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鬼畜変態野郎とはじめての
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「シャワーしてくるね」
鬼畜変態野郎から逃げるようにバスルームへ行き、頭のてっぺんから熱いお湯をかけた。
お仕置きを受ける覚悟はある。でも、頭の中は、勇者と魔界のことでいっぱいだった。そんな中でふと思ったことが、鬼畜変態野郎が勇者じゃないなら、いうことを聞く意味がないってことだ。
そもそも鬼畜変態野郎は誰なんだ。勇者と同じアパートに住む一般人? でも鬼畜変態野郎のまとう雰囲気は、一般人よりも魔族っぽい。魔族より魔族してる鬼畜変態野郎だもの、一般人なわけがない。
「まぁ、別に知ったところで意味はないんだけど」
勇者が侵入してくる理由が分かった今、早く魔界に帰って、パパに報告して、みんなが平和に暮らせる道を探さないと。こんなことをしてる暇なんてないのに……。
「今日は何をするんだろ」
魔界に帰ったらもう会えない。私は魔界、鬼畜変態野郎は人間界で暮らしていくんだ。
出会わなくて当然の出会いに出会えた。
それじゃまるで私が鬼畜変態野郎にほれたみたいじゃないか。
「違うよ、そんなんじゃない。……でも何だろう、……引っ掛かるや」
考えてもしょうがないから、適当に体を洗いバスルームから出ると、当たり前のように鬼畜変態野郎がベッドに座っていた。
ベッドの上には、手錠、縄、口枷が散乱している。どこからつっこんでいいのか分からず、部屋の扉の前で無言で突っ立ってると、鬼畜変態野郎が命令してきた。
「来い」
本当にいいのだろうか? こんなことをしてる場合じゃないのに、こんなことをして。でももう会えないのなら、今日だけでもって思う自分がいる。
これで最後なんだ。
「くだらねぇことを考えてんなよ。いくら抵抗しようが、おまえは俺のもんだ。首輪の意味を忘れたとは言わせねぇ」
ごちゃごちゃ考える必要がなかった。この首輪がある限り、私はこの人のペットだ。今だけは甘んじて命令に従っていよう。
「よろしくお願いします」
「はいはい」
興味なさげな返事をしたご主人様は、手錠を手首に付けると、手錠のチェーン部分に縄を繋いで、その縄をベッドの脚にくくりつける。
ベッドに拘束された。
もともと逃げる予定なんてなかったし、拘束されるのは別にいい。問題は、勝手に私の荷物を漁ってる鬼畜変態野郎だ。
「ちょっと何してんの!? 私にもプライバシーってもんがあるんだけど!?」
「主人を裏切って警察につきだそうとしたヤツにプライバシーもくそもあるかよ」
確かにその通りである。
「おまえは主人の手を噛むようなまねをしたんだぜ。泣いたって済まさねぇよ。……今回は覚悟しろよ」
「それ!」
ご主人様は日記片手にあくどい笑顔を浮かべて、私に口枷をつけてきた。手足だけじゃなく、言葉の逃げ道まで奪われた。
それにしても日記はやりすぎだ。
「ぐぬぅ!」
返せと獣みたいな声で訴えてみたけども、何食わぬ顔してベッドに腰掛けて、日記を開いた。警察につきだそうとした私が悪いんだけども、それはこいつが嫌なことをしたからであって、こんなのあんまりだ。
「どれどれ、……ほーう、最近のも書いてるんだな。◯月◯日、今日は勇者である男を討伐するために人間の世界にやって来ました」
「ふがっ!! ふぁへふぉ!!」
ご主人様の宣言通り、泣いたって済まないお仕置きタイムがやってきた。日記を朗読される日が来るなんて思いもしなかった。
「勇者である男の住むアパートまで来ましたが、あえなく御用。自分のついたウソが連鎖しまくって自爆しました。そして、どえらいプレイをしました。お漏らしプレイです……」
読むのを止めた鬼畜変態野郎が哀れみの目で見てきた。その視線に耐えかねて目をそらした。
「おまえってとことんアホだな。根本が抜けてるっつーか、真性のマヌケっつーか、……まぁ、何だ、気に入っていただけたようで恐縮デス」
「ふぐぅ!!」
一ミクロンも思ってもないことを言いやがって!と文句言いたいけど、言えないもどかしさと日記を読まれた羞恥心で、足をばたつかせる。
「しかしこの日記、最近のこと以外全部飯かデザートのことばかりじゃねーか。他にねぇのかよ。つまんねぇ女だな」
(日記を朗読されてダメ出しとか何のお仕置きプレイ!? こんなのされるんならエッチなお仕置きされた方がマシなんだけど!)
