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第15章 南へ
第225話 食事中に
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「……少しよろしいですか?」
「もが?」
テーブルに乗り切らないほどの料理を前にして、それを勢いよく胃袋に格納していたエミリスにひとりの女性が声を掛けた。
食事の手を止めずに首だけ振り向いた彼女を、アティアスが窘める。
「こらこら、飲み込んでからにしろ。――失礼しました。何か用で?」
代わりにアティアスが尋ねる。
その女性――三十代くらいだろうか――は、ウェーブのかかったセミロングの黒髪を手で触りながらアティアスに向き合う。
その傍らに、10歳くらいの短髪の男の子を連れて。
「お食事中、すみません。あの……私の見間違いでなければ、以前助けていただいたお方だと思いまして」
アティアスはその女性と子供をじっと見る。
そしてすぐにわかった。
ゾマリーノからの船のなかで、このふたりを見ていたからだ。
「ああ、確かゾマリーノからの定期船に乗られていましたね。だいぶ前のことでしょうか。王都に行く船が海賊に襲われかけたとき……」
アティアスが切り出すと、女性はぱっと笑顔になって頷いた。
「は、はいっ。そうです。そのとき、お礼も十分にはできず、申し訳ありませんでした」
「いえ、お気になさらず。無事でなによりでした。……なぁ、エミーは覚えてるか?」
アティアスが話を振ると、エミリスはようやく口の中のものを飲み込んだようで、ワインで口を濯いでから口を開いた。
「もちろん、覚えてますよ。……大きくなりましたね。チャコ君……でしたっけ?」
「はい。……ほら、お礼を」
女性が息子に礼を促すと、チャコは「あ、ありがとうございました」と緊張しながら頭を下げた。
それを微笑ましく思いながらアティアスは返す。
「どういたしまして。でも、もう覚えてないくらいじゃないですか? まだ小さかったですから」
「少しだけ……覚えてます。おねーさんのこと」
そう答えたチャコにエミリスは笑いかけた。
「ふふ、それは良かったです。でも、アティアス様も仰られたとおり、気にしなくていいですよ。元気が一番です」
エミリスがそう言いながらも別の料理に手を伸ばそうとしたのを、アティアスは手で「ダメだ」とジェスチャーすると、彼女は渋々手を引っ込めた。
女性はエミリスの話を聞いて、なにか思い当たることがあったのか、首を傾げた。
「アティアス……? もしかして、ゼルム家の方でしょうか?」
「……ええ。そうですよ」
一瞬考えたが、隠す必要もないだろうと判断してアティアスは頷く。
「ああ、そうだったのですね。王都でも噂になっていましたから。稀代の魔導士をお連れになられているという……」
「それはエミーのことだろうなぁ。……目立つもんな」
アティアスはエミリスに目配せすると、彼女は気にする素振りもなく笑う。
「ふふ、もう全然気にしてませんから」
以前は目立つことを気にしていたが、今はあまりそんな様子もあまり見られなかった。
それに髪や目の色を隠すこともしていない。
「この店に入ったとき、その髪を見てすぐに分かりました。それにしても、あのときと全くお変わりないですね。……あと、失礼ですけれども、こちらのお方は?」
初めて顔を見るウィルセアに向かって、女性は小さく会釈した。
「こっちも俺の連れ合いだな。――ウィルセア」
それまで背筋を伸ばして黙っていたウィルセアは、アティアスに促されて椅子から立つと、優雅に一礼する。
「はい。私はウィルセア・マッキンゼと申します。もう5年ほど、こちらアティアス男爵にお世話になっております」
それを聞いて、女性は「しまった」という顔をして慌てて頭を下げる。
「す、すみません。申し遅れました。私はイレーヌと申します。これは息子のチャコ。大変失礼しました」
「いえ、お気になさらず。はじめまして」
ウィルセアはチャコに向かって少し膝を折り、目線を下げながら微笑みかけた。
その可愛らしい笑顔に、チャコは少し照れながら控えめに答えた。
「は、はじめまして……」
「あの……。ウィルセア様は、あのマッキンゼ子爵の……?」
イレーヌは恐る恐る、聞き返した。
