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淫神黙示録(シュブ=ニグラスの申し子)

再受肉(サティロス 特殊個体のイラストあり)

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 何かが起きたらしい。二人の魔法少女にも結界魔法が必要だったかと、自らの軽率さを紅緒《べにお》は悔やむ。ひとりきりではどうしても、対応しきれないところが出てきてしまう。もともと紅緒は粗野なところがあり、綿密さが欠けているのだ。だから妹である茜里《あかり》も――と思いかけて、紅緒は首をふって負の感情を払いのけた――そんな後悔がいま、何の役に立つ。それより疾走るのだ。

 最上階の魔法少女は二人とも腹を大きく膨らませていた。何かを孕んでいる。

 おかしい。体内の宝石が獣鬼の受胎を妨げるはずなのに、と紅緒は思う。

「これは獣鬼じゃないわ。もっと上位の魔物の種を挿れられ……」

 依莉翠が言う。体液の解毒が進み、正気度があがっていた。

「さっきのあの獣鬼たちの繰り返しは……」

 紅緒は思い当たることがあった。

「儀式だと思う。わたくしたちを依代《よりしろ》にした――んぐ、あごぁ、きょうあ」

 言って射る途中で、奇声を発し、依莉翠《いりす》は目を上にあげ、舌を出した。いわゆるアヘ顔だ。正気度が急激に下がってしまっている。

 最初に股間から異形をひり出したのは柑奈《かんな》だった。

「あぎょわぁ、あいらいお、んげうばあああ……」

 人であることを疑うような声をあげて、彼女の少女然とした小さな下の唇が開いた。産道を押し開いていく突起物。その真中に人間のものと同じ形をした目が外界を伺っていた。赤い爪をした指が産道を内側から押し拡げる。

「ひぐうぃ……、いりゃぁ…、だぁ…、ぐぁ…、でぇぁぁぁああ」

 悲鳴をあげる柑奈。あそこが四〇センチほども拡張され、粘液とともに、それは体外に這い出してきた。触手の覗かせる黒い布のなかから人間の腕が生えていた。指の赤いマニュキュアは完璧な状態で、紅緒はその爪をどこかで見たことがあるような気がした。

 続いて、依莉翠の股間を触手と優美な曲線を描く脚で拡張しながら、股間から無数の触手を生やした全裸の下半身が溢れ出た。小さな足先。爪には赤いペディキュアがきれいに塗られている。

「あぐあぁぁ……ひげぁ……ん、ん、ぎぃ、うぼあぁあぁあああ」

 出てきたものが産声をあげぬかわりに、緑の魔法少女は奇妙な声をあげ、拡げられた股間と豊かな胸をかきむしった。

「これは、なんなの……」

 紅緒が言ってる先から、生まれたばかりの二つの物体はくっついた。黒い布が広がっていき一枚布の服になる。黒いワンピースだった。股間から溢れていた触手は胎内に行儀よくおさまった。ひとつになって、すっと立ち上がった物体。それは今や、黒いワンピースを着た美少女の姿以外のなにものでもなかった。

「お母さんたちぃ、はじめましてぇ。そして、紅緒ちゃん、夢で会ったよねぇ。帰ってきたよぉ。復活にはねえ、魔法少女ちゃんたちのオマンコちゃんを借りないとぉ、無理だったのぉ。しかも2マンコちゃん必要だったよぉ。うけるぅ」

 黒井羊子だった。この淫神は魔法少女ひとつの子宮では足りず、二人分のそれを使っていま復活を果たしたのである。

「もう一度、地獄で送ってやる!」

 紅緒はレイピアを構えた。
--------------
多くの角を持つ特殊個体のサティロス

 獣鬼サティロスの催淫性の毒は魔法少女には効かないはずだが、特殊個体の体液の毒はは魔法少女を狂わすことができた。この変化はなぜ起きたのか? 緑の魔法少女はすでにそれを考えることすらおぼつかないほど思考中枢が麻痺していた。


 狭い室内は、忌まわしき異形の者どもの黒い体液で黒く塗り固められ、その上から飛び散った精液の乳白色の雫が垂れているという有様。
 緑に輝くエメラルドの魔法少女、依莉翠と、黄色く光るトパーズの魔法少女、柑奈が、触手を使って後ろ手に縛られ、大股開きの体勢で壁に固定されている。
 獣鬼が入れ替わりでやってきて二人の魔法少女を同じ手順で犯していく。
 二人の魔法少女は魔法石による浄化が追いつかないペースで獣鬼の毒液を注ぎこまれ、意識を朦朧とさせていた。少女の口に舌を挿れる。どちらの少女もすっかり正気を失っており、舌をからめて応えていた。ごく短い時間で顔を離す。
「ああ、もっと、もっとしてください、お願いします」
 緑色の少女が懇願する。獣鬼の毒が理性を吹き飛ばし、正気度はかなり下がっている。
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