日記を見られるってことは、一生誰にも見せない恥部を見られるようなもんだ。
羞恥心で赤くなった顔を隠したいけども、今は拘束されてる。その代わりににらんでみたけど、そんな私を見て楽しそうに口元を歪ませるだけだった。
クソッ、真性の変態鬼畜野郎め。
「さて、つまらねぇ日記はあとでじっくり読むとして……邪魔だな、その服」
「……ひゃふ!」
ご主人様は日記を枕元に置いて、どこからかハサミを取り出した。そして、パジャマの代わりにしていたTシャツを、断りもなくチョキンッと切りやがった。怒って暴れたい所だけども言葉は出ないし、暴れて皮ふが切れてもイヤだから、チョキチョキと切っていく様子を、いつか絶対におまえをぶっ殺すって目で見ていた。
「裸にされてんのに暴れもしねーのかよ」
切ったTシャツをパサッとめくって、肌をさらした。胸もおなかも丸見えだ。裸になることに慣れている私にその攻撃は効かない。フンッと鼻で笑ってやると、とある場所をジッと見つめて、とても言いにくそうに、あることを教えてくれた。
「脇の処理が甘いぜ」
「ふぁふぃ!?」
すぐに脇を閉じようとしたけど、何せ拘束されてるから閉じれない。見られたくなくて、どうにかこうにか試行錯誤して暴れてみたけど、閉じれなかった。処理が甘いっていう脇をマジマジと見られてしまった。処理が甘い脇なんて誰にも見られたくないのに。
「ふぁふぇ!ひるふゃぁ」
これ以上見るなと、拘束されてない足で憎き敵に蹴りをいれようとしたけど、両足をつかんで止めて、うまいこと脚の間に座ってきた。
俗に言う正常位という体勢。
すぐに足を閉じようとしたけど、大きい手が太ももをつかんで、ガバッとひろげてきたではないか。何でご主人様と正常位をって反抗して足を暴れさせたいけど、偶然にも切られたTシャツが脇を隠してくれたのだ。
動いてしまえば、処理が甘い脇がポロリ。いろいろと差し引いても、処理が甘い脇は絶対に見られたくない。脇ポロリに比べれば、こんな体勢なんてことないって考えるんだ。
「何だよ、抵抗は終わりか?」
「……ふぐぅ……」
「まっ、裸になるのは慣れてるよな」
「ふッ!?」
チョキンッとハサミの切れる音がして、股の辺りがスースーとし始めた。ハサミで切ったのだ。私の下着を断りもなく、チョキンッと。これぞ裸で正常位、アソコが丸見え状態。鬼畜変態野郎にガッツリ見られている。
しかし、それも今さらだ。冷静になろう。
ふぅっとため息をはいて、そういや口枷つけてんのにヨダレが出てこないな、仰向けだと出にくいのかなぁって、天井を見ながらそんなことを考えてると、頬っぺたをなでられた。目だけを動かして鬼畜変態野郎を見ると、一枚の布を持っていた。その布を目に巻き付けて、次は視力を奪ってきた。
手と言葉、視力を奪ったご主人様は、指先で体のあちこちをなで始めた。こんなの今までの変態プレイに比べれば大したこともない。くすぐったさでピクッと反応してしまうけど、まだ我慢できる。
それよりも脇ポロリを防がねば。そう言い聞かせて、脇ポロリに意識を集中させてると、ガチャガチャゴソゴソと何かしてるっぽい鬼畜変態野郎が声をかけてきた。
「鬼畜変態野郎に裸を見られ、触られるってどんな気分だ?」
愉快ではないなと思った。
「オモラシも、緊縛も、痛みでイクことも、俺に教えられた。好きでもねぇ男と変態行為してんだぜ。尻軽変態女だな」
あんたに言われたくないと思った。
「それを教えた俺を、もう少し警戒した方が良かったんじゃあないか?」
「……ふぇ?」
「俺の欲望を甘く見すぎなんだよ、おまえは」
ご主人様は一体何をしたんだろう。触れ合ってる所がやけに熱っぽいし、アソコの上に固い何かが当たってる。それを確認したいけど、視界ゼロで何も見えない。
「……ひゃう!?」
何かが当たってるアソコに冷たいものがかかった。それがダラリとお尻の割れ目を伝って垂れていく。何かの液だと思う。
その液がアソコを火照らせてきた。
じんわりと熱をもつ液体のせいで、意識がアソコに集中してしまう。アソコを熱っぽくさせるそれは、縄で縛られた時の感覚を膨れ上がらせてきた。
「キモチイイ感覚を忘れるっつーのは無理な話だぜ。体がまだ覚えてるだろ」
「……っ、ふぅ」
この人の言う通り、あの時の熱を覚えてる。あの時のほしくてどうしようもない、もどかしさと疼きを思い出して、あのとき縄で擦られまくったクリトリスがジンジンしてる。
「んぐっ!」
固くて熱くて太い何かが、アソコの上をヌルヌルと滑って、腫れぼったくなったクリトリスを擦ってくる。縄で擦られるよりも断然キモチイイそれに、ブルブルと体が震えだした。
でも、キモチイイよりも、不安と恐怖が私を支配していく。固くて熱くて太い何かに心当たりがあって気が気じゃない。
(……アレだったら……)
確かめたいけど手は動かせないし、視界はゼロ。首を動かして目隠しされてる布を枕に押しやってみた。どうにかして取れないかと試行錯誤してると、口の中にヨダレが溜まってきた。
(……こんな時に!……出ちゃう!)
溜まったヨダレを塞き止めることは出来なかった。たくさんの小さい穴からコポッとヨダレが垂れてきた。
「ヨダレを流すほど素股がイイのか」
「……あう?」
「俺はキモチイイぜ」
ヌッチュヌッチュと、粘りある音を出しながら、固くて熱くて太い何かをアソコの上で滑らせる。
素股ってキーワードのおかげで、今の自分の現状がやっと理解できた。
ご主人様のアレで、アソコを擦られてる。誰にも触られたことがないところを触られてる。あろうことか、嫁入り前に。
「あうあ! あう!?」
足を暴れさせると、グニュッとアレがズレて、アソコの穴に触れた。腰をずらして危険を回避したけども、危険行為に代わりない。
アソコに入れられたらどうしよう。処女だけは守らないとダメなのに。王家のためにもそれは絶対なのに。このままでは、未来の旦那様に捧げる処女が、この人に奪われてしまう。
