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喝采せよ!
しおりを挟む「素晴らしい! 最高じゃないか!」
一人の男が通りの真ん中で叫ぶ。
「これほどの物は見たこともない! 素晴らしい! 素晴らしいそ!」
一冊の本を抱き、転げまわる。
「この主人公の青臭さはどうだ! まさに青春! 保身という言葉さえ知らない時代錯誤の大馬鹿野郎ではないか!」
ぐりんと回転する力を利用して、男は立ち上がり、本をその手に掲げる。
「ましてやヒロインの健気さはどうだ! 小動物のように警戒しながらも、いざと言う時には己の身を捨ててでも友を助けようとする強い意志を!」
男は両手を広げ、天を仰ぐ。
「この素晴らしい本に出会えた! 今日こそが人生最良の日である!」
男は恍惚とした表情で、そう叫んだ。
職業、殺し屋。
そう、彼の使う技は、褒め殺し。
凄腕の彼の依頼達成率は、実に300%を超える。売り上げ3倍の超三流の殺し屋である。なお、寡聞にして、作者が死亡したという話は聞かない。
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