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不良くんの心酔 上

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3日に一度本当に気に食わない奴の部屋へ行くことになっている。

「ほーらがんばれ♡がんばれ♡」

「……っ♡♡♡しね゛っ♡っ♡しねっ、しねっ……ぐっ♡しね……っ♡♡」


ベッドに寝そべりニヤニヤと俺を見てムカつく笑い顔を向けている白髪はアロイス、
趣味も態度も悪い変態ちんぽ野郎、そして何より気色悪い触手を使う化け物だ。

少し前、俺はコイツの操るスライムに思い出すのも嫌になるような目に遭わされ、
その後遺症で定期的にコイツに「毒抜き」をしてもらうため、
今みたいに上に乗って腰を振らなければいけない羽目にあっている。

毒抜きと言っても薬やなにか診察をされる事はなく、アロイスとセックスしているだけで、
この行為ももう4回目だが、絶対こんなので媚薬だか毒だかなんて抜ける訳がないだろといまだに思う。

けれど、実際一度それで体がマシになったからってバックれたら、僅か3日でぶり返した「毒」のせいで何にもしてないのにイキまくって、
ぐっちょり漏らしたように前を濡らし、たまに身体を丸めて呻きイキながらコソコソ人目を避けてアロイスの部屋を尋ねる事になったので今は毒が抜けたと思えるまで、アロイスのいう事を聞くしかない。



「お゛ぉっ!?♡♡♡」

「いま違う事考えてだろ?」

「ちがっ♡~~~っ♡♡♡ごめ、……っなさい゛♡♡♡」

アロイスは見た目こそ白くて綺麗で、それに特待生になれる程度に金持ちみたいだが、
きっとだからこそ周囲に甘やかされて性格が歪んでしまったんだろう。

見た目ばっかり綺麗で中身はゴミみたいな性格をしてるから、
今みたいに俺がちょっと気を抜いただけで腰を掴んでごちゅんっ♡と下から突き上げて結腸を犯して俺に嫌がらせをしてくる。


「あ゛~~~っ!!?♡♡♡」

すべすべの冷たい手が火照った身体を撫でて気持ちよかったのはほんの一瞬のことで、
腹の奥をチンコで犯されると、毒のせいで体がおかしくなっている俺はこうやって仰け反って、全身が熱すぎて死ぬんじゃないかと思いながらじょぼじょぼ潮を垂らしてケツを締め、
アロイスのチンコが身体の中に挿入ってしまっているのを余計に自覚して惨めにイクしかできなくなる。

そんな事とっくにアロイスは知っている癖に、
俺がイキ過ぎて泣きながらこんなに情けなく謝っているのに、
容赦なくくぽくぽ結腸を犯して潮を噴いてる俺を見て面白そうに笑っているのだ。

「お゛っ♡お゛っ♡おっ♡お゛っ……♡」

アロイスの平らな腹に爪を立てすぎて、
青白い肌に赤い血が滲んでしまっても、アロイスは痛がる様子もなくどちゅどりゅ俺を突き上げケツハメを継続する。

「あ゛っ♡……はぁっ♡♡」

「謝らなくてもいいけどさ、ちゃんとまんこ締めて本気でイってくれないと俺も精気と毒、吸えないんだけど?」

「~~~っ♡♡♡」


視界がちかっ♡ちか♡とスパークして真っ白で、アロイスが何か言っていたけれどもうわからなかった。



「あ゛っ!?♡
 ふーっ♡♡ごめん、ゆるじでっ♡ごめんなさいっ♡♡」

「聞いてないか」

けど、アロイスが人のチンコに触ってきて、多分今日も『アレ』をされるんだと気づいて、
なんとかアレから逃れるため、やりたくないけどアロイスの上で跳ねて腰を振り、アロイスの気を引こうと一層自分を虐めた。

ぐぽっ♡ぐぽ♡と入り口から奥までアロイスのチンコを扱いて刺激するとナカが拡がってビクビク痙攣して、
俺の腹にべちべちぶつかる自分のチンコから、またじょろじょろ潮が溢れてみっともない。

気持ち良すぎてきゅう♡と尻穴が締まって、上手く息はできないし涙が出てきたけど、
多分コイツはひどい化け物だから俺が苦しんでるとか、「そういうの」の方が好きだから、
みっともなく泣いて叫んで命乞いをする。