「変態行為してさんざん見せ合った仲じゃねぇか。今さら俺を拒否るな」
「ふぁが!?」
ご主人様が私の腰を持ち上げた。アレを使ってクリトリスを何度も擦ってくる。少しでも体を動かすと、誤って入ってしまいそうで、それが怖くて、手をギュッと握りしめて、下手に動かないように耐えようとした。
自分でも分かるアソコの穴にアレの先っぽが触れて止まった。グッと押し込んでくる感覚に、処女を奪われる恐怖を感じて、ブワッと一気に涙が出てきた。
怖くて声も出なくて、首を左右に振って全力で拒否すると、言葉を奪ってた口枷を取ってくれた。
「何か言いたいことがあるならどうぞ」
女の子にひどいことをしたんだ。文句を言ってやるって思ったのに、私から出てきた声は、思ってもない言葉だった。
「……いれ……て……」
ボロボロと出てくる涙も止まらない。心なしか体も小刻みに震えてる。自分が思ってた以上に恐怖を感じている。
それなのに、この人の侵入を許して、これ以上を求めてる。
「……いれて、なぁ」
嘲笑う声にビクッと体が揺れた。
「おまえ魔王の娘だろ。嫁入り前に処女喪失、大スキャンダルになるぜ」
この人の言う通りだ。処女喪失だけは絶対に避けないとダメ。未来のためにも、それだけは守らないと。一度の過ちが取り返しのつかない問題になる。もっと理性的にならないと。
「……っ、やだっ、やっぱりダメ!」
「おまえに求められたんだ。望みをかなえてやるのが主人の勤めだな」
「やだっ、違うの! やめて、やめて!」
「やめて、か。俺もあの時に言ったぜ。止めろ、これ以上どうなるか分からんぞ、止めとけ、……そう忠告したぜ。でもおまえも止めなかったじゃねぇか」
「あれは!」
「だから俺も止めてあげねぇよ」
「わわっ!」
止めないって言ったのに、腰をつかんでたこの人の手が離れた。今のうちに体勢を変えようと、うつ伏せになって、足を閉じてピンッと伸ばした。
これで素股は出来ないと安心したのもつかの間、この人は鼻で笑ったあと、後ろから覆い被さってきた。
「無駄な抵抗なんて止めて正常位で居りゃよかったものを……。これで俺からも……自分からも逃げられなくなったぜ」
「へ?」
「この体勢を選んだ自分を恨めよ」
「……あっ!」
閉じてた太ももの間に、固くて太いアレが入ってきた。アソコを擦りながらアレが器用に動いてる。また始まった素股に、キュッとアソコに力を込めた。そうしたって意味はないし、入ってきそうな恐怖はあるけど、何もしないよりマシだと思った。
(ナカに入りませんように……っ)
枕の端を握り締めて今の行為を耐えていると、この人の片方の手が背中をなでてきた。
「やッ!……んッ」
ゾワッとしたモノが頭に響く。釣られてアソコがヒクヒクッと反応した。犯されてもおかしくない状況なのに、体は感じてるの。
「……何だかんだ嫌がっても、体っつーのは正直だな」
「……やだぁ、……ちがう、……あっ!」
「はいはい、そーですか」
あきれたように返事をして、さっきよりも奥にアレを押し込んできた。
アレの熱と形が太ももから伝わる。ヌチャヌチャッてエッチな音を立てながら、私のナマをなぞって擦ってる。アレの先っぽがクリトリスに当たる。その瞬間が、思わず声が出ちゃうほど、体を揺らすほど、すごくキモチイイ。
キモチイイことに体が支配されていく。
「あっ、んぁ」
噛まれた時のように、女の甘い声が漏れだした。
それが怖い。
快楽に支配されて、このままキモチイイことに流されそうな自分が恐ろしくて、逃げるように腰を動かしてしまった。
「あーあ」
「ッ!」
その弾みで、ナカにほんの少しの違和感を感じた。逃げるのを止めて、ピタリと動きを止めた。ほんの少しの違和感をどうしていいのか分からない。
この人は、ほんの少し、私でも違和感に気づくくらいの感覚を残しながら、ゆっくりとナカに押し入ってきた。違うと思いたいし、拒否したいけど、拘束されてる手は使えない。さっきみたいに動いたら、今度こそナカに入ってしまうかもしれない。だから言葉で今の行為を否定した。
「やめて! 本当にやめて! やだ!」
「入れたのはおまえだろ」
「ちがう! 入ってないの!」
「分かるか? さっきから、ここで、止まるんだぜ」
「やだってば! 離れてよ!」
ここのトコロをナニの先っぽがツンツンと触ってくる。
「これ以上ぶち込んだら、おまえが大切にしてるモンが破れるだろうな」
「ッ!!」
言わんことが分かって息を飲んだ。これ以上ナカに押し入ってこられると、処女膜が破れてしてしまう。
「処女膜っつっても、普通に暮らしてれば破れるもんだぜ。そこまで守る必要もないだろ」
「ちがう! 処女膜が大切なんじゃなくて処女であることが大切なの! 未来の旦那様に捧げるための処女なの!」
「……未来の旦那、ね。もう手遅れだな。おまえのハジメテのナカに入ってんのは俺。そうだろ? 先だけでも、おまえのナカを感じるぜ」
「……う……っ……っく……」
考えたくなかったし、知りたくなかった現実が襲ってきて、またボロボロと涙を流してしまった。
入り口に近い場所とはいえ、ナカに侵入された時点でハジメテではなくなった。未来の旦那様のための処女が、この人に奪われた。防げなかった自分自身が憎くてしょうがない。それでも、それよりもくるモノがある。
悦びだ。
「……うぅ、……やだぁ…」
「……居もしねえ男のことは、忘れろ」
思い出させたのはあんただって怒りたいけど、言葉にする余裕がなくて、首を左右に振って返事をした。
「全部、俺が、忘れさせてやる」
「やだ! やだやだ!」
多少の痛みを残しながらも、すんなりとナカに入ってきた。
大切に守ってたモノがプチンと切れた。
塞き止めてたモノがなくなった。
熱くて固くて太いアレが、子宮の入り口から奥まで入って、ナカを犯していく。
「……あ! あっ、……あああっ!」
