井戸端会議所

アパートの一階で、隣同士に住んでいる仁志と仁美。二人はアパートの専用庭に出て、柵越しに座り、ただ何の変哲もない会話をするだけという、「井戸端会議」と呼称する交流を、幼い頃からずっと続けていた。幼馴染で親密な関係を築いていくうちに、仁志は段々と仁美を意識するようになる。そんな関係性が続く中、ある日の夜。いつも通りに井戸端会議をしていると、仁美が仁志に対して、こう言ったのだった。
「ねぇ、今から外に出れる?」
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