4 / 13
第4話 揉めごと
しおりを挟む
朝餉後は今日の夜営業の準備。
まずは仕入れ。
夜は早朝と客層が変わるので仕入れるものが変える。
何故なら夜は遊郭帰りが多く財布の紐が緩いので、高いものが早朝よりも売れるからだ。
早朝では売らない高い酒を夜は出す。
まぁそんな感じで仕入れのために菊太郎と出掛けた。
まずは青物市場で野菜をたくさん仕入れてそれを背負籠に入れて菊太郎に運んでもらった。
次は魚市場。
早朝営業のときは棒手振りで買うが夜営業は種類豊富な魚市場で仕入れ。
大きい魚を何種類か買って大きい桶に入れてそれを菊太郎に持ってもらった。
最後は行商から豆腐を仕入れた。
桶に入れて私が持った。
これで仕入れたかったものを仕入れることが出来たのでお店まで運んだ。
終わったら菊太郎に給金を払って「夜になったらまた戻って来て、それまでは自由時間。」と言って追い出した。
菊太郎は嬉しそうに何処かにいなくなった。
私は仕込みを始める前に昼餉をとった。
食べ終わったら仕込みを始めた。
しばらくして終わった。
終わった頃に菊太郎が帰って来た。
出掛ける前よりもボロボロになっていた。
「どうしたんですか?」
「いや····賭博しに行ったら負けて金を払いたくないと駄々こねたら、屈強な賭博の店で雇われている用心棒にタコ殴りにされた。強かったー。」
「いやいや····何やっているんですか。せっかく真っ当に働いた金をドブに捨てて。」
「賭博は男の夢だからしょうがないだろ。」
「本当駄目浪人ですね、性根が腐っている。」
「これでも反省しているから許してくれ、見捨てないでくれ。」
「わかりました、次は無いですよ。次やったら問答無用で追い出しますし、用心棒も終わりです。」
「わかった····」
「まぁ反省しているようだし、お店開ける前に夕餉を食べましょう。魚のあらと野菜の切れ端で作ったあら汁です。」
「美味しそう。」
「そりゃ新鮮な魚と野菜で作ってますから、まぁ食べましょう。」
「うむ。」
食べ終わり片付けたら店を開ける準備をした。
菊太郎にも手伝わせて準備完了。
夜営業を始めた。
お店にほろ酔いの客が来た。
「いっらっしゃいませ。」
「お嬢ちゃんおすすめは何?お嬢ちゃんかな····なんて」
「ご冗談をフフ····今日は良い豆腐や魚が仕入れることが出来たので湯豆腐、鮟鱇汁、タコの煮物、葱鮪汁、鮪の刺身がおすすめです。」
「じゃあおすすめの上酒と湯豆腐。」
「わかりました、少々お待ちください。」
人が増えて来たので接客は菊太郎に任せて料理に専念した。
しばらくしてお客さん同士で揉め始めた。
一旦料理の手を止めて事情を聞こうと現場に来た。
「どうかされましたか?」
「いや····お嬢ちゃん、俺が頼んだ上酒を隣のこいつが勝手に全部呑んだよ。それで怒ったらこいつが逆ギレして殴ってきたんだよ。」
「お前が先に俺のことを卑しい貧民と馬鹿にするからだろ。だから呑んでやったんだよ。」
「もう喧嘩はやめてください。」
「お嬢ちゃんには関係ないから引っ込んでな。」
「そうだこれは男同士のことなんだから。」
「それでも私はこの店の主だからやめさせます。」
「うっせぇー、首突っ込んだらお嬢ちゃんでも容赦しないぞ」
「そうだそうだ」
「痛い目に合わせてやる、おら」
「おら」
「きゃっ」殴られそうになったそのとき、危機一髪のところで菊太郎が酔っぱらい2人の拳を止めた。
「お2人さんさっきまでは男同士の喧嘩だったから見守っていたが、店主さんを標的に変えて殴るのは違うぞ。某が止めていたから良かったものの、大事な嫁入り前の顔に傷がつくところだったではないか。」
「頭に血がのぼってしまった、すまねぇお嬢ちゃん。」
「すまねぇ。」
「私は大丈夫だったのでもう良いですよ。その代わりに他にも頼んでくださいね。」
「こりゃ1本とられた。あははは·····」
「あははは···········」店内がさっきまで冷たい雰囲気が明るくなった。