「ええ。そのマッキンゼ子爵の長女ですわ」
父ヴィゴールは近隣でもかなり有名人だ。
もともと魔導士としての力があることもあるが、それ以上に政略にも長けていて、近く伯爵位を賜るのではないかとの噂もある。
「まさか、チャコを助けていただいた方々が、このようなお方とは知らず、失礼いたしました」
イレーヌは改めて皆に頭を下げるが、アティアスは気にしないで、と言わんばかりに手を上げた。
「いいんですよ。命の重さに差なんてありませんから。むしろ将来の可能性がある子どもの命は何より重いんです」
「ですです。それに、チャコ君はすごく魔力があるみたいですから、きっと将来期待できますよ」
同調するエミリスに、イレーヌは困ったような顔をして答えた。
「そのことなんですけれど、まだこの子は魔導士の訓練を受けていません。そろそろ王都で、と思っておりましたが……。厚かましい話かと思いますが、もしよろしければこの子の先生になってもらえないでしょうか……?」
「ふむ……」
アティアスはその話を聞いて、顎に手を当てて少し考え込む。
チャコはまだ10歳ほどの子どもとはいえ、ウィルセアを超えるほどの魔力を持っていることは分かっている。
年齢的には、そろそろ魔導士として基礎を身につけるべき段階だと言えた。
とはいえ、エミリスはきっちりと基礎を学んでいるわけではなく、かなり特殊な存在だから、上手く教えられるかというと疑問が残る。
「例えば、まずは1、2年の間、基礎をトロンにある魔法学院で学んでから、というのではどうでしょう? 私が推薦すれば入れますし」
トロンにある魔法学院は、本来ゼバーシュ領の兵士を育てるためのものだ。
ただ、アティアスのいるウメーユにはそのような施設がないことから、ウメーユからも素質のある者を送り込んでいた。
それは、ゼバーシュと友誼を結んでいるからでもあり、逆にゼバーシュに危機が迫ったときにはアティアスが動く、ということでもある。
「はい、是非。今はゾマリーノに住んでおりますので、近くて助かります」
「今は旅の途中ですから、すぐにというわけにはいきませんが。……後で書状を書いておきましょう。明日にでも宿に来て貰えればと」
「ありがとうございます!」
アティアスの提案に、イレーヌは深々と頭を下げた。
「もが?」
テーブルに乗り切らないほどの料理を前にして、それを勢いよく胃袋に格納していたエミリスにひとりの女性が声を掛けた。
食事の手を止めずに首だけ振り向いた彼女を、アティアスが窘める。
「こらこら、飲み込んでからにしろ。――失礼しました。何か用で?」
代わりにアティアスが尋ねる。
その女性――三十代くらいだろうか――は、ウェーブのかかったセミロングの黒髪を手で触りながらアティアスに向き合う。
その傍らに、10歳くらいの短髪の男の子を連れて。
「お食事中、すみません。あの……私の見間違いでなければ、以前助けていただいたお方だと思いまして」
アティアスはその女性と子供をじっと見る。
そしてすぐにわかった。
ゾマリーノからの船のなかで、このふたりを見ていたからだ。
「ああ、確かゾマリーノからの定期船に乗られていましたね。だいぶ前のことでしょうか。王都に行く船が海賊に襲われかけたとき……」
アティアスが切り出すと、女性はぱっと笑顔になって頷いた。
「は、はいっ。そうです。そのとき、お礼も十分にはできず、申し訳ありませんでした」
「いえ、お気になさらず。無事でなによりでした。……なぁ、エミーは覚えてるか?」
アティアスが話を振ると、エミリスはようやく口の中のものを飲み込んだようで、ワインで口を濯いでから口を開いた。
「もちろん、覚えてますよ。……大きくなりましたね。チャコ君……でしたっけ?」
「はい。……ほら、お礼を」
女性が息子に礼を促すと、チャコは「あ、ありがとうございました」と緊張しながら頭を下げた。
それを微笑ましく思いながらアティアスは返す。
「どういたしまして。でも、もう覚えてないくらいじゃないですか? まだ小さかったですから」
「少しだけ……覚えてます。おねーさんのこと」
そう答えたチャコにエミリスは笑いかけた。
「ふふ、それは良かったです。でも、アティアス様も仰られたとおり、気にしなくていいですよ。元気が一番です」
