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そしてケモノは愛される
51.呼び水<斎賀>
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しばらくして、ノックの音がしてドアが開いた。雑巾と桶を手にした柴尾だった。
「床を汚してしまい、申し訳ありません」
柴尾はドアの前にしゃがむと、散らばった茶器の破片を片づけ始めた。
鱗人が帰ってほっとするあまり、そのことを忘れていた。斎賀はソファを立つ。
斎賀があんな状況だったからこそ、柴尾は動揺して茶器を落としてしまったのだ。
「私も手伝おう」
柴尾の正面に片膝をついて座ると、斎賀は茶器の破片に手を伸ばした。
「いえ、お怪我をされてはいけま……っ痛ぅ」
斎賀が破片に触れようとしたのを阻止しようとして、柴尾の方が破片で手を切ってしまった。
いつも落ち着いている柴尾にしては、迂闊な行動だった。
思わず呆れてしまう。
「その自分が怪我してれば世話はないな。気をつけなさい」
「すみません……」
「私は割れた食器で簡単に怪我してしまうほどの、温室育ちの坊ちゃんではないぞ」
「はい。自分で言っておいて、お恥ずかしい限りです」
少し居心地悪そうに、柴尾は俯いた。指先から赤い血が浮かんでくると、柴尾はそれをぺろりと舐める。
「手を出しなさい」
怪我をした柴尾の手をそっと持ち上げた。
もう片方の手を翳すと、斎賀は治癒魔法をかけた。
ふわりと穏やかな空気に包まれ、指先の傷が消える。
「ありがとうございます」
柔らかく微笑んだ柴尾に、斎賀も微笑み返した。
軽く持ち上げていた柴尾の手が、微かに動く。
一瞬、斎賀の指に触れるような動きをした。ただ、手を離す際に掠めただけといえばそうなのだが、何か違和感を感じた。
だが、気のせいだろう。男に迫られていたせいで、過敏になっているようだ。あれくらいのことで、影響を受けて情けないことだ。
あ、と柴尾が小さく声を上げた。
「斎賀様。リボンが解けかかっています」
柴尾は立ち上がると斎賀の背後に回り、膝をついた。
「手が汚れる前に、結び直しましょう」
結ばれていたリボンがするりと解かれる。
阿影に髪を掴まれた時に、緩んでしまったようだ。
それくらい自分で直せるのだが、柴尾が結び直そうとしてくれているので斎賀は静かに待つことにした。
さらりと落ちた斎賀の髪をまとめ直すと、柴尾は襟足の上の位置で結び直す。
柴尾の指先が首に触れて、僅かに緊張した。
阿影に性的な意味で触られたのとは違う、ただ髪を結んでいるだけのことなのに、まるでうぶな娘のような反応で斎賀は一層情けなさに襲われた。
「行商から何を買われたのですか?」
後ろから柴尾が訊ねた。
「狩りで役立ちそうなものだ。魔族に投げつけると、中の黒い墨が飛び散って、攪乱できるらしい」
「非常時に役に立ちそうですね」
ありがとうございます、と真面目に礼が返ってきた。
「珍しいのはそれくらいだな。後は……くだらんものや宝飾品だ。珊瑚は珍しかったが、必要でもないからな」
「斎賀様には宝飾品など不要ですからね。でも……紅い耳飾りなどは、銀髪にも映えてとてもお綺麗だと思います」
さらりと返事が返ってきて、少し言葉の意味を考えてしまう。
斎賀が身につけるわけではないのだが、と心の中で説明した。
「出来ました」
きゅっと襟足の皮膚が引っ張られて、リボンが結び終わったことを伝えた。
「左右対称に結ぶのは難しいですね」
柴尾が苦笑しながら、斎賀の正面に戻った。
斎賀でさえ何も見ずに適当に結んだのに、真面目な柴尾はリボンの大きさや長さの加減が気になったらしい。柴尾らしいとも思えた。
ふっと斎賀は笑みを零す。
「では、お互いに十分に気を付けて集めるとしよう」
小さく笑い斎賀が欠片を集め始めると、柴尾は頷いて雑巾で床を拭き始めた。
「ところで、随分と馴れ馴れしい方でしたが、お知り合いですか?」
床を拭く手を動かしながら、柴尾が訊ねる。思わず見返した。