その後お客さんも増えていき、材料が空になるほど儲かりいつもより早く店を閉めた。
その後店の後片付け。
菊太郎と一緒にやっていた。
「菊太郎、殴られそうになったとき助けてくれてありがとうございました、あのときだけ格好良かったです。」
「だけは余計だ、どういたしまして。」
「強かったんですね。」
「当たり前だろ、昔は凄かったんだから。」
「ははは·····」
「愛想笑いそうなよ。」
「だって·····あはは····」
「あはは·····」
何か変なツボがはいり2人で笑った。
片付けが終わったので2人で長屋に帰って布団で寝た。
私は夢の中で菊太郎が戦っている夢を見た。
今とは違う真面目そうな見た目だったので格好良く見えた。
·····まぁ好みではないけど、なんてね。
まずは仕入れ。
夜は早朝と客層が変わるので仕入れるものが変える。
何故なら夜は遊郭帰りが多く財布の紐が緩いので、高いものが早朝よりも売れるからだ。
早朝では売らない高い酒を夜は出す。
まぁそんな感じで仕入れのために菊太郎と出掛けた。
まずは青物市場で野菜をたくさん仕入れてそれを背負籠に入れて菊太郎に運んでもらった。
次は魚市場。
早朝営業のときは棒手振りで買うが夜営業は種類豊富な魚市場で仕入れ。
大きい魚を何種類か買って大きい桶に入れてそれを菊太郎に持ってもらった。
最後は行商から豆腐を仕入れた。
桶に入れて私が持った。
これで仕入れたかったものを仕入れることが出来たのでお店まで運んだ。
終わったら菊太郎に給金を払って「夜になったらまた戻って来て、それまでは自由時間。」と言って追い出した。
菊太郎は嬉しそうに何処かにいなくなった。
私は仕込みを始める前に昼餉をとった。
食べ終わったら仕込みを始めた。
しばらくして終わった。
終わった頃に菊太郎が帰って来た。
出掛ける前よりもボロボロになっていた。
「どうしたんですか?」
「いや····賭博しに行ったら負けて金を払いたくないと駄々こねたら、屈強な賭博の店で雇われている用心棒にタコ殴りにされた。強かったー。」
「いやいや····何やっているんですか。せっかく真っ当に働いた金をドブに捨てて。」
「賭博は男の夢だからしょうがないだろ。」
「本当駄目浪人ですね、性根が腐っている。」
「これでも反省しているから許してくれ、見捨てないでくれ。」
「わかりました、次は無いですよ。次やったら問答無用で追い出しますし、用心棒も終わりです。」
「わかった····」
「まぁ反省しているようだし、お店開ける前に夕餉を食べましょう。魚のあらと野菜の切れ端で作ったあら汁です。」
「美味しそう。」
「そりゃ新鮮な魚と野菜で作ってますから、まぁ食べましょう。」
「うむ。」
食べ終わり片付けたら店を開ける準備をした。
菊太郎にも手伝わせて準備完了。
夜営業を始めた。
お店にほろ酔いの客が来た。
「いっらっしゃいませ。」
「お嬢ちゃんおすすめは何?お嬢ちゃんかな····なんて」
「ご冗談をフフ····今日は良い豆腐や魚が仕入れることが出来たので湯豆腐、鮟鱇汁、タコの煮物、葱鮪汁、鮪の刺身がおすすめです。」
「じゃあおすすめの上酒と湯豆腐。」
「わかりました、少々お待ちください。」
人が増えて来たので接客は菊太郎に任せて料理に専念した。
しばらくしてお客さん同士で揉め始めた。
一旦料理の手を止めて事情を聞こうと現場に来た。
「どうかされましたか?」
「いや····お嬢ちゃん、俺が頼んだ上酒を隣のこいつが勝手に全部呑んだよ。それで怒ったらこいつが逆ギレして殴ってきたんだよ。」
「お前が先に俺のことを卑しい貧民と馬鹿にするからだろ。だから呑んでやったんだよ。」
「もう喧嘩はやめてください。」
「お嬢ちゃんには関係ないから引っ込んでな。」
「そうだこれは男同士のことなんだから。」
「それでも私はこの店の主だからやめさせます。」
「うっせぇー、首突っ込んだらお嬢ちゃんでも容赦しないぞ」
「そうだそうだ」
「痛い目に合わせてやる、おら」
「おら」
「きゃっ」殴られそうになったそのとき、危機一髪のところで菊太郎が酔っぱらい2人の拳を止めた。
「お2人さんさっきまでは男同士の喧嘩だったから見守っていたが、店主さんを標的に変えて殴るのは違うぞ。某が止めていたから良かったものの、大事な嫁入り前の顔に傷がつくところだったではないか。」
「頭に血がのぼってしまった、すまねぇお嬢ちゃん。」
「すまねぇ。」
「私は大丈夫だったのでもう良いですよ。その代わりに他にも頼んでくださいね。」
「こりゃ1本とられた。あははは·····」
「あははは···········」店内がさっきまで冷たい雰囲気が明るくなった。
その後お客さんも増えていき、材料が空になるほど儲かりいつもより早く店を閉めた。
その後店の後片付け。
菊太郎と一緒にやっていた。
「菊太郎、殴られそうになったとき助けてくれてありがとうございました、あのときだけ格好良かったです。」
「だけは余計だ、どういたしまして。」
「強かったんですね。」
「当たり前だろ、昔は凄かったんだから。」
「ははは·····」
「愛想笑いそうなよ。」
「だって·····あはは····」
「あはは·····」
何か変なツボがはいり2人で笑った。
片付けが終わったので2人で長屋に帰って布団で寝た。
私は夢の中で菊太郎が戦っている夢を見た。
今とは違う真面目そうな見た目だったので格好良く見えた。
·····まぁ好みではないけど、なんてね。
10
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
江戸の櫛
春想亭 桜木春緒
歴史・時代
奥村仁一郎は、殺された父の仇を討つこととなった。目指す仇は幼なじみの高野孝輔。孝輔の妻は、密かに想いを寄せていた静代だった。(舞台は架空の土地)短編。完結済。第8回歴史・時代小説大賞奨励賞。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

呟き
艶
歴史・時代
弥生・奈良・平安・鎌倉・南北朝・安土桃山・戦国・江戸・明治と過去の時代に人々の側にいた存在達が、自分を使っていた人達の事を当時を振り返り語る話の集合です。
長編になっていますが、いくつもの話が寄り集まった話になっています。
また、歴史物ですがフィクションとしてとらえてください。



ようこそ安蜜屋へ
凜
歴史・時代
妻に先立たれた半次郎は、ひょんなことから勘助と出会う。勘助は捨て子で、半次郎の家で暮らすようになった。
勘助は目があまり見えず、それが原因で捨てられたらしい。一方半次郎も栄養失調から舌の調子が悪く、飲食を生業としているのに廃業の危機に陥っていた。勘助が半次郎の舌に、半次郎が勘助の目になることで二人で一人の共同生活が始まる。
四本目の矢
南雲遊火
歴史・時代
戦国大名、毛利元就。
中国地方を統一し、後に「謀神」とさえ言われた彼は、
彼の時代としては珍しく、大変な愛妻家としての一面を持ち、
また、彼同様歴史に名を遺す、優秀な三人の息子たちがいた。
しかし。
これは、素直になれないお年頃の「四人目の息子たち」の物語。
◆◇◆
※:2020/06/12 一部キャラクターの呼び方、名乗り方を変更しました
習作 恨み屋蒔田雨露亮
井田いづ
歴史・時代
「その恨み、この爺に売れ」
江戸の町には、晴らせぬ恨みを募らせる人の目の前に現れる老人がいる。名を、蒔田雨露亮(まきた・うろすけ)──人の恨みを我がものとし、夜な夜な見も知らぬ人の仇を討つ『恨み屋』である。今宵もまた、新たな恨みを晴らしに老人は動く。
目には目を、歯には歯を、悪人には悪人を。
(不定期更新です。諸々の表現等の練習用。全体的にあまり温かくも明るくもスッキリな話でもないので、お気をつけください……)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる