〜輝く絆〜

古波蔵くう

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chapter.1"再会と新たなスタート"

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 俺の名は、田中結城たなかゆうき。一応、先に俺の性別を言っておく。俺は女の子だ。男の娘でも無いし、一人称が『俺』の女の子……通称『オレっ娘』でも無い。まぁ、周りからはそう見られているかもしれない。俺は身体は女の子でも、心が男の子なんだ。俺のような人を世間では『トランスジェンダー』もしくは『トランス男性』と呼ぶのだろうか。そして、俺には幼馴染がいた。名は佐藤大翔さとうひろと。大翔も俺と同じトランスジェンダーだ。だが『トランス女性』だ。小学校を卒業した後、中学校が違って生き別れた。だが、再会できる。なぜなら、今日から俺はLGBTQ+の人に特化した高校
『ダイバーシティ・ハイスクール』
に入学するのだから。この学校は、車椅子の人などが使える『だれでもトイレ』が2つ設けられている。そして、体育館にも『誰でも脱衣所』が付いている。ここの学校ならトイレを我慢したり、人の目を気にせずに体操着に着替えられる。
 教室。入学式が終わった後、俺たちは教室に集められた。授業開きを行うのだろう。俺は自分の名前が書かれた席に着く。そして、辺りを見渡す。すると、見覚えのある人が居た。短髪でマスクしている高身長の男子生徒。頭にヘアピンしている。間違いない。大翔だ。その後も自己紹介をして、大翔だと言うことを再確認した。
 休み時間。次の授業が始まるまで、俺は大翔の席に近づく。
「ひ……久しぶり」
俺が声を掛けると
「え? もしかして、結城か?」
大翔が一目で俺だと気付いた。
「なんで、すぐ分かったの?」
俺が問いかけると
「その頭に巻いている白いリボンで、気付くし……なんで結城も私が分かったの?」
大翔も問いかける。
「その、前髪に付けているヘアピンで……」
俺は問いかけに答えた。
「取り合えず、再会できて良かった」
大翔は俺の片手を両手で握る。
「改めて、よろしく!」
大翔は、マスクで口元は見えないけど、笑っていた。
「俺こそ、よろしく!」
こうして、俺は幼馴染の大翔と再会できた。
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