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わたしとアイツと過去のアイツ

◆5話

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「今日はセックスする予定だけど、守ってほしいことがあるんだ。宿題の最中に我慢出来ないからといって、自分の手で触ったりしないこと。わかった?」
 こんな体で行っても集中出来ないから学校をずる休みして、前の日に言われたことを守りながら宿題をやっていた。
 今日の夜、アレが……
 想像するだけで、朝からジンジンが止まらなかった。
 昨日の絶頂を思い出すと、ジンジンとした痺れが増して、今度は簡単にイクことが出来た。透さんの言った通り、癖になってるんだと思う。
 本当は今すぐ触りたい。舐められたい。それらの欲求を押さえ込んで、いつものように気持ちいいことを反芻させながら、デートの時間を待つ。
 その間、何回もイッた。
 昨日知ったばかりの絶頂は、私の理性を簡単に壊していく。
 待ちわびてた時間になると、敏感になりすぎた体を引き摺って、いつもの待ち合わせの場所に向かう。
「おつかれさま」
 西条透は私を見るなりニッコリとほほ笑んだあと、いつものホテルへ。部屋に入るなり、西条透はベッドに腰掛けた。私も座ろうと思ったけど、西条透の見透かしたような視線に思わず足が止まった。
「何回イッたの? 勤勉な咲希ちゃんのことだから後先考えずにイッたんだろ」
「……ダメ、……だった?」
「いいや、全然。仕事終わりに咲希ちゃんのかわいい表情を見られて、疲れも吹っ飛ぶよ。さぁ、おいで。宿題が出来たご褒美に、ヨシヨシしてあげる」
 おいでと言わんばかりに腕を広げた西条透に駆け寄って抱きついた。こんなこと初めてしたけど、もう無理だった。
 これ以上は無理。
 私は半泣きで別のご褒美をおねだりした。
「……今すぐ……しよ? もう、ダメなの、ずっとおかしいの」
「今すぐ? 風呂も入ってないんだけど」
「気にしないから、おねがい、はやく」
「処女なのにおねだりを覚えたんだね。今後の成長が楽しみだよ、まったく」
 お互いすぐに裸になった。今からセックスが始まる。高まる心臓と疼くアソコはピークに達してた。
「ほら、足を広げて」
「うん」
 自分で自分の膝を持つ。ガバリと足を開くことに今さら抵抗はない。西条透は私の足の間に座り、少し前屈みになりながら、アレをアソコに押し付けてきた。
 グチュリと音が立つ。腫れて膨らんだアソコがヒクリと動いた。少し入ってるのが分かる。まだ少し、ほんの少し。
 それなのに、全身に鳥肌が立った。
 もう待てないって叫んでる。ほんの少し中に入ってる太いモノが私を絶頂に導いてく。
「……あっ、……まって、……これ……へんだよ、もうっ」
「もうイキそう? 本当に咲希ちゃんは逸材だね。んー、どうせなら思い切りシテあげようかな」
 瞬間、ズグンッと膣の奥に衝撃が走った。何が起きたかわからないけど、子宮はビクンビクンと痙攣している。体だけが先に喜んでる。
「……あ……あ……?」
「ほら、咲希ちゃんの子宮におちんちんが当たってるよ。もっと欲しいって咲希ちゃんのおまんこがヒクヒクしてる。分かる?ほら、ここを、こうすると……」
「……あぅっ、……あ、……あ! ああ!」
「ねっ? 咲希ちゃんの子宮もおまんこも震えて喜んでるね」
 やっとわかってきた。太いモノが膣の奥をツンツンとつついてる。中の粘膜を擦りながら何度もツンツンって。ずっとものたりないって訴えてた子宮に届いてる。震えている。
 子宮が、喜んでる。
「あ! ああ! これっ、すごいっ!」
「痛くない?」
「きもちいいの、すごいの、おなかのなかね、ヒクヒクとまらないの!」
「うんうん、もっと気持ちいいことしてあげるね」
「して! いっぱい! これ、すき! すきなの!」
 絶頂の虜になった私は必死に西条透にしがみついた。このままイクとダメになるのは明白。でも、抗えなかった。
 迫りくる絶頂を甘受した。
 骨の髄まで味わった。
「……ん、……そろそろイクよ。ナカに出すから、その時の感覚をよく覚えるんだよ」
「……うん! なかだし、たのしみ!」
「どの味も覚えていくね。とてもかわいいよ。好きだよ、とっても、咲希ちゃんがいれば、もうどうなっても……」
 初めての愛の言葉が耳に届いて、ぶわあっと熱が出てきた。それは全身にも子宮にもすぐに溜まっていく。このままだと破裂しそうで、怖くなって理性を取り戻した。
 でもズンズンと奥を打ち付けてくる西条透のモノに夢中になって、理性よりも快楽が勝った。
「すきっ、すきっ! もっと、もっと!」
「くっ」
 そのとき西条透のモノが少し太くなったのが分かった。もうイクのだと察知した。西条透の精液が中にくる。
 好きな人の遺伝子とまじり合う。
 ジンッと身体が熱くなった。早く出されたくて子宮が動いてる。腫れぼったくなった奥をアレが容赦なく打ち付けてくる。
 もうダメだと思った。ダメな状況はいくつもあったけど、これはそのどれよりもヤバかった。ダメだと心が拒否する前に、中でアレがビクビクッと何度も痙攣した。
 ビュルビュルと何かが出てる。奥に流し込まれてる。嬉しそうに子宮が飲み込んでく。出るたびにビクビクと上下に震えてる。
「あああ! でて、る! なか、ずっと、けーれんしてる! すき、これすき! もっとだして、なか、だして!」
「はは、中出しでイクことも覚えたね。ってかぶっ飛んでるし。初めてでここまで感じるなんて、咲希ちゃんは本当に最高だよ」
 この日、何度も絶頂した。
 容赦なく子宮を突かれた。
 奥に出されて、また絶頂した。
 それでも何度も突かれた。
 それの繰り返しだった。
「ーーーーー」
 西条透が何か言ってた気もするけど、ちっとも耳に届かないほど絶頂し過ぎて気絶して、目が覚めると朝だった。
 怠さを訴える身体を動かして、西条透に引っ付こうと手を伸ばす。冷えたシーツしか手に当たらなくて、あれ?と思い目を開けた。
 ベッドには誰にも居なかった。
 慌てて飛び起きたけど部屋に誰かいる様子もなく、寝坊したのかと思いバッグからケータイを取り出して時間を確認したら、朝の六時だった。
 今の状況がよく分からなくて、チェックアウトまで待ってたけど、西条透が戻ってくることはなかった。
 ケータイに連絡してみても「おかけになった番号は電波の……」と言われ、とりあえず帰ろうと思い帰宅すれば、ママが教えてくれた。
「透さんね、昨日出て行ったわ。いきなりで申し訳ないって、勇樹と咲希ちゃんによろしく言っておいてって……咲希ちゃん!?」
 ママが喋ってる途中だけども、すぐに西条透が使っている和室に行った。
 そこはもぬけの殻で、西条透が来る前と同じ何もない部屋になっていた。
「……っ」
 泣くまいと唇を噛んだら痛みでズグンッと子宮が疼いた。
 もっと注いでほしいって言ってる。
 もっとほしいって叫んでる。
 どうやらアイツの思惑通り骨の髄まで染まったようだ。
 でも、もう居ない。
 アイツは居ない。
 何も言わずに、サヨウナラって……。
「うそつき」
 私は西条透に捨てられたんだ。


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