噂で耳にしていた特有の痛みは無かった。むしろハジメテのナマの感覚に、身震いするほどのキモチイイが駆け巡っていた。
「……あったけー……」
この人が枕元に肘をついて、覆い被さってきた。たくましい体を私の背中に密着させて、ナカの粘膜を擦りながら、髪をなでたり、つむじにキスをしたり。あまりの熱さに、どうにかなってしまいそうだった。
「……はぁ、……あっ」
この人の吐息を後ろから感じてゾクリとした。ヒクヒクと震えるアソコが、アレを包み込んでる。固くて太い熱が、子宮の入り口をトントンと優しくノックして、それが子宮の奥に響いて、芯まで届く。
ぶわっと汗が吹き出るほど、たまんなくキモチイイ。呼吸すらも荒くなって、アソコ全体がジンジン熱くて、溶けそうで。
処女を奪われたのに、悦んでる。
心と体はチグハグで、嫌だと泣きながらも、この人のアレを受け入れて、快楽をむさぼってる。
「……あっ、……だめっ、……ぬいてっ」
「物分かりの悪いキツネだぜ。おまえは俺のもんだっつってんだろ。手放すつもりもねぇよ」
「でもっ、……んぅ! んっ!」
「でもも、だってもない。安心して、キモチイイことに夢中になってろ」
「……むちゅー……?」
「ああ、そうだ。ずっと俺がいる、それでいいじゃねぇか」
「……ふぁぁ……」
「よしよし、イイコだ」
すぅっと体から力が抜けた。それでいいとこの人がつむじにキスしてきた。それが嬉しくて子宮がビクンと揺れた。
「あッ、んッ! んん!」
いろいろと諦めた途端に甘い声がポロポロと漏れ始めた。さっきよりもキモチイイと訴えてる甘い声だ。
ナカを擦られるのがキモチイイ。
「あー……っ……」
「ぅっ、ああ! ッ! はげしっ……んん!」
さっきまでトントンと優しいノックだったのに、ドンドンと子宮の奥を深く響かせるように、激しくアレを動かしてきた。
快楽を選んだ体は、その激しい動きをすんなり受け入れて、頭のナカもアソコも、体中を、ドロドロに溶かしていく。
もう耐えられないし、止めたくもない。このままこの人とキモチイイことに夢中になって、この人の熱でドロドロに溶けちゃいたい。
「……んぅ! あっ、あっ!」
すぐそばにあったこの人の手に自分のを重ねると、ドロドロに溶けたように力が入らない手をギュッと力強く握り返してくれた。
手の輪郭が出来たことに安心して、文字どおり、全てを任せた。多分それを分かってくれたんだと思う。さっきよりもピタリと密着して、何度もチュッと音を立てながら、髪の毛にキスを落としてくる。この人なりの優しさが伝わる行為に、全身が喜びを感じてる。
それもキモチイイ、ナカもキモチイイ。アレもコレも、体中が、たまんなく気持ちよくて。
「……イッちゃう! もう! らめぇ! イッちゃ……ンンッ!」
ギューっと手を握り締めてながら、真っ白に溶けていった。
快楽にハマッちゃった体は、私の心よりも正直だ。フワフワのドロドロに溶けたのに、自分の輪郭すら分からないほど熱いのに、まだ足りないとか言わんばかりに、無我夢中でこの人の熱を追いかける。ストッパーが外れたみたいに、何度も真っ白のドロドロになっていく。
ナカのアレがビクッと震えた。
「あー……イクぞ……」
「……ナカ、……だめっ!」
「……かたいことを言うな、……いい加減、俺を……受け入れろ……」
「だめ! だめなの!」
「……ッ………」
ドロドロに溶けてるアソコのナカで、ビクッビクッとアレが震えてる。それから出された液が奥の子宮まで放たれて、その何とも言えない感覚に、アソコがケイレンした。
「……はぁ、……あっちぃ」
「……ぁ……ぅっ」
ご主人様の汗がポタポタと背中に落ちてきた。それすらも気持ち良くて、でも、まだ何かが足りない。
「……外すぜ」
拘束されてた手を解放された。
赤くなった手首、ちょっとだけ痺れてる腕をマッサージしてくれるこの人の手の温もりで、ドロドロに溶けた体の輪郭が固まっていく。でも、固まりになって残ったのは、自分の想い。
泣いたって無意味なのに、どうあがいても無理なのに、さっきのことを思い出せば出すほど、鼻がツンッとして、涙が出そうだった。
「……ねぇ」
「なんだよ」
寝返りを打ってこの人に向き合うと、アレが抜けてナカから液がダラリと出てきた。
子宮のナカから悦んだ証だ。
「……っ、……あ……」
出てくる感覚が、固まってきた体を少しだけ溶かし始める。液を垂らしているアソコがヒクヒクしてる。まだ溶けていたいと言わんばかりに、アレをほしがってる。
(この人がほしい)
心と体がグチャグチャで、自分でも何だかよく分かんなくなって、そのグチャグチャな感情を悟られないように、腕で顔を隠した。
「……そうじゃねえ、……俺だけをみろ」
ガシッと手首をつかまれて、半ばムリヤリ腕を退かされた。
この人と目が合う。
私と同じだった。
欲情にまみれた無防備な表情、とろけた視線、その奥に激情を宿してる。バラバラでグチャグチャなそれと目が合って、どちらともなく唇を引っ付けた。
ファーストキスだった。
「……まだ」
「……ああ、……終わりじゃねーよ」
力の抜けた足を開かせ、ちっとも動かなくなった腰を持って、グヌッとアレをいれてきた。
さっきと全然違う感覚に、ゾワワッと鳥肌が立つ。固さも熱さも大きさも、さっきよりも身近に、素直に感じてる。ちょっと動かされるだけでも、全てを持ってかれそうで、ぶっ飛んじゃいそうで、それが怖くて、つかんでてほしくて、この人に手を伸ばした。
「おてて、つなご」
「はいはい」
この人の大きな手と私の手、それぞれ指を絡ませて握った。ギュッと力を込めると、そっと握り返してくれる。それに安心感を抱いた。根拠はナイけど、この人になら身も心も任せて大丈夫だと、そのヘンテコな感情はシミのように体の中に広がって染み込んだ。
「もっと、……いっぱいちょーだい」
グチャグチャになってぶっ飛んじゃいたい。もっと奥まで、体の芯まで、どうしようもない私の心まで、ドロドロに溶かして作り直してほしい。そうまでしないと、壊さないと、もう二度と会えないこの人のことを忘れそうだ。