エミリスがそう言いながらも別の料理に手を伸ばそうとしたのを、アティアスは手で「ダメだ」とジェスチャーすると、彼女は渋々手を引っ込めた。
女性はエミリスの話を聞いて、なにか思い当たることがあったのか、首を傾げた。
「アティアス……? もしかして、ゼルム家の方でしょうか?」
「……ええ。そうですよ」
一瞬考えたが、隠す必要もないだろうと判断してアティアスは頷く。
「ああ、そうだったのですね。王都でも噂になっていましたから。稀代の魔導士をお連れになられているという……」
「それはエミーのことだろうなぁ。……目立つもんな」
アティアスはエミリスに目配せすると、彼女は気にする素振りもなく笑う。
「ふふ、もう全然気にしてませんから」
以前は目立つことを気にしていたが、今はあまりそんな様子もあまり見られなかった。
それに髪や目の色を隠すこともしていない。
「この店に入ったとき、その髪を見てすぐに分かりました。それにしても、あのときと全くお変わりないですね。……あと、失礼ですけれども、こちらのお方は?」
初めて顔を見るウィルセアに向かって、女性は小さく会釈した。
「こっちも俺の連れ合いだな。――ウィルセア」
それまで背筋を伸ばして黙っていたウィルセアは、アティアスに促されて椅子から立つと、優雅に一礼する。
「はい。私はウィルセア・マッキンゼと申します。もう5年ほど、こちらアティアス男爵にお世話になっております」
それを聞いて、女性は「しまった」という顔をして慌てて頭を下げる。
「す、すみません。申し遅れました。私はイレーヌと申します。これは息子のチャコ。大変失礼しました」
「いえ、お気になさらず。はじめまして」
ウィルセアはチャコに向かって少し膝を折り、目線を下げながら微笑みかけた。
その可愛らしい笑顔に、チャコは少し照れながら控えめに答えた。
「は、はじめまして……」
「あの……。ウィルセア様は、あのマッキンゼ子爵の……?」
イレーヌは恐る恐る、聞き返した。
「ええ。そのマッキンゼ子爵の長女ですわ」
父ヴィゴールは近隣でもかなり有名人だ。
もともと魔導士としての力があることもあるが、それ以上に政略にも長けていて、近く伯爵位を賜るのではないかとの噂もある。
「まさか、チャコを助けていただいた方々が、このようなお方とは知らず、失礼いたしました」
イレーヌは改めて皆に頭を下げるが、アティアスは気にしないで、と言わんばかりに手を上げた。
「いいんですよ。命の重さに差なんてありませんから。むしろ将来の可能性がある子どもの命は何より重いんです」
「ですです。それに、チャコ君はすごく魔力があるみたいですから、きっと将来期待できますよ」
同調するエミリスに、イレーヌは困ったような顔をして答えた。
「そのことなんですけれど、まだこの子は魔導士の訓練を受けていません。そろそろ王都で、と思っておりましたが……。厚かましい話かと思いますが、もしよろしければこの子の先生になってもらえないでしょうか……?」
「ふむ……」
アティアスはその話を聞いて、顎に手を当てて少し考え込む。
チャコはまだ10歳ほどの子どもとはいえ、ウィルセアを超えるほどの魔力を持っていることは分かっている。
年齢的には、そろそろ魔導士として基礎を身につけるべき段階だと言えた。
とはいえ、エミリスはきっちりと基礎を学んでいるわけではなく、かなり特殊な存在だから、上手く教えられるかというと疑問が残る。
「例えば、まずは1、2年の間、基礎をトロンにある魔法学院で学んでから、というのではどうでしょう? 私が推薦すれば入れますし」
トロンにある魔法学院は、本来ゼバーシュ領の兵士を育てるためのものだ。
ただ、アティアスのいるウメーユにはそのような施設がないことから、ウメーユからも素質のある者を送り込んでいた。
それは、ゼバーシュと友誼を結んでいるからでもあり、逆にゼバーシュに危機が迫ったときにはアティアスが動く、ということでもある。
「はい、是非。今はゾマリーノに住んでおりますので、近くて助かります」
「今は旅の途中ですから、すぐにというわけにはいきませんが。……後で書状を書いておきましょう。明日にでも宿に来て貰えればと」
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