〜比嘉一維の事件簿〜 『小６女児拉致殺人事件編』

本章

事件当日

　沖縄カトリック小学校付近。
「じゃあな！　に子！」
彼女のクラスメイト下地嵐士しもじあらしが、手を振る。
「じゃあね！」
彼女も手を振る。
　１０数分後。彼女は突然声をかけられた。
「ねぇ、そこの嬢ちゃん」
と。彼女は首を傾げる。
「どうしたんですか？」
と。声のかけたのは３０代に見える男性だった。
「おじさんと猫を探してくれないかな？　逃げ出しちゃって見つからないんだ」
と。彼女の返答は
「分かった！　おじさんの猫を探してあげる！」
と。了承してしまった。
　数分後。男性は、彼女と共に猫を探している。すると、彼女が尋ねる。
「猫の名前、なんて言うんですか？」
と。男性は
「ラブドールだよ！」
と。彼女はその言葉をよく知らず、大声で『ラブドール』と叫びながら男性と猫を探す。
　さらに１０数分後。
「あ！　さっき、ラブドールの鳴き声が聞こえた！」
男性が鳴き声が聞こえたと言う。だが、彼女の耳には聞こえていない。彼女は男性の後を追う。
　空き家（元安里家あさとけ）。
「ここだ！」
男性は家を眺めている。彼女は空き家に入る。男性は不気味な笑みを浮かべる。そして、男性も空き家に入り家にあった門に鍵をかける。そして、後ろから彼女に抱きつく。
「え！　何？　何⁉︎」
彼女は状況が飲み込めなかった。
「嘘にまんまと騙されたな！」
男性は彼女のランドセルを掴むが、彼女はそのランドセルから身を剥がし逃げ出そうとする。
「「逃がさねぇぞ！」」
他の２名の男性に取り押さえられる。
「は！　離して！」
彼女は抵抗する。だが、その男性は彼女の両手を押さえて身動き取れなくなっている。
「攻！　このロリっ娘どうする？」
２人目の男性が、彼女を誘い出した男性に言う。
「脱がせ……服も下着も全部」
男性が指示する。すると、他２名の男性がハサミなどを使用し彼女の制服や下着全てを切り脱がした。そして、ライターで燃やした。
「車に詰めろ！　トランクの中だ！」
彼女を誘い出した男性は、ガムテープを投げ捨てる。４人の男性は彼女の手足をガムテープで縛り、車に詰めた。
「玩具の名前が分かるものは？」
誘い出した男性は、彼女の所持品であるランドセルの中を探る。
「お！　教科書に名前がある……長木に子かぁ……」
誘い出した男性は、彼女の名前が記載された教科書だけを手に取り後は空き家の中に放り込んだ。
「攻！　早く来い！　見られたらヤバい！」
彼女を縛った男性が声をかける。誘い出した男性は車に乗り、道路標識などを無視して走り出した。あと、酒飲みをしていて、免許証は持っていない。