女装男子と私

メタボ戦士

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43話 波乱

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「ごめんね。この部活はカップルでの体験入部は禁止だから。」

「私達カップルじゃなくて、お友達同士なんですけど駄目ですか?」

「いや····それにしては君達の仲が良すぎないかい?男の子の方は君にずっとくっついているし。」

「美月〈ギュッ〉」

「気の所為ですよ。」

「そうかな?じゃあいいか····中入って。〈ガラガラ〉」

「ありがとうございます。」

「夏樹良かったね。」

「〈ボソッ〉美月·····悪いんだけどもう帰りたい。」

「〈ボソッ〉なんで?」

「〈ボソッ〉だって·····男の先輩達が凄い睨んで来るから怖い。俺何もしてないのに。」

「〈ボソッ〉いや·····夏樹は存在自体がヤバいから。そのせいで私、体験入部の女子から凄い睨まれてるし。」

「〈ボソッ〉そっか。お互いに睨まれまくりだねw」

「〈ボソッ〉そうだね。」

「そこのカップル、集中出来ないから静かにしてくれる?」

「「別にカップルではないです。友達です。」」

「そんなのどっちでもいいわ!リア充が!」

「〈ボソッ〉冷やかしに来るな!」

 ·····なんか前回と違って嫌な感じ。
 
 確かに私もカップルを見ると『クソが!』とは思うけど、口に出して言ったりは絶対にしないのに。

 漫研はやめておこうかな·····

 30分後。

「「今日はありがとうございました。」」

「ウチの部員がごめんね。」

「「いえ····大丈夫です。」」

「みんな異性とは縁がない奴等だから、ついカップルをみるとああなっちゃうんだよね。」

「「そうですか。私達、カップルではないですけどね。」」

「前回は女子の春野さんだけだったからみんな浮かれてたんだけど、彼氏持ちじゃね~」

「夏樹は彼氏じゃなくて友達です。」

「あーそうだったね。まぁ春野さんだけならウチは歓迎するけど、早乙女君は部の雰囲気を悪くするから入部はおすすめしないかな。」

「あのそういうことだったら私は漫研には入部しません。」

「え?前回は乗り気だったのに?」

「それは先輩達の人柄がいい人達だと思っていたからですよ。」

「それなら何で?」

「今回のことで変わったからです。部活はやりたい人がいれば誰でも入部出来る場所なのに『部の雰囲気を悪くするから入部はおすすめしない』と言うなんて最低です。だから漫研に入部したくないです。」

「〈ペシッ〉クソアマ!1年が舐めた口聞いてんじゃねえよ!!〈ペシ〉」

「痛っ····」

 ·····女子なのに叩かれた。      容赦ないな····

「あの···美月はこれでも女子なので、叩くのは良くないと思います。」

「俺より身長が高いからって1年が口答えしてんじゃねえよ〈ゲシッ〉」

「うっ·····」

「夏樹!」

「大丈夫····」

「良かった····。先輩!アンタ最低だよ。」

「お前等が悪い。」

「いや····叩いて蹴ったアンタの方が悪いに決まってるだろクソが!····帰ろう夏樹。」

「ああ·····」

 その場を後にした。
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