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第16話『"教会"という組織について』
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シンの自主的な情報提供により"教会"という
組織について、かなりの部分が分かった。
かなりの機密情報も含まれていたのだろうが、
シンは痛みから逃れるために、こちらが聞いていない
事まで含めて文字通りに全て洗いざらいに暴露した。
この事態はさすがの教会側も想定外だったに違いない。
彼らにとってもシンは御旗であり教会の広告塔だ。
そもそも敗北などは想定していないだろうし、
ましてや敗北の末に、教会の暗部を平民風情に、
話すなんて想像できるはずもない。
シンにはおびただしい数のスキルと、
各国から集めた非常に優秀な仲間が与えられている。
敗北など許されるはずがないのだ。
シンに授けられた能力の一例を挙げるだけでも、
魂を吸収することで無限に強くなるレベル・アップの加護、
おびただしい数の剣技、神聖魔法など、本来は敗北があり得ないほど、
個としての戦力としては完成されている。
だが結果としてシンは、平民である俺に決闘の末に破れ、
そして更には進んで教会についての情報提供をした。
まず教会という組織であるがこれは神を信仰する集団ではなく、
自身が創作した自分の統治に都合の良い偽物の偶像を、
神として置いた営利組織に過ぎないというのが実情のようだ。
昔から崇められていた旧来の土着の神への信仰を廃し、
教会の統治に都合の良いように作られた聖典と教義。
教会の目的を一言で言うならば、武力による世界支配。
それを実現するための太古の昔の旧人類が残した、
アーティファクトの技術の独占である。
魔王討伐というデモンストレーションを完遂した後は、
アーティファクトの力によって、
世界の国々を隷属させ、教会の支配下に置く。
今後の教会の考えているプランは次のような物だ。
まずは教会の威信を示すために勇者一行に魔導法国の魔王を倒させる。
これはあくまでも彼らの力を示すための示威行為に過ぎない。
目的は教会が選定した神託の勇者が魔王を倒すことで、
教会のもつ"武力"を世界に知らしめること。
本当の目的は、教会と勇者……そしてアーティファクトの力の
恐ろしさを全世界にデモンストレーションすることによって、
教会に逆らう脅威の芽を事前に摘み取ることにある。
「よりによって、教会が主導して世界征服とは世も末ね。まるでやっていることは絵本に描かれていた魔王の行いそのもの」
「そうだな」
「それに勇者の魔王討伐自体が茶番でしかないというのにはさすがに驚かされたはね……魔王討伐はあくまでも世界征服のための布石にしか過ぎないとはね」
「だからこそチャンスだ」
「どういうこと、ケネス」
「その茶番をぶっ潰す」
デモンストレーションとなる勇者の魔王討伐を、
台無しにすれば教会内部でも混乱が生じる。
そのタイミングで世界に真実を知らしめよう。
「ふふふっ。ほんとーにケネスはケネスね! 私、ケネスのそういうところってとても好きよ。単純明快で分かりやすい。……そうよね、難しいことを考えても仕方ないものね。そういう事は私に任せてケネスは前を向いて、障害となる物を切り倒す。それこそがあなたよね」
ソフィはケネスの髪を左右にわけオデコにキスをした。
俺は膝の上にソフィを乗せて髪を撫でる。
「教会の用意した脚本を逆手に取ればいい」
「なるほど……そうね。確かにそれが、可能になれば……」
「そのためには魔王が勇者を倒す必要がある」
「なるほど……そうね。私達があの馬鹿勇者を今ここでどうにかしたって教会は何らかの方法で別の神託の勇者を選定し直すだけ……。それでは意味がないわ。脚本をブチ壊すには、公の場で魔王によって勇者を敗北させる必要があるわね」
荒唐無稽の考えでは有るがソフィと会話をしていくうちに、
実現不可能ではない目標に思えてきたのであった。
組織について、かなりの部分が分かった。
かなりの機密情報も含まれていたのだろうが、
シンは痛みから逃れるために、こちらが聞いていない
事まで含めて文字通りに全て洗いざらいに暴露した。
この事態はさすがの教会側も想定外だったに違いない。
彼らにとってもシンは御旗であり教会の広告塔だ。
そもそも敗北などは想定していないだろうし、
ましてや敗北の末に、教会の暗部を平民風情に、
話すなんて想像できるはずもない。
シンにはおびただしい数のスキルと、
各国から集めた非常に優秀な仲間が与えられている。
敗北など許されるはずがないのだ。
シンに授けられた能力の一例を挙げるだけでも、
魂を吸収することで無限に強くなるレベル・アップの加護、
おびただしい数の剣技、神聖魔法など、本来は敗北があり得ないほど、
個としての戦力としては完成されている。
だが結果としてシンは、平民である俺に決闘の末に破れ、
そして更には進んで教会についての情報提供をした。
まず教会という組織であるがこれは神を信仰する集団ではなく、
自身が創作した自分の統治に都合の良い偽物の偶像を、
神として置いた営利組織に過ぎないというのが実情のようだ。
昔から崇められていた旧来の土着の神への信仰を廃し、
教会の統治に都合の良いように作られた聖典と教義。
教会の目的を一言で言うならば、武力による世界支配。
それを実現するための太古の昔の旧人類が残した、
アーティファクトの技術の独占である。
魔王討伐というデモンストレーションを完遂した後は、
アーティファクトの力によって、
世界の国々を隷属させ、教会の支配下に置く。
今後の教会の考えているプランは次のような物だ。
まずは教会の威信を示すために勇者一行に魔導法国の魔王を倒させる。
これはあくまでも彼らの力を示すための示威行為に過ぎない。
目的は教会が選定した神託の勇者が魔王を倒すことで、
教会のもつ"武力"を世界に知らしめること。
本当の目的は、教会と勇者……そしてアーティファクトの力の
恐ろしさを全世界にデモンストレーションすることによって、
教会に逆らう脅威の芽を事前に摘み取ることにある。
「よりによって、教会が主導して世界征服とは世も末ね。まるでやっていることは絵本に描かれていた魔王の行いそのもの」
「そうだな」
「それに勇者の魔王討伐自体が茶番でしかないというのにはさすがに驚かされたはね……魔王討伐はあくまでも世界征服のための布石にしか過ぎないとはね」
「だからこそチャンスだ」
「どういうこと、ケネス」
「その茶番をぶっ潰す」
デモンストレーションとなる勇者の魔王討伐を、
台無しにすれば教会内部でも混乱が生じる。
そのタイミングで世界に真実を知らしめよう。
「ふふふっ。ほんとーにケネスはケネスね! 私、ケネスのそういうところってとても好きよ。単純明快で分かりやすい。……そうよね、難しいことを考えても仕方ないものね。そういう事は私に任せてケネスは前を向いて、障害となる物を切り倒す。それこそがあなたよね」
ソフィはケネスの髪を左右にわけオデコにキスをした。
俺は膝の上にソフィを乗せて髪を撫でる。
「教会の用意した脚本を逆手に取ればいい」
「なるほど……そうね。確かにそれが、可能になれば……」
「そのためには魔王が勇者を倒す必要がある」
「なるほど……そうね。私達があの馬鹿勇者を今ここでどうにかしたって教会は何らかの方法で別の神託の勇者を選定し直すだけ……。それでは意味がないわ。脚本をブチ壊すには、公の場で魔王によって勇者を敗北させる必要があるわね」
荒唐無稽の考えでは有るがソフィと会話をしていくうちに、
実現不可能ではない目標に思えてきたのであった。
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