居酒屋店主の恋

メタボ戦士

文字の大きさ
上 下
6 / 13

第6話 痴話喧嘩

しおりを挟む
 ·····朝帰りはいつものことだが女性と帰って来るとは

「菊太郎、そこにいる人は誰?」

「彼女は夜明かしの店で知り合って仲良くなったお雪さんだ。」

「はじめまして雪と申します。菊太郎さんはただの呑み仲間ですのでご心配なく。」

「別に私は菊太郎の女房でも何でもないので気にしてませんけど。まぁ仲良くなったついでにお雪さんと住んだらいいんじゃないですか、菊太郎。」

「別に朝まで呑んでいただけだというのに追い出さなくてもいいではないか。男でも出来たのか?」

「そうではないですけど冷めたんですよ。女性を連れて朝帰りしているから。」

「だからお雪さんはただの呑み仲間だ、深い関係ではない。もしかして嫉妬でもしているのか。」

「別にそういうわけではないです。」

「そなた何でも隠しがちだな。昔、旦那がいたことを教えていなかったし。言いたいことがあれば隠さず言えばいいではないか。」

「旦那のことは聞かれなかったから言いませんでした。それに言いたいことは伝えてます。隠しているのは菊太郎じゃないですか。」

「何故?」

「素性を明かしていないではありませんか。」

「それは色々事情があるから。」 

「それでも少しぐらいは教えてほしかったです。もう1ヶ月は一緒にいるのだから。」

「それはすまぬ。」

「まぁおふたりさん落ち着いてじっくり話し合った方がいいと思いますよ。邪魔な私は帰ります。菊太郎さん、お菊さんさようなら。」

 お雪さんは逃げるようにその場から立ち去った。

 そんな様子を見て馬鹿らしくなった。

「まぁ今回はお互い悪かったということでこれで喧嘩はお終いにしますか。夜営業用の仕入れをしなければいけないですし。」

「そうだな。」


 その後朝餉を食べてから2人で仕入れに出掛けた。

 いつも通りのようでお互い目を合わせなかったり、少しよそよそしかった。

 そんな感じで仕入れを終わらせて私はお店で仕込みを始めた。
 店が始まるまでは菊太郎はすることがないので何処かへ出掛けて行った。

 それから時間が経過して夜営業前。

 菊太郎が戻って来た。

 そのとき手に何か持っていたので「手に持っているもの何ですか?」と聞いたら「まだ秘密だ。それよりそなた少し目を閉じてくれ。」と言われたので言う通りにしたら右手に何か持たされた。
 
「もう目を開けていいぞ。」と言われたので開けたら右手に菊模様の櫛があった。

「どうしてこんな高いものが?」

「今日賭博場で大金を儲けた。己のために大金を使うのも悪くないが、それよりもずっとそなたにお返しが出来なかったからこの機会にお礼を贈ろうと思い櫛を買ったまでだ。」

「ありがとうございます大事にしますね。」と着物の懐に入れた。

 そして店を開店した。
 たくさんお客さんが来たのでてんやわんやだった。
 しかし2人で力を合わせてどうにかなった。

 しばらくして材料が空になったからお店を閉めた。

 お店の片付けが終わったら家に帰った。

 
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

江戸の櫛

春想亭 桜木春緒
歴史・時代
奥村仁一郎は、殺された父の仇を討つこととなった。目指す仇は幼なじみの高野孝輔。孝輔の妻は、密かに想いを寄せていた静代だった。(舞台は架空の土地)短編。完結済。第8回歴史・時代小説大賞奨励賞。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ようこそ安蜜屋へ

歴史・時代
 妻に先立たれた半次郎は、ひょんなことから勘助と出会う。勘助は捨て子で、半次郎の家で暮らすようになった。  勘助は目があまり見えず、それが原因で捨てられたらしい。一方半次郎も栄養失調から舌の調子が悪く、飲食を生業としているのに廃業の危機に陥っていた。勘助が半次郎の舌に、半次郎が勘助の目になることで二人で一人の共同生活が始まる。

四本目の矢

南雲遊火
歴史・時代
戦国大名、毛利元就。 中国地方を統一し、後に「謀神」とさえ言われた彼は、 彼の時代としては珍しく、大変な愛妻家としての一面を持ち、 また、彼同様歴史に名を遺す、優秀な三人の息子たちがいた。 しかし。 これは、素直になれないお年頃の「四人目の息子たち」の物語。   ◆◇◆ ※:2020/06/12 一部キャラクターの呼び方、名乗り方を変更しました

習作 恨み屋蒔田雨露亮

井田いづ
歴史・時代
「その恨み、この爺に売れ」 江戸の町には、晴らせぬ恨みを募らせる人の目の前に現れる老人がいる。名を、蒔田雨露亮(まきた・うろすけ)──人の恨みを我がものとし、夜な夜な見も知らぬ人の仇を討つ『恨み屋』である。今宵もまた、新たな恨みを晴らしに老人は動く。 目には目を、歯には歯を、悪人には悪人を。 (不定期更新です。諸々の表現等の練習用。全体的にあまり温かくも明るくもスッキリな話でもないので、お気をつけください……)

華日録〜攫われ姫君の城内観察記〜

神崎みゆ
歴史・時代
時は江戸時代、 五代将軍徳川綱吉の治世。 江戸城のお膝元で、 南町奉行所の下っ端同心を父に持つ、 お転婆な町娘のおはな。 ある日、いきなり怪しげな 男たちに攫われてしまい、 次に目にしたのは、絢爛豪華な 江戸城大奥で…!? なんと、将軍の愛娘…鶴姫の 身代わりをすることに…! 仰天するおはなだったが、 せっかく江戸城にいるんだし…と 城内を観察することに! 鶴姫として暮らす江戸城内で おはなの目に映ったものとは…?

処理中です...