異世界大家族〜お母さんは大変です

メタボ戦士

文字の大きさ
上 下
100 / 247

第100話 1日大忙し③

しおりを挟む
 ·····何も聞こえないし、何も見えない。
 そんな真っ暗闇にいる。

 私、さっきまで何していたっけ?
 忘れた、まぁいいや。
 何も考えないでここにいよう、なんか楽だし。

『··················』

 ·····あれ?音がしないはずなのに何か聞こえる気がする。

『ナーダ』

 ······あれ?微かに誰かが私を呼んでいる。
 でも誰だろわからない。

『ナーダ···ナーダ·····』

 ······聞き覚えのある·····あっ!ディエスだ。
 あれ?何かいつもと違って怒った表情だ。
 何でだろう·····


ナーダ 『ディエスどうしたの?』

ディエス 『ナーダ·····なんて馬鹿なことを····〈ギュッ〉』

ナーダ 『あれ?何でディエスは死んでいるはずなのに私のことを抱き締められるの?』

ディエス 『今、君は魂だけの状態だからさ。』

ナーダ 『えっ何で?』

ディエス 『それはナーダが再婚相手のケイさんの体液を過剰摂取したからだよ。」

ナーダ 『どうしてそれだけでこんなことになるの?』

ディエス 『ケイさんの保有魔力量が桁違いに多いから、ケイさんの高濃度の魔力を含む体液を過剰摂取したらナーダでも毒になる。だからナーダの身体はケイさんの魔力に耐えられなくて身体から魂が抜けて今の状態になったわけ。』

ナーダ 『そうだったのね。』

ディエス 『だから中出しは必要以上にしちゃ駄目だよ。フェラも飲み過ぎ注意だからね。』

ナーダ 『うん。ディエス、教えてくれてありがとう。』

ディエス 『どういたしまして。』

ナーダ 『あのさ····ディエス』

ディエス 『何ナーダ?』

ナーダ 『久しぶりにヤらない?〈プニプニ〉せっかく体に触れ合えるから。〈サワサワ〉』

ディエス 『んぅ····ごめん、それは無理だ。』

ナーダ 『どうして?』

ディエス 『あの世のルールで生きている人とはしてはいけないんだ。した場合、重い罰が下る。』

ナーダ 『それは?』

ディエス 『死んだ後、親類縁者が全員善人でも地獄に堕ちることになる。』

ナーダ 『そうだったのね。ごめんなさいあなたの気持ちを考えないで軽はずみなことを言って。』

ディエス 『いいよ、ナーダに久しぶり誘われて嬉しかったから。生まれ変わって、もう1度出逢えたらヤろう。』

ナーダ 『·····うん。』

ディエス 『それより話は変わるけど、ナーダの魂を元の体に戻さないと。』

ナーダ 『どうすればいいの?』

ディエス 『今、ナーダはあの世とこの世の狭間にいる。だからこの世の方に向かえば帰れる。』

ナーダ 『どうやって?』

ディエス 『徒歩だね。』

ナーダ 『本当に?』

ディエス 『冗談♪この世行きの列車が通るからそれに乗って。』

ナーダ 『このタイミングで冗談って···まぁいいや。あのさ·····ディエス。」
 
ディエス 「何?」

ナーダ 「列車が来るまで抱き締めてていい?』

ディエス 『いいよ、おいで〈ギュッ〉』

ナーダ 『あ····久しぶりにディエスの体温を感じられて嬉しい····』

ディエス 『俺も············』

ナーダ 『このまま列車が来なければいいのにな······、そしたらあなたをずっと抱き締めたままでいられるのに。』

ディエス 『駄目だよ···子供達が君の帰りを待っている。』

ナーダ 『·····そうね』

 それからしばらく。

〈ザ·····ダッダッダン·····ダッダッダッダン····〉

ディエス 『来たね。』

ナーダ 『ディエス、最後にキスしていい?』

ディエス 『うん。』
 
ナーダ&ディエス 『·······································』

ディエス 『········さようならナーダ』

ナーダ 『········さようならディエス』

 列車の車窓からディエスの顔が消えるまで手を振り続けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

君を愛することは無いと言うのならさっさと離婚して頂けますか

砂礫レキ
恋愛
十九歳のマリアンは、かなり年上だが美男子のフェリクスに一目惚れをした。 そして公爵である父に頼み伯爵の彼と去年結婚したのだ。 しかし彼は妻を愛することは無いと毎日宣言し、マリアンは泣きながら暮らしていた。 ある日転んだことが切っ掛けでマリアンは自分が二十五歳の日本人女性だった記憶を取り戻す。 そして三十歳になるフェリクスが今まで独身だったことも含め、彼を地雷男だと認識した。 「君を愛することはない」「いちいち言わなくて結構ですよ、それより離婚して頂けます?」 別人のように冷たくなった新妻にフェリクスは呆然とする。別人のように冷たくなった新妻にフェリクスは呆然とする。 そして離婚について動くマリアンに何故かフェリクスの弟のラウルが接近してきた。 

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

処理中です...