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第6話 痴話喧嘩
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·····朝帰りはいつものことだが女性と帰って来るとは
「菊太郎、そこにいる人は誰?」
「彼女は夜明かしの店で知り合って仲良くなったお雪さんだ。」
「はじめまして雪と申します。菊太郎さんはただの呑み仲間ですのでご心配なく。」
「別に私は菊太郎の女房でも何でもないので気にしてませんけど。まぁ仲良くなったついでにお雪さんと住んだらいいんじゃないですか、菊太郎。」
「別に朝まで呑んでいただけだというのに追い出さなくてもいいではないか。男でも出来たのか?」
「そうではないですけど冷めたんですよ。女性を連れて朝帰りしているから。」
「だからお雪さんはただの呑み仲間だ、深い関係ではない。もしかして嫉妬でもしているのか。」
「別にそういうわけではないです。」
「そなた何でも隠しがちだな。昔、旦那がいたことを教えていなかったし。言いたいことがあれば隠さず言えばいいではないか。」
「旦那のことは聞かれなかったから言いませんでした。それに言いたいことは伝えてます。隠しているのは菊太郎じゃないですか。」
「何故?」
「素性を明かしていないではありませんか。」
「それは色々事情があるから。」
「それでも少しぐらいは教えてほしかったです。もう1ヶ月は一緒にいるのだから。」
「それはすまぬ。」
「まぁおふたりさん落ち着いてじっくり話し合った方がいいと思いますよ。邪魔な私は帰ります。菊太郎さん、お菊さんさようなら。」
お雪さんは逃げるようにその場から立ち去った。
そんな様子を見て馬鹿らしくなった。
「まぁ今回はお互い悪かったということでこれで喧嘩はお終いにしますか。夜営業用の仕入れをしなければいけないですし。」
「そうだな。」
その後朝餉を食べてから2人で仕入れに出掛けた。
いつも通りのようでお互い目を合わせなかったり、少しよそよそしかった。
そんな感じで仕入れを終わらせて私はお店で仕込みを始めた。
店が始まるまでは菊太郎はすることがないので何処かへ出掛けて行った。
それから時間が経過して夜営業前。
菊太郎が戻って来た。
そのとき手に何か持っていたので「手に持っているもの何ですか?」と聞いたら「まだ秘密だ。それよりそなた少し目を閉じてくれ。」と言われたので言う通りにしたら右手に何か持たされた。
「もう目を開けていいぞ。」と言われたので開けたら右手に菊模様の櫛があった。
「どうしてこんな高いものが?」
「今日賭博場で大金を儲けた。己のために大金を使うのも悪くないが、それよりもずっとそなたにお返しが出来なかったからこの機会にお礼を贈ろうと思い櫛を買ったまでだ。」
「ありがとうございます大事にしますね。」と着物の懐に入れた。
そして店を開店した。
たくさんお客さんが来たのでてんやわんやだった。
しかし2人で力を合わせてどうにかなった。
しばらくして材料が空になったからお店を閉めた。
お店の片付けが終わったら家に帰った。
「菊太郎、そこにいる人は誰?」
「彼女は夜明かしの店で知り合って仲良くなったお雪さんだ。」
「はじめまして雪と申します。菊太郎さんはただの呑み仲間ですのでご心配なく。」
「別に私は菊太郎の女房でも何でもないので気にしてませんけど。まぁ仲良くなったついでにお雪さんと住んだらいいんじゃないですか、菊太郎。」
「別に朝まで呑んでいただけだというのに追い出さなくてもいいではないか。男でも出来たのか?」
「そうではないですけど冷めたんですよ。女性を連れて朝帰りしているから。」
「だからお雪さんはただの呑み仲間だ、深い関係ではない。もしかして嫉妬でもしているのか。」
「別にそういうわけではないです。」
「そなた何でも隠しがちだな。昔、旦那がいたことを教えていなかったし。言いたいことがあれば隠さず言えばいいではないか。」
「旦那のことは聞かれなかったから言いませんでした。それに言いたいことは伝えてます。隠しているのは菊太郎じゃないですか。」
「何故?」
「素性を明かしていないではありませんか。」
「それは色々事情があるから。」
「それでも少しぐらいは教えてほしかったです。もう1ヶ月は一緒にいるのだから。」
「それはすまぬ。」
「まぁおふたりさん落ち着いてじっくり話し合った方がいいと思いますよ。邪魔な私は帰ります。菊太郎さん、お菊さんさようなら。」
お雪さんは逃げるようにその場から立ち去った。
そんな様子を見て馬鹿らしくなった。
「まぁ今回はお互い悪かったということでこれで喧嘩はお終いにしますか。夜営業用の仕入れをしなければいけないですし。」
「そうだな。」
その後朝餉を食べてから2人で仕入れに出掛けた。
いつも通りのようでお互い目を合わせなかったり、少しよそよそしかった。
そんな感じで仕入れを終わらせて私はお店で仕込みを始めた。
店が始まるまでは菊太郎はすることがないので何処かへ出掛けて行った。
それから時間が経過して夜営業前。
菊太郎が戻って来た。
そのとき手に何か持っていたので「手に持っているもの何ですか?」と聞いたら「まだ秘密だ。それよりそなた少し目を閉じてくれ。」と言われたので言う通りにしたら右手に何か持たされた。
「もう目を開けていいぞ。」と言われたので開けたら右手に菊模様の櫛があった。
「どうしてこんな高いものが?」
「今日賭博場で大金を儲けた。己のために大金を使うのも悪くないが、それよりもずっとそなたにお返しが出来なかったからこの機会にお礼を贈ろうと思い櫛を買ったまでだ。」
「ありがとうございます大事にしますね。」と着物の懐に入れた。
そして店を開店した。
たくさんお客さんが来たのでてんやわんやだった。
しかし2人で力を合わせてどうにかなった。
しばらくして材料が空になったからお店を閉めた。
お店の片付けが終わったら家に帰った。
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