異世界大家族〜お母さんは大変です

第134話 ハイカロリー

7つ子　「行ってきます」

ナーダ&ケイ　「行ってらっしゃい～♪」

ナーダ　「さてと····ケイは魔法で移動するから時間に余裕があるんだっけ？」

ケイ　「まぁね。」

ナーダ　「それならさぁ～お願いがあるんだけど····」

ケイ　「何？ナーダのためなら何でもするよ。」

ナーダ　「じゃあ私に魔法で移動する方法を教えて？」

ケイ　「ナーダって出来なかったの？」

ナーダ　「短距離の瞬間移動は出来るんだけど長距離は出来ないのよね。」

ケイ　「そうなんだ。でも長距離は魔力を大量に消費するからギルドの依頼を受けに行くときとかはたぶん使えないよ。」

ナーダ　「それでもいいの。普通の買い物に行くときに使うから。」

ケイ　「わかったじゃあ教えるね。」

ナーダ　「お手柔らかにね。」

ケイ　「任せて。じゃあまずは感覚を掴むために何箇所か移動するから僕の手を握ってて」

ナーダ　「わかった〈ﾆｷﾞｯ〉」

ケイ　「ナーダの手はいつ触れてもしっとり柔らかくて気持ちいいね。」

ナーダ　「手の感想はいいから早く移動して。」

ケイ　「はいはい·····」

〈シュッ·······〉


〈シュッタ〉

ケイ　「突然ですが問題です。ここはどこでしょう？」

ナーダ　「ここは····ケイの実家ね。1回ご挨拶に伺ったわ。」

ケイ　「正解！1回だけなのによく覚えていたね？」

ナーダ　「あんな美男美女家族はそうそうないから忘れないわよ。」

ケイ　「そっか····まぁ僕にとっては普通の家族だけど。」

ナーダ　「普通のレベルが····まぁいいわ次行きましょう。」

ケイ　「挨拶はいいの？」

ナーダ　「こんな朝にご挨拶は迷惑になるから今度にするわ。」

？　「そんなに気を使わないでいいのよナーダさん。」

ナーダ　「お義母様」

ケイ　「母さん、早いね。」

ケイ母　「物音が聞こえたから『何だ』と思って瞬間移動したけど、まさかあなた達とはね。」

ナーダ　「朝から申し訳ありません。」

ケイ母　「全然いいわよ。丁度結婚式の話をしたかったし。」

ケイ　「母さん、『結婚式はやらない』って挨拶のときに言ったのに聞いてなかったの？」

ケイ母　「だって····初婚の愛息子のタキシード姿をみてみたいのよ。そんな母の切なる願いをあなた達は叶えてくれないの？」

ケイ　「兄さんのは見たんだから別にいいじゃないか。」

ケイ母　「ガイのは確かに見たけど、マッチョ過ぎて嫌だったわ。だからケイ達ので、ちゃんとした結婚式を見せてちょうだい。」

ケイ　「どうするナーダ？母さん全然引く気ないよ。」

ナーダ　「う～ん正直四捨五入したら三十路になるような私がウエディングドレスなんて着たくないんだよね。」

ケイ　「そうか····」

ナーダ　「でもお義母様の願いを叶えさせてあげたいのよね···」

ケイ母　「ナーダさん···」

ナーダ　「だから人肌脱いでやっぱり結婚式をしようと思うんだけどいいかなケイ？」

ケイ　「ナーダがいいならいいよ。僕も実はナーダのウエディングドレス姿は見たかったし。」

ナーダ　「そうなのね。」

ケイ母　「何だ～ケイも同じじゃない。」

ケイ　「少し違うよ。僕の場合はナーダのドレス姿が見れたら結婚式なんてどうでもいいんだから。」

ケイ母　「あっそ、まぁいいわ。それより結婚式はいつ頃するつもり？」

ケイ　「そうだな····今すぐは無理だから決まったら決まったら連絡するね。」

ケイ母　「わかったわ。」

ケイ　「じゃあ仕事に行かないとだから帰るね。」

ケイ母　「うん。次は孫のユイットちゃんも連れて来てね。」

ケイ　「了解、じゃあね」

ナーダ　「次はちゃんとした格好で伺います。」

ケイ母　「待ってるわ。」

〈シュンッ〉


〈シュッタ〉

ケイ　「家に到着。」

ナーダ　「ケイ、嵌めたわね。」

ケイ　「何が？」

ナーダ　「ケイの実家に移動したことよ。」

ケイ　「まぁいいじゃん。それより次は何処に行く？」

ナーダ　「今日はもういいわ、ハイカロリーなことがあったし。」

ケイ　「そう？残念。」

ナーダ　「それよりそろそろ仕事に行った方がいいんじゃない？ 」

ケイ　「そうだね、じゃあ行ってきます。」

ナーダ　「行ってらっしゃい～帰って来た後····お仕置きね♡」

ケイ　「え？うん。〈シュンッ〉」

　·····はぁ····結婚式か····嫌だな。

　まぁしょうがない、気持ちを切り替えて今日も１日頑張ろう。