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第二話・話
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「あら、いらっしゃい紫苑…ってどうしたの!?顔真っ赤だけど…」
「な、何でもないよ!?そ、それで話って何!?お母さん!!!!」
「えぇ…ならいいのだけど」
「うん!!!!」
本当になんなのよ…!顔から熱が引かない。いつも見なれてるはずの新の瞳も、色は同じはずなのに見たことが無い色に見えた。あぁ今は!お母さんの話を聞かないと…!
「えっと、ちょっと紫苑に頼みたいことがあるの」
「頼みたいこと…?」
お母さんの前に用意されている椅子に座る。いつも綺麗に笑うお母さんの顔が、少し困っているように見えた。顔の熱も、もう引いていた。
「えぇ、その前に…紫苑はピアノコンサートに出たことはあったかしら?」
「お母さんが出てるコンサート?5~6歳位の時に出たって私は聞いてるけど…」
「やっぱりあれだけよね…うーん、でも頼んでもいいのかしら…」
「お母さん、とにかく何があったのか教えてよ。」
母、叶はピアニストだ。お母さんがピアノを弾けば、夜空が見えるとか言われてるらしい。私にはきっと、身近すぎて見えないのだろう。
そんな私もピアノは得意な方だと思う。小さい時に出たコンクールでも、上位を独占していた…らしい。あまり順位を気にしないたちだから、弾いてる最中の楽しいといった感情しか覚えていない。
「…そうよね、全部話してから相談したり頼ったりした方がいいわよね」
それからお母さんは話してくれた。
「実は、来月開催のコンサートにゲストで出てくれるはずだった友達が事故にあってね。代わりを他の人に頼んだのだけど、皆『専用曲が難しいから出られない』って…この曲は確かに難しい。だからこそ、その友達が弾けるから頼んだの。コンサートに参加してくれる一般参加の方達も、彼女の弾く曲を楽しみにしてくれてるって話だったし……」
「……その曲見せてもらってもいい?」
「え?えぇ…ちょっとまっててね」
プロの人達が難しいなんて言う曲を私に頼むのか…お母さん、信用は嬉しいけど私には難しすぎるんじゃないかなぁ…そういえば、曲を変えることは出来ないのだろうか?
「これよ。この曲の難しいところは、この部分の指の動きなの。遠くに離れたり、かと思えばすぐ戻ったり」
「……♪~♪…」
「………どう?」
「お母さん、まずこの曲と別の曲を変えることは出来ないの?」
「出来るにはできるのだけれど…海外視察に来る方がが実はいてね…その方のリクエストなのよ……『もし日本に着いたら、日本人のピアニストの手で弾かれたこの曲を聞きたい』って…」
「あぁうん、ごめん」
「謝るのはこっちよ紫苑~!まさかあの子が事故に遭うなんで思わなかったわ…」
音色家は貴族。海外から来たお客様の対応も任される位には政府から信頼されているのだ。確かに、これは曲を変える訳には行かない。
「……私に頼みたかったことって、この曲を代わりに引くこと?まともにコンサートにも出たことがないのに」
「…私ね、貴女が弾くピアノが大好きなのよ。昔は良く聞いて聞いてって言って、私達にあなたの弾くピアノを聞かせてくれたでしょう?おぼつかない音、でも楽しそうに弾く表情…私は『あぁ、この子には才能がある』って、確信できたのよ」
お母さんは懐かしむように、愛おしいようにピアノを触る。彼女からすれば、昨日の出来事のように頭に残っているのだろう。
「……難しいね、これは。最近はピアノに触ってなかったし」
「えぇ、無理に頼むつもりは無いわ。譜面を見てダメだって、あなたも思ったでしょう。私が変わりに弾くし__」
「やるよ、私」
「……え、本当に?で、でも、この曲本当に難しくて…」
お母さんの言葉を遮るように、私は思いを話す。
「お母さんに私の弾き方褒められたんだもの、頑張って挑戦するよ!1ヶ月なら、最低でもリズムくらいは取れるって。……あ、でも、視察に来てくれるって人には申し訳ないな…ガッカリさせちゃうかも」
「…紫苑、ありがとう。あなたは本当にすごい子ね」
頭を撫でられる。
「お母さん!私はもう子供じゃないから頭撫でるのやめて!!それに、お母さんは私を頼ってくれたから、期待には答えないと」
「そういう所は、お父さんと一緒よねぇ紫苑も」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
少し遡って__(おまけのようなものです)
「やっちまった……」
「おっ、やっと言えた感じ?」
廊下で頭を抱えていると、颯太が話しかけてきた。
「お前…お客さんどうした」
「別に、少し話すだけだったから玄関で話して終わったよ。それよか、お前ら2人だけになったみたいだから様子見に来たんだ」
「……あっそ……」
ホントにこいつは…いやそれより…。
「オレの部屋行こーぜ。話聞かせろよ」
「ニヤニヤすんな、颯太。マジでやばい…」
「ハイハイ、相談に乗りますよ~新君」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……で?何あったし」
「あぁ、実は__」
俺はお嬢について行った時のことを颯太に話した。
「なるほどな…」
本当なら俺は、颯太に仕える立場の人間だ。でも、昔『敬語じゃなくて普通に喋ろうぜ!父さん達の前でだけ真面目なフリしてさ!』と、ありがたく許可を頂き。まぁ、今じゃあんまり関係無いけど。
「ま、それで逆に意識してくれんじゃねぇの?」
「あぁ、そうだな。それはいいんだよ、別に。てか、それが狙いだったわけだし」
「じゃあ、何が不満なんだ?反応的にも良さそうだけど」
ポキポキとポッ〇ーを食べながら聞いてくる。
「ポ〇キー食いながら聞いてくんな。別に不満じゃねぇよ。ただ…これまでみたいに気兼ねなく誘ってくれなくなるなって思ってさ。俺は、確かにお嬢の事好きだけど、今までの距離感も好きだったからさ」
「お前…それは流石に欲張りだろ」
「分かってるよ!だからやっちまったって思ったんだ。はぁ……」
「…いや、逆に話す機会増えるな、これは」
「は?お前何言ってんの?」
「んー、いや、ただの未来予知だよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よし、あとは練習だな…あ、そう言えばノート買いに行こうと思ってたんだった」
新をさそ、って……
「…………」
「お嬢様?そんなところで立ち止まって、どうなさいましたか?」
「うわっ!」
「え!?…お、お嬢様…?」
「あ、リサ…はは、な、何でもないよ!」
「そ、それよりさ、今から出かけない?私ノート買いに行きたいんだ」
「買い物ですか?私も行きたいのですが…丁度友達に遊びに誘われたので、そちらに行ってきます。申し訳ありません、お嬢様」
「うーん、そっか…大丈夫だよ、楽しんできてね!」
「はい!あ、新さんに頼んだらいかがです?さっき颯太様となにやら話してましたよ」
「あーウン、ソウダネ」
リサと別れて兄さんの部屋へ向かう。兄さんと出かけよう。もう少し話もしたいし…
ガチャ
「「あ」」
……………。
「あれ、紫苑?どうした」
「兄さん、一緒に買い物しに行かない!?!?」
「うおっ!………あーいや、オレはもう少し寝てるよ。お前にあれ渡すために起きただけだしな。じゃ、新行ってやってくれ」
兄さんは部屋の扉を閉めて新を締め出した。
「は!?おまっ…!」
「兄さん!?」
パタンと音を立てて無慈悲にもとびらはしまった
「「…………」」
気まずい…
「…えっと、何買いに行くんですか?」
「……ノートが無いからそれを買いに…ついでに新しいケーキ屋さんに寄ろうかなと」
「じゃあ、少し待ってて下さい。着替えてくるんで」
「わ、分かった」
「な、何でもないよ!?そ、それで話って何!?お母さん!!!!」
「えぇ…ならいいのだけど」
「うん!!!!」
本当になんなのよ…!顔から熱が引かない。いつも見なれてるはずの新の瞳も、色は同じはずなのに見たことが無い色に見えた。あぁ今は!お母さんの話を聞かないと…!