「お゛……っ♡あぁ゛あ……っ♡♡♡」


チンコが奥にどちゅんっ♡と捩じ込まれるたんびに頭がおかしくなるくらい腹の奥が気持ちよくなって俺が変わっていく気がして怖いし、
じょろじょろ流れる潮と一緒に漠然と俺の雄も流れてしまっている気がしたけれど、
『アレ』をされるくらいならこっちの方がマシだ。


「別に虐めてるんじゃないんだけどな。
 お前、自分のちんちんで卵詰まっても良いの?」

「ぐすっ……、ごめ、あっ♡あっ♡ごめんなさいごめんなさい……♡♡」

「はぁ……聞こえてないか」

けど俺の懸命の命乞いも虚しくアレが許してもらえる事は無く、アロイスは俺の陰茎の先からぴょこ、と飛び出た透明の膜を摘んで、
繊細なそれが破けないようきゅ♡きゅ♡と器用に緩急をつけながら引っ張って外に出していく。

「ひっ♡い゛……っ♡♡」

「不良くん、コレやると本当にナカ締まるよな。
 そんなにこれ気持ちいいのか?」

「ちがっ♡たのむ゛からっ、やめ゛で……♡♡♡」

ちょっと膜が上に行っただけで尿道が口を大きく開けてダラダラ先走りが流れ、
白目を剥いてケツのナカのチンコを締めてしまうくらい強烈な快感が身体を襲っているのに、
アロイスはその膜が十分摘める程度に尿道から飛び出ると、それを一気に引きずってずるるるるっ!♡とちんこから引きずり出した。


「お゛……っ!!?♡っ……、か、……はぁ゛…………っ!!?♡♡♡」

ずりゅりゅりゅ、と膜と一緒に尿道をビーズのような、膜に包まれた球状のコブたちが拡張しながら飛び出ていく。


チンコの中を卵がぶちゅぶちゅ汚い音を立てて飛び出ていくのは、射精なんかどうでもよくなるくらい気持ちいい。

耳の奥がキンキン煩くて、チンコもアナルも蕩けて死ぬんじゃ無いかと思うほどの刺激が本当に辛いし、
何より卵を産んでしまうという、オスがやる訳ない行為を俺がしてしまう事で、
俺のチンコはもう生殖器じゃなくてこうやって、アロイスに弄ばれるだけの雑魚突起に成り果ててしまっているんじゃ無いかと思って惨めな気持ちでたまらない。

初めて産卵した日、無理やり尿道を拡げてぶちゅぶちゅと生まれてくる卵の気持ち悪さと爪先まで気持ちいい強烈な絶頂はトラウマとして脳に焼きつき、今もたまに夢に出るほどなのに、
それを散々虐められて産卵に適応してしまったチンコでケツハメされながら何回も味わわされるのだ。

交尾みたいだけど実際の交尾で無理やり産卵させられるなんてないだろうし、本当に惨めで酷すぎる行為だと思う。

卵を産んで開きっぱなしになった尿道からはどろどろと精液がただ垂れていて、
ひく♡ひく♡と痙攣するピンクの肉がてらてら光ってエロくて、それを見て興奮し、
またとろ♡と精液を垂らしたのがバレてアロイスにニヤニヤ笑われた。


「……ひぐ、うゔ……♡♡♡やめで……♡もう産みたくない゛……♡」

「毒抜きついでに治るといいな。卵癖?
 ……残ってないかな、膜」

「あ゛っ♡あ゛……っ♡ぐすっ……、も゛♡やべでぇ……♡♡♡」


……認めたく無いが、こうして毎回ケツ穴もちんこも、触手のせいで意味がわからないくらい弱くなってるのに無茶苦茶犯されてイカされ、
なのに俺をどうしたいとかもなく、ただただ俺を玩具みたいに虐めるアロイスを相手に俺の心は完全に折れかけている。


「やだぁ……♡ごめんなさいっ♡ごめんなさい……っ♡」

ぷしっ♡プシュッ♡

「うーわ、漏らしといて何言ってんの?さっさとちんぽ出せ」

「ゔぅ……♡」

あの気持ち悪い触手がアロイスの背中の辺りからまた俺に向けてうねうね伸ばされていて、
また自分の意思に関係なく、チンコの裏側をぞりぞりされて一生イって泣き叫ぶしかできなくなるのが怖くて、
満足に動かない足をなんとかベッドにつけて立ちあがろうと頑張る。

力を込めたせいかまたケツが締まってチンコが良くてつい腰を振ってケツハメを楽しんでしまい、
その間にも焦らすようにゆっくり蠢いて接近してくり触手が怖くて腹の奥がきゅんきゅん震えて痙攣していた。


ちんこの奥が期待で熱くて、ぶしゅぶしゅスプレーみたいに潮を噴きながら必死に首を振って拒絶したが、
触手は俺のチンコに巻きついて逃げられないよう竿を固定するともう片方の触手を先端に突き刺して、

「お゛ッ……っ!?」

内側で剥き出しの神経を沢山あるひだでちゅこちゅこ擦って弄って、俺のチンコを内側からカリカリ♡まともなセックスが出来なくなるようなエグい快感をチンコに教え込んでダメにしようと頑張っている。

本当におかしくなってしまいそうで、
たまに喉の奥から情けないメス声を出してつま先を伸ばして無様にイってしまいそうな自分が怖かった。


「あ゛っ♡やだやだやだやだっ!!!ちんこもう、っ♡ほじんなよっ♡お゛ー……っ♡♡♡
 そこ、挿入んない゛……!♡♡♡」

「はいはいちんこ穴弄られて嬉しいな。
 ……あー?ちょっと膜あるかも?剥がさないと」

「お゛……っ♡んほっ♡♡」

アロイスの上で自分から跳ねて自分のケツの好きなところにじゅぽじゅぽ硬いチンコを当てながら、
自分の萎えたガバガバチンコを触手にちゅこちゅこ犯されて、俺は一切抵抗する事なく腰をそらしてちんこ穴を差し出し、
触手を受け入れ鼻の下を伸ばした間抜け面でイっていた。

「あ゛……っ♡♡♡」

そうやって気絶して、目が覚めるとろくに私物も生活感もない気持ち悪い部屋のベッドで目が覚める。

「……っ」

俺はいつも、ここまでしてようやく狂いそうな発情期からまた数日だけではあるが解放されて、
冴えて正常に動いている頭で逃げるようにその無人になった部屋から飛び出すのだ。


====


「……」

「よぉルイ!久々だな!」

「……あ、先輩……?」

少しずつ発情はマシになってきているが、
今日はまたやけに体が熱く、尻穴がくぱっ♡くぱ♡と開閉して腸液でぬかるみ肉襞が前立腺を捏ねてじんわり気持ちいい。

服に擦れるチンコや乳首が気持ちよくて、なんか汁も出てるし無意識に身体を柱にでも擦り付けてへこへこ腰ふりオナニーしてしまいそうで、
またあの変態のところに毒抜きに行かないと、と憂鬱な気分で考えていたのだが、突然懐かしい人に声をかけられた。


「久しぶりだな」

「ど、ども……す」

浅黒い肌、身長の高くちょっと語尾の勢いが強いこの人は1つ学年が上の先輩だ。

先輩はここに入学した当初から、目つきも口も悪くて目をつけられやすい俺を庇って色々見てくれていた人で、
今の俺が他のやつの世話を焼きたい、と思うようになったのも先輩みたいになりたかったという気持ちが強い。

(アロイスとその触手にめちゃくちゃされてからはそんな「人助け」もろくにしていないし、
 お友達も前の一件以降寮から出て来れなくなってるらしいが。)


「お前最近調子悪いって他の奴に聞いたぞ?
 大丈夫なのか?」

先輩は今日もわざわざ俺を心配してこんな校舎裏まで探しに来てくれたようで、
その優しさに目の奥がぐ、と熱くなる。

「あ……いや、それは、
 (……もしかして、先輩なら俺を助けてくれるかも)」

いままで、「助けて」とかそういう弱い言葉が嫌いだった。

泣き言を唱えてもクズ共を調子に乗らせるだけだと、小さい時から嫌と言うほど学習してきた。


どうせ誰も助けてくれないし、言われた相手が喜ぶだけの惨めな台詞なんて死んでも言いたくなかったが、
……今日は頭が発情でふわふわしているせいか、
定期的に泣きながらメスイキさせられて、本当に気持ちが弱ってしまったのか、先輩なら助けてくれるんじゃないか、
そんな情けない考えがぽつぽつと頭に浮かんでしまう。


