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情緒の乱れたレオンくんがムチムチのお兄さんとイチャイチャする回 ○
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レーヴェは意外と精神が安定している。
「ギャッ!?誰だよ人のスープにまた変なもん入れて、鉄臭っ…あれ?今日トマトスープじゃねえの?みんなシチュー…、あれ?じゃあなにが入ってんのコレ?」
「ごめんね?」
「レインかぁ、……せめて、味は変わらないようにしような?バレなきゃ良いから」
「うん……味見はしたんだけど…レオンにたくさん飲んで欲しかったからその後足してしまって」
「そっかぁ」
レインから夕食へ、色や味が変わるほどの「なにか」を入れられても呆れつつ怒るそぶりはなく、次から気をつけるよう声をかけて何事もなかったように食事を再開していたし、
(さすがに新しいシチューを汲んでいた)
「レオ様♡」
「ん」
「レオ様」
「…ん」
「…レオ様?」
「……っ、えっ?…あぁ、ん」
珍しく大人しく寝っても後ろからスノウに深夜、20分に一回声をかけ起こされるが、寝不足で痙攣しつつも目を覚ましては律儀に返事をしていた。
最終的に近所迷惑だとスノウの頭を抱きしめて黙らせたのは明け方近くで、それまで延々とレーヴェは、たまにおかしくなったのか急に笑い出したりしつつも相手をしていた。
「…すまない……」
「俺もふざけてたし」
俺が階段近くで(セクハラを働いた)レーヴェ相手に暴れたせいで転落し、半日両腕を骨折した時も気にするそぶりもなく世話を全員に焼かせて満足そうにしていた。
だから今日、魔物の「感情を昂らせる粉」とやら浴びてもどうせまた発情するだけだろう、と全員気にしないどころかむしろ何を期待したのかレインとスノウに至っては落ち着きなくそわそわとしているほどだった。
「……ごめん、ちょっと今日はそっとしといて。あの粉でなんかイライラしてる」
「珍しいな」
「…まぁ」
それだけに、少し低い声で言った後は部屋に大人しく籠るレーヴェの反応に、全員で顔を見合わせた。
「……部屋、行ったら怒られるかな」
「そっとしておいて欲しいと言われてるしな…」
さっさと別室を借りて、特に物音も立てずに大人しくしているのを見て二人は稼ぎにでも行けば良いだろうに、気になるのか扉の前でずっとぶつぶつと言っている。
「ほどほどにしておけよ」
どうせ粉の作用は持続するものではないらしい。
わざわざ機嫌の悪い馬鹿に近寄る趣味はないのでさっさと身支度をし、適当に出かけることにした。
====
「…いってぇ……」
「自業自得だろ」
それからしばらくして宿に戻ると、レーヴェは酒場に出かけた、と冷たくされたらしいレインがいつにもまして生気のない顔で教えてきた。
それなりにどうでもいい情報だったのでそのうち帰ってくると流そうとしたが、後をつけて突き止めた居場所と一緒に、きっと寂しいはず、だの様子を見にいって欲しいだの、
挙句自分が行くと刺してしまうかもしれないと脅迫まがいの内容まで涙目で言われてしまい、渋々その場所へ向かうと丁度酔ったレーヴェが別の客と揉めているところだった。
…なんでも、酔って客に大盤振る舞いで酒を奢った挙句、相手がいるヤツを口説いて張り倒されたそうで、粉で情緒がおかしいのは気の毒だが発散方法のせいかなんとなく同情しづらかった。
「馬鹿なのか?あぁ、馬鹿だったか」
「うるせー」
「…態度悪いなお前」
せっかく救出し、強引に連れて帰ろうにも拗ねているのか返事に愛想がない上、斜め後ろから靴の踵を踏んできて鬱陶しい。
頬が少し腫れていたからさっさと誰かに回復魔法でも使ってもらえと宿を目指したが、膝の裏まで狙い始めたのでいい加減こっちがイライラして避けると、転びそうになりようやくレーヴェは横に並んだ。
「なにか言いたいことがある……のか?奇行はやめて話せ」
「……」
目を見てもすぐに逸らされる。
何がしたいのか全くわからず困っていると、なぜか向かっている場所から脇道に逸れた場所へ腕を引かれ、宿泊先とは違う宿へ連れて行かれた。
「レインたち、大丈夫って言っても無限に構ってくるからさ、
ほとぼり冷めるまで大人しくしてないと八つ当たりしそう」
「そうか、…じゃあ、さっさと戻って来いよ。
スノウとレインは心配しているからな」
「えっ?」
当然のように代金を支払いレーヴェは部屋を借りると、ベッドに腰掛け心の底から不思議そうな顔をしている。
「こんな俺を一人残して帰る気か?」
「当たり前……その上目遣いをやめろ、驚くほど腹立つ」
「ひどい」
湿布を貼ったら、とか茶を飲んだら、とか散々帰る時間を引き伸ばされ、その割に一言も喋らないレーヴェの情緒が理解できない。
1時間もした頃、いい加減面倒でもう置いて帰ろうと決意し立ち上がると手首を掴まれた。
「なんですぐ帰ろうとすんの」
「すぐ…?今までの時間をなんだと思ってるんだ」
腕を振り解いて、いつもならギャーギャー喚くかベタベタ寄ってくるので蹴飛ばして帰ろうと身構えていたが一向にその気配はない。
代わりに強く手首を握っていた手が離れ、レーヴェは小さく「そう…」とだけ呟いて俯いてしまった。
同じくいつものように、こっちが心配するとニヤニヤ笑ってしょうもない事をしでかすのかと思ったがそれもない。
「…なぁ」
「どうした?」
「無性になんか噛みたかったり喉奥から変な音出そうな時ってみんなどうしてんの?」
「は?」
「胸の奥のわだかまりがすごい」
「…嘘だろ、お前」
困惑した顔に本気だと悟る。
なんと、普段相当怒り慣れていないのか、レーヴェはまともな発散方法を持ち合わせておらず困り果てているようだった。
「え、なんだこの破壊衝動……」
「痛い」
おもむろに人の指を口に含み、根本をがぶりと噛んできた。
骨の感触を歯で確かめられ、文句を言うとレーヴェは口を離し自分が歯形をつけた指をしげしげと眺めて俺を隣に座らせる。
「……」
「痛っ……!?だからいちいち噛むな」
いつも以上にレーヴェがなにをしたいのか全くわからない。
何かを考え込んだかと思えば今度は抱きつき首筋を噛まれ、強く歯が食い込んだそこを舌先で労るよう舐められた。
「あー…ストレス軽減してきた」
「人を噛んでなにが楽しい」
「自分だって普段俺のことがぶがぶ噛んでるくせに」
「……あれは、お前も喜んでたろ」
さりげなく胸を円を描くように撫でている手を掴んで制止させたが、そのまま指を絡めて嬉しそうに笑われる。
「本当に機嫌、悪いんだろうな?」
「それなりに?今もイリアの胸をむちゃくちゃに揉みしだきたい衝動を必死に抑えてるよ俺は」
「死ね」
徐々に俺の方が苛々としてきた。
こめかみに血が集まるのを感じたが、レーヴェは俺が何かするより先に人を押し倒すとのしかかって鼻や唇を甘噛みし始めた。
「イリアー…」
「……っ」
甘えるような馬鹿みたいな声に嫌味でも言ってやろうかと考えるがいい言葉が出てこない。
濡れた唇がしばらくぴちゃぴちゃと音を立てながら俺の唇へ重なっていたが、ひとしきりキスするのに満足したのか顔をあげると繋がれていた手が離れ、また腹の立つ手つきでレーヴェは胸を揉み出した。
「くすぐったくない?」
「…黙れ」
足に当たっているレーヴェのものはすでに硬さを持っているようで、結局こうなるのかと内心呆れ返る。
快感を与えるよう、触れるか触れないか微妙な力加減で何度も服越しに胸を撫でられ、たまに硬くなった先端を弾かれると徐々に自分自身でも悔しいことに興奮していくのがわかった。
「すご、乳首ビンビン。……めっちゃエロい」
服を捲られ、直に尖った胸先を眺められる。
居心地の悪い視線に身を捩るが、低い焦れた声で独り言のように呟いてから、レーヴェはそこを口に含んで舌でころころ舐めまわした。
「……っ」
独特の柔らかい刺激に腰が少し跳ねてしまったのをレーヴェが見過ごすはずもなく、足を無理やり開かされ中央の幹をそのまま優しく下着越しに撫でられた。
「噛むとさ、ここ、ミルクぴゅって出るな?」
「……やめっ、……ぅっ、ふ……っ!?」
何度も乳首を軽く噛まれ、同時に陰茎の先端をカリカリと掻かれ刺激にどんどん余裕が無くなってしまう。
無意識に腰が揺れ、限界に達しそうになったが突然レーヴェは全ての刺激をやめてしまった。
「……は、……くっ…」
「可愛い顔」
なんとか呼吸を整えようとすると、レーヴェと目が合い嬉しそうに笑われた。
「見て、イリアの乳首。
ごめんな、ちょっと噛みすぎたみたいで腫れてる。…痛くない?」
「っぐ、……そう、言うなら、っ、触るな…っ!」
労るような言葉と裏腹に指は強く胸の先を摘んで転がして、よりミルクを絞ろうと刺激を与えてくる。
「…あはは、ごめん」
「……っ、ふぅう…!?」
かと思えば優しく乳輪や周りをなぞられ、散々いたぶられたそこは弱い感触にも反応してぞわぞわと熱を下半身へと送っていく。
一際強くミルクが一度吹き出した頃、レーヴェは俺に後ろを向かせて覆い被さってきた。
「……くっ、ぅ……、っ」
「……エロい声。
な、イリア?俺、今イリアのせいでいまこんなのなんだけど」
「……!?し、知るか…っ!」
脱力している隙に腰を上げられ、尻だけをレーヴェに突き出した間抜けな姿勢で下着をひん剥かれたかと思うと熱い弾力のあるものをぬるぬると押し付けられる。
「そんな、もの…!おしつけるな…っ!?」
「ふーん?…けどイリアの穴、すごいヒクヒクしてるよ?
ほら、さきっちょ当てるだけでエグいくらい動く」
「う、るさい…!」
尻たぶを掴まれ、強引に穴を拡げてそこに何度も亀頭を押し当てられる。
ちゅ♡ちゅ♡と間抜けに身体が反応し吸い付いている音がして、身体がこの後の刺激を待ちわびているのが自分でもわかってしまった。
「…レーヴェ……!」
何度か焦らすよう動くのを繰り返され、勃った自分のものが脈打ち痛いくらいだ。
耐えきれず、つい、縋るよう名前を呼ぶと背後で押し殺したような声が聞こえ、その後すぐにぬぷぬぷと肉棒が体内に割り入ってきた。
「~~~っ!ぁっ、が、あ゛あぁ…っ!」
「ちょ、イリア締め付けすぎ、……っ、やば」
後ろで何かレーヴェが言っているがよくわからない。
熱い塊が体の奥で異物として存在感を放ち、痛痒いような刺激に漸く慣れた頃ゆっくり肉壁を擦りながら、それは動き始めた。
「……お゛ぉお……っ、ぐ、ぅゔ……っ!?」
「あっつ…」
レーヴェが腰を引くと、自分の内壁が浅ましくしゃぶるように陰茎にまとわりつくのがわかる。
視界の奥が白くチカチカとし、一気に引いた腰が奥まで突き上げてると自分の陰茎の先端からぴゅ、と勢いよく先走りが噴き出した。
「…正面もイリアの顔見れて好きなんだけどさ、後ろで顔見えないのもそれはそれでエロいよな、胸揉むの楽しいし」
「……っ♡ふっ、ぉ゛おっ」
突き上げるために後ろから指が食い込むほど胸を強く掴まれ、ばちゅばちゅと激しい肉がぶつかり合う音がするほど腰を打ちつけられた。
