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第1章:痛みの背中
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俺の名は、乳戸侑介。普通に青春を謳歌している高校2年生だ。ある1つを除いては。俺は、1つだけ身体に変なところがある。それは背骨である脊椎が曲がっているんだ。この症状は、男性では珍しい方で、1~2割と言われている。女性では8~9割と高め。その脊椎が曲がっているせいで、私生活には支障が出る。走っていれば、小腰筋や大腰筋が痛み出すし、上半身に関しては突然胸の上辺りが痛み出す。保健の先生に聞いてみたら『成長痛』だと言う。その成長痛で、俺はいじりを受けていた。
「なんだぁ? 侑介……また胸が痛むのか?」
クラスメイトが心配してくれる。
「そうなんだけど?」
俺は、成長痛で胸が痛むと認めると
「じゃあ、胸膨らんだら報告しろよ! 待ってるから!」
そう嘲笑いながら、教室を出て行った。
《俺の身体は、女じゃねぇ!》
俺は、痛みと共に怒りまで出てきた。
中庭。俺は唯一の理解者である親友足永麗樹にその愚痴をこぼしていた。
「アイツ! 10万回以上『俺の身体は女性じゃねぇ!』って忠告したのに、いじりやがって! 今度あったら首絞めてやる!」
俺が拳を握りしめると
「それは、お前が捕まるからやめな?」
と。麗樹は止める。なんで、俺はこんないじりを受けているかと言うと苗字に『乳』がついているからだ。ちなみに、麗樹は苗字に『足』がついているだけあって、瞬足の靴を履いてなくても、足が速い。
あのいじりを受けて、数週間後。健康診断の日が来た。男子生徒は皆、上半身を裸にして診断室の前で待っていた。俺はそこで嫌な思いをした。俺の脊椎の曲がり方は、服を脱いだら分かるぐらいだ。その身体を見たクラスメイトや別クラスの男子生徒は
「妖怪見てぇ!」
や
「痛々しい……俺はこんなんならなくてよかったぁ!」
などと、口々に言っている。
《俺だって……好きでこんな身体になったわけじゃねぇんだ!》
人間は人形のように身体を自由に変えることはできない。親ガチャならぬ身体ガチャ失敗ってやつなのだろうか。
健康診断から1週間が経過した。俺は保健の先生から、救急車らしき白い車に乗せられた。中には3人の女子生徒がいた。扉から見て、左から2名の女子生徒は黒のブレザーに深紅色のネクタイをしていて、他校の生徒だろう。だが、3人目は分かる。同じクラスのマドンナ、潮尻乙萌だ。
《潮尻も、俺と同じ背骨が曲がっているのか?》
俺は、潮尻の隣に座る。ちなみに、他校の2名の女子生徒は、胸方未布と倉股心星だ。
「なんだぁ? 侑介……また胸が痛むのか?」
クラスメイトが心配してくれる。
「そうなんだけど?」
俺は、成長痛で胸が痛むと認めると
「じゃあ、胸膨らんだら報告しろよ! 待ってるから!」
そう嘲笑いながら、教室を出て行った。
《俺の身体は、女じゃねぇ!》
俺は、痛みと共に怒りまで出てきた。
中庭。俺は唯一の理解者である親友足永麗樹にその愚痴をこぼしていた。
「アイツ! 10万回以上『俺の身体は女性じゃねぇ!』って忠告したのに、いじりやがって! 今度あったら首絞めてやる!」
俺が拳を握りしめると
「それは、お前が捕まるからやめな?」
と。麗樹は止める。なんで、俺はこんないじりを受けているかと言うと苗字に『乳』がついているからだ。ちなみに、麗樹は苗字に『足』がついているだけあって、瞬足の靴を履いてなくても、足が速い。
あのいじりを受けて、数週間後。健康診断の日が来た。男子生徒は皆、上半身を裸にして診断室の前で待っていた。俺はそこで嫌な思いをした。俺の脊椎の曲がり方は、服を脱いだら分かるぐらいだ。その身体を見たクラスメイトや別クラスの男子生徒は
「妖怪見てぇ!」
や
「痛々しい……俺はこんなんならなくてよかったぁ!」
などと、口々に言っている。
《俺だって……好きでこんな身体になったわけじゃねぇんだ!》
人間は人形のように身体を自由に変えることはできない。親ガチャならぬ身体ガチャ失敗ってやつなのだろうか。
健康診断から1週間が経過した。俺は保健の先生から、救急車らしき白い車に乗せられた。中には3人の女子生徒がいた。扉から見て、左から2名の女子生徒は黒のブレザーに深紅色のネクタイをしていて、他校の生徒だろう。だが、3人目は分かる。同じクラスのマドンナ、潮尻乙萌だ。
《潮尻も、俺と同じ背骨が曲がっているのか?》
俺は、潮尻の隣に座る。ちなみに、他校の2名の女子生徒は、胸方未布と倉股心星だ。
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