「先日、町ですれ違っただけだ。またあの男が来ても、納品以外は追い返してくれ」
斎賀が溜め息をつくと、分かりましたと返ってきた。
「それにしても、斎賀様があのように感情を出されるのは珍しいですね」
「……」
思わぬことを言われて、どきりとした。
「いつもは、静かに怒られるでしょう」
「……恥ずかしいところを見られてしまったな。大人げない」
斎賀は苦い笑みを浮かべた。意外にしっかりと見られているものだ。
桶の中に最後の欠片を入れると、仕上げに柴尾が雑巾で周囲をきれいにした。
「後ほど箒を持ってまいります。念のため、足元に気を付けて下さい」
「私も仕事に戻ろう。後は任せる」
「はい」
立ち上がりかけて、斎賀はふと柴尾に訊ねた。
「屋敷にいるということは、今日は休みなのではないか? お茶も他の者に頼めば良かったのに」
「いえ。これくらい、大したことではありませんから。どうせ今日は、だらだらと過ごしていただけなんです」
柴尾が休みということは、恐らく志狼も休みということだ。
二人はよく一緒に遊びに出かけているので、きっと志狼が穂積の元へ出かけてしまったのだ。
「お前も恋人でも作ったらどうだ?」
単に斎賀が知らないだけかもしれないが、柴尾に浮いた話を聞いたことがないように思えた。
「も……というと?」
訊き返されて、うっかり口走ってしまったことに気付いた。
一番仲の良い柴尾にも、恋人ができたということを志狼は話していない可能性がある。何しろ、恋人は男なのだ。
「休みの日でも、皆の世話を焼いてくれているだろう。そういう時間を、柴尾の大事な娘の為に使ってあげるといい」
斎賀が言うと、柴尾ははにかんで少し俯いた。
「世話を焼くのは、好きでやってることですから。趣味みたいなものです。それに、そういう娘はいません。時々声を掛けてくれる女の子はいるんですけど、何か僕の理想と違うなって。そのへんの女の子くらいじゃ惹かれることがなくなっ……」
顔を上げた柴尾と目が合う。
瞬間、柴尾が瞠目した。
「……あっ、いえ、あの。そ……ど……」
しどろもどろになりながら、みるみるうちに柴尾の頬が赤くなっていく。
珍しい顔を見た、と思うと同時に、しまったと思った。
先程から時々感じていた違和感。
斎賀が男に迫られているのを見て、変に感化されてしまったのではなかろうか。
だが、斎賀の自意識過剰ということもある。柴尾は何も、斎賀と比較してしまうとも言ってはいない。
志狼の斎賀への気持ちを、自分と同じだと勘違いしてしまったばかりではないか。いくら斎賀が昔から男に色目を使われることがあったとしても、そうそう周りに男を好きになるような者が多くいていいはずがない。しかも、またファミリー内にだ。
まさか、柴尾に限ってそれはない。きっと、斎賀の思い違いだ。
そもそも柴尾は、今までそんな素振りを見せなかったのに。
あの鱗人は、真面目な柴尾にも悪影響を及ぼしてくれた。何とも迷惑な男だ。
「……か、片づけてきます」
桶に雑巾を掛けると、柴尾は勢いよく立ち上がった。ドアの前で一礼すると、そそくさと応接室を出て行った。
斎賀は少し考え込むようにしてから、立ち上がる。
今のは気付かなかったことに、なかったことにしよう。
それがファミリーとして、同じ屋敷に暮らす者として、最善であろうと考えた。
柴尾の性格からしても、同じように考えるであろう。その証拠に、今までそんな気配を感じたこともない。
決して男を惑わしたいわけではない。好意を持たれるのは女性だけで十分なのに、どうして男まで寄ってきてしまうのか。
いつまでも結婚せずにいることで、そういった対象になってしまうのかもしれない。
とはいえ、ただの恋人ではなく結婚となると、慎重にならざるを得ない。
いつまでも相手がいないものだから、令嬢との結婚を勧めてくる者も多い。だが、斎賀と結婚するということは、ファミリーの手伝いもしてもらうということになる。そんなことをお嬢様ができるはずもない。
斎賀は長い溜め息をついた。
「いい加減、観念してどこかの誰かと結婚でもするか……」
長い片想いは、終わった。
心から愛せる者が、もう現れないのであれば―――。
「床を汚してしまい、申し訳ありません」
柴尾はドアの前にしゃがむと、散らばった茶器の破片を片づけ始めた。
鱗人が帰ってほっとするあまり、そのことを忘れていた。斎賀はソファを立つ。
斎賀があんな状況だったからこそ、柴尾は動揺して茶器を落としてしまったのだ。
「私も手伝おう」
柴尾の正面に片膝をついて座ると、斎賀は茶器の破片に手を伸ばした。
「いえ、お怪我をされてはいけま……っ痛ぅ」
斎賀が破片に触れようとしたのを阻止しようとして、柴尾の方が破片で手を切ってしまった。
いつも落ち着いている柴尾にしては、迂闊な行動だった。
思わず呆れてしまう。
「その自分が怪我してれば世話はないな。気をつけなさい」
「すみません……」
「私は割れた食器で簡単に怪我してしまうほどの、温室育ちの坊ちゃんではないぞ」
「はい。自分で言っておいて、お恥ずかしい限りです」
少し居心地悪そうに、柴尾は俯いた。指先から赤い血が浮かんでくると、柴尾はそれをぺろりと舐める。
「手を出しなさい」
怪我をした柴尾の手をそっと持ち上げた。
もう片方の手を翳すと、斎賀は治癒魔法をかけた。
ふわりと穏やかな空気に包まれ、指先の傷が消える。
「ありがとうございます」
柔らかく微笑んだ柴尾に、斎賀も微笑み返した。
軽く持ち上げていた柴尾の手が、微かに動く。
一瞬、斎賀の指に触れるような動きをした。ただ、手を離す際に掠めただけといえばそうなのだが、何か違和感を感じた。
だが、気のせいだろう。男に迫られていたせいで、過敏になっているようだ。あれくらいのことで、影響を受けて情けないことだ。
あ、と柴尾が小さく声を上げた。
「斎賀様。リボンが解けかかっています」
柴尾は立ち上がると斎賀の背後に回り、膝をついた。
「手が汚れる前に、結び直しましょう」
結ばれていたリボンがするりと解かれる。
阿影に髪を掴まれた時に、緩んでしまったようだ。
それくらい自分で直せるのだが、柴尾が結び直そうとしてくれているので斎賀は静かに待つことにした。
さらりと落ちた斎賀の髪をまとめ直すと、柴尾は襟足の上の位置で結び直す。
柴尾の指先が首に触れて、僅かに緊張した。
阿影に性的な意味で触られたのとは違う、ただ髪を結んでいるだけのことなのに、まるでうぶな娘のような反応で斎賀は一層情けなさに襲われた。
「行商から何を買われたのですか?」
後ろから柴尾が訊ねた。
「狩りで役立ちそうなものだ。魔族に投げつけると、中の黒い墨が飛び散って、攪乱できるらしい」
「非常時に役に立ちそうですね」
ありがとうございます、と真面目に礼が返ってきた。
「珍しいのはそれくらいだな。後は……くだらんものや宝飾品だ。珊瑚は珍しかったが、必要でもないからな」
「斎賀様には宝飾品など不要ですからね。でも……紅い耳飾りなどは、銀髪にも映えてとてもお綺麗だと思います」
さらりと返事が返ってきて、少し言葉の意味を考えてしまう。
斎賀が身につけるわけではないのだが、と心の中で説明した。
「出来ました」
きゅっと襟足の皮膚が引っ張られて、リボンが結び終わったことを伝えた。
「左右対称に結ぶのは難しいですね」
柴尾が苦笑しながら、斎賀の正面に戻った。
斎賀でさえ何も見ずに適当に結んだのに、真面目な柴尾はリボンの大きさや長さの加減が気になったらしい。柴尾らしいとも思えた。
ふっと斎賀は笑みを零す。
「では、お互いに十分に気を付けて集めるとしよう」
小さく笑い斎賀が欠片を集め始めると、柴尾は頷いて雑巾で床を拭き始めた。
「ところで、随分と馴れ馴れしい方でしたが、お知り合いですか?」
床を拭く手を動かしながら、柴尾が訊ねる。思わず見返した。
「先日、町ですれ違っただけだ。またあの男が来ても、納品以外は追い返してくれ」
斎賀が溜め息をつくと、分かりましたと返ってきた。
「それにしても、斎賀様があのように感情を出されるのは珍しいですね」
「……」
思わぬことを言われて、どきりとした。
「いつもは、静かに怒られるでしょう」
「……恥ずかしいところを見られてしまったな。大人げない」
斎賀は苦い笑みを浮かべた。意外にしっかりと見られているものだ。
桶の中に最後の欠片を入れると、仕上げに柴尾が雑巾で周囲をきれいにした。
「後ほど箒を持ってまいります。念のため、足元に気を付けて下さい」
「私も仕事に戻ろう。後は任せる」
「はい」
立ち上がりかけて、斎賀はふと柴尾に訊ねた。
「屋敷にいるということは、今日は休みなのではないか? お茶も他の者に頼めば良かったのに」
「いえ。これくらい、大したことではありませんから。どうせ今日は、だらだらと過ごしていただけなんです」
柴尾が休みということは、恐らく志狼も休みということだ。
二人はよく一緒に遊びに出かけているので、きっと志狼が穂積の元へ出かけてしまったのだ。
「お前も恋人でも作ったらどうだ?」
単に斎賀が知らないだけかもしれないが、柴尾に浮いた話を聞いたことがないように思えた。
「も……というと?」
訊き返されて、うっかり口走ってしまったことに気付いた。
一番仲の良い柴尾にも、恋人ができたということを志狼は話していない可能性がある。何しろ、恋人は男なのだ。
「休みの日でも、皆の世話を焼いてくれているだろう。そういう時間を、柴尾の大事な娘の為に使ってあげるといい」
斎賀が言うと、柴尾ははにかんで少し俯いた。
「世話を焼くのは、好きでやってることですから。趣味みたいなものです。それに、そういう娘はいません。時々声を掛けてくれる女の子はいるんですけど、何か僕の理想と違うなって。そのへんの女の子くらいじゃ惹かれることがなくなっ……」
顔を上げた柴尾と目が合う。
瞬間、柴尾が瞠目した。
「……あっ、いえ、あの。そ……ど……」
しどろもどろになりながら、みるみるうちに柴尾の頬が赤くなっていく。
珍しい顔を見た、と思うと同時に、しまったと思った。
先程から時々感じていた違和感。
斎賀が男に迫られているのを見て、変に感化されてしまったのではなかろうか。
だが、斎賀の自意識過剰ということもある。柴尾は何も、斎賀と比較してしまうとも言ってはいない。
志狼の斎賀への気持ちを、自分と同じだと勘違いしてしまったばかりではないか。いくら斎賀が昔から男に色目を使われることがあったとしても、そうそう周りに男を好きになるような者が多くいていいはずがない。しかも、またファミリー内にだ。
まさか、柴尾に限ってそれはない。きっと、斎賀の思い違いだ。
そもそも柴尾は、今までそんな素振りを見せなかったのに。
あの鱗人は、真面目な柴尾にも悪影響を及ぼしてくれた。何とも迷惑な男だ。
「……か、片づけてきます」
桶に雑巾を掛けると、柴尾は勢いよく立ち上がった。ドアの前で一礼すると、そそくさと応接室を出て行った。
斎賀は少し考え込むようにしてから、立ち上がる。
今のは気付かなかったことに、なかったことにしよう。
それがファミリーとして、同じ屋敷に暮らす者として、最善であろうと考えた。
柴尾の性格からしても、同じように考えるであろう。その証拠に、今までそんな気配を感じたこともない。
決して男を惑わしたいわけではない。好意を持たれるのは女性だけで十分なのに、どうして男まで寄ってきてしまうのか。
いつまでも結婚せずにいることで、そういった対象になってしまうのかもしれない。
とはいえ、ただの恋人ではなく結婚となると、慎重にならざるを得ない。
いつまでも相手がいないものだから、令嬢との結婚を勧めてくる者も多い。だが、斎賀と結婚するということは、ファミリーの手伝いもしてもらうということになる。そんなことをお嬢様ができるはずもない。
斎賀は長い溜め息をついた。
「いい加減、観念してどこかの誰かと結婚でもするか……」
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心から愛せる者が、もう現れないのであれば―――。
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