2 / 19
2
しおりを挟む私と一ノ瀬の出会いは、入社式してすぐのオリエンテーション。何度思い返しても衝撃的なものだった。けれど衝撃的とはいえ、運命とは違っていると思う。それは、運命を呪いたくなる瞬間だった。
『一ノ瀬晴翔です』
艶やかな黒髪に爽やかな笑顔。けれどどことなく色気が漂っている。新入社員の多くがスーツに着られている人が多かったけれど、この人だけは違和感なくスマートに着こなしていた。
『商品の企画に携わることが目標です。よろしくお願いいたします』
声も、顔も、異なるのに不思議とある人物の顔が頭に過った。〝この人だ〟。この人こそが、私がずっと記憶から忘れられずにいた……大嫌いな男。
前世で犬猿の仲だったアルフォンスの生まれ変わりである一ノ瀬晴翔だった。
私の前世は王女で、両親と兄たちから愛情をたっぷりと受け、それはもう幸せに暮らしていたのだ。
窓を開いて、外の空気を吸い込むと甘い花の匂いが鼻腔をくすぐる。砂糖菓子のような甘さは決して嫌な感じはせず、この匂いにしばらく浸っていたいくらい私は好きだった。
やわらかな風に甘い香りがふわりと乗って、私の淡い桃色の髪を撫でるように揺らす。あの花と同じ私の髪色は大好きな人とお揃いで、それがとても誇りだった。
『ソフィア』
私がそう呼ばれていたのは遠い昔のこと。
『こっちへおいで、ソフィア』
同じ髪色を持つお兄様は、優しくて聡明で憧れだった。いつかお兄様が治めるこの国を見ることができるはずだと私は信じていた。
『お兄様! あのね、今日はサクレアの花からとってもいい香りがするの』
『今日はいい天気で、風もあるからだね。ほら、ソフィア。サクレアの実を小鳥たちが食べてるのが見えるよ』
『本当! 可愛らしいわ』
大好きなお兄様が微笑んでいることが嬉しくって、私も笑顔になる。いつか私もお兄様の力になりたい。お兄様にとっても私が誇りになるような、そんな立派な姫になりたい。そう願っていたのだ。……叶うことはなかったけれど。
そして、もう一つ色濃く覚えていることがある。
『お前は本当にちいせぇな、ソフィア』
『私に近づかないで! お兄様にもよ!』
私の小さな身長を小馬鹿にして、事あるごとにからかってくる黒髪の男。
『ほら、お前に土産だ。お前と似ている名前だぞ』
『ぎゃぁああ! 毛虫!』
『すごい顔だな、ほれそんなに怖いか?』
『やめて馬鹿! アルフォンスなんて大っ嫌い!!』
意地悪で、偉そうで、私の大好きなお兄様の隣に当然のように立つ隣国の王子、アルフォンス。
大嫌いだったあの男は、未だに私の記憶を占領している。私の髪色が黒くなった、今でも。決して、色褪せることなく。
***
あの夢見てしまった。私はもうソフィアではない。星野結花、二十六歳。何か特別な取り柄もなく、ごく普通のOL。自分を言い聞かせるように、心の中で言う。
私は二十六年前よりも、もっと昔の記憶を持っている。実年齢よりもはるか昔のその記憶は、私の前世の記憶である。どこまで覚えているのかというと、自分がどんな人間で、どんな生活を送っていて、どんな人たちに囲まれて過ごしていたのかをはっきりと覚えている。
私の前世はプランターヌという王国の姫でソフィアという名前だった。一年中、淡い桃色のサクレアという甘い香りがする花が咲いている国で春の国とも呼ばれていた。
私は大好きなお兄様たちに囲まれて、とても幸せに過ごしていた。————あの目を瞑りたくなるような最悪な出来事までは。とはいっても今の私はただのOLで、棚の上の資料を取らなければいけない。
それが今は一番大事なことだ。あの資料がないと午後の会議で困ってしまう。
「……っ」
背伸びをして手を伸ばしながら、私の身長があと三センチ高ければと悔やむ。今でも、五センチのヒール履いてるけれど、これでも足が痛むことがあるため、さすがに八センチのヒールは無理だ。
そろそろ限界がくる。腕も足もぷるぷるとしてきた。キャスターつきの椅子しかないため、それに乗るのは危険だ。背伸びをして手を目一杯伸ばしていると、取ろうとしていていた赤いファイルを誰かが背後から引き抜いた。
「これ、取りたかったのか?」
低音の声に、びくりと肩を揺らす。慌てて振り返ると、不敵に微笑む黒髪の男が立っていた。
「……ありがとう」
この間の件について、一ノ瀬は全く触れてこない。やっぱり彼にとっては私と肌を重ねたことなんて、どうってことないことなのだ。むしろ気にしている方が、一ノ瀬からしてみたら面倒なのかもしれない。まあでも、私からしてみても触れられない方がいい。
「他に必要なファイルは?」
「ううん、これだけで大丈夫」
一ノ瀬は切れ長の目はどことなく冷たく近寄りがたい雰囲気を感じるけれど、本人は表情が豊かなため周囲からは人気が高い。これが他の女性社員だったら、顔を赤らめているところだろう。けれど、私はときめく前に警戒心が生まれてしまう。
この男の見た目も声も、私の大嫌いなあの男……パルフィム王国の王子のアルフォンスとよく似ている。
それなのに……酔った勢いとはいえ、どうして寝てしまったのだろう。もしもこの男も前世の記憶を持っていて、あの頃の私を恨んでいるままだったら……と考えていたけれど、私と体の関係を持ったということは、一ノ瀬は前世の記憶はないのだろうか。あったら私と関係を持つようには思えない。
「お前、本当ちいせぇな」
「は?」
頭の上に軽く手を置かれた。前世でアルフォンスが私にやってきた行動と同じで血の気がひいていく。
『知ってるか? ここにこうやって手を置くとお前の身長は永遠に伸びないそうだぞ』
あの頃はそれを信じていて、なんて酷いことをするのだと怒っていた。今になってはそんなはずもないとわかっているものの、私の反応を見て楽しんでいたのだと考えると腹立たしい。今世でも使用してくるということは、彼も記憶があるのだろうか。彼の真意がわからず、じっとりとした目で見つめる。
「一ノ瀬って一言余計」
私もボロは出さないように気をつけなくてはいけない。一ノ瀬が前世の記憶がない場合も厄介なのだ。私が前世のことをうっかり話でもしたらただの痛い女に思われる。そして、それを広められでもしたら会社に居場所がなくなる。
だからできるだけ、一ノ瀬には関わりたくない。
「あのさ、星野」
「なに?」
「これからお昼一緒にどう?」
ちらりと時計を確認するとちょうど十二時になったところだった。なんてタイミングの悪い。
「残念、お弁当なの」
スムーズに断ることができて内心ほっとする。この男といると私の心が休まらない。だからどうか、一ノ瀬は外で食事でもしてきてほしい。そしてつれない同僚なんて、放っておけばいいのだ。
「奇遇だな、俺も今日弁当なんだ」
「え」
まさかの予想外の返答に開いた口が塞がらない。一ノ瀬がお弁当だなんて思いもしなかった。
「一緒にどっかで食おう」
「えっ」
こんな展開望んでいない。私は極力一ノ瀬に近づかないように頑張っているのに、何故かいつの間にか彼に近づかれるのだ。
「さ、時間なくなるから行くぞ」
「ちょっ」
「間抜けな顔してないで、ほら」
「なっ! 誰が間抜けな顔!?」
強制的に「いいから弁当を持ってこい」と命じられ、逃げる手段も思いつけず仕方なくお弁当を持って一ノ瀬についていくしかなかった。
アルフォンスもそうだった。関わってほしくないのに、近づいてくる。思い出したくないのに、彼とこうしていると脳裏にチラついてしまう。
***
社員食堂の一番端っこのスペースで、私と一ノ瀬は向かい合いながらそれぞれお弁当を開く。
一ノ瀬ってお弁当ちゃんと作っているらしい。おにぎりだけとかの適当な感じをイメージしてたけれど、ちゃんとおかずも入っていて、冷凍食品っぽい感じもしないので驚いた。
「星野って意外と料理できるんだなって、思ったけど冷凍食品だなそれ」
「一ノ瀬、一言余計」
「まあ、料理苦手そうだもんな」
「二言目も余計」
昨晩作ったきんぴらを一口、食べる。うん、今回もいい出来だ。姫がきんぴらって考えるだけで、ちょっとおかしいけど私はOLの星野結花でもあるから、この生活にももう慣れた。
前世の記憶を持つ私は異質なのだ。だからこそ、このことは隠さなければいけない。
小さい頃は誰もが持っているものなんだって思って、お母さんに話してみたことがあった。だけど、『おもしろい夢ね』って言われて笑われてしまった。そのときに知ったんだ。前世の記憶は誰でも持っているものじゃないんだって。
お母さんに夢だと言われても、あの国の記憶は夢なんかじゃない。何年たっても色褪せない私に刻まれた記憶なんだ。
お母さんに話してから、このことは簡単に周囲に話してはいけないことだと幼いながらに悟った。打ち明けたら変人だと思われて周囲から浮いてしまう。周りの子たちがそんな話をしているのを一度も聞いたことがなかったから、おそらくみんなにも記憶がない。
どこか周りとは壁を感じながら、過ごしてきた私は入社して初めて同じ前世の記憶を持つ人物に出会った。いや、ある意味再会とも言えるのかもしれない。その時に、やっと私の記憶が本物だと心から思えて安心した。といっても、まだそれから三年くらいしか経っていないけれど。
それまでの私は自分の中にある記憶が怖かった。誰にも言えなくって、けれど確実に存在した出来事。それでも証明はできない。それを考えると、前世のことを話せる相手が見つかった今はかなり楽になった。
……この目の前にいる男のこと以外は。
「星野」
「なに?」
「今日空いてる?」
また軽いノリで誘ってくる。こういう男なんだ、一ノ瀬晴翔は。見た目もいいし、仕事もきちんとこなすから評判もいい。寄ってくる女の人も多いみたいだけど、いまいち言葉が軽くって私は信用できない。たとえ、前世の記憶がなくってもこの人を警戒してそうだ。
「用事あるから無理」
「どうせ家に帰って一人酒だろ?」
八割そうだけど、失礼すぎる。それに今日は違う。本当に予定がある。まあ、予定がなくても一ノ瀬とは絶対に飲みに行く気はない。あの夜のように間違いが起こったら困る。
「あのさぁ」
「なに」
「いつになったら俺とデートしてくれんの?」
「ぐふっ!」
変な単語が聞こえてきて、驚きのあまりきんぴらが喉に突っかかる。なんとかお茶で流しこんだけれど、鼻の奥にツンとした痛みを感じて涙目になる。
「すっげー顔。大丈夫かよ」
一言余計だ。
「するわけないでしょ、やめてよ」
「ふーん、そんなこと言って……実は俺のこと言うほど嫌じゃないだろ?」
「は、はあ!? 嫌ですけど」
アンタのこと前世から嫌なんですけど!年季入ってるんですけど!と言いたい気持ちをぐっと堪える。
「だったらなんで俺のこと拒絶しなかったんだよ」
一ノ瀬からあの夜について触れられたのは初めてだった。
「それは、その酔った勢いとしか……」
お互い酔っていなかったら、きっとあんな風にはならなかった。前世を抜きにしても、私と一ノ瀬の間に甘い空気なんて流れたことはなかったのだ。
「なんでデートしたいの」
もしも前世の記憶があるのなら、一ノ瀬はアルフォンスとして、ソフィアに復讐をしたいとか? 私を惚れさせて、後でポイ捨てされる可能性もある。それにアルフォンスは、私のことをきっと恨んでいるだろうから。
「星野とデートがしたいって思うから」
「それ答えになってないってば」
「一度くらい行ってほしい」
真っ直ぐに見つめられなが言われると、良心が痛む。もしも純粋に向けられた好意だとしたら……いや、これも作戦かもしれない。そうじゃなかったとしても、あのアルフォンスの生まれ変わりの一ノ瀬とデートをする気はない。
「どうせ誰にでも言ってて本気じゃないでしょ」
「言ってない」
一ノ瀬から笑顔が消えて、急に真面目な表情になる。
「本気だよ」
この既視感はなんだろう。この熱っぽい眼差しは、どこか見覚えがある。
『————だよ』
それに前にも……いや、これは前世だ。前世の時にもアルフォンスにこんな感じでなにかを言われたことがある。
「聞いてる?」
「うん、聞いてる。卵焼きおいしい」
むしゃむしゃと卵焼きを咀嚼しながら、己の卵焼きの美味さに慄く。
「私は卵焼きのスペシャリストかもしれない」
「お前なぁ」
一ノ瀬はかなりモテるから、他の女性社員と仲良さげにお喋りしているとこをよく見かける。
前世の記憶がないとしたら、ただなかなか振り向いてくれないっていうのが面白いだけだ。きっと一度でもデートに行けば、一ノ瀬は満足するのだろう。けれど、どうしても警戒心を捨てきれない。
「おい、スペシャリストの卵焼きよこせよ」
「頭が高い。あげるわけないでしょう」
「お前は心も小さいのか」
私の卵焼きに手を伸ばそうとする一ノ瀬の手をペチンと小気味いい音を立てて叩く。
「いてっ!」
「自分のお弁当食べなさいよ」
「おかず交換ってのを知らねぇのか」
「アンタは小学生か」
この男は生まれ変わっても私に構ってくる。あの頃だって、たくさん意地悪をしてきて、馬鹿にされてばかりだった。
私は前世に囚われすぎだって、あの人に言われたことがある。だけど、仕方ない。私の記憶には色濃くあの頃の想い出が残っていて、一ノ瀬は見た目も声もまったく同じなアルフォンスの生まれ変わりなのだ。
そんな彼をアルフォンスと重ねるなと言われても無理な話。私は大っ嫌いだったアルフォンスと一ノ瀬を完全に切り離して考えることができない。
実際のところ一ノ瀬はどうなのだろうか。前世の記憶を持っている? それとも、記憶はなくっても身体では覚えているから頭の上に手を置いてきたり、似た言動をするのだろうか。
0
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
副社長氏の一途な恋~執心が結んだ授かり婚~
真木
恋愛
相原麻衣子は、冷たく見えて情に厚い。彼女がいつも衝突ばかりしている、同期の「副社長氏」反田晃を想っているのは秘密だ。麻衣子はある日、晃と一夜を過ごした後、姿をくらます。数年後、晃はミス・アイハラという女性が小さな男の子の手を引いて暮らしているのを知って……。
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~
蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。
なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?!
アイドル顔負けのルックス
庶務課 蜂谷あすか(24)
×
社内人気NO.1のイケメンエリート
企画部エース 天野翔(31)
「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」
女子社員から妬まれるのは面倒。
イケメンには関わりたくないのに。
「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」
イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって
人を思いやれる優しい人。
そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。
「私、…役に立ちました?」
それなら…もっと……。
「褒めて下さい」
もっともっと、彼に認められたい。
「もっと、褒めて下さ…っん!」
首の後ろを掬いあげられるように掴まれて
重ねた唇は煙草の匂いがした。
「なぁ。褒めて欲しい?」
それは甘いキスの誘惑…。
木曜日の内緒のレッスンは恋のはじまり~触れられるたび好きになってしまいます~
sae
恋愛
若槻瑠衣(わかつきるい)(25)は学生の時に不感症と言われて以来恋愛下手になり未だに処女を手放せずにいる。社内の高嶺の花に恋をしているがそのトラウマと自信のなさから見守るだけの恋をしていた。ひょんなことからその恋の相手の同期、太刀川柾(たちかわまさき)(30)に秘密がバレて不感症を克服させてやると言われる。木曜日の定時後に行われる秘密のお試し期間に瑠衣の心に次第に変化が訪れて……。
▷俺様先輩×恋愛トラウマ女子の秘密のオフィスラブ。
▷R-18描写多め、キスなどの軽い描写は☆、濃厚シーンには☆☆表示、苦手な方はスルーしてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる