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お清め手コキ ○

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【今回の内容】
手コキ


起きてすぐ、イリアが俺の首や鎖骨周りにある黒い斑点を見て真っ青になって医者を呼びに行ったら何故か宿の主人と吟遊詩人が部屋に来た。

二人は俺の顔色と斑点を観察してしきりに「あー」と納得した後、無言で首を横に振った。

「性病か」

最初に失礼なことを切り出したのはイリア。

「…みたいなものですね、病ではなく呪い、ですが」

みたいなものでは無いだろ。

「呪い?」

イリアが聞き返すと、主人は待ってましたと言わんばかりに控えていた吟遊詩人を前に出す。

「この宿の有料サービス!
『怪談・独り心中』を彼から聞けるオプションです。
この件に一番詳しいのは彼でして。
…な?」

「はい」

古い角笛を背負った吟遊詩人が爽やかに笑っている。

「じゃあ手短なやつで」

「ありがとうございます」

「っ!?」

雑に金貨を渡して頼むとイリアが信じられないものを見る目でこっちを見た。

「なぜこの状況で金品を要求してくるような奴に金を払う」

「まぁまぁ、せっかくのサービスだし」

納得のいっていない風に大きく息を吐いていたが、もう払うもの払ってしまったし話の腰を折るのも面倒だと思ったんだろう。

腕を組んでベットに腰掛けると、吟遊詩人をチラリと見た。

「…これより話すは、100年前実際にこの村で起きた喜劇…ある道化の物語…」

それを合図に吟遊詩人は話を始める。

途中でプォオオオオオンって爆音の角笛がなんのつもりか入って宿でやるな、と思いながらも内容をまとめると以下の通りだった。

『この村に100年前、ある魔術師の男がいた。

男には大切な恋人がいたけど、彼はある日その恋人と、どこかへなにかの事情で逃げることになったらしい。

二人の思い出の場所である高台で夜待ち合わせて、そのまま駆け落ちをする手筈だった。

…けれど恋人は夜が明けるまで現れず、自分が独りだと気づいた男はその高台から身を投げ独りで死んだ。

今も男は恋人を探してこの村を彷徨っているらしい、今も…』

「よくあるやつだな」

「俺の村にも夜中に唸る村長の怪談あるわ」

吟遊詩人がしっとり〆るのと同時に、俺たちは好き勝手感想を言った。

「後古典ホラーなのかな、そんな内容怖くない」

「いやいや!この話の怖い点はそこじゃあないんです!」

ダメ出しが悔しかったのか主人が急にヒートアップして吟遊詩人に指示を出すと、吟遊詩人はポツリとつぶやいた。

「…恋人、いなかったんです」

「え?」

「100年前とか結構新しい話なので、男の親戚や知り合いの子孫が結構探せば出てきたんですけどね、当時の話を聞くに死んだ男には重度の妄想癖と思い込みの節があって、その時も周囲に恋人の影なんて全くなかったそうです…
まぁ、それだけなら男は秘密を隠し抜いたのかもしれませんが…

当時、男が毎日存在しない恋人を高台で待って、翌日架空の惚気を他人に聞かせていた話も残っていて…」

「……」

「いまのはそこそこゾクっとした」

なんで生きてる(故人だけど)人間が一番怖いオチなんだよ、困惑していると吟遊詩人が俺を指さす。

「君の胸に浮かんでいる黒い斑点は、その亡霊を受け入れ取り憑かれた証だ、それが浮かぶと亡霊の呪いで3日以内に…」

「み、3日以内に?」

まさか、死ぬ?

怖くなって震える声で聞くと、詩人は無言で首を振りまた角笛を吹いた。

「不能になります」

「はっ?」

「…延命はできるが、それでも7日以上保った人はいない」

「うそ」

普通こう言う時って死なない?

なんでそうなるのか理解できなくて思わず自分の股間を見る、あと3日くらいで使えなくなるの?

「悲しいけど事実だ、この呪いが解けた人は今まで確認した限り一人もいない」

死刑宣告をされた。

主人もこの歳で不能かぁ、みたいな同情の目で俺を見ている。
イリアだけボソッと「もう良いんじゃないか」と呟いていたのを俺は一生忘れないだろう。

「…やっ」

「や?」

「やだぁっっあああぁあぁぁあああっ!!!!」

そして、ストレスの限界を迎えた俺は成人がしてはいけない駄々をこねた。

「不能やだ!!!!まだ遊びたいいぃいい!!!!」

でかいベッドの上をゴロゴロ転がって這い回る。

「日頃の行いのせいだ、諦めろ」

「ちがうもん!!!!いいのかイリアは!!!
俺は更生の機会もなく物理的に大人しくなるんだけど!!???
この欲望がねじ曲がって破壊衝動とかに転換したらみんな後悔するぞ!!!!
ピィイイイイイイイ!!!!!!」