「……このッ、強欲キツネ、アレもコレもほしがりやがって」
この人は見抜いてる。感情も本質も全てを知ってて、それでも繋ぎ合った手を、どうしようもない私を丸ごと包み込んでくれる。
でも、この人が私を見抜いてるように、私だって見抜いてる。この人がどうしようもない男だってことを分かってて、この大きな手を振りほどかずに、アレを受け入れてる。
こんなの、同罪だ。
「……動くぜ」
「ンンッ! あっ……あッ!」
お互いの手を繋ぎ合ったまま、それは始まった。粘膜同士が絡み合う。その刺激がめまぐるしく体中を駆け巡る。さっきと全然違うナカの感覚は、ゴツンゴツンと子宮の奥へと響いて、内側から私の輪郭を、ハッキリとした意識を奪って、壊して、こんなにも簡単に、私ってモノをあやふやにしていく。
「ああッ! ダメ! またッ」
すぐに絶頂の波がきた。
飲み込まれるのが急に怖くなって、繋いだ手を離そうとしたら、ギッと握り締められて、ベッドに押さえ付けられた。
「俺をほしがったのはおまえだ。やっと捕まえたんだ、……逃がしゃしねぇよ」
「……だめっ、……だめっ! すごいのっ、イッちゃう! もうイッちゃ……イッ、……ンンン!!」
逃げられなくなった体は、あっけなく快楽の波に飲み込まれていった。
それでもご主人様の快楽は続く。ゴツンゴツンと響くアレを受け入れるしかなくなって、止まらなくなって、止める気もなくなって。
「……もっとだ、……もっとほしがれ」
「……やッ……ア!……イクぅ!また!」
ユラユラと揺れる体とあやふやな意識のはざまで、この人の存在を刻みつけた。
鬼畜変態野郎から逃げるようにバスルームへ行き、頭のてっぺんから熱いお湯をかけた。
お仕置きを受ける覚悟はある。でも、頭の中は、勇者と魔界のことでいっぱいだった。そんな中でふと思ったことが、鬼畜変態野郎が勇者じゃないなら、いうことを聞く意味がないってことだ。
そもそも鬼畜変態野郎は誰なんだ。勇者と同じアパートに住む一般人? でも鬼畜変態野郎のまとう雰囲気は、一般人よりも魔族っぽい。魔族より魔族してる鬼畜変態野郎だもの、一般人なわけがない。
「まぁ、別に知ったところで意味はないんだけど」
勇者が侵入してくる理由が分かった今、早く魔界に帰って、パパに報告して、みんなが平和に暮らせる道を探さないと。こんなことをしてる暇なんてないのに……。
「今日は何をするんだろ」
魔界に帰ったらもう会えない。私は魔界、鬼畜変態野郎は人間界で暮らしていくんだ。
出会わなくて当然の出会いに出会えた。
それじゃまるで私が鬼畜変態野郎にほれたみたいじゃないか。
「違うよ、そんなんじゃない。……でも何だろう、……引っ掛かるや」
考えてもしょうがないから、適当に体を洗いバスルームから出ると、当たり前のように鬼畜変態野郎がベッドに座っていた。
ベッドの上には、手錠、縄、口枷が散乱している。どこからつっこんでいいのか分からず、部屋の扉の前で無言で突っ立ってると、鬼畜変態野郎が命令してきた。
「来い」
本当にいいのだろうか? こんなことをしてる場合じゃないのに、こんなことをして。でももう会えないのなら、今日だけでもって思う自分がいる。
これで最後なんだ。
「くだらねぇことを考えてんなよ。いくら抵抗しようが、おまえは俺のもんだ。首輪の意味を忘れたとは言わせねぇ」
ごちゃごちゃ考える必要がなかった。この首輪がある限り、私はこの人のペットだ。今だけは甘んじて命令に従っていよう。
「よろしくお願いします」
「はいはい」
興味なさげな返事をしたご主人様は、手錠を手首に付けると、手錠のチェーン部分に縄を繋いで、その縄をベッドの脚にくくりつける。
ベッドに拘束された。
もともと逃げる予定なんてなかったし、拘束されるのは別にいい。問題は、勝手に私の荷物を漁ってる鬼畜変態野郎だ。
「ちょっと何してんの!? 私にもプライバシーってもんがあるんだけど!?」
「主人を裏切って警察につきだそうとしたヤツにプライバシーもくそもあるかよ」
確かにその通りである。
「おまえは主人の手を噛むようなまねをしたんだぜ。泣いたって済まさねぇよ。……今回は覚悟しろよ」
「それ!」
ご主人様は日記片手にあくどい笑顔を浮かべて、私に口枷をつけてきた。手足だけじゃなく、言葉の逃げ道まで奪われた。
それにしても日記はやりすぎだ。
「ぐぬぅ!」
返せと獣みたいな声で訴えてみたけども、何食わぬ顔してベッドに腰掛けて、日記を開いた。警察につきだそうとした私が悪いんだけども、それはこいつが嫌なことをしたからであって、こんなのあんまりだ。
「どれどれ、……ほーう、最近のも書いてるんだな。◯月◯日、今日は勇者である男を討伐するために人間の世界にやって来ました」
「ふがっ!! ふぁへふぉ!!」
ご主人様の宣言通り、泣いたって済まないお仕置きタイムがやってきた。日記を朗読される日が来るなんて思いもしなかった。
「勇者である男の住むアパートまで来ましたが、あえなく御用。自分のついたウソが連鎖しまくって自爆しました。そして、どえらいプレイをしました。お漏らしプレイです……」
読むのを止めた鬼畜変態野郎が哀れみの目で見てきた。その視線に耐えかねて目をそらした。
「おまえってとことんアホだな。根本が抜けてるっつーか、真性のマヌケっつーか、……まぁ、何だ、気に入っていただけたようで恐縮デス」
「ふぐぅ!!」
一ミクロンも思ってもないことを言いやがって!と文句言いたいけど、言えないもどかしさと日記を読まれた羞恥心で、足をばたつかせる。
「しかしこの日記、最近のこと以外全部飯かデザートのことばかりじゃねーか。他にねぇのかよ。つまんねぇ女だな」
(日記を朗読されてダメ出しとか何のお仕置きプレイ!? こんなのされるんならエッチなお仕置きされた方がマシなんだけど!)
日記を見られるってことは、一生誰にも見せない恥部を見られるようなもんだ。
羞恥心で赤くなった顔を隠したいけども、今は拘束されてる。その代わりににらんでみたけど、そんな私を見て楽しそうに口元を歪ませるだけだった。
クソッ、真性の変態鬼畜野郎め。
「さて、つまらねぇ日記はあとでじっくり読むとして……邪魔だな、その服」
「……ひゃふ!」
ご主人様は日記を枕元に置いて、どこからかハサミを取り出した。そして、パジャマの代わりにしていたTシャツを、断りもなくチョキンッと切りやがった。怒って暴れたい所だけども言葉は出ないし、暴れて皮ふが切れてもイヤだから、チョキチョキと切っていく様子を、いつか絶対におまえをぶっ殺すって目で見ていた。
「裸にされてんのに暴れもしねーのかよ」
切ったTシャツをパサッとめくって、肌をさらした。胸もおなかも丸見えだ。裸になることに慣れている私にその攻撃は効かない。フンッと鼻で笑ってやると、とある場所をジッと見つめて、とても言いにくそうに、あることを教えてくれた。
「脇の処理が甘いぜ」
「ふぁふぃ!?」
すぐに脇を閉じようとしたけど、何せ拘束されてるから閉じれない。見られたくなくて、どうにかこうにか試行錯誤して暴れてみたけど、閉じれなかった。処理が甘いっていう脇をマジマジと見られてしまった。処理が甘い脇なんて誰にも見られたくないのに。
「ふぁふぇ!ひるふゃぁ」
これ以上見るなと、拘束されてない足で憎き敵に蹴りをいれようとしたけど、両足をつかんで止めて、うまいこと脚の間に座ってきた。
俗に言う正常位という体勢。
すぐに足を閉じようとしたけど、大きい手が太ももをつかんで、ガバッとひろげてきたではないか。何でご主人様と正常位をって反抗して足を暴れさせたいけど、偶然にも切られたTシャツが脇を隠してくれたのだ。
動いてしまえば、処理が甘い脇がポロリ。いろいろと差し引いても、処理が甘い脇は絶対に見られたくない。脇ポロリに比べれば、こんな体勢なんてことないって考えるんだ。
「何だよ、抵抗は終わりか?」
「……ふぐぅ……」
「まっ、裸になるのは慣れてるよな」
「ふッ!?」
チョキンッとハサミの切れる音がして、股の辺りがスースーとし始めた。ハサミで切ったのだ。私の下着を断りもなく、チョキンッと。これぞ裸で正常位、アソコが丸見え状態。鬼畜変態野郎にガッツリ見られている。
しかし、それも今さらだ。冷静になろう。
ふぅっとため息をはいて、そういや口枷つけてんのにヨダレが出てこないな、仰向けだと出にくいのかなぁって、天井を見ながらそんなことを考えてると、頬っぺたをなでられた。目だけを動かして鬼畜変態野郎を見ると、一枚の布を持っていた。その布を目に巻き付けて、次は視力を奪ってきた。
手と言葉、視力を奪ったご主人様は、指先で体のあちこちをなで始めた。こんなの今までの変態プレイに比べれば大したこともない。くすぐったさでピクッと反応してしまうけど、まだ我慢できる。
それよりも脇ポロリを防がねば。そう言い聞かせて、脇ポロリに意識を集中させてると、ガチャガチャゴソゴソと何かしてるっぽい鬼畜変態野郎が声をかけてきた。
「鬼畜変態野郎に裸を見られ、触られるってどんな気分だ?」
愉快ではないなと思った。
「オモラシも、緊縛も、痛みでイクことも、俺に教えられた。好きでもねぇ男と変態行為してんだぜ。尻軽変態女だな」
あんたに言われたくないと思った。
「それを教えた俺を、もう少し警戒した方が良かったんじゃあないか?」
「……ふぇ?」
「俺の欲望を甘く見すぎなんだよ、おまえは」
ご主人様は一体何をしたんだろう。触れ合ってる所がやけに熱っぽいし、アソコの上に固い何かが当たってる。それを確認したいけど、視界ゼロで何も見えない。
「……ひゃう!?」
何かが当たってるアソコに冷たいものがかかった。それがダラリとお尻の割れ目を伝って垂れていく。何かの液だと思う。
その液がアソコを火照らせてきた。
じんわりと熱をもつ液体のせいで、意識がアソコに集中してしまう。アソコを熱っぽくさせるそれは、縄で縛られた時の感覚を膨れ上がらせてきた。
「キモチイイ感覚を忘れるっつーのは無理な話だぜ。体がまだ覚えてるだろ」
「……っ、ふぅ」
この人の言う通り、あの時の熱を覚えてる。あの時のほしくてどうしようもない、もどかしさと疼きを思い出して、あのとき縄で擦られまくったクリトリスがジンジンしてる。
「んぐっ!」
固くて熱くて太い何かが、アソコの上をヌルヌルと滑って、腫れぼったくなったクリトリスを擦ってくる。縄で擦られるよりも断然キモチイイそれに、ブルブルと体が震えだした。
でも、キモチイイよりも、不安と恐怖が私を支配していく。固くて熱くて太い何かに心当たりがあって気が気じゃない。
(……アレだったら……)
確かめたいけど手は動かせないし、視界はゼロ。首を動かして目隠しされてる布を枕に押しやってみた。どうにかして取れないかと試行錯誤してると、口の中にヨダレが溜まってきた。
(……こんな時に!……出ちゃう!)
溜まったヨダレを塞き止めることは出来なかった。たくさんの小さい穴からコポッとヨダレが垂れてきた。
「ヨダレを流すほど素股がイイのか」
「……あう?」
「俺はキモチイイぜ」
ヌッチュヌッチュと、粘りある音を出しながら、固くて熱くて太い何かをアソコの上で滑らせる。
素股ってキーワードのおかげで、今の自分の現状がやっと理解できた。
ご主人様のアレで、アソコを擦られてる。誰にも触られたことがないところを触られてる。あろうことか、嫁入り前に。
「あうあ! あう!?」
足を暴れさせると、グニュッとアレがズレて、アソコの穴に触れた。腰をずらして危険を回避したけども、危険行為に代わりない。
アソコに入れられたらどうしよう。処女だけは守らないとダメなのに。王家のためにもそれは絶対なのに。このままでは、未来の旦那様に捧げる処女が、この人に奪われてしまう。
「変態行為してさんざん見せ合った仲じゃねぇか。今さら俺を拒否るな」
「ふぁが!?」
ご主人様が私の腰を持ち上げた。アレを使ってクリトリスを何度も擦ってくる。少しでも体を動かすと、誤って入ってしまいそうで、それが怖くて、手をギュッと握りしめて、下手に動かないように耐えようとした。
自分でも分かるアソコの穴にアレの先っぽが触れて止まった。グッと押し込んでくる感覚に、処女を奪われる恐怖を感じて、ブワッと一気に涙が出てきた。
怖くて声も出なくて、首を左右に振って全力で拒否すると、言葉を奪ってた口枷を取ってくれた。
