居酒屋店主の恋

メタボ戦士

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第2話 菊太郎の働きぶり

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✪江戸時代の豆知識
↪居酒屋は今は夜営業が当たり前だったが、江戸時代では早朝営業が多かった。何故ならこの時代は電気がないし、光量の乏しい照明器具では店内が薄暗いし、燃料代が高かったから。しかし例外で遊郭帰りのお客さんをターゲットにオールナイト営業している夜明かしと呼ばれる居酒屋もあったそうだ。
······································································
 私のお店は早朝営業と夜営業を日によって変えている。
 その方が効率的に人が来るからだ。

 例えば、昨日は遊郭に行った後の客が多くなるので夜営業。
 今日はお客さんの財布の紐がきつくなるので休み。
 しかし明日の早朝営業のための仕込み。
 そんな感じで営業している。

 ····さて朝餉あさげの後明日の早朝営業のための仕込をする前に材料を仕入れねば。

 しかし仕入れ作業は重労働なのであまり好きではない。まぁ全部行商に自分の店に欲しいものを運んでもらえばいい話だがそれだと良いものは仕入れられない。だから行くしかない。

「はぁ」とため息をついて沈んでからしばらくしてふと良いことを思いついた。

 ·····あ、そうだ。現在働いていない浪人の菊太郎に荷物運びしてもらおう。それなら楽だぞ。よし決めた。

 気持ちが楽になり、ウキウキと朝餉あさげを作り菊太郎と食べた。

 食べ終わったら「食品の仕入れに行くから菊太郎荷物運びをして。」とお願いしたらひと言「いいぞ」と許可をもらった。

 ほっと一安心。

 それから菊太郎と食品の仕入れに行った。

 まずは青物市場で野菜を仕入れる。

 行商も良いが市場の方が種類が豊富で珍しいものが手に入るのでいつもそこで仕入れている。

 ·····今日は荷物運びがいるからたくさん仕入れるぞ。

 青物市場に到着した。

 さまざまな野菜が売っていた。

 酒のさかなに向いてそうな野菜をたくさん仕入れた。

 仕入れた野菜は菊太郎に背負籠で運んでもらった。

 次は棒手振ぼてふりという魚を売る行商から魚を仕入れる。
 行商は色々なところに移動するから見つけるのにいつも骨がおれるが今日は楽。

 何故なら今のところ魚用の桶と財布以外持っていないから。

 棒手振ぼてふりを見つけた。

 何匹か新鮮な魚と干し魚を仕入れた。

 新鮮な魚は私が桶に入れて持って、干し魚は菊太郎に持たせた。

 仕入れ作業は終わり、早朝の仕込みをするためにお店に向かった。

 到着した。

 あとは仕込みをするだけなので、菊太郎に今日働いた分のお金を渡して「あとは仕込みをするだけだからありがとう。早朝にお店開けるからそれまでこの金で遊びに行っていいよ。」と追い出した。

 菊太郎はそのとき嬉しそうに出て行った。


 私は夕餉ゆうげを軽く済まして仮眠をとったら、明日の仕込みの準備に取り掛かった。

 いつもよりもたくさん買えたのでやる気段違いだった。

 集中して作業に取り掛かり早朝までに何品も仕込みを完了させた。

 その頃には菊太郎が酔っ払って帰って来た。
 
 千鳥足でこのままだと転んで怪我をしそうだったのでお店の座敷で寝かせた。

 しばらくして朝日がで始めた。

 営業時刻まであと少しなので菊太郎を起こして店の前の掃除などの準備を手伝わせた。

 それからお店は開店した。
 
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