「ルイ?」

(そうだ、
 先輩と一緒にアロイスをボコボコにして、それで、毒抜きすれば……♡)

「ルイ、どうしたんだ?ぼーっとして」

「(アイツを縛って動けなくして、自分ででどちゅどちゅけつまんこほじったらイイじゃん♡
 それなら無理やりイカされるとかないし♡
 あいつを、今度は俺とおんなじ惨めな目に合わせて仕返しして……そんで、……俺は俺の好きにイケる♡)
 えっと……先輩、俺♡お願いがあってぇ……♡」


「……お前、……あ、あぁ」


身体が熱い、頭がふわふわしておかしい。

けどこれでもう無理やりイかされない、友達に変な目で見られなくて済む。

先輩がいつも以上に頼もしく神様にすら思えた。
嬉しい、顔が熱くて胸がドキドキする。

きっと先輩ならアロイスに勝てるから。


助けを求めようと胸を高鳴らせ、俺の救世主になってくれる先輩のその目を見た時だった。

「せんぱ、」

「……話聞くわ、俺の部屋行こうぜ」


(…………、
 ……あー…………)


先輩の、一回俺をつま先から頭まで覗くような嫌な目つきになんとなく覚えがあって、それの正体に気づいた途端、
魔法が解けたみたいにさっきまでふわふわして気持ちよかった頭がすっと冷えた。

きっとこんなバカみたいな声を出してしまった俺が悪いんだけれど、
俺に何かを期待するように薄笑いを浮かべる「コレ」が、救世主ではないんだと現実を突きつけられたような気分だ。


これはこの間の友達や、

(……親父とおんなじ目)

こいつも俺を助けてはくれない、自分の事は自分で守らないといけない、
そんな当たり前の事を思い出して気分が沈む。


(……てか先輩の腕の掴み方、なんか気持ち悪いし)

「ルイ」

「……ん
 (……けど、まぁいいか。
  多分今なら大体気持ちいいし……、助けてなんか言った俺が悪いし)」


気持ちが妙に冷めて、早く1人になりたかったけれど先輩は鼻息荒く俺に色々喋りかけてきているし、
逃げたところで部屋もクラスも何もかもバレてるからどうせ後で、もっと酷いことになるだろう。

今ちょっと我慢すればいいから、殴られンのとそんなに変わらないから、とかそんな自分を納得させる言葉ばかりが頭に浮かんでくる、
きっと今までもこれからも、俺はずっとこんな感じなんだろう。

強引に俺を自分の部屋に連れ込もうと腕を掴んでくる先輩に、諦めてついて行こうと片足を上げた時だった。



「不良くん、なんで見るたび毎回こんな感じの空気になってるんだ?」

「……は」

何故か校舎の角からにゅ、とアロイスが現れた。

クズちんぽらしく空気も読めないようで、人の沈んだ気持ちも知らずにやけに明るい声を出している。

「お前……!」

嫌な奴が増えたことを嫌がるべきなのに、何故かアロイスが助けに来てくれたような気がして、
ちょっと口角が上がった自分に気づいて驚いた。


「あ?なんだお前」

「なんだと思う?
 そろそろこう言う時の決め台詞決めたいんだけれど」


先輩は俺と一緒で、
アロイスが細いし見た目は砂糖菓子みたいに綺麗だから油断したんだと思う。

俺から腕を離すとヘラヘラ笑っているアロイスの胸ぐらでも掴もうと腕を伸ばして、

「ぐぁっ!?」

(あーあ)