「何か言いたいことがあるならどうぞ」
女の子にひどいことをしたんだ。文句を言ってやるって思ったのに、私から出てきた声は、思ってもない言葉だった。
「……いれ……て……」
ボロボロと出てくる涙も止まらない。心なしか体も小刻みに震えてる。自分が思ってた以上に恐怖を感じている。
それなのに、この人の侵入を許して、これ以上を求めてる。
「……いれて、なぁ」
嘲笑う声にビクッと体が揺れた。
「おまえ魔王の娘だろ。嫁入り前に処女喪失、大スキャンダルになるぜ」
この人の言う通りだ。処女喪失だけは絶対に避けないとダメ。未来のためにも、それだけは守らないと。一度の過ちが取り返しのつかない問題になる。もっと理性的にならないと。
「……っ、やだっ、やっぱりダメ!」
「おまえに求められたんだ。望みをかなえてやるのが主人の勤めだな」
「やだっ、違うの! やめて、やめて!」
「やめて、か。俺もあの時に言ったぜ。止めろ、これ以上どうなるか分からんぞ、止めとけ、……そう忠告したぜ。でもおまえも止めなかったじゃねぇか」
「あれは!」
「だから俺も止めてあげねぇよ」
「わわっ!」
止めないって言ったのに、腰をつかんでたこの人の手が離れた。今のうちに体勢を変えようと、うつ伏せになって、足を閉じてピンッと伸ばした。
これで素股は出来ないと安心したのもつかの間、この人は鼻で笑ったあと、後ろから覆い被さってきた。
「無駄な抵抗なんて止めて正常位で居りゃよかったものを……。これで俺からも……自分からも逃げられなくなったぜ」
「へ?」
「この体勢を選んだ自分を恨めよ」
「……あっ!」
閉じてた太ももの間に、固くて太いアレが入ってきた。アソコを擦りながらアレが器用に動いてる。また始まった素股に、キュッとアソコに力を込めた。そうしたって意味はないし、入ってきそうな恐怖はあるけど、何もしないよりマシだと思った。
(ナカに入りませんように……っ)
枕の端を握り締めて今の行為を耐えていると、この人の片方の手が背中をなでてきた。
「やッ!……んッ」
ゾワッとしたモノが頭に響く。釣られてアソコがヒクヒクッと反応した。犯されてもおかしくない状況なのに、体は感じてるの。
「……何だかんだ嫌がっても、体っつーのは正直だな」
「……やだぁ、……ちがう、……あっ!」
「はいはい、そーですか」
あきれたように返事をして、さっきよりも奥にアレを押し込んできた。
アレの熱と形が太ももから伝わる。ヌチャヌチャッてエッチな音を立てながら、私のナマをなぞって擦ってる。アレの先っぽがクリトリスに当たる。その瞬間が、思わず声が出ちゃうほど、体を揺らすほど、すごくキモチイイ。
キモチイイことに体が支配されていく。
「あっ、んぁ」
噛まれた時のように、女の甘い声が漏れだした。
それが怖い。
快楽に支配されて、このままキモチイイことに流されそうな自分が恐ろしくて、逃げるように腰を動かしてしまった。
「あーあ」
「ッ!」
その弾みで、ナカにほんの少しの違和感を感じた。逃げるのを止めて、ピタリと動きを止めた。ほんの少しの違和感をどうしていいのか分からない。
この人は、ほんの少し、私でも違和感に気づくくらいの感覚を残しながら、ゆっくりとナカに押し入ってきた。違うと思いたいし、拒否したいけど、拘束されてる手は使えない。さっきみたいに動いたら、今度こそナカに入ってしまうかもしれない。だから言葉で今の行為を否定した。
「やめて! 本当にやめて! やだ!」
「入れたのはおまえだろ」
「ちがう! 入ってないの!」
「分かるか? さっきから、ここで、止まるんだぜ」
「やだってば! 離れてよ!」
ここのトコロをナニの先っぽがツンツンと触ってくる。
「これ以上ぶち込んだら、おまえが大切にしてるモンが破れるだろうな」
「ッ!!」
言わんことが分かって息を飲んだ。これ以上ナカに押し入ってこられると、処女膜が破れてしてしまう。
「処女膜っつっても、普通に暮らしてれば破れるもんだぜ。そこまで守る必要もないだろ」
「ちがう! 処女膜が大切なんじゃなくて処女であることが大切なの! 未来の旦那様に捧げるための処女なの!」
「……未来の旦那、ね。もう手遅れだな。おまえのハジメテのナカに入ってんのは俺。そうだろ? 先だけでも、おまえのナカを感じるぜ」
「……う……っ……っく……」
考えたくなかったし、知りたくなかった現実が襲ってきて、またボロボロと涙を流してしまった。
入り口に近い場所とはいえ、ナカに侵入された時点でハジメテではなくなった。未来の旦那様のための処女が、この人に奪われた。防げなかった自分自身が憎くてしょうがない。それでも、それよりもくるモノがある。
悦びだ。
「……うぅ、……やだぁ…」
「……居もしねえ男のことは、忘れろ」
思い出させたのはあんただって怒りたいけど、言葉にする余裕がなくて、首を左右に振って返事をした。
「全部、俺が、忘れさせてやる」
「やだ! やだやだ!」
多少の痛みを残しながらも、すんなりとナカに入ってきた。
大切に守ってたモノがプチンと切れた。
塞き止めてたモノがなくなった。
熱くて固くて太いアレが、子宮の入り口から奥まで入って、ナカを犯していく。
「……あ! あっ、……あああっ!」
噂で耳にしていた特有の痛みは無かった。むしろハジメテのナマの感覚に、身震いするほどのキモチイイが駆け巡っていた。
「……あったけー……」
この人が枕元に肘をついて、覆い被さってきた。たくましい体を私の背中に密着させて、ナカの粘膜を擦りながら、髪をなでたり、つむじにキスをしたり。あまりの熱さに、どうにかなってしまいそうだった。
「……はぁ、……あっ」
この人の吐息を後ろから感じてゾクリとした。ヒクヒクと震えるアソコが、アレを包み込んでる。固くて太い熱が、子宮の入り口をトントンと優しくノックして、それが子宮の奥に響いて、芯まで届く。
ぶわっと汗が吹き出るほど、たまんなくキモチイイ。呼吸すらも荒くなって、アソコ全体がジンジン熱くて、溶けそうで。
処女を奪われたのに、悦んでる。
心と体はチグハグで、嫌だと泣きながらも、この人のアレを受け入れて、快楽をむさぼってる。
「……あっ、……だめっ、……ぬいてっ」
「物分かりの悪いキツネだぜ。おまえは俺のもんだっつってんだろ。手放すつもりもねぇよ」
「でもっ、……んぅ! んっ!」
「でもも、だってもない。安心して、キモチイイことに夢中になってろ」
「……むちゅー……?」
「ああ、そうだ。ずっと俺がいる、それでいいじゃねぇか」