「えっと、ちょっと紫苑に頼みたいことがあるの」
「頼みたいこと…?」
お母さんの前に用意されている椅子に座る。いつも綺麗に笑うお母さんの顔が、少し困っているように見えた。顔の熱も、もう引いていた。
「えぇ、その前に…紫苑はピアノコンサートに出たことはあったかしら?」
「お母さんが出てるコンサート?5~6歳位の時に出たって私は聞いてるけど…」
「やっぱりあれだけよね…うーん、でも頼んでもいいのかしら…」
「お母さん、とにかく何があったのか教えてよ。」
母、叶はピアニストだ。お母さんがピアノを弾けば、夜空が見えるとか言われてるらしい。私にはきっと、身近すぎて見えないのだろう。
そんな私もピアノは得意な方だと思う。小さい時に出たコンクールでも、上位を独占していた…らしい。あまり順位を気にしないたちだから、弾いてる最中の楽しいといった感情しか覚えていない。
「…そうよね、全部話してから相談したり頼ったりした方がいいわよね」
それからお母さんは話してくれた。
「実は、来月開催のコンサートにゲストで出てくれるはずだった友達が事故にあってね。代わりを他の人に頼んだのだけど、皆『専用曲が難しいから出られない』って…この曲は確かに難しい。だからこそ、その友達が弾けるから頼んだの。コンサートに参加してくれる一般参加の方達も、彼女の弾く曲を楽しみにしてくれてるって話だったし……」
「……その曲見せてもらってもいい?」
「え?えぇ…ちょっとまっててね」
プロの人達が難しいなんて言う曲を私に頼むのか…お母さん、信用は嬉しいけど私には難しすぎるんじゃないかなぁ…そういえば、曲を変えることは出来ないのだろうか?
「これよ。この曲の難しいところは、この部分の指の動きなの。遠くに離れたり、かと思えばすぐ戻ったり」
「……♪~♪…」
「………どう?」
「お母さん、まずこの曲と別の曲を変えることは出来ないの?」
「出来るにはできるのだけれど…海外視察に来る方がが実はいてね…その方のリクエストなのよ……『もし日本に着いたら、日本人のピアニストの手で弾かれたこの曲を聞きたい』って…」
「あぁうん、ごめん」
「謝るのはこっちよ紫苑~!まさかあの子が事故に遭うなんで思わなかったわ…」
音色家は貴族。海外から来たお客様の対応も任される位には政府から信頼されているのだ。確かに、これは曲を変える訳には行かない。
「……私に頼みたかったことって、この曲を代わりに引くこと?まともにコンサートにも出たことがないのに」
「…私ね、貴女が弾くピアノが大好きなのよ。昔は良く聞いて聞いてって言って、私達にあなたの弾くピアノを聞かせてくれたでしょう?おぼつかない音、でも楽しそうに弾く表情…私は『あぁ、この子には才能がある』って、確信できたのよ」
お母さんは懐かしむように、愛おしいようにピアノを触る。彼女からすれば、昨日の出来事のように頭に残っているのだろう。
「……難しいね、これは。最近はピアノに触ってなかったし」
「えぇ、無理に頼むつもりは無いわ。譜面を見てダメだって、あなたも思ったでしょう。私が変わりに弾くし__」
「やるよ、私」
「……え、本当に?で、でも、この曲本当に難しくて…」
お母さんの言葉を遮るように、私は思いを話す。
「お母さんに私の弾き方褒められたんだもの、頑張って挑戦するよ!1ヶ月なら、最低でもリズムくらいは取れるって。……あ、でも、視察に来てくれるって人には申し訳ないな…ガッカリさせちゃうかも」
「…紫苑、ありがとう。あなたは本当にすごい子ね」
頭を撫でられる。
「お母さん!私はもう子供じゃないから頭撫でるのやめて!!それに、お母さんは私を頼ってくれたから、期待には答えないと」
「そういう所は、お父さんと一緒よねぇ紫苑も」
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少し遡って__(おまけのようなものです)
「やっちまった……」
「おっ、やっと言えた感じ?」
廊下で頭を抱えていると、颯太が話しかけてきた。
「お前…お客さんどうした」
「別に、少し話すだけだったから玄関で話して終わったよ。それよか、お前ら2人だけになったみたいだから様子見に来たんだ」
「……あっそ……」
ホントにこいつは…いやそれより…。
「オレの部屋行こーぜ。話聞かせろよ」
「ニヤニヤすんな、颯太。マジでやばい…」
「ハイハイ、相談に乗りますよ~新君」
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「……で?何あったし」
「あぁ、実は__」
俺はお嬢について行った時のことを颯太に話した。
「なるほどな…」
本当なら俺は、颯太に仕える立場の人間だ。でも、昔『敬語じゃなくて普通に喋ろうぜ!父さん達の前でだけ真面目なフリしてさ!』と、ありがたく許可を頂き。まぁ、今じゃあんまり関係無いけど。
「ま、それで逆に意識してくれんじゃねぇの?」
「あぁ、そうだな。それはいいんだよ、別に。てか、それが狙いだったわけだし」
「じゃあ、何が不満なんだ?反応的にも良さそうだけど」
ポキポキとポッ〇ーを食べながら聞いてくる。
「ポ〇キー食いながら聞いてくんな。別に不満じゃねぇよ。ただ…これまでみたいに気兼ねなく誘ってくれなくなるなって思ってさ。俺は、確かにお嬢の事好きだけど、今までの距離感も好きだったからさ」
「お前…それは流石に欲張りだろ」
「分かってるよ!だからやっちまったって思ったんだ。はぁ……」
「…いや、逆に話す機会増えるな、これは」
「は?お前何言ってんの?」
「んー、いや、ただの未来予知だよ」
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「よし、あとは練習だな…あ、そう言えばノート買いに行こうと思ってたんだった」
新をさそ、って……
「…………」
「お嬢様?そんなところで立ち止まって、どうなさいましたか?」
「うわっ!」
「え!?…お、お嬢様…?」
「あ、リサ…はは、な、何でもないよ!」
「そ、それよりさ、今から出かけない?私ノート買いに行きたいんだ」
「買い物ですか?私も行きたいのですが…丁度友達に遊びに誘われたので、そちらに行ってきます。申し訳ありません、お嬢様」
「うーん、そっか…大丈夫だよ、楽しんできてね!」
「はい!あ、新さんに頼んだらいかがです?さっき颯太様となにやら話してましたよ」
「あーウン、ソウダネ」
リサと別れて兄さんの部屋へ向かう。兄さんと出かけよう。もう少し話もしたいし…
ガチャ
「「あ」」
……………。
「あれ、紫苑?どうした」
「兄さん、一緒に買い物しに行かない!?!?」
「うおっ!………あーいや、オレはもう少し寝てるよ。お前にあれ渡すために起きただけだしな。じゃ、新行ってやってくれ」
兄さんは部屋の扉を閉めて新を締め出した。
「は!?おまっ…!」
「兄さん!?」
パタンと音を立てて無慈悲にもとびらはしまった
「「…………」」
気まずい…
「…えっと、何買いに行くんですか?」
「……ノートが無いからそれを買いに…ついでに新しいケーキ屋さんに寄ろうかなと」
「じゃあ、少し待ってて下さい。着替えてくるんで」
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