奇声を発して跳ねる。
あまりに見苦しかったのか3人はヒソヒソと、

「これも呪い…?」

「まさか亡霊の力が強く…!?」

「そんな!」

とか会議していた。

「…延命方法と、亡霊だかの墓の場所を教えろ」

俺のじたばたと暴れる動きを勝手に呪い扱いし、事態を深刻化させた3人は「このまま呪いを放置すると強くなったそれで死人がでるのでは」という結論に至った。

さすがに人の命がかかると真剣さが違う。
イリアは落ち着いた声で二人に聞く。

「墓?」

「亡霊が呪いをかけているとして、祓えばその呪いも消えるだろう、…多分」

「脳筋かよ」

「…黙れ、魔物と変わらない、呪うような力を持った相手なら殺せないか試してみる。
こいつはもう知らないが、他の奴がこうなるのはあまりに気の毒だ」

いきなり自警団だの傭兵だのを集めて出発するには時間がかかると判断したんだろう。
先行し亡霊への攻撃を考えているイリアへ、詩人たちは目を合わせて頷くと説明を始めた。

「この村から北へ馬を飛ばして半日ほどで着く、霊峰ゴアド。
その頂上にあるジュマージュニール墓地へ男は埋葬されました。」

詩人がその場所に印をつけた地図をくれる。

「延命方法は?」

「呪いは、快感を忘れさせます」

主人はすこし話しにくそうにしている。

「それで?」

「……」

合いの手入れたけど睨まれるだけで俺には誰も返事してくれなかった。

「三日かけて本来であれば呪いによりその人は快感を完全に忘れ去る。
…けれど、数日であれば性的な刺激をすることで、忘れるまでの時間を延長できます」

「ほぅ」

興味深いので身を乗り出して聞く。

急に元気になった俺を見て最初に「こいつただの馬鹿なんじゃ…」みたいな冷たい目をしたのは詩人だった。

「自慰では思うような効果は得れません、
誰か恋人や親しいだれか、第三者からもたらされるそれこそ他者との交わりの素晴らしさを忘れ去れない一番の行為でしょう。
つまり…」

「誰かにえっちなお手伝いを頼む…?」

「…はい」

亡霊最高じゃん!!

ガッツポーズをしていると、主人も俺からちょっと距離を置いて、イリアは「こんなのばっかりか…」と頭を抱えた。

「へへっ」

多分この悩み方は、「他者との交わりの素晴らしさを思い出させてくれる誰か」として、今ここにいる中で自分が最も適切だと無意識に考えてしまっているんだろう。
責任感のある真面目なイリアを見て笑顔になる。

「…ま、まぁ、ゴアドに登るなら朝方のほうが安全だが、あなた方には時間がない、すぐにでも準備が終わったら出発した方が良いだろう」

「荷物は宿で見ておきます、あの辺は魔物が出るから装備だけは市場でしっかりしておきなさい。
その間に私は往復の馬車を手配しておくから。」

センシティブな話題の気配を感じた主人が咳払いをすると、あとはトントン拍子で話が進んだ。

余談として今まで誰も亡霊を倒しにいかなかったのか?とイリアが聞くと、
「準備しだすとその時の責任者が連続で不幸に見舞われるからもう諦めてた」という不吉な回答をされた。

…もう俺が呪われてるしこれ以上は無いと思う。

思いたい。

====

出発の時、村の門に烏が集りすぎて黒い塚みたいなのができてて、曇天が俺の頭上半径2mくらいにだけ追いかけるように一生かかってたので御者が悲痛な顔で怯えてたけどまぁ大丈夫だろう。

