〜彼女を可愛く育成計画〜

〈７〉仮デート

　休日。今日は学校も部活も休みで、醜茶も学校に行かない日が重なって、デート擬きをした。
「色々してくれて、家で授業受けていたら同じクラスの生徒から称賛の声が多かった」
しこち……いや、イチゴは学校の出来事を話してくれた。
「見た目良くするだけで、自信ついたんじゃない？」
俺はイチゴと話していた。
　次の日。俺はイチゴとゲームで敵を倒していた。すると、突然他のプレーヤーが敵ではなく魔法少女イチゴを攻撃してきた。
「なんだ？　こいつは！」
俺は、そのプレイヤー名を調べてみると。
『名：なでこ
役職：暗殺者
Lv.測定不可能』
だった。
「こんなチートキャラ見たことないけど！」
俺はイチゴを守ろうとすると、チャットで話しかけてきた。
「『そこを退け！　レベル低い剣士が』
……貴様！」
俺はイチゴを守りながらこのなでこというユーザーをボコボコにしようとしたが、先にやられてしまった。
「これ、またレベル１からやり直しだよ！」
俺はこのゲームをハードコアモードでプレイしていた。だがボイスチャットはまだ続いている。
「これ……たぶん雪崩子なでこちゃんかも……」
イチゴが話しかけた。
「え？　知り合いなの？」
俺は驚いた。
「うん……醜女雪崩子しこめなでこって名前で……」
イチゴの声がかなり小さく聞こえる。
「イサオがゲームしていない時に、よくチャットで私に悪口送ってきて……」
イチゴは、この暗殺者の役職ユーザーなでこにイジメを受けていた。
「制裁を加えてやらねぇとな……」
俺は怒りが抑えられなくなった。
「雪崩子は、よくカメラ切り忘れるからそれを待つしかないよ……私も耐えるから」
イチゴが弱点を知っていた。
「この言葉、信じるよ……」
俺はこのなでこに制裁が加えられる日を待った。
【一心side】
　オンライン授業。
『じゃあ、授業ここまでにしとこうか！　今日は終わりだ！』
先生がカメラ機能を切る。同じくオンライン授業を受けていた生徒も次々と退出していく。私はカメラは切らず、ゲームを始める。
「今日も、一心ちゃんはチヤホヤされて……」
雪崩子ちゃんの声が聞こえる。私の悪口を言っている。
「私と同じ『醜い』と苗字に入っているくせに……前よりも可愛くなって…….」
私は心が傷つくが、聞くしかなかった。証拠を集めるために。すると
『醜女さん⁉︎』
先生の声が聞こえた。私はカメラを切った。その後、雪崩子は先生にオンライン上でこっぴどく叱られたみたい。雪崩子のカメラの切り忘れが、制裁を下す鍵だった。