「はは、声、ケモノみたい。……もっと聞かせて?」
「……んぉ゛っ、……ぐっ、ぅう、が、あぁ゛っ…!?」
呻きのような、聞くに耐えない声なのに何が楽しいのかそれをより聞くためにレーヴェは俺の反応の良かった箇所を目ざとく見つけては重点的に擦っては押し潰す。
後ろから肩口に噛みつかれ、逃げられないよう身体を固定されたまま犯される姿勢に俺もどこかで獣の交尾か何かのようだと無意識に考えていた。
「…お゛っ、ぐぅっ、んぉ゛…っ、……っ、……ふーっ♡…ふー…♡」
何度も突き上げられるとあっけなく限界は訪れて、自分の射精した体液で足元や胸が白く汚れていた。
「……ぐ」
そのすぐ後、肩を一際強く噛まれ鈍い痛みがしたかと思うとレーヴェは腰をぐりぐり人の尻に押し当てるようにわざわざ最奥で射精し全部を吐き出すまで大人しくしている。
「……ふー…」
満足そうにナカのものが引き抜かれた後、どろ、と足の間を大量に出されたものの一部が伝うのがわかった。
「…ごめん、結構痕になったな?」
一緒に横に寝ると、突然レーヴェが呟いた。
なにが、と聞こうとして視線の先の胸をみるとくっきりとレーヴェの指の痕が残っていて、
こっちが人前にしばらく出れないと頭を抱えているのになぜがレーヴェはヘラヘラ笑っていた。
その顔は大層ご機嫌そうで、魔物の粉の効果も切れた頃なのだろうと理解したが眠かったのでそれ以上何かを言うわけでもなくしばらくするとお互い目を閉じた。
====
「気分が良くなるお香を焚いたんだけど……」
「生サンドバッグでも蹴れば気分が良くなると思って……」
一睡してから帰ると、レインとスノウは悲しそうな顔で何かの釈明をし始めて、
それに呆れた顔で一つ一つに指摘を入れるレーヴェへ、むしろたまにはもう少し怒った方がいいんじゃないかと思った。
「ギャッ!?誰だよ人のスープにまた変なもん入れて、鉄臭っ…あれ?今日トマトスープじゃねえの?みんなシチュー…、あれ?じゃあなにが入ってんのコレ?」
「ごめんね?」
「レインかぁ、……せめて、味は変わらないようにしような?バレなきゃ良いから」
「うん……味見はしたんだけど…レオンにたくさん飲んで欲しかったからその後足してしまって」
「そっかぁ」
レインから夕食へ、色や味が変わるほどの「なにか」を入れられても呆れつつ怒るそぶりはなく、次から気をつけるよう声をかけて何事もなかったように食事を再開していたし、
(さすがに新しいシチューを汲んでいた)
「レオ様♡」
「ん」
「レオ様」
「…ん」
「…レオ様?」
「……っ、えっ?…あぁ、ん」
珍しく大人しく寝っても後ろからスノウに深夜、20分に一回声をかけ起こされるが、寝不足で痙攣しつつも目を覚ましては律儀に返事をしていた。
最終的に近所迷惑だとスノウの頭を抱きしめて黙らせたのは明け方近くで、それまで延々とレーヴェは、たまにおかしくなったのか急に笑い出したりしつつも相手をしていた。
「…すまない……」
「俺もふざけてたし」
俺が階段近くで(セクハラを働いた)レーヴェ相手に暴れたせいで転落し、半日両腕を骨折した時も気にするそぶりもなく世話を全員に焼かせて満足そうにしていた。
だから今日、魔物の「感情を昂らせる粉」とやら浴びてもどうせまた発情するだけだろう、と全員気にしないどころかむしろ何を期待したのかレインとスノウに至っては落ち着きなくそわそわとしているほどだった。
「……ごめん、ちょっと今日はそっとしといて。あの粉でなんかイライラしてる」
「珍しいな」
「…まぁ」
それだけに、少し低い声で言った後は部屋に大人しく籠るレーヴェの反応に、全員で顔を見合わせた。
「……部屋、行ったら怒られるかな」
「そっとしておいて欲しいと言われてるしな…」
さっさと別室を借りて、特に物音も立てずに大人しくしているのを見て二人は稼ぎにでも行けば良いだろうに、気になるのか扉の前でずっとぶつぶつと言っている。
「ほどほどにしておけよ」
どうせ粉の作用は持続するものではないらしい。
わざわざ機嫌の悪い馬鹿に近寄る趣味はないのでさっさと身支度をし、適当に出かけることにした。
====
「…いってぇ……」
「自業自得だろ」
それからしばらくして宿に戻ると、レーヴェは酒場に出かけた、と冷たくされたらしいレインがいつにもまして生気のない顔で教えてきた。
それなりにどうでもいい情報だったのでそのうち帰ってくると流そうとしたが、後をつけて突き止めた居場所と一緒に、きっと寂しいはず、だの様子を見にいって欲しいだの、
挙句自分が行くと刺してしまうかもしれないと脅迫まがいの内容まで涙目で言われてしまい、渋々その場所へ向かうと丁度酔ったレーヴェが別の客と揉めているところだった。
…なんでも、酔って客に大盤振る舞いで酒を奢った挙句、相手がいるヤツを口説いて張り倒されたそうで、粉で情緒がおかしいのは気の毒だが発散方法のせいかなんとなく同情しづらかった。
「馬鹿なのか?あぁ、馬鹿だったか」
「うるせー」
「…態度悪いなお前」
せっかく救出し、強引に連れて帰ろうにも拗ねているのか返事に愛想がない上、斜め後ろから靴の踵を踏んできて鬱陶しい。
頬が少し腫れていたからさっさと誰かに回復魔法でも使ってもらえと宿を目指したが、膝の裏まで狙い始めたのでいい加減こっちがイライラして避けると、転びそうになりようやくレーヴェは横に並んだ。
「なにか言いたいことがある……のか?奇行はやめて話せ」
「……」
目を見てもすぐに逸らされる。
何がしたいのか全くわからず困っていると、なぜか向かっている場所から脇道に逸れた場所へ腕を引かれ、宿泊先とは違う宿へ連れて行かれた。
「レインたち、大丈夫って言っても無限に構ってくるからさ、
ほとぼり冷めるまで大人しくしてないと八つ当たりしそう」
「そうか、…じゃあ、さっさと戻って来いよ。
スノウとレインは心配しているからな」
「えっ?」
当然のように代金を支払いレーヴェは部屋を借りると、ベッドに腰掛け心の底から不思議そうな顔をしている。
「こんな俺を一人残して帰る気か?」
「当たり前……その上目遣いをやめろ、驚くほど腹立つ」
「ひどい」
湿布を貼ったら、とか茶を飲んだら、とか散々帰る時間を引き伸ばされ、その割に一言も喋らないレーヴェの情緒が理解できない。
1時間もした頃、いい加減面倒でもう置いて帰ろうと決意し立ち上がると手首を掴まれた。
「なんですぐ帰ろうとすんの」
「すぐ…?今までの時間をなんだと思ってるんだ」
腕を振り解いて、いつもならギャーギャー喚くかベタベタ寄ってくるので蹴飛ばして帰ろうと身構えていたが一向にその気配はない。
代わりに強く手首を握っていた手が離れ、レーヴェは小さく「そう…」とだけ呟いて俯いてしまった。
同じくいつものように、こっちが心配するとニヤニヤ笑ってしょうもない事をしでかすのかと思ったがそれもない。
「…なぁ」
「どうした?」
「無性になんか噛みたかったり喉奥から変な音出そうな時ってみんなどうしてんの?」
「は?」
「胸の奥のわだかまりがすごい」
「…嘘だろ、お前」
困惑した顔に本気だと悟る。
なんと、普段相当怒り慣れていないのか、レーヴェはまともな発散方法を持ち合わせておらず困り果てているようだった。
「え、なんだこの破壊衝動……」
「痛い」
おもむろに人の指を口に含み、根本をがぶりと噛んできた。
骨の感触を歯で確かめられ、文句を言うとレーヴェは口を離し自分が歯形をつけた指をしげしげと眺めて俺を隣に座らせる。
「……」
「痛っ……!?だからいちいち噛むな」
いつも以上にレーヴェがなにをしたいのか全くわからない。
何かを考え込んだかと思えば今度は抱きつき首筋を噛まれ、強く歯が食い込んだそこを舌先で労るよう舐められた。
「あー…ストレス軽減してきた」
「人を噛んでなにが楽しい」
「自分だって普段俺のことがぶがぶ噛んでるくせに」
「……あれは、お前も喜んでたろ」
さりげなく胸を円を描くように撫でている手を掴んで制止させたが、そのまま指を絡めて嬉しそうに笑われる。
「本当に機嫌、悪いんだろうな?」
「それなりに?今もイリアの胸をむちゃくちゃに揉みしだきたい衝動を必死に抑えてるよ俺は」
「死ね」
徐々に俺の方が苛々としてきた。
こめかみに血が集まるのを感じたが、レーヴェは俺が何かするより先に人を押し倒すとのしかかって鼻や唇を甘噛みし始めた。
「イリアー…」
「……っ」
甘えるような馬鹿みたいな声に嫌味でも言ってやろうかと考えるがいい言葉が出てこない。
濡れた唇がしばらくぴちゃぴちゃと音を立てながら俺の唇へ重なっていたが、ひとしきりキスするのに満足したのか顔をあげると繋がれていた手が離れ、また腹の立つ手つきでレーヴェは胸を揉み出した。
「くすぐったくない?」
「…黙れ」
足に当たっているレーヴェのものはすでに硬さを持っているようで、結局こうなるのかと内心呆れ返る。
快感を与えるよう、触れるか触れないか微妙な力加減で何度も服越しに胸を撫でられ、たまに硬くなった先端を弾かれると徐々に自分自身でも悔しいことに興奮していくのがわかった。
「すご、乳首ビンビン。……めっちゃエロい」
服を捲られ、直に尖った胸先を眺められる。
居心地の悪い視線に身を捩るが、低い焦れた声で独り言のように呟いてから、レーヴェはそこを口に含んで舌でころころ舐めまわした。
「……っ」
独特の柔らかい刺激に腰が少し跳ねてしまったのをレーヴェが見過ごすはずもなく、足を無理やり開かされ中央の幹をそのまま優しく下着越しに撫でられた。
「噛むとさ、ここ、ミルクぴゅって出るな?」
「……やめっ、……ぅっ、ふ……っ!?」
何度も乳首を軽く噛まれ、同時に陰茎の先端をカリカリと掻かれ刺激にどんどん余裕が無くなってしまう。
無意識に腰が揺れ、限界に達しそうになったが突然レーヴェは全ての刺激をやめてしまった。
「……は、……くっ…」
「可愛い顔」
なんとか呼吸を整えようとすると、レーヴェと目が合い嬉しそうに笑われた。
「見て、イリアの乳首。
ごめんな、ちょっと噛みすぎたみたいで腫れてる。…痛くない?」
「っぐ、……そう、言うなら、っ、触るな…っ!」
労るような言葉と裏腹に指は強く胸の先を摘んで転がして、よりミルクを絞ろうと刺激を与えてくる。
「…あはは、ごめん」
「……っ、ふぅう…!?」
かと思えば優しく乳輪や周りをなぞられ、散々いたぶられたそこは弱い感触にも反応してぞわぞわと熱を下半身へと送っていく。
一際強くミルクが一度吹き出した頃、レーヴェは俺に後ろを向かせて覆い被さってきた。
「……くっ、ぅ……、っ」
「……エロい声。
な、イリア?俺、今イリアのせいでいまこんなのなんだけど」
「……!?し、知るか…っ!」
脱力している隙に腰を上げられ、尻だけをレーヴェに突き出した間抜けな姿勢で下着をひん剥かれたかと思うと熱い弾力のあるものをぬるぬると押し付けられる。
「そんな、もの…!おしつけるな…っ!?」
「ふーん?…けどイリアの穴、すごいヒクヒクしてるよ?
ほら、さきっちょ当てるだけでエグいくらい動く」
「う、るさい…!」
尻たぶを掴まれ、強引に穴を拡げてそこに何度も亀頭を押し当てられる。
ちゅ♡ちゅ♡と間抜けに身体が反応し吸い付いている音がして、身体がこの後の刺激を待ちわびているのが自分でもわかってしまった。
「…レーヴェ……!」
何度か焦らすよう動くのを繰り返され、勃った自分のものが脈打ち痛いくらいだ。
耐えきれず、つい、縋るよう名前を呼ぶと背後で押し殺したような声が聞こえ、その後すぐにぬぷぬぷと肉棒が体内に割り入ってきた。
「~~~っ!ぁっ、が、あ゛あぁ…っ!」
「ちょ、イリア締め付けすぎ、……っ、やば」
後ろで何かレーヴェが言っているがよくわからない。
熱い塊が体の奥で異物として存在感を放ち、痛痒いような刺激に漸く慣れた頃ゆっくり肉壁を擦りながら、それは動き始めた。
「……お゛ぉお……っ、ぐ、ぅゔ……っ!?」
「あっつ…」
レーヴェが腰を引くと、自分の内壁が浅ましくしゃぶるように陰茎にまとわりつくのがわかる。
視界の奥が白くチカチカとし、一気に引いた腰が奥まで突き上げてると自分の陰茎の先端からぴゅ、と勢いよく先走りが噴き出した。
「…正面もイリアの顔見れて好きなんだけどさ、後ろで顔見えないのもそれはそれでエロいよな、胸揉むの楽しいし」
「……っ♡ふっ、ぉ゛おっ」
突き上げるために後ろから指が食い込むほど胸を強く掴まれ、ばちゅばちゅと激しい肉がぶつかり合う音がするほど腰を打ちつけられた。
「はは、声、ケモノみたい。……もっと聞かせて?」
「……んぉ゛っ、……ぐっ、ぅう、が、あぁ゛っ…!?」
呻きのような、聞くに耐えない声なのに何が楽しいのかそれをより聞くためにレーヴェは俺の反応の良かった箇所を目ざとく見つけては重点的に擦っては押し潰す。
後ろから肩口に噛みつかれ、逃げられないよう身体を固定されたまま犯される姿勢に俺もどこかで獣の交尾か何かのようだと無意識に考えていた。
「…お゛っ、ぐぅっ、んぉ゛…っ、……っ、……ふーっ♡…ふー…♡」
何度も突き上げられるとあっけなく限界は訪れて、自分の射精した体液で足元や胸が白く汚れていた。
「……ぐ」
そのすぐ後、肩を一際強く噛まれ鈍い痛みがしたかと思うとレーヴェは腰をぐりぐり人の尻に押し当てるようにわざわざ最奥で射精し全部を吐き出すまで大人しくしている。
「……ふー…」
満足そうにナカのものが引き抜かれた後、どろ、と足の間を大量に出されたものの一部が伝うのがわかった。
「…ごめん、結構痕になったな?」
一緒に横に寝ると、突然レーヴェが呟いた。
なにが、と聞こうとして視線の先の胸をみるとくっきりとレーヴェの指の痕が残っていて、
こっちが人前にしばらく出れないと頭を抱えているのになぜがレーヴェはヘラヘラ笑っていた。
その顔は大層ご機嫌そうで、魔物の粉の効果も切れた頃なのだろうと理解したが眠かったのでそれ以上何かを言うわけでもなくしばらくするとお互い目を閉じた。
====
「気分が良くなるお香を焚いたんだけど……」
「生サンドバッグでも蹴れば気分が良くなると思って……」
一睡してから帰ると、レインとスノウは悲しそうな顔で何かの釈明をし始めて、
それに呆れた顔で一つ一つに指摘を入れるレーヴェへ、むしろたまにはもう少し怒った方がいいんじゃないかと思った。
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