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グレイストーン(1)
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「『アイリーデの街にアイラ王女が潜伏か』……ですって」
新聞を読みながらルルが言う。
アイラたちは今、アイリーデを出て次の潜伏先に向かう途中で、ひと気のない街道を移動している。
周囲には葡萄園が延々と広がっているが、まだツルはそれほど伸びていない。緑の小さな粒が見えるのでこれから花が咲いて、暑くなるにつれて実がついていくのだろう。
アイラの仲間は奴隷のルルと、馬と、その馬が産んだ子馬だ。
子馬はまだ生まれて一週間と少しなので、長い距離を歩かせるのは無理だと考え、小型の荷車に乗せている。荷車には他に荷物とアイラが乗っていて、それを馬が引いている。
とはいえ、馬も出産したばかりで体調が心配なので、実は荷車はアイラが魔力を使って動かしていた。なので馬はただ歩いているだけだ。
そしてその隣ではルルが荷物を背負って歩いている。
「『エストラーダ革命以降、城から逃げて行方不明となっているアイラ王女の姿が、国の西のアイリーデで目撃された』」
ルルは片手で新聞を持ちながら、その紙面に視線を落とし、続ける。
「『しかし街の住民に話を聞くと、彼女はこの土地を治めるアイリーデ公爵に逆らった若者たちの命を救ったという。アイリーデ公爵は王女の叔父だが、なぜ彼女は反逆者の肩を持ったのだろうか? 我々庶民は王女の人となりを知らないが、彼女は家族と同じように傲慢なだけの人物なのか、それとも違うのだろうか。取材をした『太った山猫』という食堂の店主は『あの子は悪い子じゃない。うちの料理を美味しそうに食べてくれたからな』と話した』……」
新聞を片付けつつ、ルルはため息をついた。
「アイラがアイリーデにいた事、残念な事にばっちり話題になっていますね」
「そうみたいだな」
「今頃、王都の騎士たちがたくさんアイリーデにやって来ていますよ。しばらくはアイリーデをしらみつぶしに捜索するはずなので時間は稼げるでしょうが、追いつかれないよう注意しないといけませんね」
ルルはそう言って後ろを振り返った。
「後ろは私が見ているから大丈夫だ」
一方、アイラは荷車の上でリラックスして、荷物に背中を預けて林檎をかじっている。アイラの拳と同じくらいの小さな林檎とはいえ、丸かじりするなんて今まででは考えられない事だった。
しかし山小屋での生活を経て、さらに山小屋を出てから二日間旅をしている内に色々な事を受け入れ、慣れてきた。
昨晩は荷台の上でルルと一緒に毛布にくるまり、野宿もしたのだ。林檎の丸かじりくらい何でもない。
「おい、やめろ。食べるな」
一緒に荷台に乗っている子馬にアイラが文句を言う。子馬はまだ離乳していないので林檎には興味がないようだったが、アイラの服を噛んで引っ張ったのだ。
「遊んでほしいんでしょう」
ほほ笑ましい光景を見るようにルルが笑う。
アイラは子馬の口から服を奪い返しながら言う。
「それよりあと何日でグレイストーンに着くんだ? そろそろ風呂に入りたいんだが。二日も入ってないなんてありえない」
「今晩は少し大きな町に寄れるはずですから、そこで宿を取りましょう。翌日の夜はまた野宿ですが、翌々日の午前中にはグレイストーンに着くはずです」
「随分かかるな」
「馬を気遣ってかなりゆっくり移動していますし、彼女のために多くの休憩も必要ですからね」
「面倒な馬だな、お前は」
アイラは進行方向とは逆を向いていたので、首をそらして頭を後ろに倒すと、馬の尻を見ながらそう言った。
そして二日後、アイラたちは予定通り午前のうちにグレイストーンの街に到着した。
グレイストーンはアイリーデと同じくらい大きな街で活気があったが、古い街らしい落ち着きも感じる。大通りから奥に入ると道は狭いが、歴史と情緒ある建物が並んでいて、絵になる光景が続くのだ。
さらに中心部には、この土地を治めるグレイストーン伯爵が住む灰色の城が見えている。これも古い城だ。
また、街を行く住人たちの表情は明るく、アイリーデのように横暴な領主や領主の騎士を恐れて空気がピリついているという事もない。
「この街にも美味しい料理を出す店があるだろうか」