「さすがに殺風景だなぁ」

「墓地があるような山だしな」

馬車は山が険しくなる少し手前で降りて、またとりあえず三日後に同じ場所へ迎えに来てもらうよう約束した。

「前狼に乗ったじゃん、あれここではできないの?」

「あれはサンの知り合いの狼だからな、知らない土地で狼にあいたくない」

それもそうか、納得して足を進める。

「なぁ」

「なんだ」

山の手前、少し開けた場所を見つけたので今日はそこに野宿して明日霊峰へ入る事にした。

野宿なんてしたことのない俺があわや山火事起こしそうになったりしていると呆れたイリアが手際よく布を敷いて屋根を作ったり火を起こしてくれた。

ちょっと村より冷えた土地だったけど無事暖かいスープで夕方には身体をあっためることができた。

食後、ゆらゆら揺れている火を見つめながら俺は気になっていた悩みを打ち明ける。

「この見た目って治んのかな?
これがこのままだと流石に暮らしにくい気がするんだよね」

「知るか」

一蹴されたけど、だよなぁ、と俺が諦めたように呟くとイリアは続ける。

「でも、呪いが解けなくて、もし最果ての国でこれが原因で暮らしにくくなるなら俺のところにでも来ればいい

…不能になってたら実害は減りそうだし」

「えっ」

性根は叩き直してからの話だけどな、そう言われたけど、俺は予想外の回答へ数秒理解に時間がかかった。

「あの山?呼んでくれるの?」

不服か、と怒ったふうに聞き返される。

「…あー…あぁ、いや、うれしい。

ありがとう」

困ってる人がいたら、それがゾンビみたいな見た目をしてようが最果てに捨てに行きたいレベルのカスだろうがとりあえず拾ってくれるらしい。

その懐広さに驚いて、なんか感動した。

これは何人も更生させて辺鄙なところで暮らせるわけだ。

「…熱っ!」

茶化したくはなかったのでなんて返事しようか考えているとパチパチと火が跳ね、俺の手の甲に飛ぶ。

驚いて声を出すとイリアは呆れたように俺に近づいて、

「そんなに火に近付くからだ」

と言って、身を引かせるため俺の肩を掴んだ。

引っ張られるその力に従って、その勢いのままイリアにもたれかかった。

「…なっ」

「…なーんかさぁ、イリア、昨日から俺のこと子供扱いしてない?」

さらに腕を首に回し、後頭部のサラサラな髪を撫でた。

「おい待、急になんだ」

「なら心外なんだけど。
アンタ、子供にこんなことされんの?」

昨日思い出した、厚い胸板を撫でて先端の尖りを指で潰す。

こないだ触手にいじられてた時は良さそうだったけど、流石にまだ触られても違和感くらいしかないだろう。

せっかく生きてたら長い旅になるんだしここだけでイけるくらい開発できたらいいな。

「お前、こんな場所でふざけるな」

ちょっと怒られて、動きを静止させられた。

「まぁまぁ、昼間延命にはナントカって言ってたし」

抱きつく、身体は強張っているけど病人(っぽい見た目)への遠慮なのか、今度は強い抵抗はなかった。

「別に、俺を触る必要はないだろ」

「でもせっかくするなら二人で気持ち良くなった方が楽しくない?」

手をゆっくりと下ろしていき、布越しにまだ柔らかいソコを優しく刺激する。

もどかしい刺激に拒絶した方がいいのか困っているイリアの腰に自分のを押しつけて、助けて?と笑いかけた。

イリアは赤くなって、でも諦めたように俺のズボンの前をくつろげる。
少しだけ硬度を持ったそれと俺の顔を交互に数回見た後、壊れやすいものへ触れるようにそっと指先で触れてきた。

「いつもイリアはどんな風にしてるの?」

好奇心で聞いたら睨まれた。
けれど指はしっかりと俺のを握って、優しく手が動き始める。

「んっ…、上手、じょーず。
俺もお礼にちゃんと触るね」

これまでのお返しにイリアの頭をポンポンと撫でてから、もたれかかった体勢のままイリアのを直に取り出した。

この状況に興奮しているのだろうか。

いつのまにか十分に大きくなっているそれの、先端にぷくりとできた水滴を指の腹で押しつぶして先端へ塗り広げるように弧を描いて刺激すると、
イリアは少しだけ身体を震わせて、幹からじわじわと透明な液が滲み出てきた。

「気持ちいい?」

「…うるさいっ…」

「俺は気持ちいいよ、アンタはそうでもない?」

だんだんぬるぬるとした液が広がって、手を動かしやすくなる、すごく熱い。

ドクドクと脈打つそれへ規則的な律動を与え、もう片方の手で右の胸をいじるとイリアは逃げるように腰を引いた。

「っ、それ、やめ…」

「ほら、休まないで手を動かして、俺イけないんだけど」

そう言いながら手を動かして、
イリアが特に良さそうに反応した箇所や刺激を何度も与える。

繊細な裏筋や鈴口を少しだけ擦るように、軽く引っ掻くとイリアは可愛らしく身体を跳ねさせて悦んでいた。

「ふっ、う…」

「ほら、もっと頑張って
…おれの真似をしてみて」

じっと目を見つめる、この状況に困ってて、恥ずかしくて、でも気持ちいいからやめられなくて。
そんな心境が表れるようイリアは俺を見つめ返したり、
たまに下を向いたり視線を彷徨わせていた。

