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第14章 羨望
第209話 他人の心、自分の心
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「結局、なんかスッキリしませんねぇ……」
ゼバーシュにあるアティアスの自宅に帰ったあと、エミリスはすぐに疲れた様子でベッドにうつ伏せになって、そう呟いた。
「そうだな……」
「……私はまだ憂いが消えたわけじゃないと思うんですよね」
ベッドサイドに腰掛けたアティアスが同意すると、エミリスはずりずりと彼の近くに寄った。
ちょうど彼から撫でやすい位置に頭を持ってくると、少し頭を揺らしてアピールする。
「だけど、同じことはもうしないだろ。すぐに分かるわけだから」
「そうですけどね……。んぅ……気持ちいいです……」
頭をゆっくりと撫でると、エミリスは目を細めてうっとりとした表情を見せた。
「……ですけど……ウィルセアさんには、辛い結果になりましたね」
しかしエミリスはウィルセアのことを思う。
セリーナと別れてから、ウィルセアはずっと黙っていて、何も話すことはなかった。
家に帰ってからも、一言「部屋で休みますわ」とだけ言って、部屋にこもってしまった。
「ああ。……もともと親戚だし、セリーナがあんなことを思っていたって知ったら、そりゃな……」
生まれの境遇は変えられないとはいえ、ウィルセアは子爵令嬢として華やかな生活だったろう。
一方、同じ血筋であっても、セリーナはウィルセアのようにはなれなかった。
間近で見続けてきたからこそ、燻る想いもあったのだろう。
――もしかしたら、以前アティアスを刺したとき。
狙いはアティアスだったにしても、ケーキに仕込んだ爆弾でウィルセアが死んでいれば、という目論見もあったのかもしれない。
「ふー。アティアス様、ありがとうございます。……私は大丈夫なので、ウィルセアさんのところに行ってあげてはどうでしょう?」
ひとしきり頭を撫でてもらったあと、エミリスは身体を起こすと、そう言ってアティアスを促す。
普段から彼を独り占めしたいとは思っていたけれども、落ち込んでいるだろうウィルセアが心配で――きっと力になれるのはアティアスしかいないことも理解していた。
「……良いのか?」
「ええ。たまには年上のおねーさんらしいところ見せましょう」
「おねーさんというより、おば――むぐっ」
アティアスが言いかけたところで、エミリスはぐいっとその口を手で塞いだ。
「それは禁句ですー。……ふふ、今日くらいはアティアス様をお貸しします。……癒やしてあげてください。以前、私にしてくれたみたいに」
「わかったよ。……悪いな」
アティアスはそっとエミリスを抱き寄せて、ぽんぽんと背中を叩く。
「でもアティアス様の一番は譲りませんけどね。……いってらっしゃい」
◆
――コンコン。
エミリスを自室に残し、アティアスはウィルセアのいる部屋の扉をノックした。
「ウィルセア、俺だ。……入っていいか?」
外から声を掛けると、中から「……はい」とあまり元気のなさそうな返事が返ってきた。
「すまないな。……ちょっとウィルセアと話がしたくて」
部屋に入ると、ウィルセアは下半身だけ布団に入った状態で、ベッドのヘッドボード――頭の部分にある板――にもたれてアティアスの方に視線を向けていた。
「……私も、アティアス様と話がしたかった……です。まだ頭の整理がつかなくて……」
「そりゃ、ちょうど良かった。……横、行ってもいいか?」
「はい、もちろん」
ウィルセアは少しベッドの脇に寄って、アティアスのために場所を開けた。
そこにアティアスが入ると、ウィルセアはそっと彼に身体を預ける。
「……辛い結果になったな」
「はい……。私……セリーナさんの気持ち、全く知らなかった……。以前、ミニーブルにいた頃のこと思い返しても、そんな素振りもなかったから……」
「そんなもんさ。ウィルセアだけじゃない。……ほら、ヴィゴール殿だって、わかってたら違ってたろ?」
「確かにそうですね……。人の心って、全然わからないってことが、今日よくわかりました」
しみじみと呟くウィルセアは、「はぁ……」と大きくため息をついた。
「……だな。思ってても言えないことや、隠しておきたいことっていっぱいあると思うよ。……ウィルセアだって、そんなのひとつふたつあるんじゃないか?」
アティアス自身、思い返してもそういうことはあった。
だが、なんでも思ったことを口にするのは我儘なだけだ。
本音と建前も違う。
同じことを話すにしても、言い方ひとつで結果は変わる。
如何に人付き合いとは難しいものか。
「はい。……では、それをひとつ減らしておきましょうか。……私、アティアス様の力になるって言って押しかけましたけど、本当はただアティアス様の近くに置いて欲しいから、ってだけなんです。ずっと前から……す、好きで……自分が押さえられなくて……」
恥ずかしくてアティアスの顔を見ることができず、俯いたままウィルセアはそう打ち明けた。
「……ありがとう。ウィルセアの気持ちはわかってたけど、俺も目を背けていたよ」
「で、ですよね……」
さっき自分は「全然わからない」と言ったばかりだが、彼には筒抜けだったらしい。
それほど一挙一投足に出ていたのだろうか。
ただ、伝えたとはいえ、この想いは最初から叶わないことを知っている。
だから、ただ隠し事を減らしただけに過ぎない。
……ウィルセアはそう思っていた。
しかし――。
横からそっと彼の手が伸ばされ、ウィルセアはすとんとアティアスの胸に収まる。
「――ア、アティアス様……!? だ、ダメですわっ」
急に抱きしめられて、ウィルセアは頬を染めて戸惑う声を上げた。
「……いや、良いんだ。俺はエミーを悲しませることはしないって誓ったけど、今ここに来てるのはあいつの頼みでもあるからな。エミーも心配してたよ、ウィルセアのこと」
「え……。そう……なんですね。エミリスさんも……」
エミリスにまで心配をかけていることが申し訳なく思うとともに、ウィルセアは安堵してアティアスの背中に腕を回し、自分から強く抱きしめた。
「嬉しいです……」
彼の胸に顔を埋めて、ウィルセアは小さな声で呟いた。
「……落ち着くまで、今日はずっと一緒にいるよ。だから悲しい顔をしないでくれ」
「はい……。ありがとうございます……」
そしてウィルセアは目に涙を溜め、小さく頷いた。
ゼバーシュにあるアティアスの自宅に帰ったあと、エミリスはすぐに疲れた様子でベッドにうつ伏せになって、そう呟いた。
「そうだな……」
「……私はまだ憂いが消えたわけじゃないと思うんですよね」
ベッドサイドに腰掛けたアティアスが同意すると、エミリスはずりずりと彼の近くに寄った。
ちょうど彼から撫でやすい位置に頭を持ってくると、少し頭を揺らしてアピールする。
「だけど、同じことはもうしないだろ。すぐに分かるわけだから」
「そうですけどね……。んぅ……気持ちいいです……」
頭をゆっくりと撫でると、エミリスは目を細めてうっとりとした表情を見せた。
「……ですけど……ウィルセアさんには、辛い結果になりましたね」
しかしエミリスはウィルセアのことを思う。
セリーナと別れてから、ウィルセアはずっと黙っていて、何も話すことはなかった。
家に帰ってからも、一言「部屋で休みますわ」とだけ言って、部屋にこもってしまった。
「ああ。……もともと親戚だし、セリーナがあんなことを思っていたって知ったら、そりゃな……」
生まれの境遇は変えられないとはいえ、ウィルセアは子爵令嬢として華やかな生活だったろう。
一方、同じ血筋であっても、セリーナはウィルセアのようにはなれなかった。
間近で見続けてきたからこそ、燻る想いもあったのだろう。
――もしかしたら、以前アティアスを刺したとき。
狙いはアティアスだったにしても、ケーキに仕込んだ爆弾でウィルセアが死んでいれば、という目論見もあったのかもしれない。
「ふー。アティアス様、ありがとうございます。……私は大丈夫なので、ウィルセアさんのところに行ってあげてはどうでしょう?」
ひとしきり頭を撫でてもらったあと、エミリスは身体を起こすと、そう言ってアティアスを促す。
普段から彼を独り占めしたいとは思っていたけれども、落ち込んでいるだろうウィルセアが心配で――きっと力になれるのはアティアスしかいないことも理解していた。
「……良いのか?」