アイラはそう呟いてきょろきょろと食堂を探している。馬が引く荷台からは、街に入る前に降りていた。
「ごはんよりも先に宿を探したいですね。旅人用に馬小屋が併設されているような宿がいいのですが」
馬一頭ならともかく子馬もいるので、人の多い街中では連れて歩くと邪魔になる。
「じゃあ宿を探すか。お腹も空いたけど……」
「お菓子買ってあげますから、とりあえずそれで我慢してください」
眉を下げてぺったんこのお腹を撫でるアイラに、ルルはすぐそこの店で売っていたマフィンを買い与えた。
「歩きながら食べるのか?」
「そうです」
「下品じゃないか?」
と言いつつ、焼き立ての良い香りに誘われて、アイラは街を歩きながらマフィンをかじった。
「結構美味しい」
プレーンなマフィンだがバターの香りがしっかりして、表面はしっとり、中はふわっとしている。
と、もぐもぐとマフィンを食べているアイラを、羨ましそうにじっと見てくる少年がいた。少年は十二、三歳くらいで、簡素な服を着ている。ひょろりと細いのに、両手いっぱいに何やら荷物を抱えていた。
「なんだ?」
アイラが言うと、少年は「いえ、すみません」と言って慌てて小走りで去って行く。
アイラが振り返って少年の後ろ姿を見送っていると、彼のうなじに刺青があるのに気づいた。円の中に三日月が入っているような模様だ。
「奴隷か」
アイラは呟く。あれは奴隷の印(しるし)なのだ。刺青だったり焼き印だったり、魔法でつけたりと方法は色々だが、奴隷はみんな首の後ろにあのマークがある。
「どこかの商人のところで働いているのでしょう。お使いの途中でしょうね」
奴隷を買えるのは貴族や商人、大きな農場の主人くらいだ。一般的な家庭にはまずいない。
「そう言えばルルにもあんなマークがあったな」
アイラは手を伸ばして、肩の辺りまであるルルのさらさらの髪を持ち上げた。
「マフィンでベタつく手で触らないでくださいよ」
ルルはそう言いながらもされるがままだ。
普通、奴隷はその印が見えるよう髪を短く切るか結ばなければならないが、ルルは王女であるアイラの奴隷だったので、見た目を重視して髪を伸ばす事を特別に許されていたのだ。
「もういいですか? アイラに見られるのはいいですけど、街中で刺青をさらすのは少し抵抗が……」
ルルが控えめに言うが、アイラはまだ刺青の入ったルルのうなじを見ている。
髪が長いせいだろうか、男なのにやたらと色っぽいうなじだ。
「よく分からないけど噛みつきたくなる」
「やめてください」
アイラがルルの髪を離すと、二人は馬の手綱を引いてまた歩き出した。
「あの子どもはどうして奴隷なんだろう。親が奴隷だったのかな」
別に同情はしていないが、アイラはちょっと気になって言った。
ルルは宿を探して視線を巡らせながら応える。
「奴隷はどうして奴隷になるのか。……そうですね、奴隷が産んだ子は生まれた時から奴隷ですが、その他にも犯罪を犯した罪人が奴隷に落とされたり、親に売られた子や誘拐されたきた子が奴隷になったりします」
「ルルは親に売られたんだったか」
「そうです。両親があまり人間として出来た人たちではなく、ろくに働いていなかったので、金欲しさに息子である私を奴隷商人に売ったんです。でも売ってくれてよかったと思いますよ。あの家で生活していくより、城での生活の方がずっとマシでしたから。奴隷とは言えアイラのおかげで周りからひどい扱いを受ける事もなかったですし、綺麗な服も、十分な食事も、自分の部屋まで貰えましたし」
ルルの事を粗末に扱えばアイラが怒るので、奴隷ながらに良い生活を送っていたのだ。
「アイラには感謝ですよ」
「全く心がこもってないが」
「そんな事ありませんよ。私を買ってくれたのがアイラでよかったと思っています」
「本当に?」
「本当ですよ。じゃなきゃ王女でなくなったアイラと今も一緒にいたりしません」
少し不安そうに言うアイラに、ルルは穏やかにほほ笑んで返す。
そしてアイラの頭をよしよしと撫でていると、アイラが急に前方を見て目を丸くし、ピンと背筋を伸ばした。
「あ、あれ……」
「どうしました?」
前を指差して動揺しているアイラは、
「隠れろ!」
と言ってルルの腕を引っ張ると、馬を引き連れ路地に入った。
「何なんです?」
「ヘクターが近くにいるかもしれない」
ルルが尋ねると、アイラは怯えながら言う。
「グレイストーン伯爵が?」
「馬車が停まってたんだ」
建物の陰から顔を覗かせ、ルルが大通りを確認すると、確かに伯爵家の紋章がついている黒塗りの馬車が停まっていた。
新聞を読みながらルルが言う。
アイラたちは今、アイリーデを出て次の潜伏先に向かう途中で、ひと気のない街道を移動している。
周囲には葡萄園が延々と広がっているが、まだツルはそれほど伸びていない。緑の小さな粒が見えるのでこれから花が咲いて、暑くなるにつれて実がついていくのだろう。
アイラの仲間は奴隷のルルと、馬と、その馬が産んだ子馬だ。
子馬はまだ生まれて一週間と少しなので、長い距離を歩かせるのは無理だと考え、小型の荷車に乗せている。荷車には他に荷物とアイラが乗っていて、それを馬が引いている。
とはいえ、馬も出産したばかりで体調が心配なので、実は荷車はアイラが魔力を使って動かしていた。なので馬はただ歩いているだけだ。
そしてその隣ではルルが荷物を背負って歩いている。
「『エストラーダ革命以降、城から逃げて行方不明となっているアイラ王女の姿が、国の西のアイリーデで目撃された』」
ルルは片手で新聞を持ちながら、その紙面に視線を落とし、続ける。
「『しかし街の住民に話を聞くと、彼女はこの土地を治めるアイリーデ公爵に逆らった若者たちの命を救ったという。アイリーデ公爵は王女の叔父だが、なぜ彼女は反逆者の肩を持ったのだろうか? 我々庶民は王女の人となりを知らないが、彼女は家族と同じように傲慢なだけの人物なのか、それとも違うのだろうか。取材をした『太った山猫』という食堂の店主は『あの子は悪い子じゃない。うちの料理を美味しそうに食べてくれたからな』と話した』……」
新聞を片付けつつ、ルルはため息をついた。
「アイラがアイリーデにいた事、残念な事にばっちり話題になっていますね」
「そうみたいだな」
「今頃、王都の騎士たちがたくさんアイリーデにやって来ていますよ。しばらくはアイリーデをしらみつぶしに捜索するはずなので時間は稼げるでしょうが、追いつかれないよう注意しないといけませんね」
ルルはそう言って後ろを振り返った。
「後ろは私が見ているから大丈夫だ」
一方、アイラは荷車の上でリラックスして、荷物に背中を預けて林檎をかじっている。アイラの拳と同じくらいの小さな林檎とはいえ、丸かじりするなんて今まででは考えられない事だった。
しかし山小屋での生活を経て、さらに山小屋を出てから二日間旅をしている内に色々な事を受け入れ、慣れてきた。
昨晩は荷台の上でルルと一緒に毛布にくるまり、野宿もしたのだ。林檎の丸かじりくらい何でもない。
「おい、やめろ。食べるな」
一緒に荷台に乗っている子馬にアイラが文句を言う。子馬はまだ離乳していないので林檎には興味がないようだったが、アイラの服を噛んで引っ張ったのだ。
「遊んでほしいんでしょう」
ほほ笑ましい光景を見るようにルルが笑う。
アイラは子馬の口から服を奪い返しながら言う。
「それよりあと何日でグレイストーンに着くんだ? そろそろ風呂に入りたいんだが。二日も入ってないなんてありえない」
「今晩は少し大きな町に寄れるはずですから、そこで宿を取りましょう。翌日の夜はまた野宿ですが、翌々日の午前中にはグレイストーンに着くはずです」
「随分かかるな」
「馬を気遣ってかなりゆっくり移動していますし、彼女のために多くの休憩も必要ですからね」
「面倒な馬だな、お前は」
アイラは進行方向とは逆を向いていたので、首をそらして頭を後ろに倒すと、馬の尻を見ながらそう言った。
そして二日後、アイラたちは予定通り午前のうちにグレイストーンの街に到着した。
グレイストーンはアイリーデと同じくらい大きな街で活気があったが、古い街らしい落ち着きも感じる。大通りから奥に入ると道は狭いが、歴史と情緒ある建物が並んでいて、絵になる光景が続くのだ。
さらに中心部には、この土地を治めるグレイストーン伯爵が住む灰色の城が見えている。これも古い城だ。
また、街を行く住人たちの表情は明るく、アイリーデのように横暴な領主や領主の騎士を恐れて空気がピリついているという事もない。
「この街にも美味しい料理を出す店があるだろうか」
アイラはそう呟いてきょろきょろと食堂を探している。馬が引く荷台からは、街に入る前に降りていた。
「ごはんよりも先に宿を探したいですね。旅人用に馬小屋が併設されているような宿がいいのですが」
馬一頭ならともかく子馬もいるので、人の多い街中では連れて歩くと邪魔になる。
「じゃあ宿を探すか。お腹も空いたけど……」
「お菓子買ってあげますから、とりあえずそれで我慢してください」
眉を下げてぺったんこのお腹を撫でるアイラに、ルルはすぐそこの店で売っていたマフィンを買い与えた。
「歩きながら食べるのか?」
「そうです」
「下品じゃないか?」
と言いつつ、焼き立ての良い香りに誘われて、アイラは街を歩きながらマフィンをかじった。
「結構美味しい」
プレーンなマフィンだがバターの香りがしっかりして、表面はしっとり、中はふわっとしている。
と、もぐもぐとマフィンを食べているアイラを、羨ましそうにじっと見てくる少年がいた。少年は十二、三歳くらいで、簡素な服を着ている。ひょろりと細いのに、両手いっぱいに何やら荷物を抱えていた。
「なんだ?」
アイラが言うと、少年は「いえ、すみません」と言って慌てて小走りで去って行く。
アイラが振り返って少年の後ろ姿を見送っていると、彼のうなじに刺青があるのに気づいた。円の中に三日月が入っているような模様だ。
「奴隷か」
アイラは呟く。あれは奴隷の印(しるし)なのだ。刺青だったり焼き印だったり、魔法でつけたりと方法は色々だが、奴隷はみんな首の後ろにあのマークがある。
「どこかの商人のところで働いているのでしょう。お使いの途中でしょうね」
奴隷を買えるのは貴族や商人、大きな農場の主人くらいだ。一般的な家庭にはまずいない。
「そう言えばルルにもあんなマークがあったな」
アイラは手を伸ばして、肩の辺りまであるルルのさらさらの髪を持ち上げた。
「マフィンでベタつく手で触らないでくださいよ」
ルルはそう言いながらもされるがままだ。
普通、奴隷はその印が見えるよう髪を短く切るか結ばなければならないが、ルルは王女であるアイラの奴隷だったので、見た目を重視して髪を伸ばす事を特別に許されていたのだ。
「もういいですか? アイラに見られるのはいいですけど、街中で刺青をさらすのは少し抵抗が……」
ルルが控えめに言うが、アイラはまだ刺青の入ったルルのうなじを見ている。
髪が長いせいだろうか、男なのにやたらと色っぽいうなじだ。
「よく分からないけど噛みつきたくなる」
「やめてください」
アイラがルルの髪を離すと、二人は馬の手綱を引いてまた歩き出した。
「あの子どもはどうして奴隷なんだろう。親が奴隷だったのかな」
別に同情はしていないが、アイラはちょっと気になって言った。
ルルは宿を探して視線を巡らせながら応える。
「奴隷はどうして奴隷になるのか。……そうですね、奴隷が産んだ子は生まれた時から奴隷ですが、その他にも犯罪を犯した罪人が奴隷に落とされたり、親に売られた子や誘拐されたきた子が奴隷になったりします」
「ルルは親に売られたんだったか」
「そうです。両親があまり人間として出来た人たちではなく、ろくに働いていなかったので、金欲しさに息子である私を奴隷商人に売ったんです。でも売ってくれてよかったと思いますよ。あの家で生活していくより、城での生活の方がずっとマシでしたから。奴隷とは言えアイラのおかげで周りからひどい扱いを受ける事もなかったですし、綺麗な服も、十分な食事も、自分の部屋まで貰えましたし」
ルルの事を粗末に扱えばアイラが怒るので、奴隷ながらに良い生活を送っていたのだ。
「アイラには感謝ですよ」
「全く心がこもってないが」
「そんな事ありませんよ。私を買ってくれたのがアイラでよかったと思っています」
「本当に?」
「本当ですよ。じゃなきゃ王女でなくなったアイラと今も一緒にいたりしません」
少し不安そうに言うアイラに、ルルは穏やかにほほ笑んで返す。
そしてアイラの頭をよしよしと撫でていると、アイラが急に前方を見て目を丸くし、ピンと背筋を伸ばした。
「あ、あれ……」
「どうしました?」
前を指差して動揺しているアイラは、
「隠れろ!」
と言ってルルの腕を引っ張ると、馬を引き連れ路地に入った。
「何なんです?」
「ヘクターが近くにいるかもしれない」
ルルが尋ねると、アイラは怯えながら言う。
「グレイストーン伯爵が?」
「馬車が停まってたんだ」
建物の陰から顔を覗かせ、ルルが大通りを確認すると、確かに伯爵家の紋章がついている黒塗りの馬車が停まっていた。
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