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第61話『シャーマン、ボーボー』【二人の娘編】
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雑談をしながら馬車に揺られていたらもうダンジョン前。なんだかんだ道中の話し相手が居るだけで、悪くないものだ。そして、忘れちゃいけない指差し確認。
「杖よしっ、回復薬よしっ、白紙地図よしっ。……さて、行きますかぁ」
くいぃー……っと軽く腕を伸ばしてストレッチ。顔を両手でピシャリとはたき自分にカツをいれ、ダンジョンへと進む。
さて、昨日の検証の整理だ。単純に魔物を殴る動作をオートで行うことは実証済み。今日は、より突っ込んだ検証をしてみようと思っている。
ダンジョンに入ったらさっそく敵発見。オートスキル発動。とててと駆けて、フォングシャ。杖でポコリと頭を叩く。あっという間にコボルトを2体倒せた。
「やっぱりスキルって便利ね」
検証で分かったことがある。オート中は体に疲労が蓄積しにくいということだ。恐らく、相当最適化された無駄のない筋肉の動きをしているので身体にかかる負担が少ないのだと思う。
「さて、次の実験いきますか」
今日の目的はオート中に詠唱が可能かの検証である。殴っている間に魔法を使えれば、戦い方の幅が広がる。私だけで、前衛と後衛の2役を担えるというのは大きい。
右手の杖で敵を殴りつつ、左手の魔法で遠くの敵を倒す。左の頬を叩かれたら、右の頬を叩きなさいという奴だ。……思った後に、「ぜんぜん違うな」そう思っった。
「でも、もしこれが上手くいったら、臨機応変な戦い方ができて便利よね…っ」
近接型の的には物理を、弓で遠距離から攻撃してくる敵には魔法を。1人で対処できるようになる。
「このあたりの階層だと魔法を使ってくるコボルトシャーマンやオークメイジかしら」
魔法を使う厄介な相手だ。遠近両用の戦い方を身につける必要がある。そんなことを考えていたら、早速コボルトシャーマンが現れた。
「さっそく実践。うまくいくかしら」
コボルトシャーマン1体、コボルト5体。合計6体。迫りくるコボルトをオートでぽこぽこと叩き、倒す。そして離れた場所のコボルトシャーマンに狙いをつけ、指先からファイアボールを放つ。
「うわぁ……。燃えてる」
火球がシャーマンの顔面に直撃、なんかけたたましい叫び声とともに燃えて、焼肉のように焼死……いや、魔物を倒した。コボルトシャーマンの魔石もゲットできた。
「やっぱ魔法は強いね。一撃だ」
私の杖はただの鈍器じゃない。魔法の威力を高めるための触媒でもある。なので、杖から魔法を放った方が威力は高くなるのだが、この程度の相手では指先からの魔法でも十分なようだ。
「意外と魔法は杖なしでもいけるわね」
あと、指先から魔法を放つほうが、威力は落ちるが狙いが絞りやすく、素早く放てるメリットがあることに気がついた。威力が落ちる分は、ヘッドショットなど急所を狙うことで補うこともできそうだ。
「相手によって使い分けていこう」
オートとマニュアル操作の合体技。これを「セミオート」と名付けよう。工夫次第でいろいろな使い方ができる。まだまだ検証が必要だ。
「さて、オープンステータスウィンドウ」
―――――――――――
名前:ポルカ
LV:3↑(+1)
筋力:9↑(+1)
体力:8↑(+2)
魔力:10↑(+2)
速さ:15
幸運:13↑(+2)
特殊:オート:LV2
―――――――――――
……おお。こんな短時間でさらにレベルアップしてる。6人パーティだと経験値6等分だけど、ソロだと単純計算で獲得経験値はなんと6倍!やっぱりソロは効率がいいなぁ。
私は上機嫌で、さらなるレベルアップに励むことにした。
「杖よしっ、回復薬よしっ、白紙地図よしっ。……さて、行きますかぁ」
くいぃー……っと軽く腕を伸ばしてストレッチ。顔を両手でピシャリとはたき自分にカツをいれ、ダンジョンへと進む。
さて、昨日の検証の整理だ。単純に魔物を殴る動作をオートで行うことは実証済み。今日は、より突っ込んだ検証をしてみようと思っている。
ダンジョンに入ったらさっそく敵発見。オートスキル発動。とててと駆けて、フォングシャ。杖でポコリと頭を叩く。あっという間にコボルトを2体倒せた。
「やっぱりスキルって便利ね」
検証で分かったことがある。オート中は体に疲労が蓄積しにくいということだ。恐らく、相当最適化された無駄のない筋肉の動きをしているので身体にかかる負担が少ないのだと思う。
「さて、次の実験いきますか」
今日の目的はオート中に詠唱が可能かの検証である。殴っている間に魔法を使えれば、戦い方の幅が広がる。私だけで、前衛と後衛の2役を担えるというのは大きい。
右手の杖で敵を殴りつつ、左手の魔法で遠くの敵を倒す。左の頬を叩かれたら、右の頬を叩きなさいという奴だ。……思った後に、「ぜんぜん違うな」そう思っった。
「でも、もしこれが上手くいったら、臨機応変な戦い方ができて便利よね…っ」
近接型の的には物理を、弓で遠距離から攻撃してくる敵には魔法を。1人で対処できるようになる。
「このあたりの階層だと魔法を使ってくるコボルトシャーマンやオークメイジかしら」
魔法を使う厄介な相手だ。遠近両用の戦い方を身につける必要がある。そんなことを考えていたら、早速コボルトシャーマンが現れた。
「さっそく実践。うまくいくかしら」
コボルトシャーマン1体、コボルト5体。合計6体。迫りくるコボルトをオートでぽこぽこと叩き、倒す。そして離れた場所のコボルトシャーマンに狙いをつけ、指先からファイアボールを放つ。
「うわぁ……。燃えてる」
火球がシャーマンの顔面に直撃、なんかけたたましい叫び声とともに燃えて、焼肉のように焼死……いや、魔物を倒した。コボルトシャーマンの魔石もゲットできた。
「やっぱ魔法は強いね。一撃だ」
私の杖はただの鈍器じゃない。魔法の威力を高めるための触媒でもある。なので、杖から魔法を放った方が威力は高くなるのだが、この程度の相手では指先からの魔法でも十分なようだ。
「意外と魔法は杖なしでもいけるわね」
あと、指先から魔法を放つほうが、威力は落ちるが狙いが絞りやすく、素早く放てるメリットがあることに気がついた。威力が落ちる分は、ヘッドショットなど急所を狙うことで補うこともできそうだ。
「相手によって使い分けていこう」
オートとマニュアル操作の合体技。これを「セミオート」と名付けよう。工夫次第でいろいろな使い方ができる。まだまだ検証が必要だ。
「さて、オープンステータスウィンドウ」
―――――――――――
名前:ポルカ
LV:3↑(+1)
筋力:9↑(+1)
体力:8↑(+2)
魔力:10↑(+2)
速さ:15
幸運:13↑(+2)
特殊:オート:LV2
―――――――――――
……おお。こんな短時間でさらにレベルアップしてる。6人パーティだと経験値6等分だけど、ソロだと単純計算で獲得経験値はなんと6倍!やっぱりソロは効率がいいなぁ。
私は上機嫌で、さらなるレベルアップに励むことにした。
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