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第38話『最強の矛と盾』
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ここは邪教徒たちのアジトのなかだ。ここから先はどのような脅威が待ち受けいているか分からない。
「気を引きしめてゆくぞ」
みながコクリとうなずく。それにしても……えづきたくなるほど、匂い立つ……濃厚な死のかおり。あたりは薄暗く、空気は淀んでいる。
「なんとも恐ろしい場所ですね」
「心配いらねえッ敵は八つ裂きだッ」
「こほんっ。それも大切ですが」
ニンジャの手を握る。
「あッ、……ぅっす」
なんだろう。ニンジャとサキュバスがここぞとばかりに距離を縮めている気がするのだが。こういうホラー系の場所で男女がいちゃつくのはフラグな気がするのだが。
……。ここは恐るべき邪教徒のアジト。どんよりうす暗い、死の都。お化け屋敷でもテーマパークではないのだが。まぁ、モチベーションは高いようなのでヨシッ。
「随分と広い空間ですなぁ」
ヴァンパイアロードが指をパチリと弾く。音の反響でこの空間の広さを確認している。コウモリ系のスキルが使えるようだ。吸血鬼風の見た目通りではある。
「どれくらいの広さかわかるか?」
「およそ、500メートル四方といったところでしょうなぁ」
500メートルの空間。……かなり広い。どれだけの敵が潜んでいるのかは分からない。
「慎重に進もう」
俺たちは邪教徒たちの足跡をたどりながら慎重に進む。ステラの気配探知能力のおかげで敵に先手を取られることはない。
敵に勘づかれそうになった時はニンジャの手刀か、俺の体術で制圧する。邪教徒に断末魔の声すらあげさせずに一瞬で片付ける。
「死体がバレると厄介ですな〈ハイド〉」
ヴァンパイアロードの隠匿魔法で死体に認識阻害のヴェールをほどこす。一定時間で解除される魔法だ。魔法が解ける前に迅速に対処しなければならない。
「なんで気づかれるのでしょうなぁ」
「ふむ、謎だ」
「ですな。まったくもって摩訶不思議ですぞ」
……まぁ、おそらくはサキュバスの胸元がチラリと覗いているせいだろう。だがそれを指摘するとなんとなくセクハラ発言になる気がしたので黙っておこう。
「スキありだ」
俺はサキュバスの胸をガン見している邪教徒の背後にまわり、片腕で気道を締めつけ、もう片方の腕で完全にホールド。邪教徒の意識を瞬時に奪う。
「すげぇなッ……その格闘術。なんだッ?」
「CQCだ。無手で敵を制圧する体術だ」
CQC(クロース・クオーター・コンバット)。メダルキアのスネークが使う近接格闘術。侵入作戦に適している。時に地面に叩きつけ、時に背後からのチョークで意識を奪う。
映画のシェイソン・ポーンとかもソレっぽい体術を使っている。CQCには派手な動きはない。だからこそ、なんとなくマネできるような気がしてロマンがあるのだ。
「しーきゅーしぃ?」
「うむ。無手で敵を制圧する実践型の体術だ」
「すげぇッ……」
「武器を持たずに単身で敵地に潜入し制圧することも可能だ」
「村、……やべェッ」
筋力と体力にモノを言わせたエセCQCだが。結果が出せているので一応は問題ないだろう。雰囲気が重要だ。
エセCQCで10を超える邪教徒を制圧済みだ。こちらが邪教徒に遅れを取ることはない。なぜならステラが必ず先制を取るからだ。
服の袖を引っ張られた。ステラだ。
「ねえねえ。この先に通路があるみたいなんだけど……っ」
「何か、問題があるのか?」
「……あのデカイのとは戦闘避けられなさそう」
「ふむ」
一本道のど真ん中に3メートルを超える巨漢が仁王立ちしている。迂回ルートもなさそうだ。戦闘は避けられそうにないだろう。
背だけじゃなく全体が大きく太い。さらに分厚い鉄製のフルプレートアーマーをまとっている。城塞をおもわせる巨大な敵。
おそらくはヤツがここの通路を守護する門番だ。このアジトの中ボス的なポジションの悪党と思われる。
