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わたしとアイツと日常

◆5話

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 嫌々でも舐める姿がかわいいと思った。逃げる理由なんてたくさんあるだろうに、最終的に折れる姿に心の底からかわいいと思った。
 そこまでして私とセックスしたいと思ってくれてる。それが嬉しくてキスをした。
 大切にとってあったのに。
 でも、勇樹となら後悔しないと思った。今も後悔していない。むしろ深く繋がったと思う。
 あの日のセックスは身も心も満たされるほど気持ち良かった。思い出しただけでアソコが濡れるほど、幸せを刻み込まれた。
 だけど、まだ、もの足りない。
「おはよ」
 昼夜逆転の生活をしていると、私の朝はお昼過ぎになる。今日もお昼過ぎに起きて、洗面所で歯を磨いてたら、勇樹に声をかけられた。
「今日さ、テスト勉強しにダチが来てっから」
 その割にはやけに静かだ。でもどうでもいいから首だけで返事をした。口をすすいで今度は顔を洗う。用がないなら部屋に戻ればいいのに勇樹は突っ立ったまま。
「なに? まだ何か用?」
「おはよ」
「うん? うん、おはよ」
 挨拶の返事をすると、すっごい笑顔で抱きついてきた。何だ、おはよって言われたかっただけなのね。朝からかわいいやつめ。
「今日仕事?」
「そうよん」
「俺は勉強頑張る」
「うんうん、頑張りなさい。応援してる」
「……ちょっ、どこの!?」
 この私が勇樹のお友達が来ているって言葉を見逃すはすがなく、イケナイことをして遊んでやろうと勇樹のアレに触れた。
「応援されたい?」
「でもっ、ダチが……」
「されたくないの?」
「……だって」
「そう? 残念だけど仕方ないか」
 部屋に戻ろうとしたら勇樹も後ろから着いてきた。恨めしいほどの視線を背中に感じるけど、知らん顔して部屋の扉を開ける。それでも黙って後ろから着いてきてた勇樹に小さな声で聞いた。
「する?」
 不服全開でも頷く勇樹に小さく笑って、勇樹を部屋に通した。
「座って」
 黙ったままベッドに腰掛ける。どうやって遊ぼうか考えをまとめる前に、勇樹の手が私の肩を掴んだ。
 何だろう、いい予感がしない。
「俺のダチの前でセックスしてぇほど溜まってんの?」
「はあ? そんなわけないでしょ」
「それともイタイケな中学生男子のおかずにされてぇの?」
「何それ。私は勇樹を応援してあげようと思っただけよ」
「勉強漬けで疲れ果てた俺を元気にしてくれるってこと?」
「そうそう。これはお姉さまの優しさなのよ」
「とか言って、どうせウソでしたっていうオチなんだろ」
「そんなことしないわよ」
「マジかよ。さすがお姉さま。俺を元気にするために一つだけ言うこと聞いてくれるなんてよぉ、サイコーだぜ」
 誰もそこまで言ってないんだけど、今日の遊びの内容も思いつかないから適当に頷く。しょせん中学生男子のお願いだもの。どうせセックスのオネダリだろう。
「お姉さまに何をしてほしいの?」
「フェラしてゴックン」
「……は? 何?」
「フェラしてゴックン」
「……ほ、ほら! セックスとか!」
「ダチにお姉さまの声を聞かせたくアリマセン。オカズにもされたくアリマセン。それにお姉さまも、つい先ほどそんなつもり無いと言いマシタ」
「……えへへ、……実は……」
「ウソでしたっていうオチ? ウソつかねえって自分で言っといて? へぇ、そう。……へぇ、そうなんだ、お姉さまがウソを、ねぇ」
「……やるわよ! やればいいんでしょ!?」
「おっ、ラッキー。ダメ元で押して正解だったわ」
 非常に生意気だけども、言ってしまったのは私の責任だ。でもここで勇樹の思い通りになるのも癪で、あーんと口を開けてチラリと隣にいる勇樹を見た。
「口だけ貸してあげる。あとは自分でどうぞ」
「何そのセルフサービス。応援されてる気が全くしねーんだけど」
「口だけでも貸してあげるのよ。なんて優しいお姉さまかしら」
「くそっ、その生意気な口にお仕置きしてやる!」
「お仕置きされる、の間違いじゃない?」
「何する気!?」
「さぁ?」
 特に何も考えてないのに、私からのお仕置きを想像しながら恐る恐るズボンと下着を脱いで、私の前に立った。
 下だけ裸ってのが不格好だけども、目の前にあるアレが視界に入るだけで、アソコがモゾモゾしてくる。
 だから、ってのを言い訳にして、アレを掴んだ。
「してくれんの?」
「気分が変わったの」
 太くて大きい、硬くなったアレを上下に動かす。動かせば動かすほど勇樹の吐息が荒くなっていく。それだけでアソコがムズムズして……。
「きもちいい?」
「……っ、っす」
 でも、「悪い」とそう言うと、あれの先っぽを口に押し付けてきた。口には入れないで唇に先っぽを押し付けたまま、私の手丸ごと掴んで自分で動かしている。
 自慰行為にも似た今の状況に少し驚いてしまった。
 少しだけ口を開けて、舌先でペロリと先っぽを舐めてみると独特の味がした。もっとアソコがムズムズした。
 このムズムズも好き。もっとほしい。
「もっとしてあげる」
「っ!」
 パクリと先っぽを口に含むと、後頭部にもう片方の手を添えられた。
 動かしてる手が早くなると先っぽから出てくる液も多くなって、勇樹の息が上がってきてる。舌で触れるアレもさらに硬くなって、出したいってヒクヒクしてる。
 私も勇樹も、とてつもなく欲情しているんだ。
「……っ……イクッ」
「んぐぅ」
 出された液が口の中に飛び散る。ねっとりした液が舌に絡みつく。喉の奥に流れていく。ゴクリと喉を鳴らしてみれば、その様子を見てた勇樹と目があった。
「……っ」
 切なげな表情、小さい声、気持ちいい時の男の人ってこんな感じなんだ。それが分かると、もっと欲しくなる。
 いっぱい触ってほしい。この前みたいに満たされたい。コレが欲しい。
 素直にオネダリしようと口を開く。舌に乗っかったオネダリ言葉は、勇樹に先越されてしまった。
「……やっぱり入れていい?」
「ん」
 お互いベッドに移動した。いつもみたいに仰向けになったけど、体勢を変えられて、四つん這いの状態で挿入された。
「触ってもないのに濡れすぎだろ」
「……だって、ンンッ!」
 全部入りきる前に、体を持たれて、背面座位の体勢に。手首を掴まれて指を舐められた。そしてヌルヌルになった指をアソコの突起に当てられる。
 私の手を動かしてアソコを苛める、自慰行為にも似た状況。さっきと逆だ。恥ずかしいけど、気持ちいい。
「自分で動かして」
「あっ、んぅ」
 操っていた手が離れて、胸を揉みだした。胸の突起を掴んでグニグニしながら、首や耳を舐めてくる。
 それだけで十分気持ちいいのに、もっと気持ちいいことを知っているから、アソコの突起をイジメる指が止まらない。
 ただえさえムズムズしてたアソコだ。限界なんて近いわけで、本当に欲しい快楽じゃないけど、イクには十分過ぎる。
「……ダメ、もう……ムリッ」
「うッ、……ヒクヒクすっげー」
 ビクンビクンとナカが収縮した。その度にあれを締め付けて、ナカにアレがあるという実感を与えてくる。
 イッたばかりなのに、ナカが欲しくてしょうがない。奥の奥まで突いてほしい。全然足りない。動いてほしい。
 顔を横に向ければ、ジッと私を見ていた。イクところを見られていた羞恥心よりも、足りない欲求の方が勝っている。だから、素直に口を開いて言葉を発した。
「うごいてっ、……おくにほしいの」
「お姉さまは、がらにもなくオネダリするほど、ペットのアレが欲しいのぉ?」
「そういうのいらないから、はやく」
「動いてねーのにヒクヒクさせてよぉ。そんなに俺が欲しいんだぁ?」
「おね、がい。おくに、もっと」
「ちゃんとお願いしてみ?」
 何だこれ、いつもと逆だ。でも、それもどうでもいいから、早く欲しい。
「おねがいっ、ゆーきの、もっといっぱいちょうだい」
「うんうん、お姉さまは本当にオネダリ上手だよなぁ」
「んんっ! ……あっ、ッッ、ああ!」
 やっと奥まで届いた。ゴツゴツといい所に当たって頭の中が真っ白になる。気持ちいいことに夢中になってしまう。
 胸を触っていた勇樹の手はアソコの突起を触りだした。イッて敏感なのに、煽るようなことをしてきているせいで、ゾグゾクゾクッと何かが体中を走り続ける。
「ああっ! イクッ、また!」
 それでもまだアソコが痙攣する。ビクビクが止まらないし、体から力が抜けていく。イッてもすぐに登り詰めて、ずっと続く気持ちよさに自然と涙が出てきた。
「あっ、……ふあっ、……もうやだぁ! やめる! もうやなの! はなして!」
「嫌とか言うなって。もっと苛めて遊びたくなるじゃん」
「やだやだやだ! もうやだぁ!」
「……ったく、しょうがねえ。終わってほしいならさ、ナカに出してくれってお願いして」
 今すぐ解放されたかった。これ以上気持ちいいのが続くと自分が自分じゃなくなりそうで、でも、それを体験してみたいと思った自分が怖かった。
「……ナカに、だしてくだしゃ……い」
 言葉も紡げないほどイジメられた。生意気だって、ふざけんなって言ってやりたいのに、出てくるのは喘ぎ声だけ。
「よしよし、よく出来ました」
「ッッ!! ……ンンッ! ああっ! ダメっ、またっ、イッッ」
 今までよりも深く奥まで届く。一瞬で真っ白になった。ナカを行き来するあれも速さを増していく。
 喘ぎ声がどんどん大きくなって、その口を勇樹の唇で塞がれた。逃げ道が無くなった声は、荒い息と涎になって出てきた。
 ナカでアレがヒクついたのが分かった。出される、そう思った次の瞬間、ガンッと奥まで突かれた衝撃が走り、アソコがビクビクッと痙攣した。
 これで何度目だろう。
 またイッてしまって脱力する体のナカで、遅れてあれの痙攣が始まる。あれが液を出してる感覚が伝わってくる。
(あー、こんなの無理よ。気持ち良すぎておかしくなっちゃう)
 なんて思いながら、勇樹に背中を預けた。
「まだ寝るなよ。我慢我慢」
「んー」
 アレを抜かれるとナカからドロッとした液が出てきた。拭きたくても体を動かすのもしんどい。
「あー……しぬわ、これ」
 倒れるようにベッドに仰向けになる。見かねた勇樹が代わりに処理をしてシーツを掛けてくれた。そーいう所、とても優しいと思う。まぁ勇樹は基本的に優しいけど。
「大丈夫か?」
「ぜんぜん」
「ごめん、暴走しちまった」
 そう言って頬に手を添えてきた。ほほを撫でる、それがくすぐったくて、クスリと笑った。
「撫でるの好きなの?」
「好き」
「好きなんだ?」
「うん、好き」
「素直じゃん」
「俺はお姉さまと違って素直なんすよ。でも今日のお姉さまは素直でかわいかったなぁ」
「何を言ってるの。私はいつでも素直でかわいいのよ。特に今日のお姉さまは素直で良かったでしょ。ほら、頭を垂れてお礼を言いなさい」
「かっ、かわいくねえ!」
「あら、自分のこと素直って言ってたくせに素直じゃないのね~」
「うっせー」
 頭を撫で回して離れていく。その手を掴んでもう一度頬に添えた。
「今日はやけに甘えん坊じゃん。そういうのめちゃくちゃかわいい」
「でしょ」
 どうしても離れたくなかった。
 じわりじわりと沸き上がってくるモノがある。押し殺そうとしても、手の温もりが、頬を撫でる仕草が、想いを邪魔をしてくる。
 その想いが何か知ってるけど、今はこれがあれば十分だと思った。
「お友達待たせていいの?」
「いいのいいの。それウソだし」
「あらあら、やっぱりいつもと逆ね。お姉さまにウソついてまでセックスしたかったの?」
「あれ? 怒んねーの?」
「賢者タイムに救われたわね」
「おおっ、絶対に怒られると思ってたからラッキー」
「良かったわね」
「今度の休みデートしようぜ。何かやりたいこととかねーの? どこにでも連れて行くぜ」
「死ぬまでに行きたいシリーズにある、とある外国の満点の星空が見たい」
「……調子に乗り過ぎました」
「分かればよろしい」
「なぁ、咲希」
「んー?」
「……何でもねえ」
 大きな手がまた頬を撫でる。それがとても優しくて温かくて、大好きなその手にすり寄って目を閉じた。
 もの足りなかったモノが埋まっていく、その感覚を感じながら……。


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