あっさり触手に腕を払われ、俺がそうされたようスライムに取り込まれてしまった。


「後、不意打ちが多いのはちょっとダサいよなぁ……
 不良くんさ、今度から囲まれたら
 『そろそろ最強のアロイス様が来ちゃうよ』ってみんなに忠告してくれない?」

「はぁ?……はは、お前、馬鹿かよ。なんで」

「んー?なにが?」

「お前……、
 また来る気で、……っ、マジで……迷惑なんだけど、馬鹿かよ」

本当にあっさり先輩を無力化して、得意げになって俺の方を見ているアロイスと、
スライムの中でもがいてる先輩を見て、
これからアロイスに酷い目に遭わされるのが確定しただけだろうに、なんだか怖いことが終わったような気がしてぽろぽろ涙がこぼれ、
なんで安心しているのか意味がわからなくて笑ってしまった。


「マジで、あー……クソ……」

結局アロイスには先輩も勝てなくて、
けれど長い付き合いの優しかった先輩と、こんな不気味なクズの化け物のどっちの味方をすれば良いのかなんて先輩に決まってる。

今すぐアロイスを殴って先輩を助けないといけないのに身体が動かなくて、苦しくて胸を掴んで身体を丸めるとアロイスに抱きしめられた。


「……っ」

「なんで泣いてるの?そんなに怖かった?」

「馬鹿っ……!?
 あー……くそ、違うわ、っ、んなわけ、ねえよ……死ね馬鹿、最悪……お前みたいなやつ、死ねよ……気持ち悪い、
 誰も、助けて欲しいなんて、言ってない、だろ……っ!?」

声が面白いほど震えている、
多分俺はおかしくなってしまったんだろう、この化け物のせいで。


背中に腕を回され、よしよしと頭を撫でてあやされると、
俺をこんな風にした張本人に慰められてムカつくはずなのに、強張った身体があったかくて溶けるみたいに気持ちよくて、
自分の両腕をどうすれば良いのかわからなくて、もっと暖かさが欲しくてアロイスに巻き付けていた。

ぎゅ、と身体を密着させると、アロイスの冷たい良い匂いがして大きく息を吸い込んでしまう。

その香りで頭の中が澄んでいくような気がして、何度もアロイスに抱きつき直しては体に顔を擦り付けてしまった、
多分アロイスから見れば俺が擦り付いて、甘えているみたいに見えているんだろう。

必死に頭の中でこれはアロイスを油断させるため、とか、涙を見せたくないから、とかまた言い訳して、
これは作戦の最中なんだから、アロイスにももっと、俺に騙されて腕の力を込めて俺を離さないようずっとこうしていて撫でていて欲しかった。


「な、不良くん。
 俺の信者になる?」

「……ぐす、……しん、じゃ?」

俺を抱きしめたまま、アロイスが優しい声で囁く。

耳がくすぐったくて気持ちいい、身じろぎするともっと強く抱きしめて貰えて嬉しかった。


「うん。
 これからずっと、助けて欲しく無くてもお前を助けてあげる。
 痛い事も怖い事も嫌な事苦しい事も、お前の全部ぜんぶ、俺を崇めるなら俺が食べてあげるから」

「……な、にを」


無意識に頭の中でこうやって、アロイスに抱きしめられたまま怖いことから守ってもらって、
慰められて過ごす時間を想像してしまう。

「はぁ……っ、……っ♡」


そんなの弱いやつのする事で、絶対嫌だった筈なのに。

ずっと欲しかったものが手に入りそうな気がして、
頭の中で嬉しいのと「アロイスは絶対やばいのに」って警告が入り混じって鳴るのが煩くて眩暈がして息が苦しい。

「……あ、おれ、そんな、こと……良いわけ、ない……っ、はぁっ、……っ」


もうどうしたら良いのかわからない、
苦しくて、教えて欲しくて助けを求めアロイスの顔を見上げる。

「……あっ♡」


一瞬だけアロイスの冷たい目が見えて、すぐ後に優しく顎を掬ってアロイスにキスしてもらえた。

「ん……♡
 (そっか、この人は俺の、)」


あったかい唇同士をぴちゃぴちゃと重ね、頭の中を幸福でいっぱいにしながら考える。

俺に興味なんて欠片もなさそうな冷めた目をしているのに、俺に優しくしてくれる人なんて初めてで、
だからきっと、アロイスこそ俺の救世主で、神様なんだろう。

「あ…………♡」

やっと俺は助けてもらえる。

それがようやく理解できて嬉しくて、俺は俺の神様に褒めて欲しくてその舌に吸い付いて縋った。


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下は明日火曜日更新です
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