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365日のラブストーリー。
身体を求める彼の話
しおりを挟む私は付き合ったら友達みたいな関係のまま楽しく過ごせるのだと思ってた
一緒に話したり、笑ったり…
一緒に帰ったり、たまに手が触れてドキドキしたり…
それだけでも幸せだったんだ
そんなことが幸せだったんだ
そんなことを勝手に夢見てたんだ
「××くん…?」
「…」
彼は周りの友達に「私」と付き合っていることがバレるのをひどく恐れていた
学校では話すことはおろか、目を合わせてくれることもなかった
ラインだって未読無視や既読無視はあたりまえ
でも、「なんで返信くれないの?」とかは決して言わなかった
嫌われたく、なかったから
しつこいとか、思われたくなかったから
でも…本当はすごく寂しかったんだ
下校はお互い時間帯をずらして、建物の裏の人気のないところで合流するのが日課だった
会えるのは嬉しかった
嬉しかったけど…
「ユミ、いいだろ?」
「…」
彼はいつしか身体を求めてきた
「俺のこと好きなんでしょ?」
「ねぇ、だめ…?」
迫る彼を私は「怖い」と感じた
けれど大好きなキミを拒めなかった
嫌われたくなかったんだ
キミが私を求めてくれる
それ以上に幸せなことなんかないじゃないか
そう、これでいいんだ
これで傍にいれるならいいじゃないか
「ユミ…」
「…!」
彼の手が私の頬に触れる
だめだ、やっぱり好きなんだ
私は涙があふれるのを我慢しながら
「いいよ」
って微笑んだ
ただ、嫌われないために必至になって、本当の自分を見失っていた
溢れる涙を、キミはもう拭ってはくれなかった
それでも、気持ちは消えなかったんだ
「××くん、好き…」
そういうと彼は
「…ありがと」
とだけ言って目をそらした
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