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それぞれの日記(とある冒険者)
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ヤマトギルド所属、剣士アッサンの日記
――月――日
今回は王都から直接依頼を受けた。未開拓領域に謎の遺跡を発見した。旧人類の文明である可能性が高く、Sランクである冒険者チームに頼みたい、と。
俺速攻で、その依頼を受諾した。
冒険者は冒険に胸が躍る。謎の遺跡、というワードだけで好奇心が湧くというものだ。同じチームの魔法使いと騎士はカンカンに起こったが、最終的には一緒に来てくれることになった。
ありがとう、さすがは俺のチームメンバーだ。後で酒を奢った。
その一か月後、謎の遺跡に到着したのは俺たちだけではなかった。王都は俺たちの他に二チームに依頼をしていおり、合同の調査となる。
だが、先に宝を見つけるのは俺たちだぜ!! かなりの文明レベルだったであろう謎の遺跡だ。恐らく年代ものの剣や、宝石がびっしりついたネックレスといった高値のものがあるはずだ。
いくぜ、お前ら!!
お宝が俺を呼んでいるーーーー!!!
2/3
シカワイギルド所属、魔法使いトーフウの日記
――月――日
未開拓領域にて発見された謎の遺跡の調査三日目。
私の知識にある建物は横に広い。だが、この遺跡の建物の多くは縦に長く設計されていた。もちろん二階建てや三階建ての建物も知っているが、この遺跡の建物のなかには20階建てのものがある。
王都の城でも20階建ての建物はない。
私は推測した。王都は恐らくこの遺跡を新たな開拓拠点にし、開拓領域を増やしたいのだろう。
未開拓領域は危険だが、それ以上の価値――稀少物が多く存在している。もし、この遺跡が住居可能であれば、この遺跡を中心に多くの稀少物の採取を行うことが出来る。
そうなれば国庫は潤い、他国にも大きな顔が出せる。ウハウハ間違いなし。
王都の貴族たちとって、この遺跡は金脈なのだろう。
私が想像に浸っている間に、大きな声が聞こえた。
あれは確か、ヤマトギルドの冒険者だ。
何かを見つけたらしい。
他の冒険者と同じように物を確認する。
何かの魔道具だろうか?
誰かが魔道具の説明書らしきものを発見した。
その説明書には『××××の記録を残す』と記載されている。
××××、どうやら人の名前が書いてあったと思うのだが、文字が汚れていて読めなかった。だが、記録を残すと書かれているのだ。その記録に名前が書いてあるだろう。
もしかしたら、先代の冒険者たちが後世に伝えるために残したものではないかと誰かが言った。この先に未開拓領域のヒントやこの遺跡の謎を解明する手掛かりがあるのかもしれない。
私たちは説明書を読み、魔道具を起動させることにした。
そこには、一人の冒険者と思わしき少女が化け物と戦っていた。
3/3
クイフギルド所属、斧使いフージャミの日記
――月――日
未開拓領域にある謎の遺跡。
そこで発見された『過去の冒険者たちからのメッセージ』を俺たちは見ていた。
研究者と名乗る女性と、護衛をする一団。俺たち冒険者のチームと似ているような気がする。
彼らはとある謎の遺跡を調査をしていた。その様子を様々な角度で映されていた。まるで、見えない第三者の光景を俺たちが見ているようだ。
後ろでヤマトギルドの冒険者チームが騒いでいる。耳を澄ましてみると、どうやらチーム―リーダーが映像に移されていた建築物をこの遺跡で見たと言う。
彼の言葉を聞き、俺はこの遺跡と近しいところはないか探し始めた。壊れているはずの建築物が映像の中では壊れていなかったり、地面の亀裂がなかったりと相違点もあったが、結果18カ所の共通点を見つけることが出来た。
長年の付き合いである紐使いカワエバが俺に小さく『これ、過去のこの遺跡の映像じゃないですかね?』と言う。
俺は『ああ』と賛同する。これを残したであろう冒険者は、この遺跡についての『何か』を残したのだと俺は直感した。
俺は再び過去のメッセージへと集中する。映像の中では一週間経っていた。
調査の結果、そこである宝を見つける。虹色に光り輝く宝だ。
研究者はそれを調べようとするが、その前に護衛をする一団は研究者に黒い単槍を向ける。
その槍は変わった形をしていた。L字に曲がっており、短い部分を片手で持ち、長い部分を研究者に向けている。よく見れば、槍にあるはずの切っ先の刃がなく、かわりに丸い穴が空いている。
護衛の一団、そのリーダーを思わしき男が研究者に話す。これを持って帰れば俺たちは大金持ちだ、お前の研究はここで終了だよ、先生――そう言い、リーダーは短槍の持ちて、その人差し指を引いた。
パアン、と火薬が破裂する音とともに、研究者の足から血が出血する! 俺たちは何が起こったのか分からず、悲鳴と疑問の言葉を出す。
その正体を研究者が語る。
人を殺すことに特化した武器――火の魔法で鉄の玉、弾丸を放出する武器だと。
多くの冒険者たちは驚くが、俺は彼らほど驚いていなかった。研究者が話す『拳銃・銃機』、俺には心当たりがあった。
俺の先祖の伝聞に『それ』の記載があった。
その伝聞は、旧人類とモンスターが戦った記録が記載されており、如何にしてモンスターが人類に絶望を与えたのかが書かれていた。
拳銃・銃機の詳細、仕組みだけではない。続きの文章にはこう書かれてあった。人類がモンスターによって攻撃を受けた際、それら銃機で反撃しようとしたが、出来なかった。
モンスターと呼ばれる怪物たちは大量の熱を放ち、それをある程度コントロールできる。その熱の力により、銃機に含まれる鉄が異常に膨張し、暴発する。
人類はその原因を追究しようとし、モンスターが操る熱によるものだと、そこまでは分かった。だが、予測値をはるかに上回る鉄の膨張理由は遂に解明されなかった。
旧人類の武器のほとんどが『鉄』を含んでいた。そのため、モンスターに碌に反撃出来なかった。
記録はそこで終わっていた。だが、先祖からの伝聞から、俺は映像の中の拳銃が『それ』だと確信した。
だが、それ以上の衝撃を映像が、このときの俺は知らなかった。
過去の俺に伝えられるのであれば、伝えたい。
旧人類には、希望があったと!!!
ヤマトギルド所属、剣士アッサンの日記
――月――日
今回は王都から直接依頼を受けた。未開拓領域に謎の遺跡を発見した。旧人類の文明である可能性が高く、Sランクである冒険者チームに頼みたい、と。
俺速攻で、その依頼を受諾した。
冒険者は冒険に胸が躍る。謎の遺跡、というワードだけで好奇心が湧くというものだ。同じチームの魔法使いと騎士はカンカンに起こったが、最終的には一緒に来てくれることになった。
ありがとう、さすがは俺のチームメンバーだ。後で酒を奢った。
その一か月後、謎の遺跡に到着したのは俺たちだけではなかった。王都は俺たちの他に二チームに依頼をしていおり、合同の調査となる。
だが、先に宝を見つけるのは俺たちだぜ!! かなりの文明レベルだったであろう謎の遺跡だ。恐らく年代ものの剣や、宝石がびっしりついたネックレスといった高値のものがあるはずだ。
いくぜ、お前ら!!
お宝が俺を呼んでいるーーーー!!!
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シカワイギルド所属、魔法使いトーフウの日記
――月――日
未開拓領域にて発見された謎の遺跡の調査三日目。
私の知識にある建物は横に広い。だが、この遺跡の建物の多くは縦に長く設計されていた。もちろん二階建てや三階建ての建物も知っているが、この遺跡の建物のなかには20階建てのものがある。
王都の城でも20階建ての建物はない。
私は推測した。王都は恐らくこの遺跡を新たな開拓拠点にし、開拓領域を増やしたいのだろう。
未開拓領域は危険だが、それ以上の価値――稀少物が多く存在している。もし、この遺跡が住居可能であれば、この遺跡を中心に多くの稀少物の採取を行うことが出来る。
そうなれば国庫は潤い、他国にも大きな顔が出せる。ウハウハ間違いなし。
王都の貴族たちとって、この遺跡は金脈なのだろう。
私が想像に浸っている間に、大きな声が聞こえた。
あれは確か、ヤマトギルドの冒険者だ。
何かを見つけたらしい。
他の冒険者と同じように物を確認する。
何かの魔道具だろうか?
誰かが魔道具の説明書らしきものを発見した。
その説明書には『××××の記録を残す』と記載されている。
××××、どうやら人の名前が書いてあったと思うのだが、文字が汚れていて読めなかった。だが、記録を残すと書かれているのだ。その記録に名前が書いてあるだろう。
もしかしたら、先代の冒険者たちが後世に伝えるために残したものではないかと誰かが言った。この先に未開拓領域のヒントやこの遺跡の謎を解明する手掛かりがあるのかもしれない。
私たちは説明書を読み、魔道具を起動させることにした。
そこには、一人の冒険者と思わしき少女が化け物と戦っていた。
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クイフギルド所属、斧使いフージャミの日記
――月――日
未開拓領域にある謎の遺跡。
そこで発見された『過去の冒険者たちからのメッセージ』を俺たちは見ていた。
研究者と名乗る女性と、護衛をする一団。俺たち冒険者のチームと似ているような気がする。
彼らはとある謎の遺跡を調査をしていた。その様子を様々な角度で映されていた。まるで、見えない第三者の光景を俺たちが見ているようだ。
後ろでヤマトギルドの冒険者チームが騒いでいる。耳を澄ましてみると、どうやらチーム―リーダーが映像に移されていた建築物をこの遺跡で見たと言う。
彼の言葉を聞き、俺はこの遺跡と近しいところはないか探し始めた。壊れているはずの建築物が映像の中では壊れていなかったり、地面の亀裂がなかったりと相違点もあったが、結果18カ所の共通点を見つけることが出来た。
長年の付き合いである紐使いカワエバが俺に小さく『これ、過去のこの遺跡の映像じゃないですかね?』と言う。
俺は『ああ』と賛同する。これを残したであろう冒険者は、この遺跡についての『何か』を残したのだと俺は直感した。
俺は再び過去のメッセージへと集中する。映像の中では一週間経っていた。
調査の結果、そこである宝を見つける。虹色に光り輝く宝だ。
研究者はそれを調べようとするが、その前に護衛をする一団は研究者に黒い単槍を向ける。
その槍は変わった形をしていた。L字に曲がっており、短い部分を片手で持ち、長い部分を研究者に向けている。よく見れば、槍にあるはずの切っ先の刃がなく、かわりに丸い穴が空いている。
護衛の一団、そのリーダーを思わしき男が研究者に話す。これを持って帰れば俺たちは大金持ちだ、お前の研究はここで終了だよ、先生――そう言い、リーダーは短槍の持ちて、その人差し指を引いた。
パアン、と火薬が破裂する音とともに、研究者の足から血が出血する! 俺たちは何が起こったのか分からず、悲鳴と疑問の言葉を出す。
その正体を研究者が語る。
人を殺すことに特化した武器――火の魔法で鉄の玉、弾丸を放出する武器だと。
多くの冒険者たちは驚くが、俺は彼らほど驚いていなかった。研究者が話す『拳銃・銃機』、俺には心当たりがあった。
俺の先祖の伝聞に『それ』の記載があった。
その伝聞は、旧人類とモンスターが戦った記録が記載されており、如何にしてモンスターが人類に絶望を与えたのかが書かれていた。
拳銃・銃機の詳細、仕組みだけではない。続きの文章にはこう書かれてあった。人類がモンスターによって攻撃を受けた際、それら銃機で反撃しようとしたが、出来なかった。
モンスターと呼ばれる怪物たちは大量の熱を放ち、それをある程度コントロールできる。その熱の力により、銃機に含まれる鉄が異常に膨張し、暴発する。
人類はその原因を追究しようとし、モンスターが操る熱によるものだと、そこまでは分かった。だが、予測値をはるかに上回る鉄の膨張理由は遂に解明されなかった。
旧人類の武器のほとんどが『鉄』を含んでいた。そのため、モンスターに碌に反撃出来なかった。
記録はそこで終わっていた。だが、先祖からの伝聞から、俺は映像の中の拳銃が『それ』だと確信した。
だが、それ以上の衝撃を映像が、このときの俺は知らなかった。
過去の俺に伝えられるのであれば、伝えたい。
旧人類には、希望があったと!!!
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