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31 ストレス
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結局、見えなくなるまで、馬車を見送ってしまった…。
「サリーナ様、家へ入りましょう。」
ロンドに声をかけられる。
「そうね。」
「お着替え手伝います。」
「メル、ありがとう。」
私室へ入ると、パールが近づいてきた。
「今、王子様の魔力が感じられたけど、来てたの?」
「ええ。兄様達と帰りの時間が合わなかったから、送ってくださったのよ。」
「ふたりきりで、送ってもらったの?うちの馬車で先に帰って来れるのに。」
「でも、家と学校の往復を何度もすると、馬たちが疲れてしまうでしょ?だからよ。」
「何頭もいるんだから、変えてまた行けばいいじゃない。」
「…あ。」
「思いつかなかったの?」
「うん。…メル、兄様達が帰りの時間が合わない時は、どうしているか分かる?」
「…パトリック様か、ダリオン様のどちらかが待って一緒に帰るか、パール様の言うように馬を交換するか、ですね。」
私は頭を抱えた。
「はぁ…。何で思いつかなかったんだろう。」
「何をそんなに落ち込んでるんだ?」
ソファで伏せながら、ルーフが質問する。
「この世界では婚約者や恋人ではない男女が、ふたりでいる事を良しとしないのよ。」
「ふ~ん。それを分かってて乗ったのか?」
「アイザック様に言われて、『確かに』と思ってしまって…。」
サリーナは項垂れた。
「王子がどうのより、リーナが王子といたかったからじゃないの?」
「そうなの?」
「私に聞かないでよ。」
「パール…。今日はツンの日なのね…。」
「なにそれ?」
「はぁ…。」
サリーナは溜息をついた。
私、自分が分からない…。
私が、アイザック様といたかった?
私の中身は20代、アイザック様は12歳、どう考えても犯罪の匂いがする。
でも、実際の私は7歳。
もう!頭の中ゴチャゴチャ!
……なくなった記憶が戻れば、この感じ変わるかな?
「サリーナ様。深く考えずとも、良いのではないですか?」
「メル…。」
「サリーナ様が感じたまま、したい事をされても良いと思いますよ。今日はアイザック殿下に送ってもらっただけ。それで良いではないですか。」
穏やかなメルの声。
なんだろう。泣きたくないのに、泣けてくる…。
「サリーナ様!?」
「「リーナ。」」
メルは驚き、パールは顔を覗き込み、ルーフ急いでサリーナへ近づく。
そっか…自覚は無かったけど私、この世界の記憶が無いことでストレスを感じてたんだ。
記憶がないから勘違いしていたけど、中身が大人って違う…。前世の記憶があるだけの子供。
「私、7歳なんだ…。」
「そうですよ?」
メルは、私の涙を拭いてくれた。
パールとルーフも手や顔を舐めてくれる。
「何か、スッキリした。ありがとう。」
サリーナは、ひとりと2匹に笑顔を見せた。
「それは良かったわね。」
「なんだか分からんが、リーナが笑ってくれればそれで良い。」
ルーフとパールは安心したのか、それぞれソファとベットに行き、寝転んだ。
「あれ?アルは?」
「アル様は、まだですよ。」
「どこにいるのかしら?」
“アル~、どこ~?”
返事がない。
「アル?」
「サリーナ様、家へ入りましょう。」
ロンドに声をかけられる。
「そうね。」
「お着替え手伝います。」
「メル、ありがとう。」
私室へ入ると、パールが近づいてきた。
「今、王子様の魔力が感じられたけど、来てたの?」
「ええ。兄様達と帰りの時間が合わなかったから、送ってくださったのよ。」
「ふたりきりで、送ってもらったの?うちの馬車で先に帰って来れるのに。」
「でも、家と学校の往復を何度もすると、馬たちが疲れてしまうでしょ?だからよ。」
「何頭もいるんだから、変えてまた行けばいいじゃない。」
「…あ。」
「思いつかなかったの?」
「うん。…メル、兄様達が帰りの時間が合わない時は、どうしているか分かる?」
「…パトリック様か、ダリオン様のどちらかが待って一緒に帰るか、パール様の言うように馬を交換するか、ですね。」
私は頭を抱えた。
「はぁ…。何で思いつかなかったんだろう。」
「何をそんなに落ち込んでるんだ?」
ソファで伏せながら、ルーフが質問する。
「この世界では婚約者や恋人ではない男女が、ふたりでいる事を良しとしないのよ。」
「ふ~ん。それを分かってて乗ったのか?」
「アイザック様に言われて、『確かに』と思ってしまって…。」
サリーナは項垂れた。
「王子がどうのより、リーナが王子といたかったからじゃないの?」
「そうなの?」
「私に聞かないでよ。」
「パール…。今日はツンの日なのね…。」
「なにそれ?」
「はぁ…。」
サリーナは溜息をついた。
私、自分が分からない…。
私が、アイザック様といたかった?
私の中身は20代、アイザック様は12歳、どう考えても犯罪の匂いがする。
でも、実際の私は7歳。
もう!頭の中ゴチャゴチャ!
……なくなった記憶が戻れば、この感じ変わるかな?
「サリーナ様。深く考えずとも、良いのではないですか?」
「メル…。」
「サリーナ様が感じたまま、したい事をされても良いと思いますよ。今日はアイザック殿下に送ってもらっただけ。それで良いではないですか。」
穏やかなメルの声。
なんだろう。泣きたくないのに、泣けてくる…。
「サリーナ様!?」
「「リーナ。」」
メルは驚き、パールは顔を覗き込み、ルーフ急いでサリーナへ近づく。
そっか…自覚は無かったけど私、この世界の記憶が無いことでストレスを感じてたんだ。
記憶がないから勘違いしていたけど、中身が大人って違う…。前世の記憶があるだけの子供。
「私、7歳なんだ…。」
「そうですよ?」
メルは、私の涙を拭いてくれた。
パールとルーフも手や顔を舐めてくれる。
「何か、スッキリした。ありがとう。」
サリーナは、ひとりと2匹に笑顔を見せた。
「それは良かったわね。」
「なんだか分からんが、リーナが笑ってくれればそれで良い。」
ルーフとパールは安心したのか、それぞれソファとベットに行き、寝転んだ。
「あれ?アルは?」
「アル様は、まだですよ。」
「どこにいるのかしら?」
“アル~、どこ~?”
返事がない。
「アル?」
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