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第5話『ボーパルバニー』
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迷宮の1階層にはレベリングに最適な場所があった。マーフゴースト道場。1年前はダイアモンドナイツの冒険者しか知らない場所のはず、だったのだが……。
「この部屋の前、すごいならんでるねー」
「すまないステラ。あてが外れてしまったようだ」
人の口に戸は立てられない。特に冒険者は口が軽い。酒場で酔った勢いでペラペラと重要な情報を話してしまうことは珍しいことではない。とはいえ、この状況は少し残念だ。
「ステラ、別の場所でも良い?」
「せやね。めっちゃ待ち時間長そうだからねー」
この部屋にはマーフゴーストと呼ばれる雑魚のくせにやたら経験値をくれる魔獣が居るのだ。体力こそ高いものの攻撃力が低く、1体ずつしか現れない。
とりあえず殴っていれば必ず勝てる程度の魔獣だ。言ってみれば逃げないメタルスライムみたいなものだ。
ダイアモンドナイツが迷宮冒険者最強と呼ばれるようになった理由はこの部屋にあると言っても過言ではない。
「あてがはずれて悪かったな」
「だいじょーぶだいじょーぶ」
「そう言ってもらえると助かる」
「私達は2人パーティーだし、ね?」
「それもそうだな。俺たちは経験値3倍だからな」
「そうそう! 経験値は当分配だかんねーっ」
迷宮冒険者は基本的に6人でパーティーを組む。この場合、魔獣を倒した場合6分割されてしまう。2人の場合、6人の時に比べて獲得できる経験値は3倍だ。
それなら、そんなに効率を気にする必要はないのかもしれない。
同じパーティーに所属していても荷物持ちには経験値が入らないのかって? はい、残念ながら入りません。トラクエの棺桶の人みたいに経験値が割り振られないのだ。
こればかりは迷宮を作った存在とか、神とかが決めたことだからそういうものだと割り切るしかないだろう。
「これはポークル族に伝わる伝承なんだけどね、聞いてみる?」
「ああ、聞かせてくれ」
「迷宮内で過剰に同じ魔獣を狩っていると、よくないことが起こるんだって」
「ほう。それは初めて聞いた」
少なくとも迷宮探索者の教本には載っていなかったし、酒場の連中がそんな話をしているのも聞いたことはない。ポークル族の民間伝承のたぐいだろうか。
「あははっ。そんなにまじめな顔して聞かなくても大丈夫。いまのは、あくまでも迷信だから。ポークル族はそういう、ちょっと不思議なおとぎ話が好きなんだーっ」
「いや、参考になった。ありがとう」
なるほど。効率の良い狩り場をあきらめなければいけなくなった俺を励ますために、ステラなりに気を使ってくれていたということか。
なかなかいじらしい所があるじゃないか。おもわずステラの頭をなでかけたが距離感がおかしい奴と引かれるかもしれないからな。会社で後輩とかにやったらセクハラで解雇だ。感謝の言葉でとどめておこう。
「ありがとな」
「ども!」
ステラを見てるとなんとなく実家の猫を思いだしてなでたくなってしまうのだ。決していやらしい気持ちとかではない。小動物をかわいがりたい的な健全なアレだ。……俺は一体、だれに弁解をしているのだろうか?
◇ ◇ ◇
「アッシュ、このさきボーパルバニーの群生地帯。あぶないよ」
「ボーパルバニー苦手か?」
ボーパルバニーとはウサギ型の魔獣のことだ。
「だってボーパルバニーといったら、あのアーサー王を殺した魔獣だから」
「ああ、その話ね。俺も酒場でよく聞かされたよ」
それはこんな話だ。
かつてこの世界にはアーサー王と呼ばれる王がいた。王にして最強の騎士。更には円卓の騎士と呼ばれる12人の強力な臣下が居たらしい。
アーサー王と円卓の騎士は聖杯をもとめるたびの途中でとあるほら穴を目撃する。そこがボーパルバニーの巣穴だったのだ。
当時最強だったアーサー王と円卓の騎士はボーパルバニーに首を刈り取られて死んだ。
そんな話だった。まあ、あくまでも信憑性が謎の伝承だ。だが、その伝承のせいか冒険者たちはボーパルバニーを過度に恐れる傾向がある。
単体では雑魚魔獣。
過度に恐れる必要はない。
アーサー王が過去に殺されたのが真実だとしてそれは千匹のボーパルバニーが相手だった、とかがきっと真相だろう。
たとえば、ボーパルバニーではなく、ゴブリンが相手でも千匹相手なら同じことになっただろう。あくまでも天災や事故と考えて良いだろう。
「まあ、見てろ」
「わかった」
ボーパルバニーは個体としては弱い魔獣だ。厄介なのが〈致命の一撃〉。レベル差を無視して即死させる攻撃だ。だが、肉盾代わりに使われた俺は戦い方を熟知している。
「まずは〈ハードニング〉」
武器の耐久力を向上させる付与魔法だ。
「じゃ、いきますか」
「キュィ?」
ボーパルバニーと目があった。メイスを首元に構える。
「シャァアッ」
メイスを握る手首に強い衝撃。これが〈致命の一撃〉だ。
「ふん!」
メイスに弾かれてひるんだところを殴る。ボーパルバニーは死んだ。
「まあ、ざっとこんな感じだ」
「アッシュ強い!」
「こいつは〈致命の一撃〉で首しか狙わない。だから行動が予測しやすい。なれれば他の魔獣よりも、狩りやすい」
「でも、知ってても実践できる人はそうそういないと思うなぁ。あははっ」
肉盾経験を1年間積んだせいで、俺もずいぶんと肝がすわっていたいたようだ。まぁさすがに感謝はできないけどな。
そんなこんなでボーパルバニーを狩り続けた。
「ふぅー疲れた。ステラの回復薬はあと何個ある?」
「残りは3個だよ」
そろっと引きあげどきか。
「ボーパルバニー何匹倒したかな?」
「えっとね。37匹だね」
えらい。ちゃんと倒した数を覚えてた。真面目かな?
「それだけ倒せば十分。今日は帰って、寝よう」
「やったー。これで私たちLVアップだねっ!」
LVアップするためには少なくとも一晩は寝る必要がある。睡眠はやっぱりこっちの世界でも大事だ。無理して2徹、3徹なんてしてたら死ぬぞ、俺みたいにな。そういう時は転職を検討しよう。だめならだめで異世界があるさ。
「この部屋の前、すごいならんでるねー」
「すまないステラ。あてが外れてしまったようだ」
人の口に戸は立てられない。特に冒険者は口が軽い。酒場で酔った勢いでペラペラと重要な情報を話してしまうことは珍しいことではない。とはいえ、この状況は少し残念だ。
「ステラ、別の場所でも良い?」
「せやね。めっちゃ待ち時間長そうだからねー」
この部屋にはマーフゴーストと呼ばれる雑魚のくせにやたら経験値をくれる魔獣が居るのだ。体力こそ高いものの攻撃力が低く、1体ずつしか現れない。
とりあえず殴っていれば必ず勝てる程度の魔獣だ。言ってみれば逃げないメタルスライムみたいなものだ。
ダイアモンドナイツが迷宮冒険者最強と呼ばれるようになった理由はこの部屋にあると言っても過言ではない。
「あてがはずれて悪かったな」
「だいじょーぶだいじょーぶ」
「そう言ってもらえると助かる」
「私達は2人パーティーだし、ね?」
「それもそうだな。俺たちは経験値3倍だからな」
「そうそう! 経験値は当分配だかんねーっ」
迷宮冒険者は基本的に6人でパーティーを組む。この場合、魔獣を倒した場合6分割されてしまう。2人の場合、6人の時に比べて獲得できる経験値は3倍だ。
それなら、そんなに効率を気にする必要はないのかもしれない。
同じパーティーに所属していても荷物持ちには経験値が入らないのかって? はい、残念ながら入りません。トラクエの棺桶の人みたいに経験値が割り振られないのだ。
こればかりは迷宮を作った存在とか、神とかが決めたことだからそういうものだと割り切るしかないだろう。
「これはポークル族に伝わる伝承なんだけどね、聞いてみる?」
「ああ、聞かせてくれ」
「迷宮内で過剰に同じ魔獣を狩っていると、よくないことが起こるんだって」
「ほう。それは初めて聞いた」
少なくとも迷宮探索者の教本には載っていなかったし、酒場の連中がそんな話をしているのも聞いたことはない。ポークル族の民間伝承のたぐいだろうか。
「あははっ。そんなにまじめな顔して聞かなくても大丈夫。いまのは、あくまでも迷信だから。ポークル族はそういう、ちょっと不思議なおとぎ話が好きなんだーっ」
「いや、参考になった。ありがとう」
なるほど。効率の良い狩り場をあきらめなければいけなくなった俺を励ますために、ステラなりに気を使ってくれていたということか。
なかなかいじらしい所があるじゃないか。おもわずステラの頭をなでかけたが距離感がおかしい奴と引かれるかもしれないからな。会社で後輩とかにやったらセクハラで解雇だ。感謝の言葉でとどめておこう。
「ありがとな」
「ども!」
ステラを見てるとなんとなく実家の猫を思いだしてなでたくなってしまうのだ。決していやらしい気持ちとかではない。小動物をかわいがりたい的な健全なアレだ。……俺は一体、だれに弁解をしているのだろうか?
