醜いトロールの子2

メタボ戦士

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8話 ギルド

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〈ドス···ドス····ドスドス········〉

 ·······綺麗な街並みだな。

 住んでいたところと同じくらい良いところだ。

 おっ·····ギルドが見えて来た。

 ギルドの建物に入るのも昔····父さん達の忘れ物を届けに行った以来か····

 あれから8年経っているから今はどうなってるのかな·····楽しみだな。
 
〈ガチャ〉

受付 「いらっしゃい·······ボン君?」

サイモン 「違いますけど?僕はサイです。」

 ········サイモン·ケイオスという名前は使えないからってサイは安直かな、まぁいいや。

受付 「ごめんなさい。約16年前に消えた冒険者と匂いが同じだったから間違ってしまったわ。」

サイモン 「そうですか。」

 ·······『ボン』って確か·····母さんが冒険者のときのあだ名だったな······

 偽名を考えるのが面倒くさくて名乗らなかったら、勝手についたって昔言ってたっけw

受付 「サイ君、今日は何しに来たの?」  

サイモン 「冒険者登録に来ました。」

受付 「そう。〈ゴトッ〉じゃあこの水晶に手をかざしして」

サイモン 「試験じゃないんですか?」

受付 「試験方式は5年前に撤廃されて今はこの水晶で調べるだけになったわ。」

サイモン 「そうなんですか。」

 ······母さんみたいに受けたかったな。

受付 「手をかざしたらあなたの冒険者ランクが出るからやってみて。」

サイモン 「はい········いつ出ますか?」

受付 「もう少し·······出た。Cランク!?」

サイモン 「レベル的にどうですか?」

受付 「凄いわ!あなた誰かの2世とか何か?」

サイモン 「違いますけど。」

 ······『父親がA級だから』なんて言えるわけがない。

受付 「そう·····それならより凄いわね·····チュッ···チュパ」

サイモン 「ちょっ····手首に何してるんですか!」

受付 「予約♡私·····婚期逃してるから優秀そうな人にはこうやってキスするの。」

サイモン 「そうですか····」

 ·······この人母さんの話だと昔は面倒見の良い女性だったのに変わったな。

受付 「ホントは鎖骨とか口にしたいけどあなた背が高いから手首にしたわ。」

サイモン 「そうですか·····」  

 ·······変身魔法で身長高くして助かった。
 
 やっぱ大は小を兼ねるな。

受付 「で·····話は変わるけど初めての依頼は受ける?」

サイ 「簡単そうなやつを1つ。」

受付 「そう····それならここで出来る依頼何だけど回復薬作りなんてどうかしら。」

サイ 「じゃあそれで。」

受付 「わかったわ。じゃあこっちの部屋でやるからついて来て」

サイ 「はい。」

〈ガチャ〉

受付 「ここよ。」  

サイ 「薬草だらけですね。」

受付 「1000個分の回復薬用だからね。」

サイ 「1000!」

受付 「報酬が中金貨5枚でおいしい依頼なんだけど、地味でハードだから誰もやりたがらないのよね。」  

サイ 「1000ですしね。」

受付 「嫌ならやめる?」

サイ 「やります。」

受付 「そう·····終わったらそこのベルで呼んでね。」

サイ 「はい。」

〈ガチャ〉

 ······よしやるか。
 
 説明書だとふむふむ······この薬草Aとこの薬草Bをかけ合わせるだけ簡単じゃん。

 でもより簡単にするために裏技使おう。


 しばらくして。

〈チンッ〉

〈ガチャ〉

受付 「もう終わったの?」

サイモン 「きっちり1000個製造しました。」

受付 「最短よ。どうやったの?」

サイモン 「秘密です。」

 ······1個作ったらあとは魔法で複製したなんて言えるわけがない。

受付 「まぁお疲れ。魔力回復薬よ、飲んで〈ソッ〉」

サイモン 「ありがとうございます····〈ソックルッ〉ゴクゴク·········」

受付 「良い飲みっぷりね。惚れ惚れしちゃう。」 

サイモン 「はぁ······」

 ·······キモいな·······あれ······頭が·····

〈バタッ〉

サイモン 「········zzz」
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