「ならば戦闘は避けられないか」
メイスで滅多打ちにすれば倒せるとは思うのだが、分厚いフルプレートアーマーをガンガン殴りつければ邪教徒に存在を悟られることになる。
メイスで音をたてずに倒すのは難しそうだ。……CQCは3メートルの丸太のように太い腕の巨漢との戦闘を想定した格闘術ではない。さて、どうしたものか。
「ここは私に任せてもらってもいいにゃ?」
ねこ娘はサムライ。剣技だけではなく魔法も使いこなすバランス型。入手が困難な武器ではあるがカタナと呼ばれる片刃の剣を持たせれば一騎当千の強者と化す。
さらにねこ娘は種族としての生来の運動神経と確かな経験を有する。ここは任せても良いかも知れない。
「体格差があるが、いけるか?」
「まかせるにゃ!」
ねこ娘が巨漢の前に立つ。
「まるで城塞にゃ」
「TEKERI・RI!」
「いざ尋常に、勝負にゃ!」
「……RIRIRI」
「えっと、ふつーに喋ってほしいにゃ」
「RIRI……SOREHA……MURI」
「にゃならば!〈フェイト・オア・ラック〉」
フェイト・オア・ラック。攻撃の内容を宣言することで超常の力を得るスキル。
格上に使用すれば呪詛返しにより大幅なステータスダウンをくらうハイリスク・ハイリターン。諸刃のヤイバだ。
このスキルを使ったということは、ねこ娘は巨漢よりも自分の方が遥かに格上と確信しているようだ。
「〈一太刀で真っ二つにするにゃ〉」
言霊の加護。ねこ娘を包みこむ青白いオーラがゆっくりと収れんしていく。ねこ娘は妖刀マタタビの柄を握り、目をつぶる。居合の構えだ。
相対する巨漢は分厚い大盾を構え、完全なる防御。城塞とカタナの勝負、立っていた方が勝者だ。
「――いくにゃ」
ねこ娘の鞘から妖刀マタタビが放たれる。一閃。そして、残心。
「TEKE?!……RIII!」
反撃に転じようとした巨漢の胴体に亀裂が生じる。……巨漢はねこ娘の宣言どおり真っ二つに両断された。
「妖刀マタタビに断てぬモノなし、にゃ」
巨漢は両断された。城塞とカタナの勝負は、カタナに軍配が上がるのであった。
「気を引きしめてゆくぞ」
みながコクリとうなずく。それにしても……えづきたくなるほど、匂い立つ……濃厚な死のかおり。あたりは薄暗く、空気は淀んでいる。
「なんとも恐ろしい場所ですね」
「心配いらねえッ敵は八つ裂きだッ」
「こほんっ。それも大切ですが」
ニンジャの手を握る。
「あッ、……ぅっす」
なんだろう。ニンジャとサキュバスがここぞとばかりに距離を縮めている気がするのだが。こういうホラー系の場所で男女がいちゃつくのはフラグな気がするのだが。
……。ここは恐るべき邪教徒のアジト。どんよりうす暗い、死の都。お化け屋敷でもテーマパークではないのだが。まぁ、モチベーションは高いようなのでヨシッ。
「随分と広い空間ですなぁ」
ヴァンパイアロードが指をパチリと弾く。音の反響でこの空間の広さを確認している。コウモリ系のスキルが使えるようだ。吸血鬼風の見た目通りではある。
「どれくらいの広さかわかるか?」
「およそ、500メートル四方といったところでしょうなぁ」
500メートルの空間。……かなり広い。どれだけの敵が潜んでいるのかは分からない。
「慎重に進もう」
俺たちは邪教徒たちの足跡をたどりながら慎重に進む。ステラの気配探知能力のおかげで敵に先手を取られることはない。
敵に勘づかれそうになった時はニンジャの手刀か、俺の体術で制圧する。邪教徒に断末魔の声すらあげさせずに一瞬で片付ける。
「死体がバレると厄介ですな〈ハイド〉」
ヴァンパイアロードの隠匿魔法で死体に認識阻害のヴェールをほどこす。一定時間で解除される魔法だ。魔法が解ける前に迅速に対処しなければならない。
「なんで気づかれるのでしょうなぁ」
「ふむ、謎だ」
「ですな。まったくもって摩訶不思議ですぞ」
……まぁ、おそらくはサキュバスの胸元がチラリと覗いているせいだろう。だがそれを指摘するとなんとなくセクハラ発言になる気がしたので黙っておこう。