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「アッシュ、このさきボーパルバニーの群生地帯。あぶないよ」
「ボーパルバニー苦手か?」
ボーパルバニーとはウサギ型の魔獣のことだ。
「だってボーパルバニーといったら、あのアーサー王を殺した魔獣だから」
「ああ、その話ね。俺も酒場でよく聞かされたよ」
それはこんな話だ。
かつてこの世界にはアーサー王と呼ばれる王がいた。王にして最強の騎士。更には円卓の騎士と呼ばれる12人の強力な臣下が居たらしい。
アーサー王と円卓の騎士は聖杯をもとめるたびの途中でとあるほら穴を目撃する。そこがボーパルバニーの巣穴だったのだ。
当時最強だったアーサー王と円卓の騎士はボーパルバニーに首を刈り取られて死んだ。
そんな話だった。まあ、あくまでも信憑性が謎の伝承だ。だが、その伝承のせいか冒険者たちはボーパルバニーを過度に恐れる傾向がある。
単体では雑魚魔獣。
過度に恐れる必要はない。
アーサー王が過去に殺されたのが真実だとしてそれは千匹のボーパルバニーが相手だった、とかがきっと真相だろう。
たとえば、ボーパルバニーではなく、ゴブリンが相手でも千匹相手なら同じことになっただろう。あくまでも天災や事故と考えて良いだろう。
「まあ、見てろ」
「わかった」
ボーパルバニーは個体としては弱い魔獣だ。厄介なのが〈致命の一撃〉。レベル差を無視して即死させる攻撃だ。だが、肉盾代わりに使われた俺は戦い方を熟知している。
「まずは〈ハードニング〉」
武器の耐久力を向上させる付与魔法だ。
「じゃ、いきますか」
「キュィ?」
ボーパルバニーと目があった。メイスを首元に構える。
「シャァアッ」
メイスを握る手首に強い衝撃。これが〈致命の一撃〉だ。
「ふん!」
メイスに弾かれてひるんだところを殴る。ボーパルバニーは死んだ。
「まあ、ざっとこんな感じだ」
「アッシュ強い!」
「こいつは〈致命の一撃〉で首しか狙わない。だから行動が予測しやすい。なれれば他の魔獣よりも、狩りやすい」
「でも、知ってても実践できる人はそうそういないと思うなぁ。あははっ」
肉盾経験を1年間積んだせいで、俺もずいぶんと肝がすわっていたいたようだ。まぁさすがに感謝はできないけどな。
そんなこんなでボーパルバニーを狩り続けた。
「ふぅー疲れた。ステラの回復薬はあと何個ある?」
「残りは3個だよ」
そろっと引きあげどきか。
「ボーパルバニー何匹倒したかな?」
「えっとね。37匹だね」
えらい。ちゃんと倒した数を覚えてた。真面目かな?
「それだけ倒せば十分。今日は帰って、寝よう」
「やったー。これで私たちLVアップだねっ!」
LVアップするためには少なくとも一晩は寝る必要がある。睡眠はやっぱりこっちの世界でも大事だ。無理して2徹、3徹なんてしてたら死ぬぞ、俺みたいにな。そういう時は転職を検討しよう。だめならだめで異世界があるさ。
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