ゆっくりを太い幹を、指で輪を作って抜くように刺激すると、
イリアも同じように指の形を変え、俺のを扱き始めた。

「もうちょっとだけ早く」

お願いをするとイリアは動作を早める。
拙いその動きではイける自信があんまりない、自分でした方が気持ちいい気すらしたけど、献身的なイリアの動きが可愛くて裏腹になんとも欲情した。

「んっ、…イリアはどうしてほしい?」

声が少し上ずる、
それを聞くとイリアは大袈裟に身体をびくつかせていた。

問いかけに何か口を開きかけて、でもまだ羞恥が残っているのか言うのをやめてしまう。

「俺もイリアに気持ちよくなって欲しいな、…教えて?」

「……っ」

目をぎゅっとつぶってそっぽを向かれた。

「うーん」

今のままじゃ一生答えてもらえなさそうだな、と思ったので聞き方を変える。

「根本と、先
どっちが良い?」

そう言って根本を諫めるようにきゅ、と締めたり、先端へツルツルと指をひっかけ撫でる。

イリアは諦めたようにさっきの、と先端を可愛がる方がイイと絞り出す声で教えてくれた。

「…そっか」

また頭を撫でて、ご褒美にイリアがイイと言った箇所を重点的に攻める。

「あ゛っ、あ」

思わず声が出てしまったらしく、
イリアは咄嗟に口を手で覆って声を漏らさないよう耐えていた。

「何で隠すの?」

「気色、悪いだろ…っ!」

「そんなことないよ、すごいエロい」

ほら、と興奮の証を見せるように腰を揺らす。

一瞬手が止まって、でもまたイリアは思い出したように動きを再開した。

「っう、くっ…、も、う…」

「えぇー、もうちょっと頑張ってよ、一緒にイこ?」

張り詰めたそれを触る手の速度を緩める。

お預けをされて、イリアは無意識に、まるで快楽を強請るよう俺のを触る手を早めて、刺激を強くした。

その素直な反応に思わずくすくすと笑ってしまう。

「いたた」

「あ、…すまな、いっ」

ちょっと強すぎて痛かったので思わず口に出たら、焦った顔で謝られた。

「大丈夫、…でももっと優しく。
イリアも自分のを触ってると思って、
どんな風にしたらいいか想像しながら、もっと触って」

「…ん」

静かな場所で、二人の息遣いとたまにクチュクチュと湿った、擦れる音だけが聞こえる。

「う、ぁっ…」

そろそろ本当にイリアは限界らしい。

声に落ち着きがなくなって、手も無意識に動いてるだけみたいな緩慢な動作になってきた。

「気持ちいい?」

「っ、ぅ、あぁ…」

コクコクと頷かれる。

継続して刺激を続けていると、
一瞬それが大きく膨らんで脈打って、それから程なくして精を吐き出した。

びゅくびゅくと全部吐き出し終えてから、
イリアが余韻に浸ってる横で俺も自分のを触って出そうになったからイリアの腹へぶっかける。

少し焼けた肌へ白いドロドロのがかかって、えっちな見栄えになった。

「…っ、
最後ちょっと自分でしちゃったけど、今のノーカンかな?どう思う?」

「…はぁ、知るか」

少しだけ息を整えると、先に落ち着いたイリアは自分の身体にかかったのとか俺と自分の手を拭いて早々に後片付けを始めている。

「あ、でもなんか心なしちょっと疲れ取れた気がする」

「…たしかに」

俺の顔を見て、イリアは驚いた顔をしている。
頬に触れ、顔色が良くなった、と呟いていた。

「イリアのおかげだわ」

お礼にチューしようとしたら添えた手に力が入り首を90度曲げられて一瞬死の匂いがした。

「よし!じゃあ寝よっか」

めげずに、当然のように寝そべって今度は添い寝を要求すると、正気か?と聞かれた。

「お前、野営で火の番もなしに寛ぐつもりか?」

「えっ?火って番いるの?」

衝撃を受けていると、イリアは諦めた目で遠くを見てから

「明け方だけ代わってくれ」

と言ってそのまま火を見つめ始めた。

起き上がって隣に座る、お前は寝てろと怒られたけど、
次から俺もできんじゃんと説得するとイリアはもう特に何も言って来なくなった。

結局二人で夜通し起きて、寝不足だったけど少し喋って、楽しかった。

次の日の早朝、気がつくと斑点がデカくなってもはや柄みたいになってたからふざけて牛の鳴き真似したらドン引きされたけど。
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