「……ふぁぁ……」
「よしよし、イイコだ」
すぅっと体から力が抜けた。それでいいとこの人がつむじにキスしてきた。それが嬉しくて子宮がビクンと揺れた。
「あッ、んッ! んん!」
いろいろと諦めた途端に甘い声がポロポロと漏れ始めた。さっきよりもキモチイイと訴えてる甘い声だ。
ナカを擦られるのがキモチイイ。
「あー……っ……」
「ぅっ、ああ! ッ! はげしっ……んん!」
さっきまでトントンと優しいノックだったのに、ドンドンと子宮の奥を深く響かせるように、激しくアレを動かしてきた。
快楽を選んだ体は、その激しい動きをすんなり受け入れて、頭のナカもアソコも、体中を、ドロドロに溶かしていく。
もう耐えられないし、止めたくもない。このままこの人とキモチイイことに夢中になって、この人の熱でドロドロに溶けちゃいたい。
「……んぅ! あっ、あっ!」
すぐそばにあったこの人の手に自分のを重ねると、ドロドロに溶けたように力が入らない手をギュッと力強く握り返してくれた。
手の輪郭が出来たことに安心して、文字どおり、全てを任せた。多分それを分かってくれたんだと思う。さっきよりもピタリと密着して、何度もチュッと音を立てながら、髪の毛にキスを落としてくる。この人なりの優しさが伝わる行為に、全身が喜びを感じてる。
それもキモチイイ、ナカもキモチイイ。アレもコレも、体中が、たまんなく気持ちよくて。
「……イッちゃう! もう! らめぇ! イッちゃ……ンンッ!」
ギューっと手を握り締めてながら、真っ白に溶けていった。
快楽にハマッちゃった体は、私の心よりも正直だ。フワフワのドロドロに溶けたのに、自分の輪郭すら分からないほど熱いのに、まだ足りないとか言わんばかりに、無我夢中でこの人の熱を追いかける。ストッパーが外れたみたいに、何度も真っ白のドロドロになっていく。
ナカのアレがビクッと震えた。
「あー……イクぞ……」
「……ナカ、……だめっ!」
「……かたいことを言うな、……いい加減、俺を……受け入れろ……」
「だめ! だめなの!」
「……ッ………」
ドロドロに溶けてるアソコのナカで、ビクッビクッとアレが震えてる。それから出された液が奥の子宮まで放たれて、その何とも言えない感覚に、アソコがケイレンした。
「……はぁ、……あっちぃ」
「……ぁ……ぅっ」
ご主人様の汗がポタポタと背中に落ちてきた。それすらも気持ち良くて、でも、まだ何かが足りない。
「……外すぜ」
拘束されてた手を解放された。
赤くなった手首、ちょっとだけ痺れてる腕をマッサージしてくれるこの人の手の温もりで、ドロドロに溶けた体の輪郭が固まっていく。でも、固まりになって残ったのは、自分の想い。
泣いたって無意味なのに、どうあがいても無理なのに、さっきのことを思い出せば出すほど、鼻がツンッとして、涙が出そうだった。
「……ねぇ」
「なんだよ」
寝返りを打ってこの人に向き合うと、アレが抜けてナカから液がダラリと出てきた。
子宮のナカから悦んだ証だ。
「……っ、……あ……」
出てくる感覚が、固まってきた体を少しだけ溶かし始める。液を垂らしているアソコがヒクヒクしてる。まだ溶けていたいと言わんばかりに、アレをほしがってる。
(この人がほしい)
心と体がグチャグチャで、自分でも何だかよく分かんなくなって、そのグチャグチャな感情を悟られないように、腕で顔を隠した。
「……そうじゃねえ、……俺だけをみろ」
ガシッと手首をつかまれて、半ばムリヤリ腕を退かされた。
この人と目が合う。
私と同じだった。
欲情にまみれた無防備な表情、とろけた視線、その奥に激情を宿してる。バラバラでグチャグチャなそれと目が合って、どちらともなく唇を引っ付けた。
ファーストキスだった。
「……まだ」
「……ああ、……終わりじゃねーよ」
力の抜けた足を開かせ、ちっとも動かなくなった腰を持って、グヌッとアレをいれてきた。
さっきと全然違う感覚に、ゾワワッと鳥肌が立つ。固さも熱さも大きさも、さっきよりも身近に、素直に感じてる。ちょっと動かされるだけでも、全てを持ってかれそうで、ぶっ飛んじゃいそうで、それが怖くて、つかんでてほしくて、この人に手を伸ばした。
「おてて、つなご」
「はいはい」
この人の大きな手と私の手、それぞれ指を絡ませて握った。ギュッと力を込めると、そっと握り返してくれる。それに安心感を抱いた。根拠はナイけど、この人になら身も心も任せて大丈夫だと、そのヘンテコな感情はシミのように体の中に広がって染み込んだ。
「もっと、……いっぱいちょーだい」
グチャグチャになってぶっ飛んじゃいたい。もっと奥まで、体の芯まで、どうしようもない私の心まで、ドロドロに溶かして作り直してほしい。そうまでしないと、壊さないと、もう二度と会えないこの人のことを忘れそうだ。
「……このッ、強欲キツネ、アレもコレもほしがりやがって」
この人は見抜いてる。感情も本質も全てを知ってて、それでも繋ぎ合った手を、どうしようもない私を丸ごと包み込んでくれる。
でも、この人が私を見抜いてるように、私だって見抜いてる。この人がどうしようもない男だってことを分かってて、この大きな手を振りほどかずに、アレを受け入れてる。
こんなの、同罪だ。
「……動くぜ」
「ンンッ! あっ……あッ!」
お互いの手を繋ぎ合ったまま、それは始まった。粘膜同士が絡み合う。その刺激がめまぐるしく体中を駆け巡る。さっきと全然違うナカの感覚は、ゴツンゴツンと子宮の奥へと響いて、内側から私の輪郭を、ハッキリとした意識を奪って、壊して、こんなにも簡単に、私ってモノをあやふやにしていく。
「ああッ! ダメ! またッ」
すぐに絶頂の波がきた。
飲み込まれるのが急に怖くなって、繋いだ手を離そうとしたら、ギッと握り締められて、ベッドに押さえ付けられた。
「俺をほしがったのはおまえだ。やっと捕まえたんだ、……逃がしゃしねぇよ」
「……だめっ、……だめっ! すごいのっ、イッちゃう! もうイッちゃ……イッ、……ンンン!!」
逃げられなくなった体は、あっけなく快楽の波に飲み込まれていった。
それでもご主人様の快楽は続く。ゴツンゴツンと響くアレを受け入れるしかなくなって、止まらなくなって、止める気もなくなって。
「……もっとだ、……もっとほしがれ」
「……やッ……ア!……イクぅ!また!」
ユラユラと揺れる体とあやふやな意識のはざまで、この人の存在を刻みつけた。
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