「ええ。たまには年上のおねーさんらしいところ見せましょう」
「おねーさんというより、おば――むぐっ」
アティアスが言いかけたところで、エミリスはぐいっとその口を手で塞いだ。
「それは禁句ですー。……ふふ、今日くらいはアティアス様をお貸しします。……癒やしてあげてください。以前、私にしてくれたみたいに」
「わかったよ。……悪いな」
アティアスはそっとエミリスを抱き寄せて、ぽんぽんと背中を叩く。
「でもアティアス様の一番は譲りませんけどね。……いってらっしゃい」
◆
――コンコン。
エミリスを自室に残し、アティアスはウィルセアのいる部屋の扉をノックした。
「ウィルセア、俺だ。……入っていいか?」
外から声を掛けると、中から「……はい」とあまり元気のなさそうな返事が返ってきた。
「すまないな。……ちょっとウィルセアと話がしたくて」
部屋に入ると、ウィルセアは下半身だけ布団に入った状態で、ベッドのヘッドボード――頭の部分にある板――にもたれてアティアスの方に視線を向けていた。
「……私も、アティアス様と話がしたかった……です。まだ頭の整理がつかなくて……」
「そりゃ、ちょうど良かった。……横、行ってもいいか?」
「はい、もちろん」
ウィルセアは少しベッドの脇に寄って、アティアスのために場所を開けた。
そこにアティアスが入ると、ウィルセアはそっと彼に身体を預ける。
「……辛い結果になったな」
「はい……。私……セリーナさんの気持ち、全く知らなかった……。以前、ミニーブルにいた頃のこと思い返しても、そんな素振りもなかったから……」
「そんなもんさ。ウィルセアだけじゃない。……ほら、ヴィゴール殿だって、わかってたら違ってたろ?」
「確かにそうですね……。人の心って、全然わからないってことが、今日よくわかりました」
しみじみと呟くウィルセアは、「はぁ……」と大きくため息をついた。
「……だな。思ってても言えないことや、隠しておきたいことっていっぱいあると思うよ。……ウィルセアだって、そんなのひとつふたつあるんじゃないか?」
アティアス自身、思い返してもそういうことはあった。
だが、なんでも思ったことを口にするのは我儘なだけだ。
本音と建前も違う。
同じことを話すにしても、言い方ひとつで結果は変わる。
如何に人付き合いとは難しいものか。
「はい。……では、それをひとつ減らしておきましょうか。……私、アティアス様の力になるって言って押しかけましたけど、本当はただアティアス様の近くに置いて欲しいから、ってだけなんです。ずっと前から……す、好きで……自分が押さえられなくて……」
恥ずかしくてアティアスの顔を見ることができず、俯いたままウィルセアはそう打ち明けた。
「……ありがとう。ウィルセアの気持ちはわかってたけど、俺も目を背けていたよ」
「で、ですよね……」
さっき自分は「全然わからない」と言ったばかりだが、彼には筒抜けだったらしい。
それほど一挙一投足に出ていたのだろうか。
ただ、伝えたとはいえ、この想いは最初から叶わないことを知っている。
だから、ただ隠し事を減らしただけに過ぎない。
……ウィルセアはそう思っていた。
しかし――。
横からそっと彼の手が伸ばされ、ウィルセアはすとんとアティアスの胸に収まる。
「――ア、アティアス様……!? だ、ダメですわっ」
急に抱きしめられて、ウィルセアは頬を染めて戸惑う声を上げた。
「……いや、良いんだ。俺はエミーを悲しませることはしないって誓ったけど、今ここに来てるのはあいつの頼みでもあるからな。エミーも心配してたよ、ウィルセアのこと」
「え……。そう……なんですね。エミリスさんも……」
エミリスにまで心配をかけていることが申し訳なく思うとともに、ウィルセアは安堵してアティアスの背中に腕を回し、自分から強く抱きしめた。
「嬉しいです……」
彼の胸に顔を埋めて、ウィルセアは小さな声で呟いた。
「……落ち着くまで、今日はずっと一緒にいるよ。だから悲しい顔をしないでくれ」
「はい……。ありがとうございます……」
そしてウィルセアは目に涙を溜め、小さく頷いた。
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