117 / 253
第8章 王都への道のり
第112話 忠告
しおりを挟む
「皆さんが羨ましいです。……私だけひとりじゃないですか」
様子を見ていたウィルセアがぽつりと呟いた。
確かに、この場で相手がいないのはウィルセアだけだった。
そんな彼女の頭をヴィゴールがポンポンと叩いた。
「お前はまだ子供だろ。……そのうち良い男が見つかるさ」
父親らしく娘を諭す。しかし彼女は頬を膨らませて抗議した。
「そう言っても、アティアス様よりいい男はめったにいませんよっ!」
「そうかもしれないが、仕方ないだろう?」
普段の会話はこんな調子で軽いやりとりなのだろうかと思うと、仲が良さそうで微笑ましく見える。
「アティアスは若い娘に好かれるんだな」
ノードがアティアスの脇腹を肘で突きながら揶揄う。
好かれるのは悪い気がしないが、自分の隣には怒らせると城ごと破壊しかねない、災害級の番犬がいるため、迂闊な行動は絶対避けないといけない。
「……俺からは何も言わないでおくよ」
ちらっとエミリスの方を見てからアティアスが呟いた。
笑顔で彼に腕を絡める彼女の力が少し強くなったのを感じて、冷や汗が止まらなかった。
◆
「ナターシャさん、良かったですね」
「ああ、ヴィゴール殿に話を通しておいて良かったよ」
晩餐会のあと、2人で帰りながら話す。
あのあと、ナターシャとノードは2人で挨拶に回っていった。あの様子だとうまくいくだろう。
「でも、もっと食べたかったです……」
エミリスは相変わらず皆が驚くほどの食欲を発揮しそうになり、人前でそれはダメだとアティアスに嗜められる出来事があった。
「ああ言う場では我慢も大事だ。……代わりに帰ったら軽くお酒でも飲むか?」
「いいですねっ! このまえ、ブランデーってのを貰ったんですよ。飲んでみたいですー」
「先に忠告しておく。……それ飲んだら大変なことになるぞ?」
彼女はまだ蒸留酒を飲んだことがない。
きっと恐ろしいことが起こるに違いないと確信した。
◆
「……にゃ、にゃんでふかこれぇ……」
事前に、ちびちびと飲むものだと何度も言っておいたにも関わらず、途中からお酒が回り始めるとそれを忘れてどんどんペースアップしていったエミリスは、完全にできあがってしまっていた。
「だから言ったろ、大変なことになるって」
頭をゆらゆらさせる彼女に、アティアスは呆れたように言うが、全く聞こえていないようだ。
これ以上はどう考えてもまずいが、お酒を取り上げようとしても、彼女は魔力でガードしてしまう。
「うっふふふふ……。にゃんだかきもちいーですぅー」
残念なことに、お酒はまだまだ残っている。
早く潰れてくれた方がまだマシだと思いながら、頭を抱えていると、ブランデーの瓶を持ったままゆらゆらと彼女が近づいてきた。
「あてぃあふしゃまも、のみまひょうー」
もっと飲めということか。
彼女に飲ませるよりは自分が飲んでしまったほうが被害は少ないはず。
そう思ってグラスを差し出すが反応がない。
不思議に思って見ていると、彼女は瓶から直接ラッパ飲みの要領でお酒を口に含むと、そのまま顔を寄せてきた。
「ん――」
真っ赤になった彼女の顔が間近に迫る。
口移しで飲ませようとでもいうのだろうか。
流石にそれはどうかと仰け反ると、彼女は追いかけるように身体を被せてきた。
背中は椅子の背もたれがあって、それ以上仰け反れないところで、彼女の暖かい唇が重なった――
――バタン!
しかし、そのときバランスを崩してそのまま2人は椅子ごと床に倒れ込んでしまった。
「いったぁ!」
アティアスは頭を床にぶつけたが、彼女を抱き止めるような形で倒れ込んだため、彼女は大丈夫だろう。
ただ、持っていたブランデーの瓶は床に転がり、彼女が口に含んでいたお酒が、ヨダレのようにアティアスの胸に染み渡っていた。
――そして彼女の顔を見ると、すやすやと寝てしまっていた。
◆
「うぅうぅ……」
あれから1時間ほど経ったあと、突然目を覚ましたエミリスは、口を押さえて慌てて手洗いに駆け込んでいった。
寝ている間に汚れた服は着替えさせ、万が一寝ている間に吐いても大丈夫なように、身体を横にして寝かせていたのだ。
しばらくして手洗いから戻った彼女は憔悴しきった表情だった。
「うぅ……頭が割れそうですぅ……みず……みず……」
呟きながら厨房に入って行く。
――ガシャーン!
「あああーーっ!!」
水を汲もうとしたのだろうか、ガラスが割れる音と彼女の悲鳴が響く。
急いで様子を見にいくと、床に散乱するコップの破片とへたり込む彼女がいた。
「後片付けはしておくから。ほら水……」
「うう……すみません……」
とりあえず割れたコップはそのままに、水を飲み終えた彼女を抱えあげ、寝室に運ぶ。
そうしてベッドに寝かせる頃には、また彼女は寝てしまっていた。
◆
「おはよーございます!」
翌朝、けろっとした顔でエミリスは隣に寝ていた彼に挨拶する。
昨日の惨状など覚えていないかのようだ。……実際覚えていないのだろうが。
「エミー、おはよう。……身体は大丈夫か?」
彼女が心配でなかなか寝られなかったアティアスは、眠い目を擦りながら身体を起こす。
「ふぇ? 急にどうしたんですか? はい、なんともないですよ」
首を傾げた彼女は、ふと鼻をヒクヒクとさせる。
そして、何かに気付くとさーっと顔が青ざめていった。
「ああああ……も、もしかして…………?」
「どうやって気付いたのかはわからないけど、そのもしかして、だ」
彼女は彼の方に向かって、ベッドの上で正座する。
「えぇと、お酒の匂いと……あの……たぶん私が戻してしまったのかなと思われる匂いもうっすらと……。あと、記憶がありませんので……恐らく……」
「なかなかの推理力だ。……褒めてやろう」
「うぅ……。褒められて嬉しくないのは初めてです……」
彼女は頭を抱える。
匂いからして、貰ったブランデーを飲んだのだろう。
ここ最近は記憶を無くすほど酔ったりはしなかった。それほどそのお酒が強烈だったのだろうか。
「とりあえずキツい酒は飲むのやめとけ。事故しか起こさない。……あと、お風呂入って来たほうがいい」
「は、はい……。本当に申し訳ありません……」
エミリスは着替えを持つと、肩を落として風呂場に向かった。
様子を見ていたウィルセアがぽつりと呟いた。
確かに、この場で相手がいないのはウィルセアだけだった。
そんな彼女の頭をヴィゴールがポンポンと叩いた。
「お前はまだ子供だろ。……そのうち良い男が見つかるさ」
父親らしく娘を諭す。しかし彼女は頬を膨らませて抗議した。
「そう言っても、アティアス様よりいい男はめったにいませんよっ!」
「そうかもしれないが、仕方ないだろう?」
普段の会話はこんな調子で軽いやりとりなのだろうかと思うと、仲が良さそうで微笑ましく見える。
「アティアスは若い娘に好かれるんだな」
ノードがアティアスの脇腹を肘で突きながら揶揄う。
好かれるのは悪い気がしないが、自分の隣には怒らせると城ごと破壊しかねない、災害級の番犬がいるため、迂闊な行動は絶対避けないといけない。
「……俺からは何も言わないでおくよ」
ちらっとエミリスの方を見てからアティアスが呟いた。
笑顔で彼に腕を絡める彼女の力が少し強くなったのを感じて、冷や汗が止まらなかった。
◆
「ナターシャさん、良かったですね」
「ああ、ヴィゴール殿に話を通しておいて良かったよ」
晩餐会のあと、2人で帰りながら話す。
あのあと、ナターシャとノードは2人で挨拶に回っていった。あの様子だとうまくいくだろう。
「でも、もっと食べたかったです……」
エミリスは相変わらず皆が驚くほどの食欲を発揮しそうになり、人前でそれはダメだとアティアスに嗜められる出来事があった。
「ああ言う場では我慢も大事だ。……代わりに帰ったら軽くお酒でも飲むか?」
「いいですねっ! このまえ、ブランデーってのを貰ったんですよ。飲んでみたいですー」
「先に忠告しておく。……それ飲んだら大変なことになるぞ?」
彼女はまだ蒸留酒を飲んだことがない。
きっと恐ろしいことが起こるに違いないと確信した。
◆
「……にゃ、にゃんでふかこれぇ……」
事前に、ちびちびと飲むものだと何度も言っておいたにも関わらず、途中からお酒が回り始めるとそれを忘れてどんどんペースアップしていったエミリスは、完全にできあがってしまっていた。
「だから言ったろ、大変なことになるって」
頭をゆらゆらさせる彼女に、アティアスは呆れたように言うが、全く聞こえていないようだ。
これ以上はどう考えてもまずいが、お酒を取り上げようとしても、彼女は魔力でガードしてしまう。
「うっふふふふ……。にゃんだかきもちいーですぅー」
残念なことに、お酒はまだまだ残っている。
早く潰れてくれた方がまだマシだと思いながら、頭を抱えていると、ブランデーの瓶を持ったままゆらゆらと彼女が近づいてきた。
「あてぃあふしゃまも、のみまひょうー」
もっと飲めということか。
彼女に飲ませるよりは自分が飲んでしまったほうが被害は少ないはず。
そう思ってグラスを差し出すが反応がない。
不思議に思って見ていると、彼女は瓶から直接ラッパ飲みの要領でお酒を口に含むと、そのまま顔を寄せてきた。
「ん――」
真っ赤になった彼女の顔が間近に迫る。
口移しで飲ませようとでもいうのだろうか。
流石にそれはどうかと仰け反ると、彼女は追いかけるように身体を被せてきた。
背中は椅子の背もたれがあって、それ以上仰け反れないところで、彼女の暖かい唇が重なった――
――バタン!
しかし、そのときバランスを崩してそのまま2人は椅子ごと床に倒れ込んでしまった。
「いったぁ!」
アティアスは頭を床にぶつけたが、彼女を抱き止めるような形で倒れ込んだため、彼女は大丈夫だろう。
ただ、持っていたブランデーの瓶は床に転がり、彼女が口に含んでいたお酒が、ヨダレのようにアティアスの胸に染み渡っていた。
――そして彼女の顔を見ると、すやすやと寝てしまっていた。
◆
「うぅうぅ……」
あれから1時間ほど経ったあと、突然目を覚ましたエミリスは、口を押さえて慌てて手洗いに駆け込んでいった。
寝ている間に汚れた服は着替えさせ、万が一寝ている間に吐いても大丈夫なように、身体を横にして寝かせていたのだ。
しばらくして手洗いから戻った彼女は憔悴しきった表情だった。
「うぅ……頭が割れそうですぅ……みず……みず……」
呟きながら厨房に入って行く。
――ガシャーン!
「あああーーっ!!」
水を汲もうとしたのだろうか、ガラスが割れる音と彼女の悲鳴が響く。
急いで様子を見にいくと、床に散乱するコップの破片とへたり込む彼女がいた。
「後片付けはしておくから。ほら水……」
「うう……すみません……」
とりあえず割れたコップはそのままに、水を飲み終えた彼女を抱えあげ、寝室に運ぶ。
そうしてベッドに寝かせる頃には、また彼女は寝てしまっていた。
◆
「おはよーございます!」
翌朝、けろっとした顔でエミリスは隣に寝ていた彼に挨拶する。
昨日の惨状など覚えていないかのようだ。……実際覚えていないのだろうが。
「エミー、おはよう。……身体は大丈夫か?」
彼女が心配でなかなか寝られなかったアティアスは、眠い目を擦りながら身体を起こす。
「ふぇ? 急にどうしたんですか? はい、なんともないですよ」
首を傾げた彼女は、ふと鼻をヒクヒクとさせる。
そして、何かに気付くとさーっと顔が青ざめていった。
「ああああ……も、もしかして…………?」
「どうやって気付いたのかはわからないけど、そのもしかして、だ」
彼女は彼の方に向かって、ベッドの上で正座する。
「えぇと、お酒の匂いと……あの……たぶん私が戻してしまったのかなと思われる匂いもうっすらと……。あと、記憶がありませんので……恐らく……」
「なかなかの推理力だ。……褒めてやろう」
「うぅ……。褒められて嬉しくないのは初めてです……」
彼女は頭を抱える。
匂いからして、貰ったブランデーを飲んだのだろう。
ここ最近は記憶を無くすほど酔ったりはしなかった。それほどそのお酒が強烈だったのだろうか。
「とりあえずキツい酒は飲むのやめとけ。事故しか起こさない。……あと、お風呂入って来たほうがいい」
「は、はい……。本当に申し訳ありません……」
エミリスは着替えを持つと、肩を落として風呂場に向かった。
2
お気に入りに追加
1,334
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる