異世界ではありがちなこと

さくら書院(葛城真実・妻良木美笠・他)

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人間を好きになった女エルフ

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 私はエルフだから無限に生きられると言ってもいいくらいだし、容姿も変わらないけど、人間のお前を好きになったから、お前の老いる姿、その先にある死を見なきゃならない。

 実はもう何度も見ている。そのたびに魔法で時を戻して、合計でもう千年ぐらいお前とつきあってる。

 でも、何度繰り返してもお前が死ぬ時には私は泣いてしまうんだ。ひどく泣いて、落ち込んだ気持ちになってしまう。

 時を超えれば、また会えるとわかっていても、やっぱり泣いてしまうんだよ。

 そして、時を超えてまたお前に会えたとき、思わず抱きついてしまう。

 私と初めて会った時、なんだこのエルフ馴れ馴れしいと思っただろう。

 お前はそうでなくても、私はずっとお前が、その、なんだ。ずっと好きなんだよ。

 運命の出会いだと言ったのも嘘じゃない。言ったとおり、お前は私の夫となった。

 そういうことだ。不思議なことは何もないのさ。
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