36 / 38
磁石
しおりを挟む
「ツバサ、同世代の同性とは1m間隔を空けるのよ。」
「わかってる。行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
······はぁ面倒くさい世の中だ。
西暦✖✖✖✖年。
急激に少子高齢化が進み人口が逆ピラミッド型になっていた。
それを出来るだけ元のピラミッド型に戻すために政府はとあるウイルスを開発した。
それは『磁石ウイルス』という1m以内に恋愛対象年齢の異性がいると密着したくなるウイルスだ。
そのウイルスを利用して若い男女にパコパコ子作りをしてもらって、少子高齢化を防ごうという取り組みだった。
しかしそれはウイルスをばら撒いてからしばらくして失敗したことに気づく。
その失敗とは密着したくなる相手が異性ではなく同性という点だ。
そのことが発覚してから政府は『磁石ウイルス』を全て回収しようとしたが、時すでに遅しで世界中に蔓延して不可能になった。
その後『磁石ウイルス』を推進した政府はトップを含めて総辞職した。
新しい政府になってからは同性恋愛を出来るだけ防ぐために同性同士は1m以内に近づいてはいけないという『同性近距離禁止法』が可決された。
そして現在に至る。
〈ガタンゴトン····ガタンゴトン·····〉
······今日は早く出たから電車に乗れるかな。
〈プシュ·····〉
········よしよし空いてる。
乗ろう。
しばらくして。
〈ガタンゴトン····ガタンゴトン·····〉
·······同性とは1m空いてるけど、逆に女性とは近いから緊張する。
〈スッ····サワサワ〉
········えっ·····誰?尻を触られている。
怖い怖い·····
「イケメン君、抵抗しないのねwもしかしてマゾ?」
「············」
·······この声はオバハン。
最近中年の男女が若者に痴漢するという事件が多発しているけど、まさか自分も標的にされるとは·····
「無言ってことはそうなのね可愛い♡食べちゃいたい····ペロッ」
「ヒィ·······」
·······怖い····尻をズボン越しに舐められた。
誰か助けて。
〈ガシッ〉
「痛たた······何よアンタ。」
「こっちの台詞だよおばさん。若者に痴漢なんてみっともないと思わないの?」
「うるさいわね。今の若い子はみんなヤリチンでビッチなんだから少しぐらいいいじゃない。」
「犯罪だから駄目に決まっているだろ····次の駅で降りるよ。お兄さんも一緒に降りてもらっていいですか?」
「はい。」
······制服を着ているってことは高校生か。
大学生の自分より年下なのに大人びているな、格好良い。
数分後。
「嫌よ、逮捕されたくない。」
「犯罪をしたんだから諦めなよ。この人をお願いします。」
「「痴漢常習犯の逮捕にご協力ありがとうございます。では·····」」
「嫌ぁ~~~」
〈ガチャン〉
「ふぅ~終わった。」
「あの····」
「何ですか?お兄さん。」
「さっきは痴漢から助けてくれてありがとう。凄い格好良かったよ。」
「どういたしまして✦」
〈フラッ〉
······あれ?気が抜け·····
「おおっと·····大丈····〈ドキン〉」
「はい····大丈····〈ドキン〉」
「あっすみません、同性は1m離れないといけないのに。」
「いぇ····ふらついた僕を支えてくれてありがとう。2度も助けられたからお礼がしたいんだけど。」
「じゃあ俺と付き合ってください。」
「いいけど僕でいいの?」
「見た瞬間ビビッときたのであなたがいい····いやアンタじゃなきゃ嫌だ。駄目か?」
「いい····♡不束者ですがよろしくお願いします。」
〈ギュッ〉
終わり
「わかってる。行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
······はぁ面倒くさい世の中だ。
西暦✖✖✖✖年。
急激に少子高齢化が進み人口が逆ピラミッド型になっていた。
それを出来るだけ元のピラミッド型に戻すために政府はとあるウイルスを開発した。
それは『磁石ウイルス』という1m以内に恋愛対象年齢の異性がいると密着したくなるウイルスだ。
そのウイルスを利用して若い男女にパコパコ子作りをしてもらって、少子高齢化を防ごうという取り組みだった。
しかしそれはウイルスをばら撒いてからしばらくして失敗したことに気づく。
その失敗とは密着したくなる相手が異性ではなく同性という点だ。
そのことが発覚してから政府は『磁石ウイルス』を全て回収しようとしたが、時すでに遅しで世界中に蔓延して不可能になった。
その後『磁石ウイルス』を推進した政府はトップを含めて総辞職した。
新しい政府になってからは同性恋愛を出来るだけ防ぐために同性同士は1m以内に近づいてはいけないという『同性近距離禁止法』が可決された。
そして現在に至る。
〈ガタンゴトン····ガタンゴトン·····〉
······今日は早く出たから電車に乗れるかな。
〈プシュ·····〉
········よしよし空いてる。
乗ろう。
しばらくして。
〈ガタンゴトン····ガタンゴトン·····〉
·······同性とは1m空いてるけど、逆に女性とは近いから緊張する。
〈スッ····サワサワ〉
········えっ·····誰?尻を触られている。
怖い怖い·····
「イケメン君、抵抗しないのねwもしかしてマゾ?」
「············」
·······この声はオバハン。
最近中年の男女が若者に痴漢するという事件が多発しているけど、まさか自分も標的にされるとは·····
「無言ってことはそうなのね可愛い♡食べちゃいたい····ペロッ」
「ヒィ·······」
·······怖い····尻をズボン越しに舐められた。
誰か助けて。
〈ガシッ〉
「痛たた······何よアンタ。」
「こっちの台詞だよおばさん。若者に痴漢なんてみっともないと思わないの?」
「うるさいわね。今の若い子はみんなヤリチンでビッチなんだから少しぐらいいいじゃない。」
「犯罪だから駄目に決まっているだろ····次の駅で降りるよ。お兄さんも一緒に降りてもらっていいですか?」
「はい。」
······制服を着ているってことは高校生か。
大学生の自分より年下なのに大人びているな、格好良い。
数分後。
「嫌よ、逮捕されたくない。」
「犯罪をしたんだから諦めなよ。この人をお願いします。」
「「痴漢常習犯の逮捕にご協力ありがとうございます。では·····」」
「嫌ぁ~~~」
〈ガチャン〉
「ふぅ~終わった。」
「あの····」
「何ですか?お兄さん。」
「さっきは痴漢から助けてくれてありがとう。凄い格好良かったよ。」
「どういたしまして✦」
〈フラッ〉
······あれ?気が抜け·····
「おおっと·····大丈····〈ドキン〉」
「はい····大丈····〈ドキン〉」
「あっすみません、同性は1m離れないといけないのに。」
「いぇ····ふらついた僕を支えてくれてありがとう。2度も助けられたからお礼がしたいんだけど。」
「じゃあ俺と付き合ってください。」
「いいけど僕でいいの?」
「見た瞬間ビビッときたのであなたがいい····いやアンタじゃなきゃ嫌だ。駄目か?」
「いい····♡不束者ですがよろしくお願いします。」
〈ギュッ〉
終わり
10
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる