異世界大家族〜お母さんは大変です

メタボ戦士

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第7話 子供視点④

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7つ子 『お父さん行かないで····〈ギュッ〉』

父 『〈ナデナデ〉お前達ごめんな~依頼が終わったらすぐに帰って来るから。』

7つ子 『絶対だよ。』

父 「ああ····約束だ。お土産を持ってすぐに帰るよ。」

7つ子 『うん。』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はっ!夢か···」 

 ·····久しぶりにお父さんと最後に会話したときの夢を見たな····
 あれからお父さんが死んで1年経った。

 あのときお父さんが難易度の高い依頼に挑戦するのをもっと必死に止めていれば死んでいなかったのかもしれない····
 そんなタラレバをずっと考えている。

 それぐらいお父さんが大好きだった。

 優しくて面倒見が良くて太陽のようだったから····

 死んだとわかった直後は辛かった。

 7つ子の中で1番お父さんっ子だったからずっと泣いてた。

 そんな私の名前はフィーア·ヌーヴァ(7)、7つ子の次女。

 性格はおとなしい。

 クラスの人には『地味っ子』と呼ばれている。

 合っているので特に否定はしない。
 
ナーダ 「アンタ達朝食出来たわよぉー。早く降りて来なさーい。」

 ·····お母さんが呼んでいる。
 もうこれぐらいでお父さんのことを考えるのはやめよう。      
 
 他のきょうだいと一緒にダイニングに向かった。

 朝食を食べて身支度。

 今日は学校が休みだけど、月1のお父さんの墓参りの日だからみんなで墓地に行く。

フィーア 「ベック(私が乗るワイバーンの名前)、今日もよろしく。」

ベック 「ギャウギャーギュ」

 頑張ると言っている気がした。


〈ビュ·······バサ············バサ···········〉

 ·····到着。

〈フキフキ····〉〈サッサ·····〉

7つ子 「お母さん、墓周り綺麗にしたよ。」

ナーダ 「じゃあ花を供えるわね〈ソッ〉。じゃあ全員で手を合わせるわよ。」
 
7つ子 「うん。」

〈パチ·······〉
 
 ······お父さんの分まで私達、幸せになるよ。あの世で見守っててね

ナーダ 「お父さんに報告も出来たし、帰りましょう。」

7つ子 「うん。」


〈ビュー···バサ·····バサ···········〉

〈ガチャ〉

ナーダ 「もうお昼近いから昼食にしようか?」

7つ子 「うん。今日の昼食は?」

ナーダ 「朝に作っておいたミノタウロスシチューよ。」

7つ子 「お父さんの大好物じゃん。」

ナーダ 「そうね·····丁度1年だからなんとなく食べたくなったのよ。」

7つ子 「そっか····」

ナーダ 「〈パンッ〉この話は終わり。シチューを温め直すからダイニングで待ってて。」

7つ子 「は~い。」

 数分後。

ナーダ 「手を合わせて·········」

全員 「いただきます。パクッ······パクッ···········」

 ·······いつもよりしょっぱ····何でだろう。

 数十分後。

全員 「ご馳走様でした······」

 その後はいつも通りに過ごして夕方になった。

 夕食は昼食とは違う父さんの大好物だったシーサーペントの煮付けを食べた。

 昼と同じくしょっぱかった。

 食べ終わったら、歯磨きをして寝た。

 
 数時間後。

 真夜中。

 ······んっ····喉乾いたな·····水·····えっ!何でお父さんが枕元にいるの?

フィーア 「お父さん!」

父 「しぃ····フィーア、みんな起きちゃうから静かに·····」

フィーア 「ごめん、でもどうしてここにいるの?」

父 「ナーダと子供達が元気にしているか顔が見たくて、神様に少しだけお前達に逢えるように時間をいただいたんだ。」
 
フィーア 「そうだったんだ。お父さんに逢えて嬉しいな····」

父 「お父さんもだよ。あ···そろそろ終わりみたいだ〈シュ····〉」

フィーア 「早くない?」

父 「1日ずっとお前達の傍にいたし、こんなもんだよ。」

フィーア 「そっか····」

父 「まぁお前達が元気そうなところが見れただけでお父さんは満足だよ。さようならフィーア〈シュワ····〉」

フィーア 「さようならお父さん。」

 ······少しだけでもお父さんと話せて良かった。
 まだ暗いし寝よう···zzz

 数時間後

 ·······んっ朝か·······あれきょうだいがいない。
 みんな先にダイニングに行くなんて珍し。

〈ドタドタ·····〉

フィーア 「·····おはよう」

フィーア以外 「フィーアおはよう。フィーアも見た?」

フィーア 「何を?」

フィーア以外 「お父さんの夢だよ。ここにいる全員見たんだけどフィーアはどうか気になって。」
 
フィーア 「見たわよ。」

フィーア以外 「そっか····良かったね。」

フィーア 「まぁね〈ニヤニヤ〉」

 ·····プッ····本当は現実で逢えたけどねwでもみんなには教えない。
 この記憶は私だけの宝物だから。

 ふぅ·····今日はいい朝だな。
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