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三章
二話 気遣い
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「すみません。帰り道が反対方向なのに…わざわざ送ってもらって…」
「いえ、お気になさらず」
緒美は外灯が照らす夜道を、黒羽根と共に歩いていた。
あの後、黒羽根をいじり倒した彰孝は一人満足げな顔をしたまま、さっさと帰って行った。
一方の黒羽根は『家まで送る』と言い出して、緒美が店を閉めるまでずっと待っていた。
(仕事が忙しいはずなのに。…私が痴漢に遭ったことがある、なんて…迂闊に話したせいよね)
黒羽根に対して申し訳ないという気持ちになり、緒美は俯いた。
黒羽根は緒美の歩調に合わせて、車道側を歩いてくれている。
気を遣ってくれていることは、素直に嬉しい。
しかし『迷惑をかけている』という引け目の方が強かった。
(お店のお客さんに…こんなことまでさせちゃって…)
二人は『店主と客』の間柄であるが、とても曖昧な関係ともいえる。
黒羽根は弁護士をしており、とある老夫婦の依頼で知り合った。
彼の仕事は既に完了しているが、今ではそれがきっかけで緒美が営業している『おむすび屋 enishiー縁ー』の常連客だ。
そう、黒羽根は店を贔屓にしてくれている只の客。
それにしては今の置かれた状況を鑑みると『店主と客』の距離感にしては、とても近すぎると思うのだ。
「緒美さん」
不意に黒羽根が彼女の肩を掴んで、自分の方へ引き寄せた。
突然のことで驚く緒美の真横を、自転車が猛スピードで通り過ぎる。
「大丈夫ですか…?」
びっくりして固まってしまった緒美に、黒羽根が声をかけた。
「す、すみません…!」
黒羽根の声で、緒美が弾かれたように肩を揺らす。
そして反射的に頭を下げた。
「謝らなくて結構です。本当に大丈夫ですか?」
「はい…」
緒美は小さく頷いた。
「それなら良かった」
黒羽根は心底安心した。
「しかし…道路帯のない道にしろ、こちらはきちんと右側を歩いていたのに自転車の交通ルールを知らない人間が多いようですね…それに両耳にイヤホン…スマホまでいじっていましたし…」
先程のことを思い返して、黒羽根が眉をひそめる。
後ろから走ってきた自転車は、前方を歩いている二人の姿にまったく気づいていなかった。
それは男がハンドルに両肘をついた状態でスマホを夢中で操作していて、前方をまったく見ていなかったからだ。
もしも男が耳に付けていたイヤホンの音楽が漏れ聞こえてなかったら、黒羽根だって事前に気付くことはできなかった。
こちらが交通ルールをきちんと守っていて、まったく落ち度はなくても、相手が守っていなければ意味をなさない場合もある。
だから尚更、自分の身は自分で守るための注意力が必要なのだ。
「い、いえ!私もぼーっとしていたので…本当にご迷惑おかけしました」
緒美は自分が注意散漫だったことを痛感し、黒羽根に深く謝った。
「いえ、気にしないでください。あの、もしかして…体調が良くないですか?そうでしたら、タクシーを呼ぶべきでした。配慮が行き届かず、こちらこそ申し訳ない」
緒美の様子を見て、体調不良だと勘違いした黒羽根が謝罪の言葉を口にした。
「ち、違います!全然大丈夫です!!…寧ろ、謝るのはこちらですから!」
逆に、黒羽根から気を遣わされしまった緒美は、両手をブンブン振りながら強く否定した。
「………なんか」
黒羽根は納得いかない顔をする。
「…緒美さんらしくないですね」
「え?」
黒羽根の言葉に、緒美がキョトンとする。
「…先程から、謝ってばかりなので」
「それは…ご迷惑ばかりかけてますから…」
「そんなことは全くありませんよ。……ひょっとして『送る』と言った私の方が、貴女に迷惑をかけていましたか?それなら謝ります」
また、黒羽根に謝罪させてしまった緒美は、慌てふためいた。
「それはないです!!黒羽根さんにはいつも助けてもらっていますし、本当に感謝してるんですよ!!」
緒美は必死に弁解した。
「本当に…いつも、黒羽根さんには『ありがとう』って、思っているんですから…」
緒美が最後にそう告げると、黒羽根は微笑んだ。
「やっぱり、謝るより『こっち』の方が、緒美さんらしいですよ」