「スキありだ」
俺はサキュバスの胸をガン見している邪教徒の背後にまわり、片腕で気道を締めつけ、もう片方の腕で完全にホールド。邪教徒の意識を瞬時に奪う。
「すげぇなッ……その格闘術。なんだッ?」
「CQCだ。無手で敵を制圧する体術だ」
CQC(クロース・クオーター・コンバット)。メダルキアのスネークが使う近接格闘術。侵入作戦に適している。時に地面に叩きつけ、時に背後からのチョークで意識を奪う。
映画のシェイソン・ポーンとかもソレっぽい体術を使っている。CQCには派手な動きはない。だからこそ、なんとなくマネできるような気がしてロマンがあるのだ。
「しーきゅーしぃ?」
「うむ。無手で敵を制圧する実践型の体術だ」
「すげぇッ……」
「武器を持たずに単身で敵地に潜入し制圧することも可能だ」
「村、……やべェッ」
筋力と体力にモノを言わせたエセCQCだが。結果が出せているので一応は問題ないだろう。雰囲気が重要だ。
エセCQCで10を超える邪教徒を制圧済みだ。こちらが邪教徒に遅れを取ることはない。なぜならステラが必ず先制を取るからだ。
服の袖を引っ張られた。ステラだ。
「ねえねえ。この先に通路があるみたいなんだけど……っ」
「何か、問題があるのか?」
「……あのデカイのとは戦闘避けられなさそう」
「ふむ」
一本道のど真ん中に3メートルを超える巨漢が仁王立ちしている。迂回ルートもなさそうだ。戦闘は避けられそうにないだろう。
背だけじゃなく全体が大きく太い。さらに分厚い鉄製のフルプレートアーマーをまとっている。城塞をおもわせる巨大な敵。
おそらくはヤツがここの通路を守護する門番だ。このアジトの中ボス的なポジションの悪党と思われる。
「ならば戦闘は避けられないか」
メイスで滅多打ちにすれば倒せるとは思うのだが、分厚いフルプレートアーマーをガンガン殴りつければ邪教徒に存在を悟られることになる。
メイスで音をたてずに倒すのは難しそうだ。……CQCは3メートルの丸太のように太い腕の巨漢との戦闘を想定した格闘術ではない。さて、どうしたものか。
「ここは私に任せてもらってもいいにゃ?」
ねこ娘はサムライ。剣技だけではなく魔法も使いこなすバランス型。入手が困難な武器ではあるがカタナと呼ばれる片刃の剣を持たせれば一騎当千の強者と化す。
さらにねこ娘は種族としての生来の運動神経と確かな経験を有する。ここは任せても良いかも知れない。
「体格差があるが、いけるか?」
「まかせるにゃ!」
ねこ娘が巨漢の前に立つ。
「まるで城塞にゃ」
「TEKERI・RI!」
「いざ尋常に、勝負にゃ!」
「……RIRIRI」
「えっと、ふつーに喋ってほしいにゃ」
「RIRI……SOREHA……MURI」
「にゃならば!〈フェイト・オア・ラック〉」
フェイト・オア・ラック。攻撃の内容を宣言することで超常の力を得るスキル。
格上に使用すれば呪詛返しにより大幅なステータスダウンをくらうハイリスク・ハイリターン。諸刃のヤイバだ。
このスキルを使ったということは、ねこ娘は巨漢よりも自分の方が遥かに格上と確信しているようだ。
「〈一太刀で真っ二つにするにゃ〉」
言霊の加護。ねこ娘を包みこむ青白いオーラがゆっくりと収れんしていく。ねこ娘は妖刀マタタビの柄を握り、目をつぶる。居合の構えだ。
相対する巨漢は分厚い大盾を構え、完全なる防御。城塞とカタナの勝負、立っていた方が勝者だ。
「――いくにゃ」
ねこ娘の鞘から妖刀マタタビが放たれる。一閃。そして、残心。
「TEKE?!……RIII!」
反撃に転じようとした巨漢の胴体に亀裂が生じる。……巨漢はねこ娘の宣言どおり真っ二つに両断された。
「妖刀マタタビに断てぬモノなし、にゃ」
巨漢は両断された。城塞とカタナの勝負は、カタナに軍配が上がるのであった。
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