110 / 142
106 魔獣がいる森 へ出発
しおりを挟む
魔獣がいる森に行く日の朝方、まだ暗い時間…
今日は、私達だけではなく、ザック様とパールも一緒に行くことになった。
「本当に仕事は休んで大丈夫でしたの?」
「もちろん。何回も言うけど、いくら魔力が強いと言っても、実践はないに等しいんだし、ひとりでは心配だから。……公爵は何故、許可を出したんだろう?」
「うーん…ルーフとアルがいるし、私なら大丈夫と言っていたけど…。もしかしたら、こうなる事が分かっていたのかもしれないですわね。」
そう。
私がザック様に話して、ザック様とパールも行くことになると分かっていたのかも。
「おい。まだか?」
ルーフが焦れったそうに口を開く。
「ごめんなさい。行きましょうか。」
「そうだな。行こうか。」
「「アイザック殿下、サリーナ様、いってらっしゃいませ。」」
私達は、ロンドとメルに見送られ、スウィーティー家の裏庭から飛び立った。
「ザック様、飛ぶのが上手くなられましたね。」
「やっと最近、コツを掴めたんだ。」
「夜空のお散歩ができそうですね。」
「それは、お誘いと受け取って良いんだね?」
「はい。デートしましょうね。」
サリーナは、アイザックへにっこり笑いかけた。
「…リーナ。」
「はい?」
「…いや…うん…魔獣に会えるといいな…。」
「はい。私より、ルーフですけれどね。戦うのを楽しみにしているようです。」
ルーフは尻尾を振っている。
「…そうだな。」
「?」
何か、ザック様の反応が…。
私、またおかしな事言った!?
「パールも楽しみにしていた。」
「え?…あ、はい。私の方にも伝わってきていました。」
普通?気のせいだったかしら…。
「パールも戦ってみたいのよね?」
「貴方達…、こっちに話を振る前に何かないの?」
「…」
「?」
なんの事?
ザック様は、何か心当たりがありそうだけど、何も言わない。
「はぁ…、もう良いわ。」
パールは呆れたように溜息をついた。
「私も力比べは気になるの。まぁ、強いのは分かっているけれどね。」
パールは気取ったように、顎を上げ胸を張って飛んでいる。
「僕も、僕も~!」
アルは、皆の周りをくるくる回る。
「クスクスッ…そうね、アルも楽しみにしていたわね。」
「うん!ピクニックみたいだし、ワクワクする!」
「目的が少しズレている気がするけれど…。私も、皆でお出かけは楽しくてワクワクするわ。」
遠足みたいで、楽しみで笑顔が止まらない。
「ふっ、それは良かった。」
ザック様も笑顔になっている。
あ…手を繋ぎたい。
いや…抱きつきたい?
サリーナは、アイザックの笑顔を見て、そんな衝動にかられた。
「リーナ、どうした?」
「いえ…あ…今は飛んでいますのでやめておきます。」
「何を?」
「まだ、魔獣のいる場所は着きませんかねぇ~?」
「リーナは、誤魔化すのが下手だね。」
「ザック様には言われたくありませんよ。」
「……俺も分かりやすかった?」
「何かは分かりませんが、反応が少し不自然でした。」
「ん…あとで話そう。今は魔力操作が乱れると命に関わるから。」
魔力操作が乱れる事なの?
サリーナは、飛びながら手を繋いだり、抱きついたりする事を考えてみる。
………うん、落ちるかも。
「分かりました。」
そこから、私達は会話少なく、目的地に向かった。
今日は、私達だけではなく、ザック様とパールも一緒に行くことになった。
「本当に仕事は休んで大丈夫でしたの?」
「もちろん。何回も言うけど、いくら魔力が強いと言っても、実践はないに等しいんだし、ひとりでは心配だから。……公爵は何故、許可を出したんだろう?」
「うーん…ルーフとアルがいるし、私なら大丈夫と言っていたけど…。もしかしたら、こうなる事が分かっていたのかもしれないですわね。」
そう。
私がザック様に話して、ザック様とパールも行くことになると分かっていたのかも。
「おい。まだか?」
ルーフが焦れったそうに口を開く。
「ごめんなさい。行きましょうか。」
「そうだな。行こうか。」
「「アイザック殿下、サリーナ様、いってらっしゃいませ。」」
私達は、ロンドとメルに見送られ、スウィーティー家の裏庭から飛び立った。
「ザック様、飛ぶのが上手くなられましたね。」
「やっと最近、コツを掴めたんだ。」
「夜空のお散歩ができそうですね。」
「それは、お誘いと受け取って良いんだね?」
「はい。デートしましょうね。」
サリーナは、アイザックへにっこり笑いかけた。
「…リーナ。」
「はい?」
「…いや…うん…魔獣に会えるといいな…。」
「はい。私より、ルーフですけれどね。戦うのを楽しみにしているようです。」
ルーフは尻尾を振っている。
「…そうだな。」
「?」
何か、ザック様の反応が…。
私、またおかしな事言った!?
「パールも楽しみにしていた。」
「え?…あ、はい。私の方にも伝わってきていました。」
普通?気のせいだったかしら…。
「パールも戦ってみたいのよね?」
「貴方達…、こっちに話を振る前に何かないの?」
「…」
「?」
なんの事?
ザック様は、何か心当たりがありそうだけど、何も言わない。
「はぁ…、もう良いわ。」
パールは呆れたように溜息をついた。
「私も力比べは気になるの。まぁ、強いのは分かっているけれどね。」
パールは気取ったように、顎を上げ胸を張って飛んでいる。
「僕も、僕も~!」
アルは、皆の周りをくるくる回る。
「クスクスッ…そうね、アルも楽しみにしていたわね。」
「うん!ピクニックみたいだし、ワクワクする!」
「目的が少しズレている気がするけれど…。私も、皆でお出かけは楽しくてワクワクするわ。」
遠足みたいで、楽しみで笑顔が止まらない。
「ふっ、それは良かった。」
ザック様も笑顔になっている。
あ…手を繋ぎたい。
いや…抱きつきたい?
サリーナは、アイザックの笑顔を見て、そんな衝動にかられた。
「リーナ、どうした?」
「いえ…あ…今は飛んでいますのでやめておきます。」
「何を?」
「まだ、魔獣のいる場所は着きませんかねぇ~?」
「リーナは、誤魔化すのが下手だね。」
「ザック様には言われたくありませんよ。」
「……俺も分かりやすかった?」
「何かは分かりませんが、反応が少し不自然でした。」
「ん…あとで話そう。今は魔力操作が乱れると命に関わるから。」
魔力操作が乱れる事なの?
サリーナは、飛びながら手を繋いだり、抱きついたりする事を考えてみる。
………うん、落ちるかも。
「分かりました。」
そこから、私達は会話少なく、目的地に向かった。
225
あなたにおすすめの小説
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~
けろ
ファンタジー
【完結済み】
仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!?
過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。
救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。
しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。
記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。
偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。
彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。
「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」
強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。
「菌?感染症?何の話だ?」
滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級!
しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。
規格外の弟子と、人外の師匠。
二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。
これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる