
誰に投げ掛けた言葉か? 答えはネルヒム
「な、なにを?」
ネルヒムは困惑する
「もう、決めたの……私は貴方を殺さない、だから何処にでも行きなさい」
「私は両親を殺したんだぞ!!」
「知らない! どっか行って!」
「そ、そんなぁ……」
ネルヒムは行き成り弱気な声になり、目に涙を浮かべる
「? ど、どうしたの?」
「あなたの為に用意したのに……意味、無いよ……」
「どういうこと?」
「もういいよ、よわむし」
ネルヒムはその言葉を最後に消える
「ワオ、マジかよ」
「何を今更驚いてる、此処は精神世界何があっても不思議じゃない」
「ねぇ、そこのお兄さん」
マリアがジョンに声を掛ける
「何だ?」
「私、弱虫なのかな?」
「それを俺に聞いてどうする? 俺がお前の事を弱虫だと言ったらそうなるのか?」
「なら誰に聴けばいいのかな……?」
「自分だろうな」
「何言ってんの、わかんない」
「ちと洒落乙過ぎたか?」
「……真面目に聞いてないでしょ?」
「当たりマエダのクラッカー、前にも言ったがお前と会ったのはついさっきの事、お前の事なんて知るかよ、自分で全てを決めろ」
「そんなの冷たいよ……」
「何とでも言え、それよりバーングこれからどうするんだ?」
「そこのマリアに解魔を施す。そいつはマリアの潜在意識、この世界の核だ」
「こいつが? そうすれば、この世界からおさらば出来るのか?」
「あぁ、そうだ」
「そいつなら話が早い、でも外で眠ってる奴等は起こさなくていいのか?」
「私が解魔を施せばローラ達も強制的に戻されるだろう」
そう言いバーングが重い腰を上げマリアに近付こうとする
「い、いやだ! 私に何をする気!?」
マリアが逃げ出す。バーングはそれを追う訳でも無く気だるそうに
「早く追って捕まえて来い」
とジョンに命令する
「泣ける」
ジョンはマリアの逃げた方に進む、マリアは部屋を出て階段を降りようとして氷に滑り転ぶ、だが諦めず逃げる、血が出ようとも関係無く
「何処まで行くつもりだ?」
血痕を追い階段を降り、二階に着く血痕は二階に降りている、廊下を歩くジョン、もう足音は聞こえない、彼女は何処かに息を潜めているのだ。
そんな彼女をジョンは簡単に見つける、彼女はとある部屋のクローゼットの中に震え、涙を流しながら隠れていたのだ。
「よぉ、お元気?」
そんな時、マリアの懐から何かが飛び出しジョンを襲おうとするが捕えられる、正体はネズミ
「何だ? こいつ」
「!? その子を放して!!」
さっきまで震えてばっかりだったマリアが怒りを顕わにしジョンに襲い掛かるが躱される、マリアはそのままクローゼットから落ちる
「危ないあと一歩でやられる所だった」
「そ、その子は関係無いの……私はどうなってもいいから……」
マリアは身を挺してそのネズミを助けようと必死になっている
「おいおい、このネズミがそんなに大事なのか?」
「放して……お願い、私はその子の主人なんだから守らなきゃいけないの、だからジョンを放して!」
ジョンという言葉にジョンが驚く
「何だって!? ジョン? まさかこのネズミの名前はジョンなのか?」
「……そうよ」
(俺と同じ名前……ま、まさかこのネズミは……俺の事? え? 何故? コイツの心の中じゃ俺はネズミレベルの存在感って事? うっひゃ~)
この世界の人、物は彼女の心を通して投影されてそこに存在する、ジョンはまだ彼女にとって出会って浅い小さき者、だから小さなネズミとして投影される
「……俺はネズミかよ、嬉しいね、全く、それで? こんなネズミの為に死んだっていいと言うのか?」
「……私は主人なのだから守るの」
「こいつと出会ってどのくらい立つ? 命を捨てる程長くこいつと過ごしたのか?」
「昨日会ったばっかよ、ミラオルクに連れられてやって来たの行き先がないから此処でしばらく預かってくれって……みんな反対してたけど……行き先が無いなんて可哀そうじゃない、だから私が預かったの……だから返して……その子が可哀そうよ」
現実世界の話でこんな事をミランダが帰る前にマリアに話したのだ。
「あの若者は行き先が無く困っています。どうか困って居たら助けてやって下さい」
行き先の無いジョンを見てマリアはそんなジョンに自分を重ねて見てしまったのだ。
行き先の無いジョンと居場所の無い自分、ジョンに同情したマリアはミラオルクに答えた。
「えぇ! 任せなさい!」
と
「可哀そう? まさかお前は俺を可哀そうだと思って俺を下僕にするとか言い出したのか? そうしないとあの屋敷から追い出されると思って? 俺を、可哀そうだと?」
マリア・ワルクルスはジョンの事を不憫に思い高飛車な態度ながらもジョンをあの屋敷に居られる様に取り計らったのだ。そんなマリアの優しさが無くてもジョンは屋敷で何てこと無く働けただろうが……
ジョンは笑い出す。
「何が可笑しいのよ!」
「いや、悪いな、何でもない、そうか……クククッ」
ジョンは暫く考え込む
「なぁ、マリア、お前こいつの為に死ねると言ったよな?」
マリアは黙って頷く、それを見たジョンはネズミを返す。
「そんな奴の為に死ぬ事は無い、もう俺はお前を捕まえようともしない、勝手に何処にでも行けばいい」
ジョンはこの少女に恩を感じた。なのでこれ以上は何も出来ない
「いいの?」
「別の方法を探すさ」
「……いいよ、わたしを連れて行って」
「何だ? 同情でもしたのか?」
「貴方、この子を返してくれたじゃない、だから貴方はそんなに悪い人じゃないわ、だから少し信用するの」
「そんな事で? 単純単細胞だな」
「う、うるさいわよ!」
「失敬したな、俺からも言う事がある」
「何?」
「俺は借りっぱなしは嫌いなんだ。恩は返す。必ずな」
「何の話?」
「さぁね、知らん」
そして二人と一匹は歩く
そしてバーングの元
「では、始めるぞ」
「また、会える?」
マリアは震える声でジョンにそう尋ねる
「会いたくないな」
そんなマリアの言葉を冷たい一言で返すジョン
「なによ……ひどいじゃない」
「多分後で嫌でも会う事になるぞ」
「……そうなの?」
「あぁ、多分だがね」
「なら、いいわ」
「もう、いいか?」
確認するバーング
「えぇ、始めて」
バーングがマリアに手を翳す。そして、ジョン達は元の世界に帰る
場所はマリアの部屋、部屋には気絶したナサル達、そしてバーング、ベットにはまだマリアが横たわっている、その隣にはジーク
「おぉ!! バーングそれにジョン君!!」
ジークがジョン達に近寄り握手をする
「良かった! 良かった! あの黒い玉に君達が飲み込まれた時一体どうなるかと……」
「そんな事よりそいつ等の介護をしろ、ついで言って置くが解魔の必要は無い、マリアも孰れ目を覚ますだろう、私は部屋に戻る」
「ローラ! ナサルにエル! 彼女達は一体どうしたんだ?」
「気絶してるだけだ、二人でベットにでも寝かせてやるんだな」
と言い残しバーングは部屋を去る
「と、言う事らしい、ジョン君手伝ってくれ」
「俺も部屋に戻りたいんだが……」
「何を言ってるんだ! 私一人では運べないぞ!」
「泣ける」
全員を各々の部屋に運び、ジョンが部屋に戻ろうとした時
「ジョン! 生きてたのか! 他のみんなは?」
ファングに出会う
「大丈夫だ、全員生きてる、それとマリアお嬢様の親に伝えといてくれ「娘の見舞いぐらい行け」ってな」
「お、おう」
そうしてようやく事は終わり部屋へと戻る、黒い玉に飲み込まれあっちの世界では丸一日経ったがこちらの世界では二時間程しか経っていなかった
部屋で弾数残り一発の拳銃を整備していると誰かが部屋をノックする
「誰だ?」
「私だ、ナサルだ。さっき目を覚ました。お嬢様も一緒だ」
「そいつは良かったな」
「開けてくれ、話しがある」
「面倒臭いな」
扉を開くとナサルとその隣に俯いたマリアが立っていた手に何かを持っている
「で? ご用は?」
「私を部屋まで運んでくれたと聞いてな、改めて礼をしようかと……」
「礼? 礼だと? おいおい、まさかそんな事の為に俺にこの重い扉を開かせたのか?」
明らかに不機嫌なジョン
「な、なんだ! なんで、怒っているんだ!?」
「そんな俺に礼を言いたければ、紙に書いて俺の部屋の扉に貼って置け、俺はそれを暖炉の中に放り込む」
「……お、お嬢様からも話しがあるそうだ」
「何の御用でしょうか? マリアお嬢様? まさか、礼? まさかね」
そこでナサルがジョンの頭に拳骨を喰らわす
「痛た!」
「いい加減にしないか!」
「も、もういいわよ、行きましょナサル」
「お嬢様、そんな事を言わないで下さい、ジョンに言う事があるんですよね?」
マリアはジョンを見る
「こ、これ」
と小さな綺麗に包装された箱を渡す。
「べ、別にお礼とかじゃないから、それは契約料よ! これからのね! 覚えときなさい! 私は主人、貴方は下僕! 分かったわね!」
と言いマリアは走り去って行く
「フン、お前がいけないんだぞ、お嬢様は素直に礼を言おうとしていたのに」
「礼? 礼という事はマリアお嬢様はあっちの世界での記憶があるって事か?」
「朧げだがな」
「そうか……」
「君に恥ずかしい所を見せたな、済まない、苦労を掛けた」
「それについてはお互い様だ。俺には謝罪も礼も要らない、早く他の奴等の所に行って祝杯でも上げたらどうだ?」
「全員疲れていてそれどころでは無いぞ」
「それもそうか」
「今日はゆっくり休んでくれ、明日また会おう」
「あぁ、そうする」
ジョンは扉を閉める
そして小さな箱を開ける、中にはクッキーが入っていた。
(暫く見たくないと思ってた所なんだがな……)
クッキーを一つ掴み食べる
「うわ、マズッ!」
クッキーが余りにも不味いのでジョンはクッキーを吐き出す。
「何入れたらこんな味になるんだ?」
そんな疑問を口にしているとまたもノックがした。
扉を開けるジョン
そこにはファングが立っていた。
「何だ?」
「バーング先輩が呼んでるぜ」
ジョンはそう聞き仕方が無くファングの後を着いて行きバーングの元まで向かう
バーングは客間で座っていた。ジークも居る
「で? これから何の会が開かれるんだ? 親睦を深めようの会?」
「馬鹿を言うな、あの世界の事についての話だ」
「もう終わった事だろ? 俺はあまり興味が無いね」
「良いからそこに座れ」
と椅子を指差すバーング
そんなバーングが気に入らないジョンは敢えてそことは別の椅子に座る
「……全く、まるで子供だな」
そんなジョンに呆れてそんな事を言うバーング
「俺の事は良いから、話を進めろよ」
「では始めるぞ、我々はマリア・ワルクルスの精神世界に入り込んでしまった事は話したな?」
「お菓子の家に城、夢の様な世界だね」
「しかし、そのお菓子の家も木も城も齧ってみたがまるで味がしなかった。恐らくあの世界が夢の世界だからだろう」
「食べたのかい!?」
「あぁ、当たり前だろう? 文句あるのか?」
ジークを睨みつけるバーング
「いや別にないけど……」
「そしてあの世界はマリアの心のありようを示している世界だ」
「子供らしい健全な世界じゃない」
「一見はな、あの世界ではネルヒムが自分の両親を殺した魔王だとして指名手配されていたんだ。とても”健全”では無い」
「……つまりはネルヒム様の事を恨んでいたって事だよね?」
「そうだな、そしてその恨みの内容に両親が関係している」
「両親殺しねぇ……確かにネルヒム様が此処に来てからネルヒム様の面倒ばっかりであまりお嬢様の相手をしていなかったね」
「今まで自分に優しかった両親が行き成りネルヒムが現れた事で変わってしまった……それをマリアはあの”優しかった両親”をネルヒムによって殺されてしまったと捉えてしまったのだろうな」
マリアはまだ子供、両親にもっと愛して貰いたかったのだ。
「そしてその世界に実際、魔王ネルヒムが現れた。私が最も興味深かったのはこの魔王だ。今までは自分の心を護る為に自分に都合の良いモノばかり並べた精神世界に行き成り現れた反抗物、これは一体何だったんだ?」
「確かマリアが自分への復讐を止めた途端にガッカリしていたな」
「そこが不思議な所だ。普通はガッカリする所じゃない、これは私の予測だが……あれはマリア・ワルクルスの一種の自己防衛手段だったのだと私は考えている」
「? 防衛手段? 反抗しているのに?」
「人の話は最後まで聞け、ファング、人は自尊心が著しく下がると自尊心を再び取り戻す為に善行を行おうとしたりヒーローになろうとしたり人の役に立ち感謝される側になろうとする傾向が有る」
「つまり自尊心を失ったお嬢様が心の中で魔王を作り出してその魔王を倒す事であの国のヒーローになろうとしたって事?」
「飽くまで私の予測……だがな、これならあの魔王ネルヒムが復讐を止めたマリアを見て落胆したのも分かる、魔王ネルヒムはマリアをあの国のヒーローにする為の装置だったんだ。自分の仕事を遂行出来なくなったから落胆した」
「よく分からねぇ……頭が理解するのを拒絶しようとしてるぜ……」
ファングは今の会話の一パーセントも理解していない
「そんな事より一つ気になる事があるんだ。良いか?」
「何だ? ジョン?」
「ジークもファングもバーングもあの世界であの世界の住人として登場したのは知ってるな?」
「うん、僕は相談役だっけ?」
「私は研究員だったな、それがなんだ?」
「あんた等二人の役割は納得できる、研究員に相談役、ローラ、ナサルも納得が出来る、しかしファングお前が分からない何故酒屋なんだ?」
行き成りの名指しに面を喰らうファング
「は!? さ、さぁ……そんな事聞かれてもな……」
「ま、さ、かファング君、お嬢様にお酒飲ませたりしてないよね?」
「へ? い、いやまさか……」
「おいおい、何だ? その反応は? やりましたと言ってる様なモノだぜ?」
「ち、違うんだ! 誤解だ!」
「何が誤解なの? ファング君?」
「弁明を聞こうか?」
「とある日お嬢様に「お酒を持って来なさい!」と言われて断ったら面倒だからと思って洗ってあるワインボトルの中にタダの葡萄ジュースを入れて持って行った事が有る、タダそれだけの話なんだ! 信用してくれ!!」
疑いの目がファングに刺さる
「な、なんだよ……本当だって……」
「ふーん……まぁ本当なんじゃないか? そういう事にしておこう」
「や、止めろよ! ジョン! そんな言い方!」
「だね、僕も信用するよ、でなきゃまたお酒の取り扱いが五月蠅くなりそうだし」
「私は寝る」
客間を後にする三人、取り残されるファング
「お、おい、待てよ!! 本当だって! 信用してくれよぉ!!」
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