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第1部 まるで初めての恋
4-5※
しおりを挟むどうやら間違いだったようだ。正直に答えたのに、舌の動きは先程よりも強く、そして的確に花開く場所を念入りに責め立てたからだ。
剃毛したのは男性と初めてする時の心構えとなる、マニュアルだった。無駄毛は剃るべし、とシェーピングのイラストがポップなデザインで添えられていた。陽菜はその情報を鵜呑みにして、狭い風呂場で鏡と睨めっこしながら処理を行ったが。
最賀から見れば、視界を遮る有るはずの物が一切無く、つるつるで綺麗な秘所が丸見えなのである。隠されるべくものが、てらてらと蜜液が滲んで流れて行く光景が丸裸に映されている。
陽菜は強い刺激に思わず顔を顰めて、首を横に振ると最賀は直ぐに心配そうに尋ねる。
「痛いか?」
「……いた、くない……です」
「うん」
「こ、こ、熱くなっちゃうから、なんか、だめ?」
最賀が息を呑んだのを陽菜は感じ取った。
間違ったこと言った?と陽菜は肩で呼吸しながら足を開いたままでいると。最賀が急に唇で花芽を挟んで舌で嬲る。じゅぶじゅぶと卑猥な音が粘液が休まず滴るのを意味して、陽菜は目を見開いてしまう。
「だめっ、だめぇっ、吸わないでぇっ、…ぁ、あっは、ぁっ、先生!」
「何て言えば良いか、分かるだろう?」
「でも……っ」
「じゃあ、今日はこれで終わり」
ぴたり、と口を離した。だらりと下唇には陽菜が作り上げた蜜液が糸を引いて艶かしい。
「や、やだっ」
「だろう?此処、ぐちゅぐちゅ言って、凄く吸い付いて……濡れてるのに」
最賀の指が蜜口付近を触れるか触れないかくらいの距離で時々掠めて去って行く。強い初めての快楽が、どうしても怖くなってしまってストップをかけたらあっさり、最賀が引いたので。陽菜は噛み締めていた唇を漸く小さく開いた。
「あ、ぁ、……先生ぇ、先生、お腹、熱くて、変で……だからっ」
「────そうか。なら……一回達してみるか、陽菜は上手に俺の前で出来るよ」
怖いのに、欲しい。
頭の中は最賀が与えてくれる快感で占められた。再開した途端に、雌芯をぐりぐりと舌先が押し潰して離さない。唾液と蜜液が混ざって淫靡な音が陽菜の鼓膜を冒して、犯すのだ。
次第に陽菜は腹底から沸騰しそうな程の熱量が体を熱くさせる。込み上げてくる何かに、眉を顰めて最賀の手を強く握って耐え忍ぼうとした。
だが、視界が白くなって行くのを感じ取った瞬間に体がコントロールできない程の強い衝撃に内腿が震える。
「ひ…んっ、あぁっ、ア……ッだ、めっ、だめだめぇっ、怖いっ、何か、きちゃ、ぅ……っ」
目の前が点滅して、びくびくと陽菜は腰を浮かせて鼠蹊部を痙攣させた。足先を丸めて何度か最賀に腰を押し付けてしまう。小さな嬌声を上げて、汗が肌を滑り落ちて行く。強い快楽に当てられて、息がし辛くて必死に肩で呼吸をする。余韻が続いて、陽菜は暫く脱力感に体が重く感じた。
「上手に達せたな、可愛かった……」
「はぁ……は、ぁ、先生ぇ、……っ」
最賀は陽菜の額に滲んだ汗を唇で掬い、宥める。
「じゃあ次のステップでも行きますか?」
陽菜の呼吸が整うと、陽菜の唇に齧り付いたと思えば右手が足の間に侵入し、狭い隘路へ進む。太い指が膣内をゆるゆると蠢いて滑りを確かめる。たっぷりと淫液で濡れそぼっているので、問題が無さそうだ。じゅ、ぷっと少しずつ指を動かして力を抜かせる。
「ぁあ、せ、せんせ、指っ、太い……あぅう……っそこっ、き、もち良い……?」
「此処?」
びり、と腹側を摩られて陽菜は電流を感じた。その周辺を指が通り過ぎると、変な気分になるのだ。
「……あ、ぁの、……もぉ、少し……お腹の、ほぉ…」
最賀は第一関節を曲げて、腹側を執拗に摩ると火花が散った様な光が目の前を先走る。陽菜は目を見開いて、その鋭い光が突如襲って来たので思わず甘い声で叫んでしまう。
「ぁああっ?!あっ、あ、……っひぃ、あ、んん…あぁあ…っ」
「────指、凄く締め付けて…気持ち良かったな、偉いな」
ちゅうとキスをされて、顔が離れたので何だか無性に寂しげなって陽菜は無意識に最賀の首に腕を回して自ら唇に吸い付いた。辿々しく舌が最賀の分厚い舌を迎えると、多幸感で唾液がじゅわっと分泌される。
「んぅ、ぁ、あ……ふ、ぅ……」
「キス、足りない…か?」
「た、足りない……です……」
「そうか、腰砕けるくらい、キスしてやろうな」
節々のある指の動きは蠢いており、陽菜は唇を合わせながら最賀の短い睫毛をぼんやりと見詰める。眼鏡の縁が当たらぬように、注意を払って舌を舐っている最賀へ本心を伝えた。
「せ、んせい……と繋げたいの、私…だけですか?」
「……そんなに煽るな、優しくしたいんだ」
「だって……」
陽菜の中は大分解れており、指も最低でも陽菜が把握している範囲では二本入った。大丈夫、これから初めて男性と体を重ねるが、破瓜の辛さよりも最賀と繋がりたい気持ちが悠に優っていた。
最賀は陽菜の懇願する様な眼差しに、完敗した。可愛い年下の恋人が、初めてを捧げてくれるなんて光栄以上の物を授かるくらいだ。
「分かった、分かったって…そんな顔するな。痛くて辛かったら途中でも俺は止めるからな?」
眼鏡を外すのを忘れていたのか、夢中になるのは怖いなと苦笑して片手で外すとサイドテーブルに置いた。凹凸のある、シャープな顔に刻まれた小皺はは大人の色気を芳しく感じる。見惚れてしまって、陽菜は一瞬、瞬きをするのを忘れていた。
「あ、先生服、脱ぐのお手伝いします」
「いや、あのですね……その辺の若い鍛えている子達じゃないんで……あ、こらっ、また、伸びるから!」
「……先生、着痩せする、の?」
撫で方だったのを微妙に気にしているらしい。陽菜がシャツを引っ張り袖から首と腕を抜けば一目瞭然だった。
白衣姿だと角ばった印象を受けたが、灘らかなラインに初めて見る男性の筋肉質な肢体が目に入って凝視してしまう。陽菜は目を輝かせて、初めて好きな男の体をくまなく観察する。意外と健康的な肌に、中肉中背でもなく、程良く筋肉質で骨格が優れている。
「あんまりジロジロ見ないでくれよ、恥ずかしいだろ?」
「先生、私の体散々見たのに、お互い様です」
「主に下半身は見ない方が良い、絶対アンタ怖気付く…いや、怖がってくれた方が良いのか?」
怒張した下半身を大きな掌で隠すように避妊具を身に付ける配慮に、陽菜はムッとして腕を剥ごうとした。だが、男の力には敵わないので、その目論みはあっさりと砕け散った。
「あのなあ、最初は特に!見なくて良いんです!余計萎縮するし力入ると…痛いから」
「男性器を見られるのが恥ずかしい、と」
じっくり、隅々まで陽菜の秘所を暴いて愛液を啜って舐め尽くした男の言い分を納得出来ず唇を尖らせた。
男性の性器など、下手したら学生時代の保健体育授業で教科書に載っていた以来だろう。弟とは風呂に入ることも無かったし、陽菜は殆ど離れにいたせいもあって男性の体は見慣れていない。
寧ろ、肌に触れることも初めてだった。
女の体とは違って、最賀の肌は薄く無かったし、皮が厚く感じた。指先が異質であると直ぐに触覚が敏感に反応するくらい、別物なのだ。
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