黒羽根の言葉に、緒美はハッとした。
(私、さっきから謝ってばかりで…黒羽根さんに感謝の言葉を何一つ言ってなかったわ)
黒羽根に対して、謝らせてしまう度にモヤモヤした気持ちがした。
決して彼に謝って欲しかったわけではない。
『自分の不甲斐なさのせいで、迷惑をかけてしまったのが嫌』だったのだ。
それは黒羽根の方も、似た気持ちだった。
何度も謝る緒美を見るうちに、彼はこう思った。
『自分の親切心を、彼女に押し付けているだけの自己満足』では、ないのかと。
ーお互いに、そんな『不安な気持ち』を抱いていた。
自分の“本当に言いたかったこと”に、やっと気づいた緒美の顔を見て、黒羽根は少し口角をあげる。
「私も…貴女には、とても感謝しています」
「え?」
緒美は『なんの事だ』と思わず、小首を傾げた。
そんな彼女の様子を見て、黒羽根は『ふっ』と小さく笑う。
そして黒羽根は夜空を見上げた。
「姉が死んで…当時の俺は自暴自棄になって両親にかなり迷惑をかけていたんです。でも貴女のおかげで…先週末、久しぶりに実家に帰ったんですよ。母は泣くほど喜んでくれましたし…父は相変わらずの無口でしたが、いつもより口数が多かった気がしました」
黒羽根の口からその話を聞いた途端、緒美は嬉しくなった。
沈んでいた気持ち、モヤモヤとしてた気持ちが、一気に吹き飛んで、とても明るい気持ちになった。
「よかった」
緒美がそう呟くと、黒羽根は再び視線を戻した。
「美久ちゃん、きっと喜んでいますね」
微笑む彼女の横顔を、黒羽根は眩いものを見るように目を細めた。
「…そうですね。貴女がそう言ってくれるなら姉貴も喜んでくれてると思います」
一度、彼女の口から、姉の本心を聞いたことがあった。
今でも、あの時のことは夢だったのではないかと思うことがある。
しかし緒美がくれた姉のお守りを見るたびに、あれは紛れもなく現実だったと再認識する。
「…緒美さん。貴女はいったい……」
黒羽根は言葉を切った。
緒美が不意に立ち止まったのだ。
「緒美さん?」
不思議に思って、彼女に呼びかける。
しかし緒美の視線は、前方を見据えたまま無言だった。
彼女が見ている方へ、黒羽根も視線を移す。
(なんだ、あれは?)
その奇怪な光景に、黒羽根は思わず眉をひそめた。
「いえ、お気になさらず」
緒美は外灯が照らす夜道を、黒羽根と共に歩いていた。
あの後、黒羽根をいじり倒した彰孝は一人満足げな顔をしたまま、さっさと帰って行った。
一方の黒羽根は『家まで送る』と言い出して、緒美が店を閉めるまでずっと待っていた。
(仕事が忙しいはずなのに。…私が痴漢に遭ったことがある、なんて…迂闊に話したせいよね)
黒羽根に対して申し訳ないという気持ちになり、緒美は俯いた。
黒羽根は緒美の歩調に合わせて、車道側を歩いてくれている。
気を遣ってくれていることは、素直に嬉しい。
しかし『迷惑をかけている』という引け目の方が強かった。
(お店のお客さんに…こんなことまでさせちゃって…)
二人は『店主と客』の間柄であるが、とても曖昧な関係ともいえる。
黒羽根は弁護士をしており、とある老夫婦の依頼で知り合った。
彼の仕事は既に完了しているが、今ではそれがきっかけで緒美が営業している『おむすび屋 enishiー縁ー』の常連客だ。
そう、黒羽根は店を贔屓にしてくれている只の客。
それにしては今の置かれた状況を鑑みると『店主と客』の距離感にしては、とても近すぎると思うのだ。
「緒美さん」
不意に黒羽根が彼女の肩を掴んで、自分の方へ引き寄せた。
突然のことで驚く緒美の真横を、自転車が猛スピードで通り過ぎる。
「大丈夫ですか…?」
びっくりして固まってしまった緒美に、黒羽根が声をかけた。
「す、すみません…!」
黒羽根の声で、緒美が弾かれたように肩を揺らす。
そして反射的に頭を下げた。
「謝らなくて結構です。本当に大丈夫ですか?」
「はい…」
緒美は小さく頷いた。
「それなら良かった」
黒羽根は心底安心した。
「しかし…道路帯のない道にしろ、こちらはきちんと右側を歩いていたのに自転車の交通ルールを知らない人間が多いようですね…それに両耳にイヤホン…スマホまでいじっていましたし…」
先程のことを思い返して、黒羽根が眉をひそめる。
後ろから走ってきた自転車は、前方を歩いている二人の姿にまったく気づいていなかった。
それは男がハンドルに両肘をついた状態でスマホを夢中で操作していて、前方をまったく見ていなかったからだ。
もしも男が耳に付けていたイヤホンの音楽が漏れ聞こえてなかったら、黒羽根だって事前に気付くことはできなかった。
こちらが交通ルールをきちんと守っていて、まったく落ち度はなくても、相手が守っていなければ意味をなさない場合もある。
だから尚更、自分の身は自分で守るための注意力が必要なのだ。
「い、いえ!私もぼーっとしていたので…本当にご迷惑おかけしました」
緒美は自分が注意散漫だったことを痛感し、黒羽根に深く謝った。
「いえ、気にしないでください。あの、もしかして…体調が良くないですか?そうでしたら、タクシーを呼ぶべきでした。配慮が行き届かず、こちらこそ申し訳ない」
緒美の様子を見て、体調不良だと勘違いした黒羽根が謝罪の言葉を口にした。
「ち、違います!全然大丈夫です!!…寧ろ、謝るのはこちらですから!」
逆に、黒羽根から気を遣わされしまった緒美は、両手をブンブン振りながら強く否定した。
「………なんか」
黒羽根は納得いかない顔をする。
「…緒美さんらしくないですね」
「え?」
黒羽根の言葉に、緒美がキョトンとする。
「…先程から、謝ってばかりなので」
「それは…ご迷惑ばかりかけてますから…」
「そんなことは全くありませんよ。……ひょっとして『送る』と言った私の方が、貴女に迷惑をかけていましたか?それなら謝ります」
また、黒羽根に謝罪させてしまった緒美は、慌てふためいた。
「それはないです!!黒羽根さんにはいつも助けてもらっていますし、本当に感謝してるんですよ!!」
緒美は必死に弁解した。
「本当に…いつも、黒羽根さんには『ありがとう』って、思っているんですから…」
緒美が最後にそう告げると、黒羽根は微笑んだ。
「やっぱり、謝るより『こっち』の方が、緒美さんらしいですよ」
黒羽根の言葉に、緒美はハッとした。
(私、さっきから謝ってばかりで…黒羽根さんに感謝の言葉を何一つ言ってなかったわ)
黒羽根に対して、謝らせてしまう度にモヤモヤした気持ちがした。
決して彼に謝って欲しかったわけではない。
『自分の不甲斐なさのせいで、迷惑をかけてしまったのが嫌』だったのだ。
それは黒羽根の方も、似た気持ちだった。
何度も謝る緒美を見るうちに、彼はこう思った。
『自分の親切心を、彼女に押し付けているだけの自己満足』では、ないのかと。
ーお互いに、そんな『不安な気持ち』を抱いていた。
自分の“本当に言いたかったこと”に、やっと気づいた緒美の顔を見て、黒羽根は少し口角をあげる。
「私も…貴女には、とても感謝しています」
「え?」
緒美は『なんの事だ』と思わず、小首を傾げた。
そんな彼女の様子を見て、黒羽根は『ふっ』と小さく笑う。
そして黒羽根は夜空を見上げた。
「姉が死んで…当時の俺は自暴自棄になって両親にかなり迷惑をかけていたんです。でも貴女のおかげで…先週末、久しぶりに実家に帰ったんですよ。母は泣くほど喜んでくれましたし…父は相変わらずの無口でしたが、いつもより口数が多かった気がしました」
黒羽根の口からその話を聞いた途端、緒美は嬉しくなった。
沈んでいた気持ち、モヤモヤとしてた気持ちが、一気に吹き飛んで、とても明るい気持ちになった。
「よかった」
緒美がそう呟くと、黒羽根は再び視線を戻した。
「美久ちゃん、きっと喜んでいますね」
微笑む彼女の横顔を、黒羽根は眩いものを見るように目を細めた。
「…そうですね。貴女がそう言ってくれるなら姉貴も喜んでくれてると思います」
一度、彼女の口から、姉の本心を聞いたことがあった。
今でも、あの時のことは夢だったのではないかと思うことがある。
しかし緒美がくれた姉のお守りを見るたびに、あれは紛れもなく現実だったと再認識する。
「…緒美さん。貴女はいったい……」
黒羽根は言葉を切った。
緒美が不意に立ち止まったのだ。
「緒美さん?」
不思議に思って、彼女に呼びかける。
しかし緒美の視線は、前方を見据えたまま無言だった。
彼女が見ている方へ、黒羽根も視線を移す。
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