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第三章10 『魔弾の射手と検察の魔女の矜持』
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「分かりました。弁護側の主張有効…………ッ弁護側に、フライクルーゲルによる弾丸を全身に受けてもらいます…………魔女であるあなたには、この弾丸で撃ち抜かれるという、その意味は理解できますね。本当に良いですね?」
「…………検察側、異存はない。さあ、目の前の邪悪を撃ち滅ぼせ」
フライクーゲル…………太古の昔、
魔弾の射手と呼ばれる銃の名手が愛用したといわれる魔の力の籠った銃。
発射すれば必ず狙った標的に当たる弾丸。
但し、7発のうち6発が射手の意図通りに当たるが、
1発は悪魔の意図したところに当たるという曰く付きの弾丸。
その曰くつきの銃が銃口から魔弾が7つ放たれる。
左右の手の甲、左右の足の甲、両脇腹、
そしてて…………最後の魔弾は、
解釈の魔女プルガトリオの心臓を食い破る。
解釈の魔女プルガトリオの体から、
まるで針で穴を開けられた水風船のように噴水のように血が流れ出す
。それは、血液が流れるというよりは、
命が零れていくという表現の方が妥当と言えるだろう。
「うっ…………ごぼぉ…………。痛い、苦しっ、殺し……っ……てっ」
あまりに残酷で凄惨な光景に怒り、カグラが叫ぶ
「裁判長! もうこんな残酷な行いをやめろっ! こんなふざけた裁判は中止だっ! 認めねぇっ! こんな…………これじゃああんまりだっ!! これは裁判でもなんでもねぇ…………ただの公開処刑だっ!」
「あり……がとぅ……もぅ…………良いのだ、カグラ………っ…私は、これで、消える。…………後悔など、微塵もない…………。いや、一つ未練があるとするならば…………ごほっ……そなた達と……もう一度………法廷の上で戦い………っ……………たかった………それだ、けが私の、ただ一つの……願い………で…ある……」
薄っすらと瞳に浮かべる解釈の魔女プルガトリオ。
そして、その美しい雫は頬を伝う、
その熱いものは美しく輝く石の欠片に代わった。
「死ぬな、プルガトリオっ!! お前はそんなたまじゃねぇだろ?! お前が望むならいつだって何度だって闘ってやるぜっ! 俺は24時間365日いつだってお前との勝負を受け入れるっ! いつでもお前の闘いを迎え撃つ! だから、死ぬなっ!! こんなところで死ぬなっ!!」
「死ぬことなんてないにへ…………っ! ボクもいつだって闘う! だから、しなないで…………っ…………早く、医務室に行くにへ」
検察側、魔女プルガトリオは嗚咽と、涙を零す。
それは優雅を尊しとなす解釈の魔女プルガトリオの流した真実の涙。
だから、裁判長も、傍聴人も、被告人も、
解釈の魔女プルガトリオの言葉を妨げる者などいなかった。
「…………っ……………ありがあとう…………カグラっ…………カグラ」
「おう! だから、お前は死ぬなっ! 生きるんだ!!」
「……………………ソレイユも…………っありがとう…………っ」
「気にするなにへ。まずは、はっ早く医務室で治療を受けるにへっ!!」
ソレイユの言葉に、解釈の魔女プルガトリオは、
ゆっくりと首を左右に振る。
この法廷で死ぬと言うのが、
検察側の解釈の魔女として見せる最後の
矜持とでも言いたいかのような誇り高い姿。
「…………裁判長殿…………っ今のカグラ、ソレイユ、二人の言葉を記録、したか…………っごほ…………確かに、記録したか?」
「はいっ! 記録しました。…………そして、あなたは早急に医務室にっ!」
「検察として最終確認だ。裁判長殿、確かに今、カグラ及びソレイユ両人の発言を記録したと証言したな裁判長殿?」
「ええっ………はい、確かに私はそのように申し上げましたが…………?」
先ほどまで魔弾を7発受け、
息も絶え絶えで苦悶の表情を浮かべ涙を流していた、
解釈の魔女プルガトリオの顔から、一切の表情が消えた。
先ほど流していた涙も嘘のように消えている。
そして、先ほどまで血が噴き出していた箇所をプルガトリオが、
右手で撫でると、魔弾によって開けられたすべての穴が塞がり、
全身から溢れていた血も止まっている。
血まみれのドレスも、
元の美しく絢爛豪華な喪服のようなドレスに戻っている。
そして、酷薄な笑みを浮かべ、解釈の魔女プルガトリオは告げる。
「ひゃっはははははははっ!!!! 検察側、解釈の魔女プルガトリオぉ…………再審請求ぅを求めるぅううううう!!! ひゃーっはっはっはっはは!! ゲロカスカグラ、ボケナスソレイユには、まだまだ、妾との法廷闘争の意志ありいいいぃっ!! それはぁ、裁判長の記録が証明するぅうううう!! 検察側わぁ…………カグラぁ、ソレイユぅ、両名をを別件犯罪にて告発ぅうううう!!!! カグラは傷害罪、ソレイユは精神的殺人幇助罪!!!! なーにが奇跡だ、ひひひひひっ!!! そんなクソッたっれた甘ちゃんな概念なんて犬にでもくれちまえや。お前らはそれ以前に、法律を破ったただの犯罪者だ、クタバレクソボケがぁ!!!!! そしてぇ…………そしてぇ、今の妾は介錯の魔女プルガトリオ、貴様達の罪を断罪する者也っ! これからは、解釈だけじゃねぇ、事実でも貴様らをブチ潰すっ!!! ひゃっははははははは!!!!」
「…………検察側、異存はない。さあ、目の前の邪悪を撃ち滅ぼせ」
フライクーゲル…………太古の昔、
魔弾の射手と呼ばれる銃の名手が愛用したといわれる魔の力の籠った銃。
発射すれば必ず狙った標的に当たる弾丸。
但し、7発のうち6発が射手の意図通りに当たるが、
1発は悪魔の意図したところに当たるという曰く付きの弾丸。
その曰くつきの銃が銃口から魔弾が7つ放たれる。
左右の手の甲、左右の足の甲、両脇腹、
そしてて…………最後の魔弾は、
解釈の魔女プルガトリオの心臓を食い破る。
解釈の魔女プルガトリオの体から、
まるで針で穴を開けられた水風船のように噴水のように血が流れ出す
。それは、血液が流れるというよりは、
命が零れていくという表現の方が妥当と言えるだろう。
「うっ…………ごぼぉ…………。痛い、苦しっ、殺し……っ……てっ」
あまりに残酷で凄惨な光景に怒り、カグラが叫ぶ
「裁判長! もうこんな残酷な行いをやめろっ! こんなふざけた裁判は中止だっ! 認めねぇっ! こんな…………これじゃああんまりだっ!! これは裁判でもなんでもねぇ…………ただの公開処刑だっ!」
「あり……がとぅ……もぅ…………良いのだ、カグラ………っ…私は、これで、消える。…………後悔など、微塵もない…………。いや、一つ未練があるとするならば…………ごほっ……そなた達と……もう一度………法廷の上で戦い………っ……………たかった………それだ、けが私の、ただ一つの……願い………で…ある……」
薄っすらと瞳に浮かべる解釈の魔女プルガトリオ。
そして、その美しい雫は頬を伝う、
その熱いものは美しく輝く石の欠片に代わった。
「死ぬな、プルガトリオっ!! お前はそんなたまじゃねぇだろ?! お前が望むならいつだって何度だって闘ってやるぜっ! 俺は24時間365日いつだってお前との勝負を受け入れるっ! いつでもお前の闘いを迎え撃つ! だから、死ぬなっ!! こんなところで死ぬなっ!!」
「死ぬことなんてないにへ…………っ! ボクもいつだって闘う! だから、しなないで…………っ…………早く、医務室に行くにへ」
検察側、魔女プルガトリオは嗚咽と、涙を零す。
それは優雅を尊しとなす解釈の魔女プルガトリオの流した真実の涙。
だから、裁判長も、傍聴人も、被告人も、
解釈の魔女プルガトリオの言葉を妨げる者などいなかった。
「…………っ……………ありがあとう…………カグラっ…………カグラ」
「おう! だから、お前は死ぬなっ! 生きるんだ!!」
「……………………ソレイユも…………っありがとう…………っ」
「気にするなにへ。まずは、はっ早く医務室で治療を受けるにへっ!!」
ソレイユの言葉に、解釈の魔女プルガトリオは、
ゆっくりと首を左右に振る。
この法廷で死ぬと言うのが、
検察側の解釈の魔女として見せる最後の
矜持とでも言いたいかのような誇り高い姿。
「…………裁判長殿…………っ今のカグラ、ソレイユ、二人の言葉を記録、したか…………っごほ…………確かに、記録したか?」
「はいっ! 記録しました。…………そして、あなたは早急に医務室にっ!」
「検察として最終確認だ。裁判長殿、確かに今、カグラ及びソレイユ両人の発言を記録したと証言したな裁判長殿?」
「ええっ………はい、確かに私はそのように申し上げましたが…………?」
先ほどまで魔弾を7発受け、
息も絶え絶えで苦悶の表情を浮かべ涙を流していた、
解釈の魔女プルガトリオの顔から、一切の表情が消えた。
先ほど流していた涙も嘘のように消えている。
そして、先ほどまで血が噴き出していた箇所をプルガトリオが、
右手で撫でると、魔弾によって開けられたすべての穴が塞がり、
全身から溢れていた血も止まっている。
血まみれのドレスも、
元の美しく絢爛豪華な喪服のようなドレスに戻っている。
そして、酷薄な笑みを浮かべ、解釈の魔女プルガトリオは告げる。
「ひゃっはははははははっ!!!! 検察側、解釈の魔女プルガトリオぉ…………再審請求ぅを求めるぅううううう!!! ひゃーっはっはっはっはは!! ゲロカスカグラ、ボケナスソレイユには、まだまだ、妾との法廷闘争の意志ありいいいぃっ!! それはぁ、裁判長の記録が証明するぅうううう!! 検察側わぁ…………カグラぁ、ソレイユぅ、両名をを別件犯罪にて告発ぅうううう!!!! カグラは傷害罪、ソレイユは精神的殺人幇助罪!!!! なーにが奇跡だ、ひひひひひっ!!! そんなクソッたっれた甘ちゃんな概念なんて犬にでもくれちまえや。お前らはそれ以前に、法律を破ったただの犯罪者だ、クタバレクソボケがぁ!!!!! そしてぇ…………そしてぇ、今の妾は介錯の魔女プルガトリオ、貴様達の罪を断罪する者也っ! これからは、解釈だけじゃねぇ、事実でも貴様らをブチ潰すっ!!! ひゃっははははははは!!!!」
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