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ご褒美・看病回 ○△□
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【今回の内容】
全員でます
一睡して、起きて。
もうハーピーに攫われるのは不測の事態すぎて流石に今回は全員俺に「なんで?」みたいなことしか聞いてこなかった。
必死に助けに来てくれた手前、俺も聞きづらいので聞けていないがエロトラップダンジョンってどんなトラップあったのかすごく聞きたい。
ちょっと事態が風化してきたらスノウあたりに教えてもらうと思う。
とりあえず今は。
「ゲホッ、オェ、ウゥーーーー…」
案の定ずっと洗脳魔法使ってたせいで熱出た。
一晩でもダメなのか、催眠魔法と併用してたから余計に疲れが出たのかもしれないが。
回復薬は弱っている時に飲むと悪化することがあるので飲まず(そもそもそんな飲み方をするなとスノウに怯えられた)、どうせ一晩で治るからと自然治癒をすることにした。
喉の腫れと頭痛で動くのも億劫で、別に立ち寄る予定もなかった小さな村の宿を借りて寝かされている。
イリアは俺が寝付くとすぐにどこかへ出かけたみたいで、今は残りの二人に俺の看病を任せてた。
けど。
「レオンがこのまま死んでしまったらどうしよう…」
「レインと同じように幽体にはなれないんだろうか?」
「…未練や情念があれば可能性はあるけれど…、レオンを見てる限り、すぐに昇天してしまうと思う」
「では、降霊術や死霊術の習得が必要になるな」
…死なないけど、寝込んでる本人の横で死ぬ前提で魂を冒涜するような話題をしないでほしいし、
聖騎士は休職中だろうが当然のように黒魔術の導入を視野に入れたらダメだと思う。
コイツら、寝てるのにさっきから横でずっとロクでもない俺の話題を繰り返してる。
俺の部位ごとの味わいの話とか好きな部位とかこの1時間延々と嬉しそうに語られてて落ち着かないとか以前に怖かった、おかげさまでこれから食卓に上がる家畜になる悪夢まで見た。
いつもならツッコんだり逃げたりできるけど今、俺は病人だ。
切実に怠いのでちゃんとそんなことに頭を使わせず寝かしてほしい。
イリアがいないので止めてくれるまともな人もおらず、俺自身が抵抗ができない時点でこのままじゃおもちゃにされる未来しか見えない。
苦肉の策として俺は震える声で、
「一人ずつ看病してくれ」「持ち時間を決めてくれ」
と必死にうなされながら妥協案を提案した。
こうして、不本意ながらレオンハルトくん看病選手権は開催した。
「じゃあ、私から…」
エントリーNo.1、スノウ。
持ち時間は一人2時間(すごく長いと思う)。
開催までの1時間、俺はクールダウンの時間を確保しちょっと【安心して】眠れたので頭痛がマシになっていた。
「汗をかいただろう?身体を拭けるよう準備してきた」
「あー…ありがと…」
俺の様子を見て、意外とスノウはまともな提案をしてきた。
…というか根が真面目だからこそレインの狂った発想にも真面目に受け答えして二人で壊れて行くんだと思う、怖いね。
熱そうだからと冷えた濡れタオルを貰って、額に貼ると心地いい。
着ていたパジャマを脱がされ上半身を今度は暖かいタオルで優しく拭かれてとてもさっぱりし後で着るようにと卸したての着替えまで渡されたので、改めてお礼を言った。
「…ありがとう、でも、エフッ、なんかごめんな。
ゲホッ…、着いてきて早々看病なんかさせて」
「いや、したくてしているのだから気にしないでほしい。
…それに別に、ご主人様になってほしいとは言ったが四六時中弄ばれるだけを望んだわけじゃないよ」
それも悪くはないが、と笑いながら付け足されて昼間から回答に困るキツめのジョークへつい聞こえないふりをした。
「…私は、レオ様の自由さが眩しい。
その中でしか生きれないくせに、体裁や外聞を煩わしく思う私にとって、あなたの言葉はどれほど甘美に聞こえると思う?
…もし地獄が存在して、レオ様が死んだ時、魂を呼び戻すことも出来ないなら……、せめて地獄へ着いていき今と同じ、貴方が自由に笑えるよう、私はこれから先は貴方のために在りたいと思っているよ」
「スノウ…」
…今、俺は地獄に落ちる前提で話進んでなかった?
騎士っぽいなんか忠誠心ありそうなこと言ってるけどめちゃくちゃ失礼だった気がする。
動揺してるとスノウの身体を拭く手が止まって、何かと思ったら後ろからなぜか耳の裏を嗅がれた。
「キャイン」
次に舐められて、驚きで蹴られた犬みたいな声が出た。
「な、何してんの?」
「…綺麗にしようと思って」
完全に発情してる時の顔、息が荒い。
スノウが自分で拭いた箇所、首筋や脇をペロペロと舐めてくる、くすぐったい、けど勢いが怖い。
「ちょ、スノウ、なんで舐め、あはは、くすぐった」
「後できちんとタオルで拭き直す、……その…人に、風邪を感染すと早く治ると聞いたことがあるから」
「あー……まぁ、うつったら俺が看病するけどさぁ」
アホしか言わないタイプの迷信に虚を突かれ、思わずしてしまったズレた俺の返事がなんらかの琴線に触れたらしい。
スノウは真っ赤になって小声で「楽しみにしておく」と言っていた。
完全に興奮してタガが外れたらしいスノウはキスをしてから人の乳首を吸ったり、押し倒してヘソや下腹まで全身舐めてくすぐってきた。
「…あ、ここも、…ちゃんと綺麗にしないと…」
刺激で勃ったものを取り出され、頬擦りされた。
長い白髪や柔らかい頬がすこし触れると自分が病人なのも忘れて、気持ちいいのでつい無抵抗になってしまう。
一応スノウなりの理性なのかさっきから数回、大丈夫か、と確認されたけどこんな耳の垂れた子犬みたいな愛らしい目で不安そうに行為を止めるか聞かれたら、イケる以外の回答は俺からとうに抹消されているのでオッケーしか言えない。
俺に続きを促されるたびに、スノウは嬉しそうに顔を輝かせて人の身体を舐めている。
内腿とかもひとしきり舐められた後、スノウはまた体調が悪化していないか確認してきた。
「体調が優れなければ…私は勝手に、自分で慰めに行くから少しでも嫌なら気にせず教えてほしい」
「自分で…?」
すごく興味がある、けど俺も生殺しはいやだ。
「続き、してくれないの?」
頭を撫でながら聞いたら、ちょっとだけ額の火傷が見えた。
そこを親指でなぞるとスノウは欲情したように震えてなぜか、ありがとう、と呟く。
竿を横から脈に沿って舐め上げ、たどり着いた先端を舌でぎこちなく撫でて意を決したようにそれを下を向いて咥えた。
「……っ、うぅっ」
流石に強い刺激に、頭痛と耳鳴りで頭がガンガンしてきたけど股間だけはふんわり気持ちいい。
「ふ、うっ、むっ、んむっ…」
「…うっ、大丈夫?苦しかったら、一回離れろよ」
スノウは苦しそうに顔を歪めながら慣れないフェラをしてくれるが、歯がたまに当たってちょっと痛かった。
ぐぇ、とかえづいてるから俺が髪を撫でながら休むか聞いてるのに、離れるどころかより頑張ろうと喉奥まで深く咥えて閉じれない口から唾液がぼとぼと竿を伝って滴り落ちていく。
苦しそうに涙目になってるのに、くちゅ、くちゅ、とベットの下からなんか音がするから多分、人のをしゃぶってそれオカズにシてるんだろうなぁ、と気づいて、死角で行為自体が見えないのが勿体無くて相当見たかったけど、見たら俺もテンション上がりきって本番行為に発展する気しかしないし本当にうつしたら可哀想なので今日は我慢してもらおうと、気付かないふりをした。
なんか色々考えてたら、段々熱くて眠たくて意識が朦朧としてきていつのまにかつい本能で無意識にスノウの頭を押さえて自分がしたいよう腰を振っていたらしく、喉奥で出すと何度も咳き込んでいた。
「げほっ、う、うぅ…、ごほ、うっ」
「あ゛っ、…ごめん、大丈夫?」
やってしまった、びっくりして目が覚めた。
俺が出したものを口で受け止めたもののどうしていいのか分からずスノウが困ってるのが見えて、近場に置いてあった、俺を拭くのに使ったタオルを渡す。
それに飛沫を吐き出してから、スノウは「次はきちんと飲んでみせる」とやたら前向きな宣言を涙目でしていた。
「ありがとう、…けど、ほんと続きは元気になってからにしような、うつる。
けほっ、別に、いつでも出来るんだから」
「…いつでも…」
そのあと、また汗をかいたので改めて身体を拭いてもらいようやく新しいパジャマへ着替えて終了。
…おかわりで正面から上半身を拭かれる時、ずっとベロチューされてたから改めてうつったら辛いよと言ったら
「それが目的なんだが…」と澄んだ目で言い返されたのだけはよくわからなかった。
一応、看病ごっこもいつでもするからリアリティを追求する必要はないとは諭しておいた。
総評:淫行してる時ずっと脱いでたので寒かった。
エントリーNo.2、レイン。
「大丈夫?」
入れ替わりで来たレインは静かに俺の横に座ると、心配そうに俺の手を握ってくる。
冷えた手が頬に添えられると熱が吸われて心地よかった。
…今知ったけど一人ひとりだとアホのシナジーが生まれない分、レインもまともに看病してくれる。
氷枕をくれて、足先が冷えてるのが分かると厚手の靴下もくれて献身的な看病に寝やすくなった。
「…まぁ、ケホ、【普通に】寝てたら」
「そっか」
レインは微笑むと俺の髪を撫でて「欲しいものが有れば言ってね」とだけ言い隣で眼鏡をかけて静かに分厚い本を読み始めた。
たまに機嫌良さそうに古い民謡を小さく歌って、思い出したように俺をまた優しく撫でる。
換気に開けてもらった窓からは涼しい風が吹いていて、昼下がりの日差しが柔らかくて、今の環境全部が心地よく眠たくなってきた。
ウトウトしてたら物音がした、横を見るとレインは立ち上がって席を外そうとしてる。
「…どっか行くの?」
「写真機、取りに行こうと思って」
「…そ」
せっかく快適だったのに、風邪のせいだろうか。
レインがそばを離れるのが少しだけ寂しくなった。
けどまぁ、どうせすぐ戻ってくるしいいやと思い直して掴んでいたレインの服の裾を離し布団に戻る。
「いってらっしゃい」
こっちを見てレインが珍獣でも見るような目をして固まっていたので早く行くように促すとなぜか立ち去らずむしろ靴を脱ぎ、ベットの上、俺の隣に寝転んだ。
「…なんで?」
「気にしないで。起こしてしまってごめんね」
それからレインは俺の顔に触れ、額にキスした後眠るように目を閉じる。
その冷えた体で少し布団の中の温度が下がって寒かったけれど、まるで子供をあやすみたいに背中を優しく叩かれてるうちにまたポカポカしてきて、結局落ち着いて眠ってしまった。
「んっ……う…」
…なぜか穏やかな入眠と違って寝てる時ものすごいえっちな夢を見た。
こう、どデカい黒い蜘蛛に糸で全身ぐるぐる巻きにされてすごいことを色々される、半分悪夢。
それを俺はエロいことと夢の中で認識してて、苦しいほど締め上げられても不思議と全部気持ちよくて逃げれなかった。
蜘蛛の俺を呼ぶ声にはどこか聞き覚えあって、誰だろうかと思い出している間に糸で雁字搦めにされて、まったく動けなくなって。
こっちをじっと見てるたくさんの黒い目に、そっか、もう食べられるのかぁ、ってぼんやり諦めたところで目が覚めた。
「……なんか、変な夢見た」
起き上がるとぐっしょり汗をかいていた。
レインは布団から居なくなってて、絶対あんなエロい気分になる夢見たら夢精してるわ、俺元気かよと思いつつ確認したけど下着は無傷だった。
…ちゃんと特定の場所も大人しくしてる。
「おはよう、…ごめんなさい。時間だったから抜け出てしまったんです」
そう言って俺の様子を見に来て笑っているレインの顔は少し赤くて多分だけど、あの夢はただの夢ではないと思った。
…珍しいっちゃ珍しい。
寝てるから反応なかったろうに強行突破したのか。
どこまでナニをされたのか、全て闇の中だけど。
総評:起きてる時にしてほしかったです。
「…なんで、俺まで」
エントリーNo.3、イリア。
夕方、イリアは近くの街まで病人食になりそうなものを買いに行ってくれていたらしく、帰ってきて看病選手権をしていると教えたら病人相手に何をしていると呆れ返っていた。
本人は全く乗り気じゃなかったけど、ぶり返したのか昼間の大暴れが効いたのか、また発熱してヒーヒー言ってる俺を見て看病自体は要ると思ったらしく、結局冷えた水を持ってきてくれたのでそのままスタートした。
「ゔぁーーーーー…頭ガンガンするーーーー…」
「黙って寝てろ」
「イリア」
「なんだ」
「りんご食べたい」
調子に乗るなとか言われると思ったけど、なんとりんごも買って来てくれていたらしくイリアは厨房を借りて、すりおろしたそれを持ってきてくれた。
「えっ、うそ、本当に?…冗談だったのに」
「…下げるぞ」
しかも、軽口を叩いたらちょっと怒ったけど当然のようにスプーンで掬ったそれを口元に運んでくれてる。
「うま、…ゴホッ」
「そうか」
真剣な顔で俺に擦りりんごを全部食べさせて、それが終わるとまだ俺が咳混じりにしゃべろうとしてたのを遮って強引にベットへ押し込み部屋の電気を消した。
「…こういうの、2回目だな」
「そうだな」
「前は起きたら呪われてたっけ」
「次はまともな呪いなのを祈っておく」
二人でちょっとだけ笑って、1時間も経たないうちにイリアの看病タイムは終わった。
====
「復活しました!!!!ありがとうございます!!!!」
翌朝、ぐっすり寝たら見事に完治したのでシャワー浴びてからバク宙して元気アピールをする。
病み上がりなんだから大人しくしろとイリアに怒られてそれから誰の看病が一番沁みたかスノウに結果発表をお願いされた。
「うーん…?
スノウのおかげでさっぱりしたし、
レインのお陰で落ち着いたし、
イリアのお陰でお腹も膨らんだし、
みんなのおかげで元気になったから同率一位で良いと思ってて、嬉しかったしほんと感謝してるんだけど…どうしても順位をつけないといけないとのことで、なら、ある1点で俺はイリアが少しだけ二人と差をつけ今回は優勝かなと思ってます」
「…なんで」
ちょっと拗ねてレインが聞いてくる。
「俺も乗り気ではあったけど唯一、病人にエロいことしてこなかったから」
理由を答えるとスノウとレインは自覚があったのか苦虫を噛み潰したような顔をしてた。
イリアだけ、「病人相手に何をしている」と、昨日と同じセリフを吐いて二人を冷めた目で見つめて、
それから俺にも、「病人ならちゃんと寝ろ」と正論をぶつけてきた。
ちなみにイリアへの総評:短い分しっかり休めたところも良かった。
全員でます
一睡して、起きて。
もうハーピーに攫われるのは不測の事態すぎて流石に今回は全員俺に「なんで?」みたいなことしか聞いてこなかった。
必死に助けに来てくれた手前、俺も聞きづらいので聞けていないがエロトラップダンジョンってどんなトラップあったのかすごく聞きたい。
ちょっと事態が風化してきたらスノウあたりに教えてもらうと思う。
とりあえず今は。
「ゲホッ、オェ、ウゥーーーー…」
案の定ずっと洗脳魔法使ってたせいで熱出た。
一晩でもダメなのか、催眠魔法と併用してたから余計に疲れが出たのかもしれないが。
回復薬は弱っている時に飲むと悪化することがあるので飲まず(そもそもそんな飲み方をするなとスノウに怯えられた)、どうせ一晩で治るからと自然治癒をすることにした。
喉の腫れと頭痛で動くのも億劫で、別に立ち寄る予定もなかった小さな村の宿を借りて寝かされている。
イリアは俺が寝付くとすぐにどこかへ出かけたみたいで、今は残りの二人に俺の看病を任せてた。
けど。
「レオンがこのまま死んでしまったらどうしよう…」
「レインと同じように幽体にはなれないんだろうか?」
「…未練や情念があれば可能性はあるけれど…、レオンを見てる限り、すぐに昇天してしまうと思う」
「では、降霊術や死霊術の習得が必要になるな」
…死なないけど、寝込んでる本人の横で死ぬ前提で魂を冒涜するような話題をしないでほしいし、
聖騎士は休職中だろうが当然のように黒魔術の導入を視野に入れたらダメだと思う。
コイツら、寝てるのにさっきから横でずっとロクでもない俺の話題を繰り返してる。
俺の部位ごとの味わいの話とか好きな部位とかこの1時間延々と嬉しそうに語られてて落ち着かないとか以前に怖かった、おかげさまでこれから食卓に上がる家畜になる悪夢まで見た。
いつもならツッコんだり逃げたりできるけど今、俺は病人だ。
切実に怠いのでちゃんとそんなことに頭を使わせず寝かしてほしい。
イリアがいないので止めてくれるまともな人もおらず、俺自身が抵抗ができない時点でこのままじゃおもちゃにされる未来しか見えない。
苦肉の策として俺は震える声で、
「一人ずつ看病してくれ」「持ち時間を決めてくれ」
と必死にうなされながら妥協案を提案した。
こうして、不本意ながらレオンハルトくん看病選手権は開催した。
「じゃあ、私から…」
エントリーNo.1、スノウ。
持ち時間は一人2時間(すごく長いと思う)。
開催までの1時間、俺はクールダウンの時間を確保しちょっと【安心して】眠れたので頭痛がマシになっていた。
「汗をかいただろう?身体を拭けるよう準備してきた」
「あー…ありがと…」
俺の様子を見て、意外とスノウはまともな提案をしてきた。
…というか根が真面目だからこそレインの狂った発想にも真面目に受け答えして二人で壊れて行くんだと思う、怖いね。
熱そうだからと冷えた濡れタオルを貰って、額に貼ると心地いい。
着ていたパジャマを脱がされ上半身を今度は暖かいタオルで優しく拭かれてとてもさっぱりし後で着るようにと卸したての着替えまで渡されたので、改めてお礼を言った。
「…ありがとう、でも、エフッ、なんかごめんな。
ゲホッ…、着いてきて早々看病なんかさせて」
「いや、したくてしているのだから気にしないでほしい。
…それに別に、ご主人様になってほしいとは言ったが四六時中弄ばれるだけを望んだわけじゃないよ」
それも悪くはないが、と笑いながら付け足されて昼間から回答に困るキツめのジョークへつい聞こえないふりをした。
「…私は、レオ様の自由さが眩しい。
その中でしか生きれないくせに、体裁や外聞を煩わしく思う私にとって、あなたの言葉はどれほど甘美に聞こえると思う?
…もし地獄が存在して、レオ様が死んだ時、魂を呼び戻すことも出来ないなら……、せめて地獄へ着いていき今と同じ、貴方が自由に笑えるよう、私はこれから先は貴方のために在りたいと思っているよ」
「スノウ…」
…今、俺は地獄に落ちる前提で話進んでなかった?
騎士っぽいなんか忠誠心ありそうなこと言ってるけどめちゃくちゃ失礼だった気がする。
動揺してるとスノウの身体を拭く手が止まって、何かと思ったら後ろからなぜか耳の裏を嗅がれた。
「キャイン」
次に舐められて、驚きで蹴られた犬みたいな声が出た。
「な、何してんの?」
「…綺麗にしようと思って」
完全に発情してる時の顔、息が荒い。
スノウが自分で拭いた箇所、首筋や脇をペロペロと舐めてくる、くすぐったい、けど勢いが怖い。
「ちょ、スノウ、なんで舐め、あはは、くすぐった」
「後できちんとタオルで拭き直す、……その…人に、風邪を感染すと早く治ると聞いたことがあるから」
「あー……まぁ、うつったら俺が看病するけどさぁ」
アホしか言わないタイプの迷信に虚を突かれ、思わずしてしまったズレた俺の返事がなんらかの琴線に触れたらしい。
スノウは真っ赤になって小声で「楽しみにしておく」と言っていた。
完全に興奮してタガが外れたらしいスノウはキスをしてから人の乳首を吸ったり、押し倒してヘソや下腹まで全身舐めてくすぐってきた。
「…あ、ここも、…ちゃんと綺麗にしないと…」
刺激で勃ったものを取り出され、頬擦りされた。
長い白髪や柔らかい頬がすこし触れると自分が病人なのも忘れて、気持ちいいのでつい無抵抗になってしまう。
一応スノウなりの理性なのかさっきから数回、大丈夫か、と確認されたけどこんな耳の垂れた子犬みたいな愛らしい目で不安そうに行為を止めるか聞かれたら、イケる以外の回答は俺からとうに抹消されているのでオッケーしか言えない。
俺に続きを促されるたびに、スノウは嬉しそうに顔を輝かせて人の身体を舐めている。
内腿とかもひとしきり舐められた後、スノウはまた体調が悪化していないか確認してきた。
「体調が優れなければ…私は勝手に、自分で慰めに行くから少しでも嫌なら気にせず教えてほしい」
「自分で…?」
すごく興味がある、けど俺も生殺しはいやだ。
「続き、してくれないの?」
頭を撫でながら聞いたら、ちょっとだけ額の火傷が見えた。
そこを親指でなぞるとスノウは欲情したように震えてなぜか、ありがとう、と呟く。
竿を横から脈に沿って舐め上げ、たどり着いた先端を舌でぎこちなく撫でて意を決したようにそれを下を向いて咥えた。
「……っ、うぅっ」
流石に強い刺激に、頭痛と耳鳴りで頭がガンガンしてきたけど股間だけはふんわり気持ちいい。
「ふ、うっ、むっ、んむっ…」
「…うっ、大丈夫?苦しかったら、一回離れろよ」
スノウは苦しそうに顔を歪めながら慣れないフェラをしてくれるが、歯がたまに当たってちょっと痛かった。
ぐぇ、とかえづいてるから俺が髪を撫でながら休むか聞いてるのに、離れるどころかより頑張ろうと喉奥まで深く咥えて閉じれない口から唾液がぼとぼと竿を伝って滴り落ちていく。
苦しそうに涙目になってるのに、くちゅ、くちゅ、とベットの下からなんか音がするから多分、人のをしゃぶってそれオカズにシてるんだろうなぁ、と気づいて、死角で行為自体が見えないのが勿体無くて相当見たかったけど、見たら俺もテンション上がりきって本番行為に発展する気しかしないし本当にうつしたら可哀想なので今日は我慢してもらおうと、気付かないふりをした。
なんか色々考えてたら、段々熱くて眠たくて意識が朦朧としてきていつのまにかつい本能で無意識にスノウの頭を押さえて自分がしたいよう腰を振っていたらしく、喉奥で出すと何度も咳き込んでいた。
「げほっ、う、うぅ…、ごほ、うっ」
「あ゛っ、…ごめん、大丈夫?」
やってしまった、びっくりして目が覚めた。
俺が出したものを口で受け止めたもののどうしていいのか分からずスノウが困ってるのが見えて、近場に置いてあった、俺を拭くのに使ったタオルを渡す。
それに飛沫を吐き出してから、スノウは「次はきちんと飲んでみせる」とやたら前向きな宣言を涙目でしていた。
「ありがとう、…けど、ほんと続きは元気になってからにしような、うつる。
けほっ、別に、いつでも出来るんだから」
「…いつでも…」
そのあと、また汗をかいたので改めて身体を拭いてもらいようやく新しいパジャマへ着替えて終了。
…おかわりで正面から上半身を拭かれる時、ずっとベロチューされてたから改めてうつったら辛いよと言ったら
「それが目的なんだが…」と澄んだ目で言い返されたのだけはよくわからなかった。
一応、看病ごっこもいつでもするからリアリティを追求する必要はないとは諭しておいた。
総評:淫行してる時ずっと脱いでたので寒かった。
エントリーNo.2、レイン。
「大丈夫?」
入れ替わりで来たレインは静かに俺の横に座ると、心配そうに俺の手を握ってくる。
冷えた手が頬に添えられると熱が吸われて心地よかった。
…今知ったけど一人ひとりだとアホのシナジーが生まれない分、レインもまともに看病してくれる。
氷枕をくれて、足先が冷えてるのが分かると厚手の靴下もくれて献身的な看病に寝やすくなった。
「…まぁ、ケホ、【普通に】寝てたら」
「そっか」
レインは微笑むと俺の髪を撫でて「欲しいものが有れば言ってね」とだけ言い隣で眼鏡をかけて静かに分厚い本を読み始めた。
たまに機嫌良さそうに古い民謡を小さく歌って、思い出したように俺をまた優しく撫でる。
換気に開けてもらった窓からは涼しい風が吹いていて、昼下がりの日差しが柔らかくて、今の環境全部が心地よく眠たくなってきた。
ウトウトしてたら物音がした、横を見るとレインは立ち上がって席を外そうとしてる。
「…どっか行くの?」
「写真機、取りに行こうと思って」
「…そ」
せっかく快適だったのに、風邪のせいだろうか。
レインがそばを離れるのが少しだけ寂しくなった。
けどまぁ、どうせすぐ戻ってくるしいいやと思い直して掴んでいたレインの服の裾を離し布団に戻る。
「いってらっしゃい」
こっちを見てレインが珍獣でも見るような目をして固まっていたので早く行くように促すとなぜか立ち去らずむしろ靴を脱ぎ、ベットの上、俺の隣に寝転んだ。
「…なんで?」
「気にしないで。起こしてしまってごめんね」
それからレインは俺の顔に触れ、額にキスした後眠るように目を閉じる。
その冷えた体で少し布団の中の温度が下がって寒かったけれど、まるで子供をあやすみたいに背中を優しく叩かれてるうちにまたポカポカしてきて、結局落ち着いて眠ってしまった。
「んっ……う…」
…なぜか穏やかな入眠と違って寝てる時ものすごいえっちな夢を見た。
こう、どデカい黒い蜘蛛に糸で全身ぐるぐる巻きにされてすごいことを色々される、半分悪夢。
それを俺はエロいことと夢の中で認識してて、苦しいほど締め上げられても不思議と全部気持ちよくて逃げれなかった。
蜘蛛の俺を呼ぶ声にはどこか聞き覚えあって、誰だろうかと思い出している間に糸で雁字搦めにされて、まったく動けなくなって。
こっちをじっと見てるたくさんの黒い目に、そっか、もう食べられるのかぁ、ってぼんやり諦めたところで目が覚めた。
「……なんか、変な夢見た」
起き上がるとぐっしょり汗をかいていた。
レインは布団から居なくなってて、絶対あんなエロい気分になる夢見たら夢精してるわ、俺元気かよと思いつつ確認したけど下着は無傷だった。
…ちゃんと特定の場所も大人しくしてる。
「おはよう、…ごめんなさい。時間だったから抜け出てしまったんです」
そう言って俺の様子を見に来て笑っているレインの顔は少し赤くて多分だけど、あの夢はただの夢ではないと思った。
…珍しいっちゃ珍しい。
寝てるから反応なかったろうに強行突破したのか。
どこまでナニをされたのか、全て闇の中だけど。
総評:起きてる時にしてほしかったです。
「…なんで、俺まで」
エントリーNo.3、イリア。
夕方、イリアは近くの街まで病人食になりそうなものを買いに行ってくれていたらしく、帰ってきて看病選手権をしていると教えたら病人相手に何をしていると呆れ返っていた。
本人は全く乗り気じゃなかったけど、ぶり返したのか昼間の大暴れが効いたのか、また発熱してヒーヒー言ってる俺を見て看病自体は要ると思ったらしく、結局冷えた水を持ってきてくれたのでそのままスタートした。
「ゔぁーーーーー…頭ガンガンするーーーー…」
「黙って寝てろ」
「イリア」
「なんだ」
「りんご食べたい」
調子に乗るなとか言われると思ったけど、なんとりんごも買って来てくれていたらしくイリアは厨房を借りて、すりおろしたそれを持ってきてくれた。
「えっ、うそ、本当に?…冗談だったのに」
「…下げるぞ」
しかも、軽口を叩いたらちょっと怒ったけど当然のようにスプーンで掬ったそれを口元に運んでくれてる。
「うま、…ゴホッ」
「そうか」
真剣な顔で俺に擦りりんごを全部食べさせて、それが終わるとまだ俺が咳混じりにしゃべろうとしてたのを遮って強引にベットへ押し込み部屋の電気を消した。
「…こういうの、2回目だな」
「そうだな」
「前は起きたら呪われてたっけ」
「次はまともな呪いなのを祈っておく」
二人でちょっとだけ笑って、1時間も経たないうちにイリアの看病タイムは終わった。
====
「復活しました!!!!ありがとうございます!!!!」
翌朝、ぐっすり寝たら見事に完治したのでシャワー浴びてからバク宙して元気アピールをする。
病み上がりなんだから大人しくしろとイリアに怒られてそれから誰の看病が一番沁みたかスノウに結果発表をお願いされた。
「うーん…?
スノウのおかげでさっぱりしたし、
レインのお陰で落ち着いたし、
イリアのお陰でお腹も膨らんだし、
みんなのおかげで元気になったから同率一位で良いと思ってて、嬉しかったしほんと感謝してるんだけど…どうしても順位をつけないといけないとのことで、なら、ある1点で俺はイリアが少しだけ二人と差をつけ今回は優勝かなと思ってます」
「…なんで」
ちょっと拗ねてレインが聞いてくる。
「俺も乗り気ではあったけど唯一、病人にエロいことしてこなかったから」
理由を答えるとスノウとレインは自覚があったのか苦虫を噛み潰したような顔をしてた。
イリアだけ、「病人相手に何をしている」と、昨日と同じセリフを吐いて二人を冷めた目で見つめて、
それから俺にも、「病人ならちゃんと寝ろ」と正論をぶつけてきた。
ちなみにイリアへの総評:短い分しっかり休めたところも良かった。
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翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
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翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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